HMVインタビュー: Breakage
Thursday, March 25th 2010
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俺が聞いてきた音楽、影響を受けた音楽、ここまで歩んで来た道、そしてこれから進んで行く道、全てが俺の「Foundation(=土台)」となってそれを1曲で表現したかったんだ。
- --- どんな家庭環境でしたか?音楽が盛んな家庭でしたか?
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Breakage: うちの家族はみんな音楽が大好きだけど、誰もミュージシャンって訳ではないんだ。親父は音楽を「掘る」のが大好きで全ての音楽を聴いてたよ。俺が小さい時は姉ちゃんはレゲエを良く聞いてたしね。
- --- 最初DJ始めた時はどんなジャンルをかけてたんですか?
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Breakage: 始めはドラムンベースだったけど、同時に他の音楽も色々試してたよ。弟が良くガレッジ(2ステップ)やグライムを良くかけたからさ。
- --- 一番最初にプロデュース始めたのはいつですか?
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Breakage: いとこの家に遊びに行く時に彼のパソコンで12歳ぐらいの時にいじり始めて、14歳の時に真剣にやるようになった。
- --- 2000年に"Hear Comes the Drums"のリミックスでDrum&Bassシーンに爆発的に登場した訳ですが、当時親交の深かったEquinoxやThreshold等のベテランから受けた影響や学んだ事はありましたか?
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Breakage: すごくあった。その2人にはすごく面倒見てもらったよ。Equinoxは俺の1つ目のパソコンが壊れた時にパソコンくれたからね。Thresholdは当時の俺の曲を一緒にプロデュースしてくれたりもした!
- --- 今、振り返るとあなたの1stアルバム『This To Shall Pass』はどんなアルバムだったと思いますか?
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Breakage: 勉強することが多かったアルバムだと思う。アルバムの構成についてここまで考える必要があるって初めて気づいた。全ての曲が流れに合って1つのアルバムになる部分とかね。本当に自分を追い込んだし、プロダクション的にもレベルを上げた。
- --- Critical、Bassbin、Scientific Wax等、数々のレーベルからリリースを重ねて来て、2007年にShy FX率いるDigital Soundboyと契約を結びましたが、ここに至る経緯を教えてください。
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Breakage: Shy FXとは数年前に彼がミックスCDに俺の曲「So Vain」を収録した時に知り合ったんだ。その後1年通して何回も偶然に会ったりして、ある日彼が自分のレーベルを設立する話を持ちかけて来て、「ぜひ参加してくれ」って言われたんだ。「喜んで」って答えてその後は知っての通り。(笑)
- --- この頃からBenga&Cokiの『Night』のリミックスをきっかけにDUBSTEPシーンに切り込んでいった感じがするのですが、これまでのDRUM&BASSスタイルからDUBSTEPに移行していったのは自然な流れだったのでしょうか?それとも自分の中で大きな変化を求めていたのでしょうか?
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Breakage: 完全に自然だったね。音楽的には何も意識的に進めるものはないよ。自然な進化じゃないと感覚も音も不自然になってしまう。『This To Shall Pass』でもハーフタイム(テンポ半分)の曲は数曲収録したし、その後も「Clarendon」や「Come Back」っていう曲も出してたから、その方向性で制作するのが一番自然だったんだ。
- --- 非常に基本的な質問ですが、リミックスを手掛けるのと自身のトラックを作るのはまるで別の思考が働くのでしょうか?
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Breakage: そうだね、全然違う。場合によっては既に音やコーラスが出来上がってる素材で曲を作るのは簡単だけど、場合によっては頭がおかしくなるよ。既に存在するものを変化させるのは難しいからね。
- --- 遂にリリースの新作『Foundation』ですが、まずアルバムタイトルの意味、意図することを聞かせてください。
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Breakage: ある日頭にぱっと浮かんだんだけど、曲の「Foundation」 を言葉通りの曲にしたかったんだ。俺が聞いてきた音楽、影響を受けた音楽、ここまで歩んで来た道、そしてこれから進んで行く道、全てが俺の「Foundation(=土台)」となってそれを1曲で表現したかったんだ。
- --- 制作にかかった日数は?
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Breakage: 一番最初のアイディアを出してから、フルアルバムが完成するまで、2年半から3年かかったよ!家を引っ越したり、住む国を変えたり、パソコン、シークエンサーを変えたりして、結局それぐらいかかった。去年の夏にパソコンが壊れてその時にアルバムの半分を失いかけたのも時間がかかった1つの大きな要素だけどね!
- --- 事前にコンセプトはあったのでしょうか?
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Breakage: 何を成し遂げたいかは分かってたけど具体的ではなかった。アルバム全体の音が決まってそれが形になるまで結構時間がかかった。一番重要な部分は、単純にクラブで盛り上がる曲のコンピにならないようにする部分で、クラブっていう環境の中と外の両方で聞けるアルバムにしたかったんだ。
- --- 今作にはDavid RodiganからZarifまで、非常に幅の広いフィーチャリングの人選をしている事も興味深いのですが、それぞれのアーティストを紹介して頂きつつ、選んだきっかけや経緯を曲ごとに教えてください。
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Breakage: OK!
- --- 今回のアルバムで新たな試み、もしくは新たな発見はありましたか?
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Breakage: ヴォーカルを録音するのは正直自分にとっては新しい試みだったし、新しいソフトウェアを使うのも俺にとっては新しかった。だから今となればあり得ない程多く新しい制作方法を見つけたよ!
- --- 最もこだわった部分、労力を費やした部分はどこでしたか?
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Breakage: やっぱり常にそうだけど、頭の中で鳴ってる音を忠実に再現するのが一番難しい。そこにたどり着くのは難しいけど諦めることはないよ。曲によっては数ヶ月に渡って小さい変化や新しいミックスを加えてその音に近づけていったけど最終的にはたどり着いたから良かった。
- --- レコーディング中のエピソードで特に印象に残っていることがあったら聞かせてください。
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Breakage: 一番印象に残ったのは最初の締め切り日にパソコンが死んだことだね。3日間寝ずに最後の数曲を完璧に調整してたらいきなりソフトウェアがフリーズしたんだ。最初はただのクラッシュだと思って、保存はしてたから大丈夫だと思って再起動したんだ。でも起動しなかったんだ!電源切って一時間後に戻っても全く動かなかったんだ。一番最悪だったのが、バックアップをほとんど取ってなくて、ディスクにも焼いてなかったんだ!
- --- アートワークについても教えたください(コンセプト、作者について)
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Breakage: アートワークはシンプルにしたくて、威圧的なものは嫌だったんだ。狂ったコンピューターによって作り上げられたアルバムジャケットもそんなに好きじゃないから写真ベースにしたかった。写真家はCleavland Aaronにした。彼とは初めてのKnowledge誌の撮影で出会ってそれ以来ずっと仲良いんだ。今回のアルバムのどの部分でも基本的にこのプロジェクトに賛同してくれてる人達とやりたかった。お互い尊敬し合って同じ方向に進んでいるからこそ最終的にはいいものができるし、いい流れが出来る。
- --- 日本のDUBSTEPシーンは正しくこれから盛り上がろうとしているところですが、現在のUKのDUBSTEPシーンはあなたから見てどういう風に写りますか?
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Breakage: すごく開花してるね。プロデューサー、DJ、イベント、全ての面でUK中で盛り上がってるしまだしばらく続くと思うよ。
- --- 現在あなたが注目しているアーティストは誰かいますか?
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Breakage: Digital Soundboy (UKのレーベル元)と契約したばっかりのAttaca Pesanteっていう才能あふれたクリエイティブなアーティスト。彼らは生バンドだから余計特別に思う。
- --- アルバムが完成したばかりですが、今後のプランは?
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Breakage: どこかのタイミングで休み取りたいね!(笑)
● David Rodigan(デビッド・ロディガン) : 「Hard」のインストバージョンを最初に作った時に昔のサウンドクラッシュのテープからデビッド・ロディガンのサンプルを使ったんだけど、絶対この曲には彼の名義を使いたかった。それは彼が長年何百ものダンスチューンに影響した代表的な声なのに、誰もちゃんとクレジットしてないから。彼は生きる伝説だからね!
● Newham Generals(ニューアム・ジェネラルズ):彼らのDJ(Tubby)が「Together」(「Hard」になる前のバージョン)を良くかけてて彼らは「We're keeping you up to speed with hardcore music」(ロディガンによるワンフレーズ。訳:「ハードコア・ミュージックの最先端を届けるぜ!」)っていうフレーズを元に一曲書いてたんだ。Shy FXと一緒に彼らがアルバムに参加したら良いね、って話をした数日後にNewham GeneralsがFWD(ロンドン最大のグライム/ダブステップのイベント)でShy FXと話し出して、「Together」で曲を作った話をしたんだ。その一週間後以内にレコーディングする日を決めて、「Hard」が生まれたんだ!
● SP MC : SPは仲いい友達で本当に優れたMCなんだ。しょっちゅう一緒に活動してるけど、当時「Roller」って適当に名付けたまだタイトル未定の曲のアイディアがあって、それをクラブで良くかけてたんだ。一回イベントでかけた時に彼から「Foundation, sounds of roots and culture, digital soundly, original soldier」(ファウンデーション、ルーツ&カルチャーの音さ、デジタルサウンドにした、オリジナル・ソルジャー)っていうヤバいワンフレーズが出て来てそれをアルバムに収録しないといけない、って思ったんだ。
● Roots Manuva (ルーツ・マヌーヴァ): 俺は長年ルーツのファンなんだ! このアルバムに参加して欲しいアーティストのリストを作ってる時、彼の名前を一番上に書いた。「Run Em Out」のループを作った瞬間Shy FXに電話して、「ルーツが乗るべき曲が出来たよ」って報告したね。このアルバムの一番最初のレコーディングだった。
● Kemo (キーモ) : Kemoとは結構前から一緒に何か作ろうって言ってたけど2人違う国に住んでるからなかなか難しくて、タイミングが合わなかったんだ。一回ドイツのフェスで共演した時に、よし、じゃあすぐやろう、って言って言葉通りすぐやったんだ!
● Zarif (ザリフ):「Over」は実は頼まれたリミックスだったんだ。「Over」以外にも一曲作ったけど「Over」の方がアルバムにぴったり合って、全体的にバイブズがあってたんだ。
● Erin & DBridge (エリン&ディーブリッジ): アルバムに参加してくれた人達でErinを一番良く知ってる。実は婚約者なんだ!(笑)彼女はLA出身で俺が向こうに住んでる時に出会ったんだ。付き合う前から一緒に曲書こう、とは言ってたんだ。DBridgeにメロディーを書いてもらったのは昔から彼の歌と作曲が好きだから。もちろんプロデューサーとしても尊敬してるけどね!
● Burial (ブリアル) : 長い間myspace経由で話しててずっと曲作ろうって言ってたんだけど、会ったことなかったからある日、日にち決めて俺が当時LA住んでたからロンドンまで行って会って、一緒に作ったんだ。顔が分からなかったから会う時大変だったけどね!
● Donaeo (ドネイオ): 曲を一緒に書いた前の日の夜に初めてちゃんと会ったんだ! 俺とShy FX, Erin, SP MCで夜遊んでたらスタジオ行こう、ってことになったんだ。Donaeoは朝の4時ぐらいに来て、その前に作ったループを元にメロディーをその場で色々試してみてて、まぁ今度一緒にがっつり作ろうって言ってて、帰る直前に彼があるリフを弾き出して「これだ!」ってその瞬間思ったんだ。その場で携帯で忘れないように録音して、次の朝起きたらすぐまたあのループと組み合わせて曲作りに入って、彼も起きてすぐ歌詞を書いて、合計3日間ぐらいでレコーディングも全部終わったんだ!
● Threshold (スレッシュホールド):俺とThresholdは約10年の親友。お互いに電話越しとかで音楽をかけ合ってアドバイスを聞いたりお互いためになる批判し合ったりしてるんだ。ビートのない状態で「If」のアレンジのアイディアを持って来て一緒に作ることにしたんだ。大体一緒に作る時はそういう制作パターンが多いね、片方がはじめてもう片方が完成させる。
取材協力:Hydra Records
- 新譜Foundation / Breakage
- ドラムンベースとダブステップの両方のスタイルを行き交うシーンの重要アーティスト Breakageが遂に日本上陸!SkreamやBurial、Roots ManuvaやUKレゲエの伝道師 David Rodiganなどの重鎮勢も多数参加した、ヘヴィーなベースが鳴り響く一枚にして2010年ダブステップ・シーンの要注目盤!!
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- Foundation
Breakage - 2010年3月6日発売

Breakage(ブレイキッジ)ことジェームス・ボイルはドラムンベースとダブステップの両方のスタイルを行き交う、最も多彩なアーティストである。すでに数多くのクラシックと呼ばれるヒットナンバーを持つが、その進化はまだまだ止まる事を知らない。スペイシーと豊潤なトーンを併せ持つ彼のサウンドは絶妙であり非常にエフェクティブ。2000年に<Reinforced>からナスティ・ハビッツのハードコア・クラシック「Here Comes The Drums」のリミックスをリリースし、ドラムンベース・シーンに鳴り物入りで登場。そしてエキノックスの「Acid Rain」のリミックスで、その注目度はネクストレベルに引き上げられた。<Critical>や<Scientific Wax>といったレーベルからのリリースの後、2006年にはデビューアルバム『This Too Shall Pass』をリリースし、これまた幅広い評論家が絶賛。2007年ついにシャイFX率いる<Digital Soundboy>と契約を結び、直ちにリリースした「Clarendon b/w Shroud」で披露したハーフタイム・ビートでヘッズ達の心を掴かむ。その後も当時最もヒットしていたベンガ&コーキの「Night」をシャイFXと共にリミックス、引き続きにリリースした「Callahan b/w Untitled」でダブステップ・シーンに”新たな波”を巻き起こした。2009年ブレイキッジは、”注目すべきアーティスト”としてシーンのトレンドメーカー達のみならず、全英中のダンスミュージック・メディアにでその名を轟かせる。伝説のレゲエDJでありサウンドシステムのセレクターでもあるレゲエ博士デビッド・ロディガンをフィーチャーした「Together」を昨年初頭にリリース、10月にはUKブラック・ミュージックの長と言えるルーツ・マヌーヴァをフィーチャリングした「Run Em Out b/w Higher」をリリース。さらに同月にはベニー・ペイジによる「Run Em Out」のリミックスとニューアム・ジェネラルズ & デビッド・ロディガンをフューチャーした「Hard」がリリースされ、本国イギリスでは雑誌メディアに限らず、国営ラジオBBC等からも大絶賛の声が挙がる。BBC Radio1、1Xtra、Galaxy、Kiss FM といったラジオ局から、ジャイルス・ピーターソン、ゼイン・ロウ、アニー・マック、ロブ・ダ・バンク、メアリー・アン・ホッブス、シンデン、トドラT、そしてRadio1でおなじみのニック・グリムショウ達から称賛の嵐とサポートを受けているブレイキッジ。なんと日本先行発売にて遂に金字塔アルバムが日本上陸!なお、ブレイキッジはマッシヴ・アタック『ヘリゴランド』のリミックス・アルバムに参加したとのこと!!
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