坂本真綾。
あどけない声とどこまでも伸びやかで透き通る歌声。
壮大で重奏的な楽曲から孤独で内省的な楽曲を、彼女の無垢な感性を通して届けられる。
彼女から生まれるものとその才能を引き出す菅野よう子のプロデュースは絶妙のコラボレーションを醸し出す。

〜プロフィール〜
1980年3月31日生まれ。
15才の時、プロデューサー菅野よう子にその才能を見出され、以来、本格的に音楽活動を開始。
菅野よう子はジャパニメーション界でも著名なアーティストで、大友克洋のMemoriesやマトリックスの原型とも言われている押井守の攻殻機動隊のサウンドを手掛けている。
そして1stアルバムグレープフルーツをリリース。 タイトル曲の「グレープフルーツ」は 曇りガラスに浮かぶ太陽のこと。本人作詞曲も3曲収録。10代の揺れ動く感性が瞬間で捉えられたような描写が瑞々しい。
デビューシングルでもあり、彼女の声の才能を知らしめるきっかけとなった約束はいらないは必聴。

そのナチュラルなボーカルと瑞々しい感性に裏付けられた作詞力は各方面より高い評価を得、 2ndアルバムDiveは1999年のミュージックマガジン誌ベストアルバム（歌謡曲／ポップス）に選ばれた。
また、シングルコレクションHochi Pochiはオリコン初登場14位、以後9週にわたって100位内にチャートインと、 着実に高位置にチャートインする実力をもつ。

2003年は2月発売のシングルGravityを皮きりに、4月には劇場映画「ラーゼフォン多元変奏曲」とのタイアップシングルTune The Rainbowをリリース。 並行して、久々のオリジナルフルアルバムの制作に入っている。 そのタイミングにあわせて発売される短篇ムービーに主演するなど新たな試みが進行中。
またミュージカル「レ・ミゼラブル」（東宝） のエポニーヌ役も射止め、その歌唱力が広く評価されつつある。 それらはすべて彼女自身の実力によって数々のオーディションへ合格、声優・吹き替え・ミュージカルと新たな分野へ活動を広げてゆく。

以降、Lucy、続くミニアルバムEasy Listeningなど、このサイト内でも試聴できるので、ぜひ彼女の色々な作品を覗いてみて欲しい。 他にもアルバム収録曲のDive、パイロット、I.D、紅茶などシングルカットされていない佳曲がたくさんあるのでこの機会に 坂本真綾の作品をまとめて体験してみるのもおすすめ。
たくさんの作品を聴けば聴くほど、まさに清流のような彼女の持つはかなさとしなやかさの両側面が楽曲から伝わってくるはずだから。

詩を書くようになってからは気負わない、飾らない等身大のさらっとしているのに味わい深い歌詞に坂本真綾の感受 性がより顕著に現われてくるようになった。
作品ごとに出来上がってくる詩には時々ハッとするような感性を秘め、ますますその世界に引き込まれることになる。
彼女は言葉に出来ないものを分析し、表現できるアーティストなのである。

ナイーブで内に秘めたところや、優しさ溢れる人格が歌にも滲み出て、そこに共感や安らぎを感じる人も多いのではないだろうか。
そしてファン待望のシングルコレクション第2弾ニコパチがリリース。ヒットシングルはもちろん初収録の新曲を収録時間限界まで収録。このアーティスト、このプロデューサー、そして彼女を囲む愛すべきスタッフによって創り出される 素晴らしいクオリティの作品とともに、今後も幅広い活躍を応援していきたい。