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『冷たい熱帯魚』 吹越満×でんでん 対談!

2012年3月5日 (月)

interview
吹越満×でんでん


園子温監督の『冷たい熱帯魚』がいよいよ8.2にBlu-ray&DVDでリリースされることを記念して、主演の吹越満さん、でんでんさんの「おじさま」対談が実現です!この記事からもお2人の息の合った「間」やかけ合いを堪能して頂けると思いますが、本作の現場での充実ぶりも伺えてうれしくなってしまいました。なかなかお会い出来ないベテラン俳優さんのセクシーさにすっかりくらくらしてしまいました。 INTERVIEW and TEXT and PHOTO: 長澤玲美

でんでん (しみじみと)俺も満ちゃんもお笑いが好きなんだよねえ。
吹越 僕らは演芸番組出身ですもんね、よく考えてみたら。


--- 8月2日に『冷たい熱帯魚』のBlu-rayとDVDがリリースされますが・・・。

吹越満(以下、吹越) Blu-rayでもね。

--- Blu-rayの方が画質がキレイです。

吹越 キレイな画質で肉を観るわけですね。

--- ええ(笑)。わたしは『冷たい熱帯魚』を劇場で3回拝見させて頂きました。

でんでん ああ!じゃあ、俺らの方がちょっと勝ってますね。って、なんのこっちゃだ(笑)。

--- 本作を撮影されてからずいぶん時間が経っていると思いますが、改めて、『冷たい熱帯魚』はいかがでしたか?

でんでん あのー、今でもちょっと練習すればセリフ出てくるよね?

吹越 思い出します?

でんでん うん。

吹越 本当に?(笑)。すごいですねえ。

でんでん まあ、一応ね、こう言ったらおもしろいかなって思って(笑)。ってまあね、本当に長セリフのところとかは舞台やってるくらいたくさん練習したからさあ。

吹越 練習しましたねえ。

でんでん 練習しないとあんなセリフは出てこないしさ。

吹越 頭からお尻までを全部ワンカットで何回戦かって感じでしたからね。で、撮影中はしょうがないですけど、『冷たい熱帯魚』が完成して、観て、ヴェネチアに行って、そこから(東京)フィルメックスで上映されて、日本でも公開してって流れの中で、1つの映画で普通ね、舞台挨拶って1館で1回じゃないですか?それを上映期間の最後の方にもやったりしたし、行かなくてもいーいのにわざわざやってね(笑)。

でんでん そうそう(笑)。1回横浜に行って、また戻って来て舞台挨拶して、とかね(笑)。

吹越 ね?(笑)。1本の映画に出演者で出ることはよくありますけど、こんなに何回も監督、プロデューサー、共演者と会う機会って、僕らくらいになるとあんまりないんですよね。僕らくらいになるとって言うと・・・僕らくらいのレベルだとね?(笑)、あんまりないっすよねえ。打ち上げにぎりぎり呼ばれるくらいな感じですから。

でんでん さっき「今日でさすがに最後だね」って言ってたら、まだ「8月にもしかしたら集まるかもしれない」って言われちゃったしなあ(笑)。

--- まだまだ続くかもしれないんですね(笑)。そのようにお2人にもお声がかかるのは園監督やプロデューサーさんの意向ですか?

吹越 宣伝部の大場さんがノリノリなんですよね(笑)。出席率高いですよ。

でんでん 大場さん、今日も顔出すって言ってたしね(笑)。本当にいろんなとこに顔出すよね、『冷たい熱帯魚』に関しては。まあ、よく泳ぐ魚だなあって(笑)。


冷たい熱帯魚


--- 本作の魅力がまずもちろんですが、スタッフの方のそれだけの熱意もあるからこそ、劇場であれだけの広まりがあったと思います。共演されて、お互いの印象はいかがですか?

でんでん 僕はね、満(まん)ちゃんのソロの舞台とかを前に拝見した時にね、楽屋で「おもしろい、おもしろい」って言ってたりしてたんだけど、実際にこうやって濃密に一緒にやるのは初めてで。だけど、打ち合わせなしでお芝居やっても、出方とか受け方とかすごく勉強になったよねえ。

吹越 そんなあ(笑)。

でんでん 満ちゃんはこの映画に関しては「自分は受けの芝居だ」なんて前にコメントしてたんだけど、実際ね、すごーくがっちり受け止めてくれるからね、俺なんかは非常に伸び伸びとやらせてもらったんじゃないかな。アクションもね、押すんだけど途中までしか押さないとか、そういう駆け引きみたいなのを非常に感じたよね。

吹越 いやいや。でもまあね、でんでんさんを見ててよく分かるのは、本当に悪役、悪人をやりたいっていうね?

でんでん うんうん。

吹越 それがすごくよく伝わってくるし、作品の中に出てくる村田(幸雄)っていうキャラクターもそうですけど、監督が「こういう悪役がいい」って言うこととぴったりで。で、ぴったりな上にでんでんさんのその熱意が重なるから・・・今、僕のことをおっしゃってくれましたけど、僕こそ本当にただ見ていればよかったんですよ。

--- 見ていれば。

吹越 見ていればよかった。そのくらいすごかったですよ。

でんでん いやいや。まあ、でも、(しみじみと)俺も満ちゃんもお笑いが好きなんだよねえ。

吹越 僕らは演芸番組出身ですもんね、よく考えてみたら。

でんでん うん。だから、何かした時に「おもしろいなあ」って思ったら狙っちゃいないんだけど、やっぱりどっかで少し狙ってるところがあるんだよね。それがじんわり出て来てるようなところがあったりね。そういう「間」はそれなりにおもしろいよね。満ちゃんは満ちゃんの「間」があって、俺は俺の「間」があって、そのせめぎ合いじゃないけど、2人のそういう感じがおもしろかったね。

--- 撮影現場ではそういった「間」のアドリブを加えていったというところもあったんですか?

でんでん アドリブとかはね、基本的にはもうテストの時に起こしたものはもうアドリブになんないわけね。だから、よくみんなアドリブの解釈の仕方が違うんだけど、アドリブってのは本番の舞台でどうしようもないアクシデントが起きた時に上手く出るセリフのことをアドリブって言うんであって、そういう意味ではアドリブなんてないんだよね。

吹越 ないですね。

でんでん だから、あとはもう「間」ね、「間」。「間」をちょっと溜めたりとかするのは自然とそのテンションで違ってくるから。でも、言葉のアドリブはほとんどないね。

吹越 監督が全部のシーンの撮影に入る前に「頭からお尻まで通してワンカットで撮る」って宣言したんですよ。だから、でんでんさんはずーっとしゃべり続けるシーンが多かったんですよね。で、ワンシーンワンカットだけど、ワンシーンワンカットのワンテイクで終わるわけじゃなくて、それを何回もやるんですね。3週間の撮影中、カメラが回ってる時のたぶん8割くらいが本番を考えてるから、リハーサルを何回もやってから本番に入るっていうやり方じゃなかったんですけど、僕がでんでんさんと一緒の撮影の中でセリフのNGって全然なかったですよね。

でんでん そうだね、ないよね!

吹越 ないんですよ!

--- あれだけのセリフを・・・すごいと思います。

吹越 すごいと思いますよね。もうとにかく最後までずっと行くので。で、セリフが違うとかっていうことが普通に全然ない。違っててもそのまま流れてるっていうのでいいわけで。でも、そうやって今考えるとすごいことですよねえ。

でんでん うん、すごいよ!

吹越 普通、途中で止まっちゃいますよ。

でんでん そうだよね。「あ!今ミスった・・・」と思って、相手がすーっと力が抜けるとかそういうのがとにかく全然ない。自分からそこで「参った!」ってしない。現場も逃げない。OKがかかるまでぐんぐんただただ走ってたみたいな感じでしたね。

吹越 それで全部OKでしたね。でも、そんなんだったから、そりゃあ、でんでんさんも喉潰しますわな。

でんでん 何でもないシーンで潰しちゃったんだよね(笑)。

吹越 「やらなくていい」って言ってるのにね(笑)。

でんでん そう(笑)。潰す前にね、吉田を殺す大変なシーンが無事に終わってほっとしててさ。ほっとして「何やってんだ!お前、馬鹿野郎!」って電話でしゃべってるところで怒りを表現しようと思ってやってたら、そこで喉を使っちゃった。次の日のことを考えればいいのにね(笑)。シラフでアルコールも入ってなかったし、潰れないと思ったら潰れちゃったからさ、次の日、水戸の赤十字に行って点滴受けて。で、その後の最初のシーンが「今日やることはー今日やるー!」っていうあのシーンね(笑)。まあ、あれは大変だったなあ。


冷たい熱帯魚


--- あそこまで声を張って演じられた村田ですが、あんなに極悪非道な役は初めてですよね?

でんでん そうだね。昔、『CURE』って映画で殺人者役をやったことあったんだけど、あれは催眠にかけられた人だから、自分の意思で殺してるわけじゃないんだよね。でも、今回のこういう極悪非道の悪人っていうの?悪の権化みたいな悪人は初めてだね。

--- やっぱり、演じていておもしろいですか?

でんでん おもしろいですねえ。だって、いたずらしたって本当に誰も文句言わないんだもん(笑)。この映画だから許されるんであって、こんなことを日常でやってたら本当に大変なんでね。おもしろいですよ、そりゃあ。

--- でんでんさんに対する悪役への評価がすごく高いですよね?

でんでん ああ!俺のおじさんが言ってた。「ああいう役は2本続けてやるもんじゃないな」って。

吹越 (笑)。

でんでん さすがにあんな悪役をやってるとね、自分の甥っ子が何となく映画と僕のイメージが一緒になっちゃうんだよねえ。

吹越 でもいいですよね、「2本続けてやるもんじゃない」って言われるくらいやったってことはね。

でんでん 今まで出た作品のセリフを全部合わせたよりもしゃべってるかも分かんないし。これからの役でもあんなにしゃべることは(強調して)まず2度とないと思うね!


冷たい熱帯魚


--- でんでんさん演じる強烈な村田がいる中で吹越さんが演じられた社本(信行)という人物がいると存在が薄く感じられるかもしれませんが、本作の吹越さんのお芝居は本当に素晴らしいですし、セクシーでした(笑)。

吹越 (にやっとしながら)そうですか?(笑)。

でんでん 「やっぱし?」みたいな(笑)。

--- 豹変する部分も含めてすごく難しいお芝居だったのではないかと思っているんですが、うっとりと魅了されました。

吹越 ありがとうございます(笑)。でも、さっきも言いましたけど、でんでんさんを見てることでああなったんですよ。で、これももう何回も言ってるんですけど、この作品に関して一番大変だったのは撮り順の問題ですね。

でんでん そうだね(笑)。

--- 缶ビールを飲んでふらふらで帰ってくるシーンが撮影初日だったんですよね?

吹越 そうですね。で、村田を殺した後にワイシャツになって家に戻って来て、(神楽坂恵さん演じる、社本)妙子と(梶原ひかりさん演じる、社本)美津子を殴るっていうあのシーンが2日目なんですよね。


神楽坂恵 1981年9月28日生まれ、岡山県出身。04年グラビアアイドルとしてデビューし、07年に自身の著書を通してアイドル活動を卒業。本格的に女優としての活動を始める。『遠くの空に消えた』(07/行定勲監督)、『プライド』(09/金子修介監督)、『童貞放浪記』(09/小沼雄一監督)、『13人の刺客』(10/三池崇史監督)、TVドラマ「嬢王3〜Special Edition〜」(10/TX)などに出演。11年1月にはシアターXにて高瀬一樹演出「セレブレーション」で初舞台。女優として活躍の場を広げている。

梶原ひかり 1992年12月21日生まれ、東京都出身。子役としてデビューし、TVドラマ「転がしお銀」(03/NHK)、「女王の教室」(05/NTV)、「演歌の女王」(07/NTV)、「セクシーボイスアンドロボ」(07/NTV)、「学校じゃ教えられない!」(08/NTV)、映画『仮面ライダー剣 MISSING ACE』(04/石田秀範監督)などに出演。また、熊坂出監督『パークアンドラブホテル』(07)での演技で注目を集めた。

--- それはまた・・・キツイですね(笑)。

吹越 キツイでしょ?(笑)。(強調して)非常に難しかったですよねえ。で、キツイから何が何だか分かんないんですけど、順番通りにやってたにしても絶対に想像力を働かせてやらないといけないじゃないですか?で、さらに「何を見たの?」っていうのが分からない限られた状況の中でやった芝居自体がこの『冷たい熱帯魚』としてちゃんとつながってるんで、本当によかったなあって安心しましたけどね。撮り直しっていうことも場合によってはなくはなかったのかもしれない中でやってて、監督もそれを観て、「大丈夫」ってことだったんで。だからもう本当にいろんなことを考えましたよね。やり過ぎちゃマズイだろうし、やらないのもマズイだろうしっていう。

でんでん そういう意味では俺もね、最初に撮ったのが強姦した後のさ、真っ赤なフェラーリでばーんって乗り付けて、「ウチに来ませんか?」って言うシーンだったんだよね。

吹越 本性を見せ始めた後ですからね。

でんでん そうそう。で、「顔もちょっと上気させてなきゃいけない」とか言われてさあ(笑)。そんなの訳分かんないじゃない?(笑)。でもさ、そういうのを全部計算して撮ってる監督の演出ってすごいよねえ。

吹越 そうですよねえ。僕らは何回考えてもたぶん無理ですよね。監督が全部考えたものに付いてったってことだと思うんですけど。

--- 観ている側は撮影の順番などを全く知らずに映画の流れに沿って観ているわけですから、そういったご苦労を伺うと改めて観返したくなりますね。

でんでん まあ、順撮りにしてね、時間があればもっといいものが撮れたとかそういうことじゃなくて、ああいう条件だからこういう何か切羽詰った感とか違う臨場感が出たりなんかしてると思うんだけどね。でも、まあもう少し楽なスケジュールがいいかも分かんない時もあったけどね(笑)。

吹越 どっちがいいかっていうのは言えないですよね。でも、(黒沢あすかさん演じる村田)愛子を浴室から廊下まで引きずるあのシーンの後、外であのクライマックスがあるじゃないですか?あの外のシーンも先に撮ったんですよね。


黒沢あすか 1971年12月22日生まれ、神奈川県出身。子役からスタートし、テレビドラマを始め、数々の映画作品に出演。特に塚本晋也監督『六月の蛇』(03)でオポルト国際映画祭最優秀主演女優賞を獲得し、国内外で高い評価を得た。他、『愛について、東京』(93/柳町光男監督)、『現代任侠伝』(97/降旗康男監督)、『サンクチュアリ』(06/瀬々敬久監督)、『嫌われ松子の一生』(06/中島哲也監督)、『女の子ものがたり』(09/森岡利行監督)など。

--- あのシーンも・・・。

吹越 ええ。で、愛子を刺す時に「ワイシャツは血で汚れるよね」って話になって、愛子とのすったもんだを撮る前に後のシーンを撮らなきゃいけないから、「どう汚れるのか」っていうのを監督と現場で「それ、決めとかなきゃマズイですよ」ってなって、「うーん、うーん」って言いながら、ああじゃないか、こうじゃないかって、監督が白いワイシャツを血糊で汚していくんですけど(笑)、監督が最後に「うーん、もういいや!全部血で汚しちゃえ!」って血だらけになって(笑)。

でんでん だから、あんなに血でぬるぬるなんだ(笑)。

吹越 そうなんですよ(笑)。だから、あの中のシーンは血だらけになるシチュエーションに持っていけばいいっていうことになって。

でんでん 逆にそれでよかったよね?

吹越 そうですね。順番が逆だったから、血糊の量を増やしたりっていうことがあったので。だから、それはそれでそういうこともあると。最初にあの中のシーンを撮ってたら意外に大人しいシーンだったかもしれないんですよ。

でんでん あんなにのた打ち回らないであっさりだったかもしれないね。あれ、真っ赤でピンク色っぽいよねえ。で、あれさ、ぽつーんと真ん中に血があったからさ、俺ね、マサイ族を思い出したよ(笑)。

吹越 え?(笑)。

--- マサイ族ですか?(笑)。

でんでん 「ああ、マサイ族だ!」って思って。何でマサイ族かって言うとね、たまたまケニア行ったことあるからさあ(笑)。

吹越 そうですか(笑)。

でんでん うん(笑)。別に自慢してるわけじゃないよ?画面の真ん中でぐったりしてる時にああいう感じで血がぽつーんとあるとマサイ族を思い出しちゃった。目立つんだよねえ・・・で、あれは結構いい赤だったよねえ。

--- まさかのマサイ族でした(笑)。園さんは血糊に対するこだわりが尋常ではないんですよね?

吹越 そう!ものすっごくこだわりますよ。


冷たい熱帯魚


--- 順撮りじゃなかったからこそ、血糊が活きたあのシーンが生まれたんですもんね。では、今作の役作りでそれぞれに特に意識されたものはありますか?

吹越 僕は普段は何をやるんでもそんなに考えないんですけど、この映画に関してはどうしてもメガネをかけたかったので、「これをかけたい」っていうメガネを衣装合わせの時に持参していって、最後の最後に「監督、メガネかけたいんですけど・・・」って話したら、「じゃあ、それでいこう」ってことになって。あの川でね、ぽーんってメガネを外された後、そういう何かの記号になってつながっていったのがよかったなあと。

でんでん メガネを取って川にぽんっと捨てるでしょ?あれは現場で決めたんだっけ?

吹越 現場ですね。「あそこでメガネがなくなるっていうことでどうですか?」っていう話は最初からしてたんですよ。

でんでん ああ!台本じゃなくてね?俺はね、何だかいつもテンパってるから、とにかくメガネ取って川に投げるっていうことは聞いてたんだけど、どこに投げても映ってないからどこでもいいと思ってたんだけどねえ(笑)。

吹越 あれで何かが変わるっていう。最終的にはメガネが『冷たい熱帯魚』のビジュアルにつながりましたからね。

でんでん 俺はとにかくあのテンションで澱みなくしゃべるっていうことね。立て板に水とかじゃなくて、上手くしゃべるとかでもなくて、相手にしゃべらせないくらいの「間」を詰めてどんどんしゃべっていくのがああいう人達のやり方っていうのがだいたいあってね。

吹越 人を騙すやり方ね。考える隙を与えない。

でんでん で、質問させない。質問されちゃうと答えがめちゃくちゃだから、あの人達(笑)。だから、そういう雰囲気が出ればいいなっつう。とにかくしゃべってるっていう、そういうことを考えてやってましたね。

--- お互いのセリフでもいいんですが、好きなセリフってありましたか?

吹越 僕はね、「社本くん、ちょっと痛い」(笑)。

--- あのセリフ、よかったですよねえ(笑)。

でんでん 俺はねえ、これは前も言ったんだけど、「人生ってのはね、痛いんだよ」っつうのがすごく、「お!これに持ってきたか。なるほどなあ」って思ったね(笑)。「社本くん、ちょっと痛い」はね、何かしゃべらないとっつう感じで出てきたんだよねえ。

吹越 でもあそこ、ヴェネチアで字幕は英語とイタリア語でしたけど、向こうでもウケてましたよね。

でんでん ああ、そう?ヴェネチアで一番ウケたのは、犯すところと殴ったところだったよね。

吹越 美津子を殴ったところね(笑)。

でんでん 殴ったところ、ウケたよね。チンピラ殴ったとこもウケてたよ(笑)。

吹越 急に強くなってるっていうね(笑)。あそこはでも、ドキドキしたあー。殴るに至るまでの撮影もそうですけど、「お客さん、どういう反応するかなあ」って、ものすっごいドキドキしましたねえ。でも、上手くいってよかったですよ。

でんでん 犯すところはキテたよねえ。「あ、これはやっぱり文化の違いなのかなあ」なんて思って。あれ、最初の犯すところで笑ってお客さんもほっとしてて、次に娘をごーんって殴ったから、またどーんって笑いが起きたよね。若い女の人の笑い声があったのがびっくりしたけどな。日本人はそういうのはちょっと出さないじゃない?おかしくてもさ、笑うと「どういう女なのかな」って(笑)。

吹越 (笑)。

--- 本作でヴェネチアに参加されたのもすごく大きいことですよね。

吹越 本当にそうですね。ただ連れてってもらっただけみたいなところありますけど、僕らはラッキーですよね。

でんでん 俺は本当にうれしかったけど、でもあの絨毯さ・・・(笑)。

吹越 絨毯ね(笑)。

でんでん 建築現場に敷いてあるような奴でね、ただ色が赤だっつうだけだったよ(笑)。「レッドカーペット、どこかなあ?」って思ったんだけど、「ここですよ」って言われてね。

吹越 僕らがそこを通る前にお客さんがその上を普通に歩いてましたからね(笑)。

でんでん で、場所によってはあれさあ、捲れてんだもん(笑)。それを足で直したりしてね。で、満ちゃん、あの本買ったじゃん?

吹越 買った!オフィシャルブックみたいな奴ね。

でんでん あれさ、ビニールできれーいに包装してあるでしょ?俺、そのままの状態でまだ持ってるよ。

吹越 僕は開けちゃいましたよ。

でんでん 満ちゃんがさあ、「僕は買いましたよ。せっかく来たんだから買わなきゃダメでしょう」って言うから、買わなきゃいけないと思って俺も買ったのよ、重いのに。だけど俺、死ぬまで絶対に開けないと思うよ。だってさ、読めないんだから(笑)。

吹越 結構分厚い公式本なんですけど、僕らに関係してるのは2ページくらいしかないんですよね。

でんでん でも、買ってった方が記念になるからいいかなあとも思ったんだけど、何で見ないの買っちゃったのかなあって、本当に。人のせいにするなってね(笑)。


冷たい熱帯魚


--- そろそろお時間のようなので・・・これから本作を観られる方に最後に一言ずつ頂けますでしょうか?セリフでも構いません!(笑)。

でんでん じゃあ、村田で!「おもしろいぞ!そういうことだ!よろしくな!」(笑)。

--- ありがとうございます(笑)。では、吹越さん、お願いします。

吹越 僕の知り合いで公開中に「怖くて映画館で観れなかった」っていう女性がいたので、Blu-rayとDVDは慣れるまで何度も止めたり再生したり、怖いところを早送りしたりして、ちょっとずつ訓練して、頭から最後まで観れるようになるまで何回も観れると思うので、ぜひ活用して下さいってことで。

--- セル版には「猛毒コメンタリー」と題されてお2人と園監督、高橋ヨシキさんの4人のコメンタリーも入っているそうなので、劇場で観られた方もさらに楽しめる内容になっていると思うのですが。

でんでん そうそう。最初、コメンタリー録りを30分くらいやってたんだけど、「この盛り上がり方じゃダメだ!ビール買って来い!」とかってなってね(笑)。

吹越 で、ビール飲んでね。でもあれ、「ピー」がいっぱい入ってるらしいですよ(笑)。

でんでん 初めての経験だから不慣れでさあ。何をしゃべっていいか全然分かんなくてね。で、思ったんだけどさ、野球中継の裏でさ、解説者とゲストがしゃべったりするじゃない?

吹越 副音声でね。

でんでん そうそう。で、あれを時々かけて聞いたりしてるんだけど、無口の人が出てたりもするんだよねえ。

吹越 ああ、そうですか。

でんでん で、無口だとさ、何にもおもしろくないわけ、音声だけなわけだからさ。

吹越 そりゃあ・・・そうですね(笑)。

でんでん だからね、つまんなくてもいいからとにかくしゃべってないといけないんだなあっていうことは思ってたんだけど、あんまりしゃべっちゃうとバカ丸出しだからなあ(笑)って思いながら。

吹越 監督が途中で眠くなってきちゃったみたいで・・・っていうのも入ってます(笑)。

--- そういった情景を思い浮かべながらにやにやして聞いてみますね(笑)。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

吹越&でんでん ありがとうございました。


『冷たい熱帯魚』 予告編!

(おわり)




インタビュー記念!吹越満さん、でんでんさんの直筆サイン入りプレスシートを3名様にプレゼント!


ご希望の賞品を選択後、「コメント欄」には本インタビューの感想、気になる公開予定作品等を全角でご記入下さい(いくつでも可)。続いて、必要項目をオンラインにて登録し、ご応募下さい。

※応募締切 2011年8月14日(日)

※1. 応募には会員登録が必要になります。
(新規会員登録は⇒コチラ
※2. 会員登録のお済みの方は、詳細と応募フォームへ

※応募の受付は、終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

※当選は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。


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特典対象期間:2010年8月9日までにご購入の方
(応募期間は2011年8月16日まで)

※応募の受付は、終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございました。


【応募方法】 対象商品ご購入後、商品出荷時にメールにて応募フォームのURLをお知らせ致します。当選は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。

※商品出荷のタイミングによっては応募対象期間を過ぎる場合がございますことをご了承下さい。
※HMV本サイト及びHMVモバイルサイト以外からのご購入、非会員でのご購入は特典対象外となります。
※HMV店舗は対象外となりますのでご注意下さい。

※デザインは一部変更の可能性あり。


観る者を震撼させる、2011年最初にしてNo.1の問題作『冷たい熱帯魚』が特典大充実でリリース!


『冷たい熱帯魚:Blu-ray』

【初回生産特典】 ●豪華アウターケース
●『冷たい熱帯魚』スピン・オフ・グラフィック・ノベル
原作:高橋ヨシキ 画:ヒロモト森一


【特典映像】(約108分)
●『冷たい熱帯魚』の熱き現場 〜メイキング映像&インタビュー〜
●予告篇集【劇場予告/海外版予告/キャラ別予告/幻の超過激予告】
●公開までの軌跡〜ヴェネチア映画祭〜東京フィルメックス〜初日舞台挨拶
●三池崇史監督 presents 園子温監督&吹越満 『冷たい熱帯魚』トークショー
●園子温独白 クランクアップ前の記録
●『冷たい熱帯魚』のその先へ。園子温 新作『恋の罪』特別映像
●キャスト&スタッフ プロフィール(静止画)

【音声特典】
●猛毒コメンタリー(園子温×吹越満×でんでん×高橋ヨシキ)


『冷たい熱帯魚:DVD』

2枚組 【本編ディスク(2層)1枚&特典ディスク(1層)1枚】

【初回生産特典】 ●豪華アウターケース
●『冷たい熱帯魚』スピン・オフ・グラフィック・ノベル
原作:高橋ヨシキ 画:ヒロモト森一


【特典映像】(約108分)
●『冷たい熱帯魚』の熱き現場 〜メイキング映像&インタビュー〜
●予告篇集【劇場予告/海外版予告/キャラ別予告/幻の超過激予告】
●公開までの軌跡〜ヴェネチア映画祭〜東京フィルメックス〜初日舞台挨拶
●三池崇史監督 presents 園子温監督&吹越満 『冷たい熱帯魚』トークショー
●園子温独白 クランクアップ前の記録
●『冷たい熱帯魚』のその先へ。園子温 新作『恋の罪』特別映像
●キャスト&スタッフ プロフィール(静止画)

【音声特典】
●猛毒コメンタリー(園子温×吹越満×でんでん×高橋ヨシキ)

※内容はすべて予定です。商品仕様・特典等は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。


監督・脚本:園子温(『自殺サークル』『愛のむきだし』『ちゃんと伝える』)

吹越満でんでん黒沢あすか神楽坂恵梶原ひかり渡辺哲

© NIKKATSU

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profile

吹越満 (ふきこしみつる)

※吹越満 1965年2月17日生まれ、青森県出身。84年劇団ワハハ本舗に参加。99年、退団。90年の『つぐみ』(市川準監督)を始め、主な出演作には『SF サムライ・フィクション』(98/中野裕之監督)、『たそがれ清兵衛』(02/山田洋二監督)、『LIMIT OF LOVE 海猿』(06/羽住英一郎監督)、『BALLAD 名もなき恋のうた』(09/山崎貴監督)など。園組へは09年『愛のむきだし』、『ちゃんと伝える』に参加。また、「殴る女」(99/CX)、「どんど晴れ」(07/NHK)、「警視庁捜査一課9係」シリーズ(ANB)、「同窓会 ラブ・アゲイン症候群」(10/ANB)など、TVドラマでも活躍。また、89年から続けている「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」では実験的な演芸に挑み続けるソロパフォーマーでもある。


でんでん (でんでん)

1950年1月23日生まれ、福岡県出身。81年、森田芳光監督『の・ようなもの』で映画デビュー。その後、独特な存在感と味わい深い演技で映画、TVドラマ、舞台、CMなど、幅広く活躍。主な映画出演作は、『雪に願うこと』(06/根岸吉太郎監督)、『クライマーズ・ハイ』(08/原田眞人監督)、『母べえ』(08/山田洋二監督)など。特に10年は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(三浦大輔監督)、『ゴールデンスランバー』(中村義洋監督)、『座頭市 THE LAST』(阪本順治監督)、『孤高のメス』(成島出監督)、『悪人』(李相日監督)など、出演作が多数公開されている。園組へは『ちゃんと伝える』(09)に参加し、2作目の本作で自身初の本格的な悪役を演じた。