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【対談】三浦信×小西康陽 pt.3

Monday, November 1st 2010

interview

ジブン目線で選ぶフレンチ(的)名盤



-- ということで、DJのお話になってまいりましたんでここからは、 『ジブン目線で選ぶフレンチ(的)名盤』というテーマでお2人にCDを3枚ずつ選んでいただきましたので、 そちらをご紹介いただけますでしょうか。
(※右側ジャケ写のリンク先に試聴があるモノもありますので、聴きながらお楽しみ下さい)

SANSEVERINO 『Le Tango des gens』 三浦  そうですね。ではまず、僕が選んだのは比較的最近のモノで、どれもフランス人なんですよ。 選んでみたらどれもフランス産なんですけどヤングなスウィング・ジャズばかり、みたいな(笑)。
1枚目のSANSEVERINO 『Le Tango des gens』、この人はマヌーシュ・スウィングの人で、かつパンクな感じで。 クワトロでライヴを観たことがあって…、僕、実は小西さんと一緒でライヴであんまり感動しないタイプなんですけど、でもSANSEVERINOのライヴはものすごく楽しかったんですね。 なんで面白いのかな?と思って解説読んでたら、この人元々サーカスの人らしいんですよ。 だからなのか、表情とかパフォーマンスが良くて。

小西  へぇ。

三浦  あとは演奏能力もすごく高いので、ライヴがCDで聴いてる時と同じぐらいの演奏で。 人によりけりでしょうけど、完璧な状態の演奏(=CD)と同じ演奏が聴けるっていうのは、僕にとってはベストなものだったので。

-- なるほど。

La Ruda 『Le Grand Soir』 三浦  で、ライヴがあったのに行けなかったのが、次のLa Rudaというグループで。 『Le Grand Soir』ってアルバムで、ブートビート的・Brian Setzer的なスウィング・ジャズなんですね。 この手の音っていっぱいあると思うんですけど、ヴォーカルがフランス語になるだけですごく新しい感じになるんだな、と。

-- フランス語の響きでまた違って聴こえると。

Dany Brillant 『Jazz...a La Nouvelle Orleans』 三浦  ええ。なんか、よけいに“ワル”な感じ(笑)?フランス語でのワルい感じっていうのが新しいかなと。 そういうフランス語で歌われてるものとかスウィング感・ジャイヴ感のある音楽が僕すごい好きなんですけど、 最近のアーティストだとこのDany Brillantの『Jazz...a La Nouvelle Orleans』が好きで。 60年代だったらClaude Nougaroなんですけど、90年代以降だとDany Brillantになりますね。 Dany Brillantもいつだったか日本に来てたんですよ。六本木のマイナーなライヴハウスに。

小西  へぇー、フランスじゃすごい人気者なのにね。

-- いかがですか?三浦さんの3枚をご覧になって。

小西  いかにも三浦君だなと思ったよ。でもコレ(La Ruda)は知らなかったな。 名前がそのものズバリだよね(笑)。




-- (笑)。ということで、続いて小西さんの3枚をお願い致します。

ダークダックス 『ダークダックス大全』 小西  はい。僕は『日本におけるフレンチ』です。ダークダックスとザ・ピーナッツと越路吹雪さん。 ダークダックスは、「愛のメルヘン」っていう曲がパリ録音でFrancis Laiの書き下ろしなんですよ。 で、たしかFrancis Laiが曲中でちょっと喋ってるんだよね。すっごい良い曲です。

三浦  へぇ〜。Francis Laiがやってるなんて知らなかったなぁ。27曲入り!

小西  これはアルバム自体も素晴らしいです。今一番買いやすいモノとして選んでみました。

ピーナッツ 『華麗なるフランシス・レイ サウンド! ピーナッツ最新映画主題歌を歌う』 三浦  ピーナッツはこの「パリのめぐり逢い」が大好きですね。
越路吹雪さんって、実はちゃんと聴いたことがなくて。



越路吹雪 『ラスト・ダンスは私に』 小西  いやもう、これは良い曲ずくめのレコードですよ。「サン・トワ・マミー」とかすごく良いですよ。 今、僕がクラブでかけてるのは「幸福を売る男」って曲なんですけど、それは入ってないかな? あと「ラスト・ダンスは私に」、これは元々アメリカの曲なんだけど、たぶんそれをフランス経由で歌ってるんだよね越路吹雪さんは。
なんかさ、永遠のテーマとしてその…フランス人はアメリカ文化が実は好きでしょ?アメリカっていう国は嫌いだけど。で、それをまた愛する日本人みたいなさ(笑)。



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      Makoto Miura / Je suis snob
    2010年11月03日発売

    90年代後半から活動し、現在は小林径が主宰するRoutine Jazzなどを拠点、初の制作楽曲はreadymade internationalのブレイクビーツコンピに収録という、DJ/トラックメイカー・三浦信(Makoto Miura)がいよいよ1stアルバムをリリース。各曲タイトルからも分かるとおりボリス・ヴィアンの小説をモチーフに作られたという本作は、サンプリングによるジャズ愛・フレンチ愛を詰め込んだ現場感溢れるスウィンギンな1枚。 10年以上というキャリアで培われたそのDJ的ネタ感覚は、須永辰緒、谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)らも賛辞を送るという確かなモノで、前述のreadymade関連作品やRoutine Jazz諸作品などのファン、クラブジャズ・リスナーにも是非チェックしていただきたい作品です。
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三浦 信 [MIURA makoto]

90年代後半よりDJ活動をスタート。トラックメイクの処女作はreadymade internationalのブレイクビーツコンピに収録され、以後岩村学、中塚武が監修する各オムニバスアルバムに参加。自身の主宰するcomedy tonightレーベルからはソロ名義monsieur mieuraxでEP盤をリリースした後、Emi Kawano Trio、Yoshioka Kerouac等のプロデュースを手掛けた。座右の銘は「スイングしなけりゃ意味がない」。

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小西 康陽 [KONISHI yasuharu]

作編曲家。DJ。1985年、ピチカート・ファイヴとしてデビュー。 バンド解散後も作詞、作曲、編曲、プロデューサー、DJ、リミキサーなど音楽活動に加え、アート・ディレクター、映像監督、文筆業など多方面で活躍。 現在は前園直樹グループの一員としても活動中。

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