追悼：Nujabes

Tuesday, March 23rd 2010

ヒップホップの概念を覆し、多くのリスナーから愛されたNujabesが2月26日に交通事故によって逝去しました。
謹んで哀悼の意を表します

http://www.hydeout.net/
・こちらにも全文掲載しております

2010年3月18日、hydeout productionsのオフィシャルサイトで正式発表があった Nujabesの突然の訃報。

享年36歳、

若過ぎます――、
そして、早過ぎるでしょう――。

そんな、Nujabesの、アニメサントラの名盤を哀悼の意をこめてここでご紹介。
『カウボーイビバップ』『アニマトリック』の渡辺信一郎監督による、時代劇とHIPHOP、ウチナーとヤマトン、サムライと現代人といった様々な、ファクターをサンプリングし、チャンプルー（混ぜ合わせた）したまったく新しいサムライ・アクション＆ロード・ムービー。
この音楽をアニメ好きで知られるファット・ジョンとの共作（いや響作・競作か？）でNujabesがトラックを制作。MINMIのED曲『四季ノ唄』、Singo02のOP曲「battlecry」をはじめ、Nujabesのサウンドは、哀愁感と、情景豊かなメロディーに、ゆっくりと脈打つ鼓動を思わせる肉感ビートの時間軸に思わず息を殺して傾聴してしまう不思議な世界観。たぶんHip Hop好きの人もそうでない人の耳にも、思わず涙が出そうになる、鳥肌極上サウンドです。とにかく、独自の審美眼で選ばれたサンプルソースのワンフレーズが、くやしいくらいに”エモ”い、そんなNujabesの魅力が全開のサウンドトラックです。

First Collection: Hydeout Productions
「マクロスみたいなジャケ」、一目見て思ったあの印象が鮮明。Hip Hopらしからぬ＂耽美”系ビジュアル・イメージ。「Luv (Sic) /Shing02 」～「Lyrical Terrorists /Substantial & L Universe 」は擦り切れそうなほど、何度も何度もヘビーローテーションした極上パラグラフ。

-Nujabes

日本のジャジー・ヒップホップ・シーンの土壌を作ったNujabes（ヌジャベス）。アーティスト名は本名の「せばじゅん（瀬葉淳）」を逆さにしたもの。

現代の音楽業界全体の流れとは裏腹に、宣伝活動を行わず純粋に音=作品のリリースのみでリスナーから大きな支持を獲得。そんな作品をリリースし続けた、真のインディペンデントレーベル、hydeout productionsを主宰すると共に、レコード/CDショップguinness records / tribe recordsも運営し、世界各国の良質の音楽を紹介。

自身のアーティスト活動では、 30数枚の12インチシングルのリリースを経て、03年に『metaphorical music』を発表。自らその音楽性、精神性、アティテュード、実験性など全てに影響を受けたと語る70年代～80年代のJazzを中心としたブラックミュージック全般の深い音楽的造詣/ルーツを反映したサンプリングと、ヒップホップのループミュージックとしての魅力と可能性を最大限に引き出し、これまで洋楽ヒップホップしか聴いてこなかった層に驚きをもたらす。中でも、Shing02をボーカルに迎え入れた「Luv(sic)シリーズ」が人気。また、ビートを強調したこれまでのシーンの主流と比べても、メロディーやハーモニーを重視したサウンドで、クロスオーヴァーな人気を獲得。パイオニアとしての彼の役割は非常に影響力があり、後に多くのフォロワーを生む。

2004年3月のパリコレクションにてコムデギャルソン・ジュンヤワタナベ音楽ディレクター、フジテレビ「サムライチャンプルー」（監督は「カウボーイビーバップ」や「アニマトリックス」で知られる渡辺信一郎氏）のサウンド制作、Sonar Sound Tokyo出演等を経て、2005年11月にセカンド・アルバム『modal soul』を発表。07年11月には『first collection』以来4年半ぶりのレーベルコレクションアルバム『2nd collection』をリリース。08年に入り、Nujabes自身が影響を受けた音楽を集めたコンピ『Modal Soul Classics By Nujabes』を発表。