LOUDインタビュー: M-Swift
Monday, November 29th 2010
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ギター / キーボード・プレイヤー、DJ、プロデューサーとして、マルチな活動を繰り広げている、松下昇平。M-Swiftは、ライブ・ジャズ・プロジェクト、24-Caratや、青山テルマの楽曲プロデュースでも活躍を見せる彼が、'04年にスタートさせたダンス・ミュージック・プロジェクトだ。'07年に、イタリアのIRMAより、ファースト・アルバム『Morning Light』を発表した同プロジェクト。その後も、ハウスを軸に音楽性の高い楽曲を世に送り出し、多くのリスナーを魅了している。
そんなM-Swiftが、このたび3作目となるオリジナル・アルバム、『Sunshine of Love』をリリースする。DJで培ったビート感と、メロディアスなサウンド、ブラジリアン・テイストを融合させた、ニュータイプのダンス・ミュージックが詰まった本作。ニック・コーエン(※インコグニート、バー・サンバ、ザ・ベイズなどにベース・プレイヤーとして参加した経歴も持つベテラン)、ドナ・ガーディアーなど、M-Swift作品ではおなじみの面々に加え、アンジェラ・ジョンソン、ピート・シンプソンといった実力派シンガーもゲスト参加した注目盤だ。
M-Swiftの新たなフェイズを提示した意欲作、『Sunshine of Love』の制作背景について、松下昇平に話を聞いた。
これまでやってきた様々な要素を、別々の曲でアルバムに収録するのではなく、それらを融合させた、一つの新しい音楽性を表現できたと思います。
- --- '08年9月に発表した『Evening Sun』以来、M-Swift名義のオリジナル・アルバムをリリースするのは、実に2年3ヶ月ぶりですね。
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M-Swift: はい。とはいえ、24-Caratで、オリジナル・アルバム、リミックス盤を出したり、M-SwiftとしてミックスCDを出したり、デジタル配信で、“12 Months”っていうダンス・トラック・シリーズを発表していたので、制作自体はその間もずっとやっていたんですよ。でも、新作『Sunshine of Love』をつくり始めた時に、“今回は、これまでやってきた様々な経験を、生かしたアルバムになるな”という手応えを感じたので、そこで改めて、“前作から随分時間が経ったんだな”と実感しましたね。
- --- その手応えとは、具体的にどんなものになりましたか?
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M-Swift: “12 Months”シリーズでは、DJ経験を生かし、クラブ・トラックに特化した曲をつくっていて、かたや24-Caratではライブ・ジャズ、M-Swiftではハウスを中心にやっていて。そういった様々な要素を、別々の曲でアルバムに収録するのではなく、それらを融合させた、一つの新しい音楽性を表現できたと思います。この2年間は、それを自分の中で熟成させるために必要な時間だったのかな?とも思いますね。
- --- たしかにニュー・アルバムでは、ソングライター的な側面と、ダンス・フロアでの鳴りや、ダンス・トラックとしてのグルーヴ感が、新しいアプローチで一体化されているなと感じました。
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M-Swift: まさに、このアルバムで実現したかったのは、そういう音なんです。ダンス・フロアって、ある意味野性的なものじゃないですか。楽曲に関しても、ビート勝負という部分が大きい。その一方ミュージシャンとしては、メロディアスな曲もやりたいと。『Sunshine of Love』では、その二つを融合することに成功したと思います。
- --- そんな本作では、これまで以上にブラジリアン・テイストが色濃くなっていますよね?
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M-Swift: 今までもラテン・テイストの曲はあったんですけど、今作では、さらにその側面を前面に押し出しています。ブラジルやキューバのような、気候が暖かい国の音楽って、高い音楽性の中にも“素直に、楽しけりゃいいじゃん!”っていうメンタリティーがあるじゃないですか。そういうスピリットに、魅力を感じるようになったんですよね。
- --- その他に、今作で大事にしたポイントは何かありますか?
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M-Swift: 音楽的要素だけでまとめようとすると、どうしても頭でっかちになっちゃうので、今回は、音楽以外の部分にも、テーマを持たせたいと考えました。そのテーマは、“愛”なんですよね。ダンス・ミュージックには享楽的な部分が大きいので、良くも悪くもメッセージ性が薄い曲が多いですけど、僕はこのアルバムで、自分がリアルに感じていることを、メッセージとして発信したいと思ったんです。
- --- そこで、“愛”をテーマにしたのはなぜですか?
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M-Swift: 例えば“戦争反対”とかだと、たしかにその気持ちは持っているけど、“果たして、僕が発信してもリアルに伝わるのかな?”という疑問があって。いろいろテーマを考えてみた結果、僕がこうして楽しく生きていられるのは、家族を含め、いろんな人からの愛に支えられているからだと実感したので、“愛”をテーマにしようと思ったんです。
- --- 本作の歌詞にも、“愛”というテーマが反映されているのでしょうか?
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M-Swift: はい。ボーカリストや作詞家さんに歌詞を頼む際も、“友達や恋人に対するもの、家族愛、どんなものでもいいから、今リアルに感じている愛について、歌詞を書いてほしい”とリクエストしました。作詞にはすごく時間をかけたので、歌詞と対訳も、ぜひ読んでほしいですね。
- --- これまでM-Swift名義で発表したアルバムでは、松下さんと縁のある海外ミュージシャンが、レコーディングに参加していましたよね。今作に関してはいかがですか?
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M-Swift: 新しく迎えた人も数名いますが、それ以外は、ほぼ今までと同じメンバーでレコーディングしました。以前から協力してもらっている、ロンドンのプロデューサー、ニック・コーエンは、今回ボーカル・レコーディングを手伝ってくれています。僕、映画監督の山田洋次さんがすごく好きなんですよ(笑)。山田さんのような、“いつも同じキャスティングで映画を撮るんだけど、その人たちが、毎回ちゃんと違う役柄に見える”っていう作り方を、音楽でもやりたいなと思っているんです。だから今作では、ドナ・ガーディアーのような、おなじみの参加シンガーの歌声を、今までとは違う角度で楽しめると思います。
- --- 今回初めてコラボレートした、アンジェラ・ジョンソン、ピート・シンプソンとの制作は、いかがでしたか?
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M-Swift: これまでのアルバムでは、僕が書いたメロディーに、そのまま詞をつけて歌ってもらうことが多かったんです。でも今回は、例えば“サビは変えないでほしい。でもヴァースの部分は、もっといいアイディアがあったら、変えてもらって構わない”という風に、自由にできる幅を持たせたので、これまで以上に深いコラボレーション・ワークになりました。
- --- そのように方針を変えたことには、何か理由があるんでしょうか?
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M-Swift: 現場にいない僕が、“メロディーは変えないで!”って指示してしまうと、プラスαのアイディアが生まれなくなってしまいますからね。ボーカル・レコーディングは、ニック(・コーエン)に任せていたので、“自分が現場にいない中、いいものをつくるには、どうしたらいいんだろう?”って考えて、このやり方にトライしてみたんです。
- --- また、本作のボーナス・トラック「Every moment, Every places」では、アルバムのアートワークにも登場しているモデル、nomaさんがボーカルをつとめていますね。
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M-Swift: はい。nomaさんにジャケットに登場してもらうことが決まった際、普段はボーカルもやっていると聞いて。歌を聞かせてもらったら、哀愁を帯びた声でとても面白いなと思ったので、楽曲に参加してもらいました。今まで一緒にやってきたシンガーとは、全く毛色の違う声質を持っているので、彼女との制作は、僕自身にとっても新しいチャレンジでしたね。
- --- ミュージシャンとしての長いキャリアを経て、松下さんが今後発信していきたいと思う音楽とは、どんなものでしょうか?
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M-Swift: 今作をつくり上げて思ったのは、“ブルースになり得る音楽をつくっていきたい”ということですね。単なるダンス・ミュージックではなく、メッセージ性でも人に何かを与えられるような、本当の意味でのソウル・ミュージックを発信していけたらと思います。
- 新譜Sunshine Of Love / M-swift
- クロスオーヴァー界の寵児、松下昇平による人気プロジェクト"M-Swift" 待望のサード・アルバムが完成!これまでのソウルフルな生音を基調としたサウンドに心地良いリズムと歌が絡み合う、アーバンなテイストが漂う極上なボーカル・トラック満載アルバム。さらにブラジリアン・テイストなど新しい要素も散りばめられており、より幅広い音楽性を見せた注目の作品。ジャケットにも起用した人気モデル"NOMA"は、フィーチャリングとしてボーカルで参加しています。

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- Sunshine Of Love
M-swift - 2010年12月15日発売

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- Morning Light
M-swift - 2007年7月発売

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- Evening Sun
M-swift - 2008年9月発売

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- Blue In Black
24-Carat - 2009年3月発売

松下昇平 (M-Swit / 24 Carat)
国境を越えたジーニアス、松下昇平。
ハウス / クロスオーバー界の実力派プロデューサー / DJ。
2006年、イタリアIRMA RECORDSと契約。シングル「Morning Light」、「Kosmic Love」などワールドワイドにフロアヒットを連発。2007年には、同名アルバム「Morning Light」をリリースし、外資系レコード・ショップのチャートを席巻。
2008年9月、ロンドンにて録音し、満を持してポニーキャニオンよりセカンドアルバム「Evening Sun」をリリース。ストリングスをフィーチャーしたエッジなサウンドは海外からの高く評価され、ハウス / クロスオーバーシーンのトッププロデューサーとして確固たる地位を確立した。また、一方で「ロッテ ガーナミルクチョコレート」のCMソング、青山テルマのプロデュースやリミックス、佐藤竹善へリミックスを提供するなど、ダンスミュージックのみならず各方面でもその才能を発揮。
2009年、ライブジャズを柱とした新プロジェクト「24-Carat」を始動させ、3月4日、ファーストアルバム「Blue in Black」をコロンビアミュージックエンタテインメントよりリリース。同アルバムに収録されている「Cafe Bahia」はフランスJazzmin Recordsからリリースされ、ヨーロッパで著名DJのプレイリストを賑わしている。
DJとしても3月18日、ポニーキャニオンより初のミックスCD「Mixin'」をリリースし、同名のレギュラーパーティーもMICROCOSMOSでスタートさせる。
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