HMVインタビュー:sequick

2010年6月16日 (水)

interview

sequick

もともとピアノは弾けないし、歌は音痴だし、talkboxの出だしとしては最悪だったと思います。やり始めた当初は毎日狂ったように何十時間もただひたすら反復練習をしていましたね。今でもそうですが、一日2時間くらいはチューブをくわえるようにしています。

--- 自己紹介とこれまでの活動を教えてください。

始めましてsequickです。セグウィックと読んでいただけたら幸いです。 活動としては同級生の兄貴の影響で中学の頃DJをやり始めたことがきっかけです。その後、高校でサンプリングに興味をもちMPC3000を購入しました。talkboxは始めてから2年とちょっとくらいです。

--- トークボックスとの出会いとはじめたきっかけを教えてください。

19歳の頃、当時学生でニューヨークへ行った時にクラブで生のtalkboxを見たことが出会いです。 その後、日本でtalkboxをしていたComo-Lee氏と知り合い、何度かイベントをご一緒させていただく中いろいろと教えていただきました。

--- トークボックスを修得するのは鍛錬が必要かと思いますが、自分が満足いくまでどれくらいかかりましたか?

もともとピアノは弾けないし、歌は音痴だし、talkboxの出だしとしては最悪だったと思います。 やり始めた当初は毎日狂ったように何十時間もただひたすら反復練習をしていましたね。今でもそうですが、一日2時間くらいはチューブをくわえるようにしています。そういった意味でもまだtalkboxをやり始めて日が浅いですし、ま だまだ満足いくまでには達していないのかと・・・日々勉強です!

--- ボコーダーやオートチューンではなくトークボックスにこだわる理由は?

もちろんボコーダーやオートチューンの良さもたくさんありますし、かっこいいのですが、やはりチューブをくわえて自分の体をエフェクター代わりにしちゃうという斬新さ。このアナログな感じがたまりません。なによりニューヨークで初めてtalkboxを見たときの衝撃が今でも残っています。なので、触れる機会がボコーダーやオートチューンのほうが早かったらわかんなかったかもしれないですね(笑)。

--- 最も影響を受けたのはロジャーということですが、sequickさんの思うロジャーの 魅力を教えてください。

すごく表現が難しいのですが、いち歌い手として成り立っていることでしょうか。パッと聴いたときにもちろん人間の声ではなく機械的な声なのにすごく人間味を感じるというか。 ロジャーは特に感情の表現だったり喜怒哀楽を表に出すのが上手いからなのかと最近思っています。あと、ステージングに対するエンターテイメント性はすごいですよね!

--- ロジャー以外に気になるトークボクサーはいらっしゃいますか?また、トークボックス初心者にオススメと思うアルバムを数枚、教えてください。

カバーつながりということで、FINGAZZの『Classics For The O.G's』のVol. 1とVol. 2です。FINGAZZもVol. 1で「Between The Sheets」をやっていて 僕とぜんぜんスタイルが違うし、聞き比べると面白いんじゃないでしょうか。

--- トークボックスもの以外でよく聴くジャンルやアーティストを教えてください。

もともと渋谷のレコード店で働いていたので、その名残もあり今でも何でも聴くようにはしています。が、昔から変わらず追いかけているのはMadlibとOh Noのこの兄弟だけはCD、アナログすべてそろえてます。

--- 最初の作品でカバー・アルバムを作ろうと思ったのはどうしてですか?

正直まだ日本ではtalkboxの認知度は低いですし、みなさんの知っている曲をtalkboxカバーしたほうが入りやすし、とっつきやすいかと思い今回はカバー・アルバムという形をとらせていただきました。

--- テットリブラック=Grooveman Spot+Masaya Fantasistaのプロデュースは どんな感じでしたか?

はじめにオケをいただき、それに対して言葉をハメてバージョンアップさせていくというスタイルでやっていきました。 talkboxの音とテットリブラックの作る音の相性が非常によかったので作業はさくさく進みました。 僕の意見も最優先に取り入れていただけましたし、非常にリラックスした状態でできました。 あと、こ のアルバムのレコーディング中にtalkboxのある小技を見つけることができました。これを発見した時は完全にスタンディングオベーションでした。

--- その小技、非常に気になりますね・・・。JAZZY SPORT入りしたきっかけは今回のアルバムなのですか?

きっかけは今回ですが、もともとCOMA-CHIと仲良くさせてもらっていて、それを通じてJAZZY SPORTの方をいろいろ紹介していただきました。 その後、イベントやお酒の場など通じてご一緒させていただいてたのでファミリーのような感じでやっていましたね。

--- 今後オリジナル・アルバムを出す予定はありますか?

日頃から作ってはいるのですが、出すにあたりテーマなどのビジョンが明確になったら出したいと思っています。

--- 最後にHMVユーザーに一言お願いします!

最高に面白いアルバムになったと思います。オリジナルの楽曲とはまた違った雰囲気で聴けるんじゃないでしょうか。「mellow takin' vox」よろしくお願いします!

新譜mellow talkin'vox
トークボックス プレイヤー日本のロジャー・トラウトマンこと”セグウィック”が美メロ&名曲を選曲した珠玉のカヴァーアルバムを企画。プロデュース陣はアルバム『Change Situations Out』でも高評価だったJAZZY SPORTの重鎮grooveman Spot a.k.a. DJKOU-GとJAZYY SPORT代表Masaya Fantajistaによるユニット テットリブラック!キーボードでcro-magnonのkey金子巧も参加!


プロフィール

1983年生、東京都大田区出身。音楽プロデューサー、トラックメーカー、と同時にZAPPのロジャーの影響に衝撃をうけ、日本でも数少ないトークボックスプレーヤーとしてsequick(セグウィック)名義で活動中。楽曲提供、楽曲参加では現在迄にJAY'ED「Open Your Heart」、三浦大知「Who’s The Man」、Da Pump「Summer Rider」など。また、Smap×Smapの番組でSmapとミニライブでDJとして共演するなどの活動も行っている,

トークボックスとは?

ークボックスとは楽器の音に人がしゃべっているようなイントネーションを加えるエフェクターで正式名称はトーキング・モジュレーターと言います。エレクトリックギターやシンセサイザー等の楽器の音を、アンプ内蔵のスピーカーではなく専用のスピーカーからビニールチューブなどを通してプレイヤーの口の中に導き共鳴させ、ボーカル用マイクで音を拾います。ランダムな声や発音をそのままシンセ音に直結させ鍵盤の音階で出力させるヴォコーダーなどとは異なり、口の形に合わせて楽器の音で話しているように聞こえる効果を持たせる機材です。原理として口の中に直接大きな音が流れ込む為、音量が大き過ぎると頭痛をもたらす場合もあり、使用を断念したと言う話も多い。1970年代に一世を風靡したエフェクターで、ジェフ・ベック、ピーター・フランプトン、ロジャー・トラウトマンあるいは、初期のエアロスミス、中期リッチー・サンボラ(ボンジョヴィ)、スティーヴィー・ワンダーらの使用で有名になりました。