TOP > Music CD・DVD > News > Dance & Soul > R&B & Dance > HMVインタビュー:Latif

HMVインタビュー:Latif

URBAN FLAVA

Tuesday, March 2nd 2010

interview

Latif

Latif オフィシャル・インタビュー

僕の音楽性の大部分はテディーから学んだものだし、彼なしでは今の自分は存在しないと思う。たくさんのことを学んだけど、一番今の自分に影響しているのは、「音楽はただ歌うものではなくて、聴く人の心に届けるものだ」っていう姿勢かな。

--- はじめに自己紹介をお願いします。

フィラデルフィア出身のコーリー・ラティーフ・ウィリアムス。R&Bやソウルのシンガー・ソングライターとして活動しています。

--- 音楽を始めたきっかけは?

地元の教会でゴスペルを歌い始めたのがキッカケで音楽の素晴らしさに目覚めたよ。たまたま家族がテディー・ペンダーグラスと仲が良かったので、幼いころからテディーにも音楽の素晴らしさを教えてもらってたんだ。その後2002年にMotownと契約を結び、約2年間の在籍期間中に自分のアルバムをリリースした。2年後の2004年にMotownを離れた後はソングライターとしてアーティストに曲を提供していたよ。

--- テディー・ペンダーグラスと家族ぐるみの友人だったそうですね?

そう。テディーは子供のころからお世話になった『親戚のおじちゃん』みたいな存在であると同時に、僕に音楽の素晴らしさを教えてくれた『師匠』でもあるんだ。

--- テディーから受けた音楽的影響は?

もちろん影響は大きいよ。僕の音楽性の大部分はテディーから学んだものだし、彼なしでは今の自分は存在しないと思う。たくさんのことを学んだけど、一番今の自分に影響しているのは、「音楽はただ歌うものではなくて、聴く人の心に届けるものだ」っていう姿勢かな。彼は素晴らしいシンガーであり、ライターであると同時に、作品を人の心に届ける“ストーリーテラー”だったと思うんだ。今でも彼にはとても感謝しているよ。

--- あなたにゴスペルを勧め、テディーとも親友であったというご両親は当初、あなたが大学を辞めて音楽の道に進む事を反対したそうですね?

そうなんだよ。幼い僕にゴスペルを勧めてくれたのも両親だったし、実際テディーとも古い友人同士だったくらいだから、当然両親とも音楽は大好きなんだ。ただ、それ以上に音楽を仕事にすることの厳しさもよく知っていたから、僕が音楽を職業にすることを心配したんじゃないかなと思う。Motownとの契約話が浮上したとき、ちょうど大学の進級がかかった試験前だったんだよ。当然親としては進級させたいに決まっているよね(笑)。

--- 少し話は前後しますが、出身地のフィラデルフィアと言うと、数多くの偉大なアーティストを生んだ土地であり、街自体に長い音楽的歴史がある場所だと思いますが、このフィラデルフィアという街から受けた影響は?

大きな影響を受けたし、この街に生まれ育った事を誇りに思っているよ。昔からソウルやR&Bミュージックの聖地と呼ばれてきた街だし、ボーイズIIメン、テディー・ペンダーグラス、ミュージック・ソウルチャイルドをはじめとする偉大なアーティストを輩出した街なんだ。きっとこれからも歴史に残るようなアーティストを生み続ける街だと思うし、僕もその一員になりたいという夢があるよ。フィリー・ミュージックの“ネクスト・ジェネレーション”として音楽の素晴らしさを伝えていきたいと思ってるんだ。

---そんなあなたのシンガーデビューは音楽の街、フィラデルフィアの地元銀行が放送していたTVコマーシャルだったそうですね?

そうなんだ。1996年に地元の銀行のTVコマーシャル・ソングを歌ったのが最初だと思う。地元の音楽プロデューサーが作ってくれた曲を歌ったんだけど、銀行の宣伝というよりも、コマーシャル自体が『非暴力』をコンセプトにしていた事もあって是非やってみたいと思ったんだ。

---さらにその後、アメリカのTeen Peopleマガジンでティーンエイジャーの読者投票で決められる『Who’s Nextコンテスト』で優勝していますが、この経験が音楽キャリアに与えた影響は?

晴らしい経験だったよ。この時初めて、スポットライトを浴びて人前で歌う事の快感を経験したんだ(笑)。僕の他にデスティニーズ・チャイルドやバウワウも同じステージに立っていて、とても緊張したし興奮したのを覚えてるよ。

---このコンテストもキッカケとなり、その後は順調にMotownアーティストとしてデビューしたわけですが、このアルバムではライアン・レスリー、ブライアン・マイケル・コックス、ショーン・ギャレットといった大物がプロデューサーを務めていますが、彼らから受けた影響は?

このとき感じたのは、一流のアーティストであればあるほど自分流で個性的なレコーディングをする人が多いってこと。このときの経験から、「自分に合ったレコーディング方法を見つけることの重要性」を学んだね。

---実際アーティストとしてのアルバムはこの作品以降リリースされていませんが、その後はソングライターとしてクリス・ブラウン、ミュージック・ソウルチャイルド、エリオット・ヤミンといったアーティストに曲を提供されていますよね。あなたにとって歌うことと曲を作ることの違いは?

どちらもそんなに違いはないよ。たとえ自分以外のアーティストに提供する曲であっても、僕自身が情熱を傾けられるクオリティじゃないと失礼だと思うし、それくらい思い入れがないと世の中に出しちゃいけないと思うからね。とはいってもアーティストはみんなそれぞれの個性があるから、できるだけ歌ってくれるアーティストにも感情移入してもらえるように努力しているよ。

---では、自分が歌う曲を書くときと、他のアーティストに提供する事を前提に書くときではライティングのプロセスに違いがあったりしますか?

プロセスもそんなに変わらないよ。時々故意にいつもとは違うアプローチを踏んでみる事もあるけど、基本的には同じかな。ただ、以前に面識のないアーティストに提供するような場合は、ライティングを始める前にできるだけ本人とコミュニケーションをとって、その人を知るための時間を持つようにしている。

---これまでにシンガーとしてもソングライターとしても数多くのアーティストと共演されていますが、好きなアーティストやプロデューサーは?

難しい質問だけど、名前を挙げるとしたらミュージック・ソウルチャイルドだね。彼には“Teach Me”と言う曲を書いた事があるんだけど、同じフィリー出身アーティストとしてとても尊敬してるし、素晴らしいシンガーだと思う。フィリーの“ニュージェネレーション”として、この地の音楽性を世界中に発信してくれた先輩だからね。他にはザ・ルーツも大好き。ザ・ルーツは音楽史に大きな影響を与えたグループだと思う。そんなアーティストと“Why (What’s Goin On?)”という曲で共演させてもらったときは、本当に感激だったよ!

---では、今回のアルバムについてうかがいます。『Love Is Love』というタイトルは一見とてもシンプルですが、同時にとても深いメッセージの込められたタイトルだと思います。このタイトルに決定した理由は?

たとえ言葉が違っても、文化や肌の色が違っても、どんな人間にも共通するものが“愛”だと思うんです。音楽も愛、神も愛。そして僕はその両方を信じていて、それはイコールで愛だと思う。確かに『Love Is Love』という言葉自体はシンプルだけど、そこに込められた思いや意味は果てしなく広くて深いと思うんだ。

---今回のアルバム『Love Is Love』ではアメリカのみならず日本でも多大な人気を誇るプロデューサー、スターゲイトが数曲をプロデュースしているそうですが、彼らとはどのように知り合ったのですか?

初めて一緒に仕事をさせてもらったのは、僕がソングライターとして活動していたころなんだ。とにかく彼らは仕事が速いんだよ!1日6時間程度のレコーディングでアルバム3枚を仕上げちゃったりするんだ。彼らのレコーディングを見て、“プロのやり方とスキル”を学びましたね。彼らは人間としても素晴らしいし、プロデューサーとしても超一流だと思うね。

--- 今回のアルバムではシンガーとしてスターゲイトと仕事をしたわけですが、どうでしたか?

いつものごとく、スターゲイトらしい無駄のないレコーディング。「これぞプロのレコーディング」って拍手をしたくなるような時間だったよ。

---今回収録される曲はすべて自分でライティングしたのですか?

そう。

---お気に入りの曲を挙げるとすると?

“Promise Me”が好きかな。どの曲にも共通する事だけどこの“Promise Me”も僕の実体験がベースとなっている曲。歌詞もメロディーも繊細でいて、とてもパワフルな曲に仕上がっていると思う。

---制作期間は?

1年くらい。

---では、今後コラボしてみたいアーティストやプロデューサーは?

素晴らしいアーティストやプロデューサーはたくさんいるから、どんなタイプのアーティストとも共演してみたいと思っているよ。もちろんスターゲイトとも是非また一緒に作品をつくりたいしね。もし、まだ仕事をした事のないアーティストを挙げるとするとカニエ・ウエストかな。彼はアーティストとしてもプロデューサーとしても素晴らしいと思う。彼の作品は昔から大好きなんだ。

--- 実際にカニエに会った事は?

スタジオの廊下やラジオ局ですれ違った事はあるけど、まだ直接きちんと話をしたことはないね。

---では、今回のアルバム『Love Is Love』が日本でリリースされることについてどう思いますか?

日本には一度も言った事がないんだけど、昔から興味を持ってた国なんだ。そんな場所で僕のアルバムをリリースできるのは本当に最高の気分だよ!できるだけ早く日本に行って、みなさんの前でパフォーマンスしたいって思ってる!僕のマイスペースにも日本からアクセスしてくれる人も多いんだよ。早く日本の音楽ファンのみんなと素晴らしい時間を共有したいよ!とにかく本当に嬉しい!今回日本でのリリースが決まったと聞いて、音楽っていうのは『ジャーニー(旅)』でもあるんだなって感じたね。音楽があったからこそ、僕は新しい場所や文化、人を知る機会を得られたんだからね。

--- ではアーティスト、コーリー・ラティーフ・ウィリアムスとしての夢は?

僕にとって音楽は本当にかけがえのない存在。むしろ音楽しかないって言っても大げさじゃない。だから今後もずっと音楽を続けていきたい。そして、少しずつでもステップアップしていきだいですね。とにかく、何歳になっても、その時の正直な気持ちを表現し続けていきたい。

--- では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

いつも応援してくださってありがとうございます。1日も早く日本でみなさんに会えることを楽しみにしています。ニューアルバム『Love Is Love』を是非聴いてください!

新譜Love Is Love
故Teddy Pendergrassと家族ぐるみの付き合いがあり、門下生として彼の教えてを受けて育ったフィラデルフィア出身のシンガーLatif。03年にモータウンからメジャーデビュー。その後ソングライターとしてグラミー賞ノミネート・ソングMusiq Suolchildの「Teach Me」やChris Brown、Elliott Yamin、Jojoらのライターを務めるなど活躍していた彼が、待望のニューアルバムをリリース。注目のリード・シングルを手がけるのはNe-Yo作品でお馴染みのヒットメイカー・チーム、StarGateで、既にMix CDなどにも取り上げられているキラーチューン「Promise Me」「Don't Wanna Be」収録。その他アルバムにはRyan Leslieが手がけた「U Think U Know」、A Touch Of Jazz出身で数々のR&B作品を手がける腕利きCarvin & IvanによるMusiq風「Leaf In The Wind」、アトランタの新鋭Oakによるバラード「Depature」、そしてTeddy生前から収録することを決めていたという名曲「Love T.K.O.」のリメイクなど収録。フィリー・ソウルへの愛が溢れる1枚となっております。

R&B & DanceLatest Items / Tickets Information