【インタビュー】GRAPEVINE

ROCK NEXT STANDARD

2011年1月5日 (水)

interview

grapevine

1年半ぶりのニューアルバム『真昼のストレンジランド』をリリースするGRAPEVINE。よりポップによりグルーヴィーに、そして新展開もみせるGRAPEVINEの最新の音。その制作の裏側を田中和将氏に聞いてきました!

--- 前作より1年半ぶりのアルバムになりますが、アルバムの構想、制作にはいつごろからとりかかったのですか?

田中和将:前作『TWANGS』を発表直後にすぐに曲作りに取りかかりました。全国ツアー、長田さんとの『MALPASO』を間に挟みながら、断続的にリハーサルを続け、夏前に一気呵成に完成させました。いつも通り何も決めずにスタジオに入ったのですが、曲が出揃うにつれてアルバムの全体像が見えてきた感じです。

--- 6月に長田進のアルバムに参加されていますが、いつもとは逆の立場での作品製作、この経験がGRAPEVINEに何か変化、影響をもたらしたことはありますか?

田中和将:数えきれないくらいです。レコーディングからライブまで、いろいろなことが良く見えるようになりました。

--- 今ままでのGRAPEVINEのアルバムのタイトルをみると、アルバムタイトルが収録楽曲のタイトルと少しかかってるといったものがよくあります。『From a smalltown』であったら「smalltown,superhero」。『deracine』であったら「放浪フリーク」(?)。今回の『真昼のストレンジランド』は「真昼の子供たち」。と、勝手に深読みをして楽しんでるのですが、こういうのは意図的にやってるのでしょうか?また今回のタイトルにこめた意味をすこし教えてください。

田中和将:その通りです。違うところからイメージを持ってきても、なかなか上手くはまらないし、後で説明するのに困る。「ストレンジランド」は「見知らぬ土地」というニュアンスです。

--- 「This town」のようにルーツロックを感じさせるもの、そして「Sanctuary」ではradioheadを彷彿とさせるへヴィなサウンドと、言葉遊びのような詩。そうかと思えば「真昼の子供たち」のように清清しいまでのポップな楽曲。他にも様々な要素を持つ楽曲がありながら、この流れ、曲順で聴くとスッとパーツがぴったりとはまってるという感じを受けました。曲順というのは悩んだりしますか?

田中和将:曲想の幅が広いので今回は悩みました。一度決まった曲順を破棄して、試行錯誤の上、この曲順に落ち着きました。

--- セッションから作り出す曲と、おのおのが持ち込む曲、どちらのほうが完成までに時間が掛かりますか?また完成までに一番苦労した曲、一番すんなりと完成した曲をそれぞれ教えてください。

田中和将:曲によりけりなんですが、セッションしながら(実際に音を出しながら)作っていく方が、当然ながら曲の解釈を共有しやすいです。苦労したのは「Dry November」。すんなり完成したのは「夏の逆襲」。

--- 明るいポップなイメージと同時に、バンドとしての力強さ、JAMバンドにも通ずるような強烈な演奏が印象的で、早くライブで観たいと思いました。楽曲制作の時点でライブでの演奏というのは想像していたりしますか?

田中和将:アルバムを作っているときはライブのことは考えません。だからロックバンド的ではないアレンジもどんどん取り入れます。「夏の逆襲」は、野外フェスで長田さんとジャムることを想定して作った曲ですが、それでもレコーディング・バージョンとしての完成度を求めます。

--- このアルバムを引っさげて、来年3月からツアーも予定されています。どんなツアーにしたいですか?

田中和将:自分たちでもアルバムの全体像を上手く掴めていないので、ツアーがどうなるか想像がつきません。ツアーをしていくことで、手がかりが掴めればと思います。

--- それでは最後にHMV ONLINEをごらんの皆さんに一言お願いします。

田中和将:できれば、アルバム1枚、曲順通り聴いてみてください。

--- ご協力ありがとうございました!
近日“無人島〜俺の10枚〜”GRAPEVINE編も公開!お楽しみに!!。
 

 

 

 

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  •  真昼のストレンジランド / GRAPEVINE
    2011年01月19日発売

    前作より1年半ぶりとなるアルバム。ポップな楽曲、ルーツロック/ジャムの側面。そしてポストロック/エレクトロニカ的な側面と様々な表情をもつ楽曲を、一枚にまとめ上げた。鉄壁のグルーヴは凄みすら感じさせる。


【GRAPEVINE profile】
1993年から大阪で活動を開始する。
結成メンバーは田中和将(Vo/Gt) 西川弘剛(Gt) 西原誠(Ba) 亀井亨(Dr) 。
Marvin Gayeの「I heard it through the grapevine」からバンド名を名づける。
セルフ・リリースのカセット・テープが話題となり、1997年にポニー・キャニオンと契約。
1997年9月、ミニ・アルバム『覚醒』でデビュー。
2002年に西原誠が脱退し、金戸覚(Ba)、高野勲(Key)がメンバーに加わる。
現在までに10枚のフル・アルバムをリリース。
近年は長田進氏をプロデューサーにむかえて、アルバムを制作している。
また大規模な全国ツアーを毎年行なっていて、ライブDVD、ライブアルバムをリリースしている。