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HMVインタビュー:MERICO-X

URBAN FLAVA

Friday, March 5th 2010

interview

merico-x

MERICO-X HMVエクスクルーシヴ・インタヴュー
インタビュー/文:二木崇(D-ST.ENT)

輸入盤流通段階からメリコ・XをプッシュしていたHMV渋谷店スタッフ西崎からのコメント
STEVIE HOANGの門下生の中で、正式に形となったのはKAY BとこのMERICO-Xだけ。スター街道を直走る超天才シンガーソングライターSTEVIE HOANGの手腕による初期のサウンドプロダクションが聴け る貴重な作品!今回の国内盤にはHI-FIVEの名曲「I LIKE THE WAY」のカバーを初披露、更にR&B王子DJ KOMORIのREMIXまで収録!

スティーヴィーが“東京(渋谷)のHMVでキミのCD(UK盤)を見たよ!”って、連絡してくれたんだ。どインディーからのリリースなのにね。だから、その彼がプロデュースしたこのアルバムが日本盤で出る、ということにはちょっとした運命を感じちゃってるんだ!

--- 生い立ちについてなるべく詳しく教えて。

1979年12月4日にイギリスはロンドンのルーシャムという町で生まれた。両親はジャマイカ出身だけど、僕はロンドン子だよ。本名はマーカス・アジュムル。(『バイオハザード』などで知られる)俳優のマーティン・クルーズはセカンド・カズンになる。ステージネームのメリコ・Xというのは、僕が考えたキャラクターなんだ。昔からカートゥーンが大好きで、『スパイダーマン』などのマーベル・コミックのキャラクターの大ファンでね。自分でもマンガを描くのが好きで、メリコ・Xはマンガを描きながら思いついたヴァンパイア・スレイヤーのキャラクターだ。2000年くらいに描いたものだよ。 禅のマスター、自らのパワーでドラゴンを呼べる・・・無敵だろ(笑)?そしてヴァンパイアたちを殺していくというヒーローなんだ。絵を描くのが趣味なんだ。あと、体を鍛えること。マーシャルアーツもやってるよ。カンフーとかね。今はタイのキックボクシングを勉強中だ。あとは、旅することも好きだね。PS3とWiiとかゲームにもけっこうハマってるね。

--- 音楽的なバックグラウンドは?

初めて買ったレコードはマイケル・ジャクソン『DANGEROUS』。テディ・ライリーがプロデュースしたアルバムだね。今聴いても凄い作品だよね。とにかく僕はMJの大ファンなんだ。彼の死は本当に大きな損失だと思う。初めて見たライヴはシュガーベイブとか、ダニエル・べディングフィールドなどのポップス。でも、今の僕はR&B、ソウル専門だから。最近良く聴いてるのは、T-ペイン、ジョー、R.ケリ−、ブラックストリート、ドネル・ジョーンズ、ビヨンセ、レディ・ガガ ・・・キリがないね(笑)。中でも1番好きなのは、ジョーだね。1stの『Everything』からの大ファンだよ。最新作の『SIGNATURE』も去年のベストじゃないかな。僕が「やりたい!」と思うことに向かわせてくれた、というか最大のインスピレーションとなったアーティスト。ヴォーカル・スタイルとし ても彼やその作品から学んだんだ。R&B以外では・・・ゴスペルはよく聴いたね。ロックも聴く。ボン・ジョヴィとか。どんなジャンルでも、いい音楽ならジャンルに関係なく好きだよ。

--- プロのシンガーになろうと思ったのは?

2002年に母が亡くなった時、「何かしなくちゃ!」と思った。で、昔、僕が歌えるってことを母に見せたとき「この才能を伸ばしなさい」と彼女が言ってくれたことを思い出したんだ。ヴォーカル・レッスンはその前から受けてたしね。2003年12月に病院で働いていた時、僕はヒットメイカーズというレコード会社の広告を見つけた。その会社でプロデューサーとして働いていたのがスティーヴィー・ホアンで、彼とは2004年2月に初めて会ったんだけど、すぐにウマが合って「Funny」を書いたんだ。だけど、彼はその会社を辞めてしまった。その時点で4曲は出来ていたけど、どうやってアルバムを完成させたらいいんだろうと困惑したね。スティーヴィーは俺が知る最高のプロデューサーだっただからさ。で、これからどうしよう・・・・と、途方に暮れてる中、彼が直接電話をくれたんだ。「オレの家のスタジオに来ないか?君のファース トアルバムを完成させたいんだ。君だってそうだろう?」とね。そして、2007年の4月 にこのアルバムは完成した。実は、彼の1stアルバム用にも曲を書いたんだけど、あまりいい出来ではないと思ったので入れなかったんだ。でも、また彼の曲を作れたらいいな〜と思ってる。ただ彼はとても忙しいし、僕も今カレッジでレコード・プロデュースや音楽プロデュースの勉強、キーボードとギターのレッスンを受けているのでなかなか時間が合わないんだよね。そういえば、スティーヴィーがプロモーションで日本に行ったとき、“東京(渋谷)のHMVでキミのCD(UK盤)を見たよ!”って、連絡してくれたんだ。どインディーからのリリースなのにね。だから、その彼がプロデュースしたこのアルバムが日本盤で出る、ということにはちょっとした運命を感じちゃってるんだ!

--- アルバム収録曲のほとんどはスティーヴィーのスタジオでレコーディングしたの?

ほとんどがそう。UKでリリースしたオリジナルの方はね。彼との作業の進め方は・・・まず僕が曲を書くところから始まる。で、その曲用のサンプルをいくつか持って行く。例えば、あるときはCDを3枚持っていって、彼には曲を聴いてもらって、自分がどのサンプルをどの曲に入れたいかを説明したり・・・。そのあとスティーヴィーが手を加えたりして、最終的には自分の曲に仕上げる。最後にヴォーカルを 出来たトラックの上に乗せる。納得いくまでヴォーカルは何度も何度も録り直すんだ。歌詞を書くのに大体30分から1時間ほどかかって、レコーディングするのに1時間半から2時間ほど。メロディーを作るときはアメリカで盛んなラップのフリースタイルのように、歌詞を頭の中で作っていくんだ。曲そのものを作るのは何日か、かかるんだけどね。ブリッジ、ヴァース、コーラス、フックなどを考えなくちゃいけなくて、それにメロディ、自分がどうやって歌うかというところまで考えないと。いろんな曲からのサンプルを取ってきて自分の物にする。それからスティーヴィーが、インストゥルメンタルをどう配置するか決めて、最後にヴォーカルがくる、と。

--- いつ頃のR&Bが最も好き?

特に、ということになると、やっぱり80年代と90年代かな。今のもキライじゃないけど、聴くのが好きなのと、自分が作りたいものは、少し違ってたりするものだし、流行のR&Bを聴いていて良いな!と思っても、最終的に戻ってくるのは 80sや90sだったりする、という感じでさ。その意味でも、 R.ケリーやジョーみたいな“ファンの期待を裏切らず、長年続けてる”アーティストは凄いと思うよ。それと、君がこのアルバムからキース・スウェットやジョデシィのヴァイブを感じ取ってくれたのは、まさにその通りでさ(笑)。小さい頃からよく聴いてたし、今も研究を兼ねてよく聴くから、影響は大きいし、何より、このアルバムでは、オールドスクール・ヴァイブのあるものを目指したからね。スティーヴィー・ホアンのアルバムとも違うというか・・・。

--- では、アルバム・タイトルの 『ストレート・フロム・ザ・ハート』に込めた想いは?

僕はこのアルバムで自分の感情を素直に表現しているんだ。世界中に僕が何をどう感じているのか、何を考えているのか、ってことを音楽を通じて知ってもらいたいんだ。それを歌で表現して、僕の気持ちを知ってもらいたい。つまり、メッセージがあるってことだよ。でも、同時に僕の音楽を純粋に楽しんでもらいたいと思うし、インスピレーションを感じてほしい。そんな心から素直に出ているものなんだ。だから、他のタイトルは一切思いつかなかったよ。デビュー・アルバムに相応しいタイトルだと思っているよ。

---日本盤ボーナストラックの「I Like The Way」についてもコメントを

JVCからのリクエストだよ。ナイスなアイデアだと思ったね。ハイ・ファイブというグループの曲で、90年代初めのクラシックだね。テディ・ライリーが書いたんだ。グループは随分前に解散したんだけど、リード・シンガーのトニー・トンプソンが数年前に亡くなって・・・。今聴いても、いい曲だな〜と思えるし、思い入れも深いからトライすることにしたんだ。あと、PYTというガールズ・グループがいて、2001年にカヴァーしたことがある。そのアルバムも持ってるよ。ショーラ・アーマとかを手がけたトビー・ベイカーがプロデューサーで、チャーリー・ハウスという女性シンガーもフィーチュアしてる。彼女の声は、このオリジナルがリリースされた、若い頃のトニー・トンプソンに近い感じなんだ。あと、このリミックス(DJ KOMORI Remix)も、素晴らしいよ!オリジナル曲のスウィートなフレイヴァーをアップデートした感じで、クラブでもめちゃ受けそうだよね!この場を借りて彼=DJ KOMORIにはお礼を言いたいね。日本に行った時にはよろしく!あと、この日本盤には、オリジナル盤には入ってなかった「Life」と、MySpace でも評判の新曲「Rico-X」も追加収録されてるから、美味しいよね(笑)。ジャケットもやたら格好よくなったし、満足だよ!

---UKでR&Bシンガーとして活動する上で大変なことは?

残念ながらUKはR&B大国じゃないからね。USのR&Bは流行ってるんだけど・・・。ジェイ・ショーンのUSでのブレイクは、すごくいいことだと思う。クレイグ・デイヴィッドの時もそうだったけど。ジェイ・ショーンが今のUKにR&Bを カムバックさせたと思うし、彼みたいな人がロンドンのクラブでR&Bをやってくれるのはいいことだ。ロンドンのクラブでは、ここのところR&Bは完全に 死んでいたからね。彼らは僕らのようなアーティストが1歩前へ進むための扉を開けてくれて、R&Bをまたシーンに戻すためのいい刺激を与えてくれたたと思う。スティーヴィーもようやくUKで大きな契約が決まったし、今年はブレイクするはずだよ。みんなそうだと思うけど、とにかく諦めない気持ちが大切だと思う。何より音楽が好きでなくちゃダメだし、それだけに堅い決心が必要だ。俺は歌うことが大好きだし、本当に楽しんで歌っている。それでR&Bファンに心から喜んでもらえてお金がもらえるなんてこんな最高なことないよ。

新譜Str8 From The Heart
現在アルバムが大ヒット中のスティーヴィー・ホアンが全面プロデュースした新人、メリコ・Xが、日本本格デビュー!国内盤のみ、新装ジャケット、そして“90s胸キュンR&Bクラシック”ハイ・ファイヴ「I Like The Way (The Kissing Game)」の最新カヴァー、そしてDJ KOMORI氏による「I Like The Way (The Kissing Game)」最新リミックスのほか豪華ボーナス・トラック付き!!初々しい歌声、メロウネス溢れるメロディーそしてプロダクションは、さすがスティーヴィー・ホアン!