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【HMVインタビュー】kimonos 向井秀徳

ROCK NEXT STANDARD

Thursday, November 11th 2010

interview
向井秀徳インタビュー

10月某日、このインタビューはMATSURI STUDIOにて行われた。
MATSURI STUDIOと言えば、向井氏のプライベートスタジオで、ZAZEN BOYSが日々MATSURI SESSIONをくり返しているというあの場所である。
そして、そのMATSURI STUDIOから生まれた最新の作品が、向井秀徳とLEO今井によるニュープロジェクト“kimonos”だ。ジャケットの美人画に象徴されるような、独特な世界観を持つ“kimonos”。11月17日にアルバム『kimonos』がリリースされる。
さらに、そのアルバムと時を同じくして、向井氏の妄想インプロ夢物語集『厚岸のおかず』も出版される。
今回、その2作品に関して伺って来た。LIVEの時と変わらぬ独特のしゃべり言葉で語る向井氏@MATSURI STUDIO。どうぞお楽しみ下さい。



--- まず、kimonosというユニット名についてお聞きしたいのですが、呼び方は、「着物」と言ってから「ズ」を付けるという発音でよろしいでしょうか。

そうですね。諸説ありますけど、その発音ですね。
「キ」にアクセントを付けたくなる気持ちも分かりますけど、オフィシャル的には、発音は「着物」に「ズ」をつけるほうがいいんじゃないかと思いますね。

--- kimonosにしても、ZAZEN BOYSにしても日本的な言葉をアルファベットに表記した名前ですが、こだわりはありますか。

いや、こだわりはないですね。こだわりはないんですけれども、例えば、「気持ち」という言葉をアルファベットで「KIMOCHI」にすると、なんか特別な気持ちをもっているような気がしてね。「刺激」が「SHIGEKI」になると、より一層刺激が強まるような気がする。
kimonosというグループ名が、どこからきたのかと言いますと、LEO今井が、この作品の制作中に、大正時代の絵を見て感銘を受けましてね。
着物の女性と、当時最新鋭の車が一緒に描かれている美人画を見て、連綿と続く日本文化と最新のテクノロジーが共存している大正時代に興味を持って、それが今回の作品に通ずるところがあると。そのLEO今井のインスピレーションからダイレクトに、じゃあkimonoというグループ名にしたらいいんじゃないかと思いつきまして。
本当はkimonoにしたかったんですが、kimonoというグループがすでにアイスランドに存在しておりましてですね。同じ名前になるのはマズいので、じゃあSを付けようということでkimonosになりました。

--- バンド、ソロ、プロデュースという活動は今までにされていましたが、向井さんが誰かと2人で一枚のアルバムを作るということ自体がまず意外だったのですが。

ええ、私も新鮮でしたね。 今までやったことがなかったから、自分にとってもフレッシュな経験でしたよ。

--- LEO今井さんとの出会い、向井さんから見たLEO今井さんの魅力について聞かせていただけますか。

最初、彼の主催するイベントにゲストとして出演してもらえないかというオファーがありまして、 私はその時まったく彼のことを知らなかったんですけども、そこで手渡されたのが彼のインディーズのファーストアルバムで、それを聴いて私はすごく彼の音楽に共感を持ったんですね。
「Tokyo Lights」という、今回のアルバムでも録音した曲なんですが、東京に対する視点、まなざしがすごく独特で。私は九州から東京に来て、地方出身者として見る東京を音楽にしてきたんですけども、ある種、特殊な見方をしているんです。 LEOも、色々な国に移り住んでから東京に戻ってきて、漂流者が見る東京という特殊なまなざしのポイントが、共通しているんじゃないかと思いましてね。 サウンドも、どこか自分にとって懐かしいものを感じまして、共感しあったという。

--- 向井さんの「漂流者が見る東京」というのはどういう感じだったんでしょうか。

自分が描いていたイメージと、実際のリアルな東京と、妄想と現実のハザマを行ったり来たりするような感じでしたね。
今では、より現実的な風景、それに対する感情というのが多くを占めているんですけど。 東京に移り住んできた時の状況っていうのは、より脳内映像と現実的映像が折り重なるような非常に特別なものだったと思います。

--- 向井さんは、以前「Metro」という曲でLEO今井さんをプロデュースされていますが、今回のkimonosは、プロデュースというのとは違う感覚ですか。

そうですね。「Metro」の時は、バンドの録音をこのMATSURI STUDIOでやりたいっていうことで、できればギターを弾いて欲しいということで始まった話だったんです。
「Metro」は「Tokyo Lights」に代表される一連の「LEO今井が見た東京シリーズ」の曲で、LEOらしい、とてもかっこいい曲なんですけども、その時は、ゲスト参加という立場でした。
Kimonosの場合は、もっと深いところで、一緒に作りあげよう、ということです。

--- kimonosに発展したきっかけというのはどういうものだったのでしょうか。

成り立ちはね、単純に遊びで始まったんです。
80年代の曲をカバーしてみようっていうところから始まったんですね。 LEOは80年代の曲はリアルタイムでは通過していないんだけれども、LEO今井の音楽性に80年代のちょっとノスタルジックな部分があって、LEO今井が80年代のカバーをやったらしっくりくるんじゃないかと思って、それでやろうっていうところから始まっていったわけです。
カバー曲をやっているうちに、なんかこう物足りなくなってね。おのずと新曲を作ってみようという話になって、やり始めたら本気になっていたというか。2人で曲を作っているうちに、LEOと私がうまい具合に混じり合うことができるんじゃないかと、そういう風に思えた。そこで、じゃあちゃんと作品にしようっていう風になっていきましたね。

--- 2人の表現力がすごく良く合わさっていると感じました。

ええ すごくいいバランス、いいコンビネーションになっているんじゃないでしょうか。

--- ZAZEN BOYSのライブでは、こんな風に曲を作っていっているのかなぁと思うような、向井さんが主導となった即興の演奏を見られることがありますが、kimonosの曲作りも向井さんが主導となって進められたのでしょうか。

いや、2人でやっていきました。

--- LEOさんとこのMATSURI SUTUDIOで2人っきりで?

そうですね。「Soundtrack To Murder」という曲ではドラムとベースが参加していますが、それ以外は全て2人っきりです。2人でシンセを持ち寄って作りました。

                       (次ページに続きます!)

『kimonos』kimonos
新譜kimonos / kimonos
  kimonosと名付けられたユニット。これは向井秀徳とLEO今井による新プロジェクトだ。少し意外な組み合わせと思われる方もいるかもしれないが、かつて向井秀徳日記には、「LEO今井の「Tokyo Lights」は名曲である」との記述があったり、08年にはLEO今井のシングル「Metro」を向井秀徳がプロデュースするなど、なにかとシンパシーを感じあっている二人である。ジャケットの美人画に象徴される独特な世界観、二人に共通する「東京に対するまなざし」を中心に描かれる"最新の浮世音楽"10曲。
2010年の日本でしか鳴り得ない音楽が鳴り響く。


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     kimonos/kimonos
    2010年11月17日発売

    kimonosと名付けられたユニット。これは向井秀徳とLEO今井による新プロジェクトだ。少し意外な組み合わせと思われる方もいるかもしれないが、かつて向井秀徳日記には、「LEO今井の「Tokyo Lights」は名曲である」との記述があったり、08年にはLEO今井のシングル「Metro」を向井秀徳がプロデュースするなど、なにかとシンパシーを感じあっている二人である。ジャケットの美人画に象徴される独特な世界観、二人に共通する「東京に対するまなざし」を中心に描かれる"最新の浮世音楽"10曲。
    2010年の日本でしか鳴り得ない音楽が鳴り響く。

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     厚岸のおかず / 向井秀徳
    2010年11月11日発売

    北海道は厚岸に住む演歌歌手・室哲也、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズとその仲間、やたら腕のいい狙撃兵、バングラディッシュのある男の子・・・彼らを結ぶ「何か」とは?
    ――新しい形のフィクションを提示した表題作をはじめ、「サルワタリ・ワープ」「ミツルの夏休み」「林長明 焼肉事件」他、全23の掌編を収録。











     LOUD 191
    2010年11月1日発売

    「向井秀徳とLEO今井がメトロポリス東京で展開する、時空を超えたオルタナティブ・サウンド 」。kimonosが『LOUD』の表紙に登場!
profile

向井 秀徳 mukai shutoku 

1973年生まれ、佐賀県出身。
1995年、NUMBER GIRL結成。99年、「透明少女」でメジャー・デビュー。2002年解散後、ZAZEN BOYSを結成。自身の持つスタジオ「MATSURI STUDIO」を拠点に、国内外で精力的にライブを行い、現在まで4枚のアルバムをリリースしている。
また、向井秀徳アコースティック&エレクトリックとしても活動。
2009年、映画『少年メリケンサック』の音楽制作を手がけ、第33回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。
2010年11月、LEO今井との新プロジェクトkimonosを結成。アルバム『kimonos』と、初の著作となる『厚岸のおかず』を発表。

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