DJ KAWASAKIの待望の3rdアルバムが発売された。ジャパニーズ・ハウス・ムーブメントの牽引者の一人であった彼が打ち立てた音楽的な方向性は、少なからず波紋を投げかける事になるであろう。メロディアスでソウルフルな従来ディープ・ハウス的な世界感にデトロイト・テクノの影響を大胆に導入し、大幅なモデル・チェンジを実現したのだ。しかも、それは、ヨーロッパで猛威を奮うテック・ハウスとは全く方法論の異なるテクノへのアプローチであった。
□3. Say You'll Stay feat. Andrea Love
兼ねてからアルバムの中に分散されていたディープ・ハウスとデトロイト・テクノの影響を、アルバム単位で融合させるというDJ KAWASAKIのトライが見事に成功した事を証明したのが、この「Say You'll Stay」。コズミックな世界観とAndrea Loveのソウルフルなボーカルが完璧にマッチしている。
□5. Feel The Music feat. Tasita D'Mour
「You Can Make It」や「Elevate Your Mind」でお馴染み、Tasita D'Mourが参加した、フューチャリスティック・ブギー。ベースにKyoto Jazz Massiveファミリーの一員として積極的な活動を続けるROOT SOULこと池田憲一をフィーチャー。ソウル・ミュージックでありながら、日本人の琴線に触れる憂いのあるメロディーが秀逸。
□6. Journey
ハウス・ビートを排した、インストゥルメンタル・トラック。テクノ/フュージョン/ブラジリアンを消化したその作風は、師匠筋に当たるKyoto Jazz Massiveに通じるものがある。歌が無くとも、ここまで説得力のある楽曲は非常に珍しい。本アルバムの大部分をサポートする45ことSWING-Oのキーボード・ワークも見事。
□7. Love Crash Down feat. Fyza
アンビエント・ソウル風の佇まいをみせる極上のボーカル曲。透明感溢れるトラックに、Fyzaの流麗な歌声がハマっている上に、随所に散りばめられたテクノ的なアプローチが心憎い。本作の中でも最後にボーカルを録音した事もあって、本人の思い入れも強かったりするのだとか。名曲、「Beautiful」に引けを取らない美メロ・ハウスでもある。
□8. Reach Out feat. Tasita D'Mour
デトロイト・テクノが黒人音楽の進化系であったならば、そこにディープ・ハウス的ボーカルとの親和性がない訳がない。このファンキーなベース・ラインにきらびやかなシンセが絡み付く漆黒の近未来的ソウルに、DJ KAWASAKIが潜在的に持つブラック感覚を読み取る事ができはしないか?ここでも、常連、Tasita D'Mourが存在感をいかんなく発揮している。
□9. Star Force
DJ KAWASAKIの1stアルバムから一貫して伺えるデトロイト・テクノへの憧憬。逆に、デトロイトのDJ達が彼の曲を評価しているというのに、彼は決して謙虚な姿勢を忘れない。テクノから受けた恩恵を、彼なりにダンス・フロアーに還元しようという気持ちは変わらないのだ。そう言う意味では、アルバムの中で最もハードな形でその思いが結実したのが、この「Star Force」なのかもしれない。
『PARADISE』に収録された「Feel The Music」でベースを弾いてくれた池田憲一ことROOT SOULのデビュー・アル
バム。シングル曲でもある「Spirit Of Love」は、あのAshley BeedleのミックスCDにも収録されています。ま
た、その内容の素晴らしさに感動したJoey Negroから直接連絡がきて、「素晴らしいアルバムだ!」と絶賛されるなど、国内外問わず数多くのDJも評価する名作です。