AMORPHIS インタビュー!!
2011年6月3日 (金)
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最新作『The Begining Of Times』が大ヒット中の AMORPHIS/エサ・ホロパイネン(G)のインタビューを特別掲載!(1/2)!
- --- 今作はAMORPHISのキャリアの中で最高傑作だと思います。ご自身の手応えはいかがですか?
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とても満足のいく作品になったから、これからがエキサイティングな時期に入るんだ。完成してホッとしているし、人のリアクションを見るのが楽しみだよ。難易度の高い作品だった割には、時間的に早く仕上がったと思う。プリプロダクション、リハーサルやデモのレコーディングに時間を費やしてからスタジオに入ったので、準備は万全だった。とても楽しかったよ。
- --- 「SILENT WATERS」ではレンミンカイネンを、「SKYFORGER」ではイルマリネンを主役に立てて作品を作ってきましたが、今作「THE BEGINNING OF TIMES」の主役にワイナモイネンを選んだ理由は?
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歌詞の内容は自分たちが選んだ訳ではなく、歌詞をすべて手がけている芸術家のペッカ・カイヌライネンが自ら作り出したものなんだ。俺たちが曲作りをしている時に彼に歌詞のコンセプトについて話し合いをしたところ、すでにワイナモイネンについていくつかの歌詞が出来上がっていて、コンセプトにするにはとてもいい内容だと確信していた。そこからこのアルバムが始まったんだけど、ペッカの素晴らしい歌詞が俺たちの音楽をさらに引き立てるという、いい関係がまた築けたと思う。
- --- ワイナモイネンは、『カレワラ』における最重要人物です。そんな彼を主人公にしたということは、『カレワラ』を基にアルバムを作るのは今作が最後になったりするのでしょうか?(もしくは、レンミンカイネンやワイナモイネンといった特定の人物像を作品の主役にするのが最後なのでしょうか?)
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『カレワラ』は尽きることのない物語だから、いつまでもこの物語からインスピレーションを受けて曲が作れると思う。そこに登場する主人公やキャラクターをコンセプトにしてアルバムを作ってきたけど、『カレワラ』には神話以外に哲学や様々な教えがあるので、話題として尽きない。今の段階でこの先のことはわからないけど、多分、これ以上、もしくは当面は特定の主人公や人物像と使わないと思う。『カレワラ』はAMORPHISに影響を与え、深い意味があるのでずっと続くはずだよ。まあ、まだ何も決まってないけど。
- --- 収録曲を1曲ずつ、基となった『カレワラ』の場面も絡めて解説お願いします。ボーナス・トラックも含めて。
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“Battle For Light”は最もフォークの影響が強い曲で、他の楽曲と違う雰囲気がある。この曲をオープニング・トラックにしようと思ったのはマスタリング作業の最後の最後だった。曲の構成を考えている時は歌詞の内容は考えてなかったので、オープニングに持ってきたのは今作のストーリーの始まりだからではなく、音楽的にすごく“動き”があったからなんだ。曲順は全く物語を反映してない。13曲という長いアルバムなので、今回は特にこの曲順を決めるのが難しかった。このアルバムを聴いている時、映画を見ているような気持ちになってほしかったんだ。クライマックスもあれば、静かなシーンもあるような。1曲ずつではなく、1枚丸ごと聴いてもらいたいと思っている。
(註:カレワラ第47〜49章引用 – 月と太陽の幽閉と解放)
“Mermaid”の歌詞は、ワイナモイネンの勘違いで逢うべき人と逢えなかったという悲しい思いを歌っているんだけど、音楽の方に関しては、リハーサルをした時はポップなフィーリングが強い曲だと思った。ギターに合わせてキーボードを組み込んだけど、キャッチーでいながら、AMORPHISらしい音に仕上がった。シングル・トラックの候補曲だったんだ。
(註:カレワラ第5章引用 – 婚約者アイノの化身である魚との遭遇)
正直に言うと、歌詞の内容に関してはあまり詳しくないんだ。歌詞はまだ見てもいない(笑) 俺は音楽を作った時のことを、曲の内容についてしか話せないんだ。“My Enemy”はこのアルバムの中でヘヴィなトラックでアグレッシヴだから、大好きな曲だよ。
(註:カレワラ第3章引用 – ヨウカハイネンとの魔法くらべ)
“You I Need”は最終的にシングル・トラックになった楽曲なんだけど、ワイナモイネンって常に何かを探し求め、常にパートナーを求めている人物なので、いつも何か「欠けている」と思っていた。この曲は何かに満たされたいという思いが伝わる曲なんだ。結果としてはキャッチーな曲になったんだけど、この曲を聴いただけではアルバム全体がわかるとは思えないんだ。ラジオ向けの曲だよ。
(註:ワイナモイネンの人間性を唄っており、具体的に引用された章はないようです)
曲ごとにワーキング・タイトルがあるんだけど、“Song Of The Sage”に関しては本当に複雑なトラックなので“Bohemian Rhapsody”って呼んでいた(笑)。リハーサルの時も難しくて、ヴォーカルがどうなるかも頭を悩ませた曲だった。マルコ・ヒエタラのスタジオに行った時、トミ・ヨーツセンはヴォーカル・ラインをまだ考えてなかった。トミが一人でマルコのスタジオに行って作業をしていたので、残った俺たちはどうなるんだろうってずっと考えていたけど、いい感じのヴォーカルが出来た。様々なパートがあり、ヴォーカルも変化の多い。このアルバムの最も壮大な曲になっている。
(註:カレワラ第40〜41章引用 – 大カマスとの格闘とカンテレ作り)
“Three Words”の意味はわからないけど、音楽に関しては斬新なアイディアを取り入れた曲なんだ。この曲にはコントラストのあるパートがあって、とても繊細な部分もあれば、アグレッシヴな部分もある。異なった雰囲気があるからとてもいい構成になっている。最初の方に出来た曲だよ。
(註:カレワラ第8〜9章引用 – ポホヨラの乙女のための船造りと膝の負傷。そして、止血のための魔法となる創造主(つくりぬし)の三つの言葉)
“Reformation”の歌詞に関しては、『カレワラ』よりはペッカ自身の思いがインスピレーションになった曲なんだ。ワイナモイネンの物語とは別に、彼が『カレワラ』の対する個人的な考えを書いている。非常にドラマティックな曲だから大好きな曲なんだ。ヴォーカルもすごくいい。AMORPHISの感情的な要素が詰まっている。
(註:上記のとおり引用箇所は特別ございません)
“Soothsayer”はミッド・セクションにロシアのフォーク・ミュージックの影響があって、今までと違うタイプの音楽だからこのアルバムに入れるべきか少し悩んだ楽曲なんだ。でも入れて大正解だったし、女性ヴォーカルがすごく合っている。彼女はNetta Dahlberg(ネッタ・ダルベルグ)という人で、彼女のことは誰も知らなかったんだけど、ミキシングをしている時にスタジオ・マネージャーが「自分の彼女がシンガーだ」ってことを話してくれた。俺たちは彼女の名前も声を聞いたことがないから、「そうかい、シンガーなのかい」みたいなあしらい方をしてしまったんだけど実際に声を聴いたらすごくよかったんだ。この“Soothsayer”と“Beginning Of Time”と“You I Need”でも歌っている。
(註:“Soothsayer(預言者)”のタイトルとおり、ワイナモイネンのことを唄っており、具体的に引用された章はないようです)
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- Beginning Of Times
AMORPHIS - 最新作・国内盤
ボーナストラック収録
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- Magic And Mayhem - Tales From The Early Years
AMORPHIS - 2010年新録音ベスト・国内盤
ボーナストラック収録
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- Skyforger
AMORPHIS - 2009年作品・国内盤
ボーナストラック収録

形を持たないことを意味する「amorphous」からエサ・ホロパイネン(g)がバンド名をAMORPHISと決め、ヤン・レックベルガー(ds)と共に地元フィンランドはヘルシンキでバンドを結成したのが90年秋のこと。ギタリスト兼ヴォーカリストとしてトミ・コイヴサーリと、ベーシストのオーリ=ペッカ・ライネを迎え入れ、フィンランドのデス・メタル・シーンでのデビューへ向けて本格的に始動。91年、バンド初のデモにアメリカのRelapse Recordsが興味を示し、93年に1stフル・アルバム「THE KARELIAN ISTHMUS」を発表。そして94年、メロディック・デス・メタル史上に残る傑作「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」を生み出す。この作品は、フィンランドの叙事詩であるカレワラに基づいて制作されたコンセプト・アルバムであった。96年に3rd「ELEGY」をリリース。プログレッシヴ・ロックの要素をも融合させた「ELEGY」は、ギター・リフをメインにしたサウンドから、歌、そしてメロディを主体とした音作りへと変貌を遂げた。そして4thアルバム「TUONELA」(99年)、5thアルバム「AM UNIVERSUM」(01年)、6thアルバム「FAR FROM THE SUN」(03年)を発表するも、9年間AMORPHISの顔として努めてきたパシが脱退、そしてバンドは元SINISTHRAのトミ・ヨーツセンを迎え入れる。ヨーツセンは新たなエネルギーとフレッシュな見解だけでなく、全盛期と呼ばれていた「TALES〜」や「ELEGY」時代のスタイルへとバンドを導いた。回帰に成功したAMORPHISはカレワラをもとに7thアルバム「ECLIPSE」(06年)を制作。初期AMORPHISサウンドを踏襲しつつ、非常にヴァラエティに富んだ作品に仕上がり、シングルの“House Of Sleep”は、母国ナショナル・シングル・チャートで堂々初登場1位を獲得。07年に入ると、彼らのスタイルを崩すことなくまたもカレワラをインスピレーションの源流に創られた8th「SILENT WATERS」を発表。09年5月に通算9作目となるカレワラをテーマにした「SKYFORGER」をリリース。2010年、結成20周年を迎えたバンドは、「MAGIC & MAYHEM - TALES FROM THE EARLY YEARS」なる、初期の名曲をリレコーディングしたアルバムを発表。そして2011年、通算10作目となるオリジナル・スタジオ・アルバム「THE BEGINNING OF TIMES」をリリース。
Members:
■ Tomi Koivusaari (G)
■ Santeri Kallio (Key)
■ Tomi Joutsen (Vo)
■ Niclas Etelavuori (Ba)
■ Esa Holopainen (G)
■ Jan Rechberger (Ds)
- 関連サイト(外部サイト)

