HMVインタビュー:DAMANI

2010年8月3日 (火)

interview

Damani

本当は他にも使いたい曲があったけど、色んな理由で収録できなくて、アルバムを作るのは難しいプロセスだった。ウエストコーストとか関係なく、オレが良いと思ったサウンドに仕上げたよ。

--- イングルウッド出身とのことですが、イングルウッドはどのような街なのでしょうか?

イングルウッドは良いトコだぜ。LAのゲットーさ。可愛い女の子も居ればギャングな連中も居る。パーティもあればガン・ショットも起きる。良い面と悪い面の両方を持ち合わせてる街だな。

--- あなたはどのような環境で育ったのですか?

バスケをし、ラップ・ミュージックを聴きながら育ったんだけど、街のど真ん中にいたから治安がどんなに悪いのかもよく実感してなかったんだよね。

--- 最初に聴いたヒップホップは誰でしたか?

LL・クール・J、ビッグ・ダディ・ケイン、そしてスヌープ・ドッグ。ラップを始めた時に目標にしたのは、スヌープにジェイ・Z、2パック、ビギー(ノトーリアスB.I.G.)、ウータン・クラン、モブ・ディープ…他にもたくさんいるよ(笑)。1時間でも名前を挙げ続けられるかもな。

--- ダマーニという名前はどこから由来してるんですか?

ヨルバ族に由来するウエスト・アフリカンの名前で親父がオレに付けてくれたんだ。

--- あなたの名前が知れ渡ったのはクラプトの「Hate On Me」への参加からだと思うのですが、参加の経緯を教えてください。

あの曲はスーパフライの家にビートをゲットしに行ったときに生まれたんだ。ヤツがその場で作ってくれたビートが最高で、オレが気に入ってヴァースを乗せたら、それがクラプトの曲用に作られて今に至るってワケさ。

--- 06年にSONY URBANと契約したというニュースがあったのですが、それは本当ですか?もし本当だったら、契約に至る経緯とその後のコ トを教えてもらえますか。

その頃『Congratulations Player』ってミックステープを作ったんだけど、その中の何曲かがLAのメジャーなラジオ局、POWER 106やKDAYでプレイされたんだ。オレがどこともディールがないって話をレーベル側が聞きつけたみたいでコンタクトがあったんだ。結局ディールするまでには至らなかったんだけど、オレにとっては良い勉強の機会になったよ。

--- その後、スーパフライ、バッド・ラックとともにウエスタン・ユニオンを結成しましたが、グルー プ結成の経緯を教えてください。

ウエストコーストの新たなムーブメントを起こすために何か出来ないか、って考えて結成したんだ。バッド・ラックには知人を通じて知り合ったんだけど、オレはヤツのライムが好きだったからまずグループに誘った。そしてオレらが一緒にやったミックステープをスヌープが聴き、スーパフライを加えたらイイんじゃないか、って言ってくれてね。それでオレら3人が一緒にやるようになり、すぐにアルバムを作り上げたんだよ。

--- この時期にスヌープ関連の作品に多く参加して、今作の先行曲「Here Comes Damani」にもスヌープをフィーチャーしていますが、彼とはどのように出会ったのですか?

「Hate On Me」を出した後、スーパフライがスヌープにオレと会ってみてくれ、って強くプッシュしてくれて、オレをスヌープのスタジオに連れてってくれたんだ。そしてスヌープは彼の曲にオレを起用してくれたんだけど、そこからの数年間、かなり良い音楽的なケミストリーを体験できたよ。

---今回のソロ作『On Vacation From Vacation』の話をうかがいたいのですが、まずこのタイトルをつけた意図を教えてください。

最近俺はずっと世界中ツアーで回ってたから自分の人生についてそう感じたんだ。「バケーションからバケーションへ」(On Vacation From Vacation)ってね。

--- 今作はどのような手順で制作を進めたのですか?

本当は他にも使いたい曲があったけど、色んな理由で収録できなくて、アルバムを作るのは難しいプロセスだった。リリックはより世俗的な視点で書いてみたよ。順番的には、まず最初に全曲のビートを探して1曲1曲レコーディングし、全体のサウンドをチェックしながらアルバムの構成を決めていったんだ。ウエストコーストとか関係なく、オレが良いと思ったサウンドに仕上げたよ。

--- 今回参加しているプロデューサーを教えてください。また、今作に参加しているゲストはどのように選んだのですが?

ダズ・ディリンジャーにスーパフライ、ウォーリン・キャンベル、E・シャープ、THXらが参加してるよ。ゲストは曲を聴いて、誰がベストかってのをまずは考えて決めたんだ。

---サラーム・レミともレコーディングしていたと思うのですが、今作には何故入っていないんでしょうか?また、彼とコラボすることになったキッカケを教えてください。

サラームとは何曲かレコーディングしたよ。でも今回は時間がなくてクリア出来ないこともあったから入れられなかったんだ。何年か前にニューヨークでレコーディングする機会があって、その時に彼を紹介してもらったんだよ。オレは彼がNasとやってる曲とか大好きだったし、一緒に曲を作りたかったからね。オレらはすげぇヤバい曲を作ったんだぜ。

--- スヌープがプライオリティ・レコードのクリエイティヴ・チェアマンに就任し、ウエストコーストのシーンも盛り上がっているように思えるのですが、実際はどのような感じなのでしょうか。

ウエストコーストのシーンは活性化してるし、多様になってるよ。新しい音楽スタイルにも寛容だしね。みんながインディペンデントでやっていて、ラジオ曲やレコード会社はサポートしてくれない。でも才能豊富なヤツらが自由にやってると思うよ。

--- 日本のファンに何かメッセージをお願いします。

まだ日本に行ったことはないんだけど、日本のファンがどれくらいオレらの音楽を愛してくれてんのかってのは解かってるし、オレも同じくらいの愛を贈るぜ。出来れば近いうちに日本へ行って、オレ流のヒップホップをみんなに披露したいね。『On Vacation from Vacation』をチェックしてくれよ。Chuuch !!

新譜On Vacation From Vacation
スヌープやクラプトらのアルバムへの参加で名を売り、シーン最重要プロデューサー/ラッパー、スーパフライらとともにウエスタン・ユニオン(ダブ・ユニオン)を結成し、ウェッサイ・ファンを興奮させたイングルウッド出身のラッパー、ダマーニがソロ・アルバムをリリース!スヌープをフィーチャーした先行曲「Here Comes Damani」が早耳なファンの間で話題に!しかも、アルバムのプロデューサーに・・・続きを読む