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Review List of のんじょんれ 

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  • 9 people agree with this review
     2011/12/02

    子供のころから、親しんできたワルター&コロンビア響のトーン。
    この世にこんな音楽があるからこそ、ほかのさまざまな音楽がいくらあっても許せる気がします。

    また、頭ごなしにこの演奏を古いと決めつけるような人を私は信用しないことにしています。

    それくらい、ここには音楽を越えた何か、基準のようなものが満ち溢れています。

    これから音楽を始めようとする人、すでに音楽を職業にしている人、ベテランのリスナー、など、およそ音楽を聴くことに共感する人は必ず持っているべき決定的なボックスです。

    かつて聴きなれていた低音がふっくらとしたワルター&コロンビアのトーンよりはかなりすっきりと輪郭のある低音になっています。

    マスターテープの音に近いのがどちらなのか、わかりませんが、誤解を恐れずに言うとワルターのモノラル録音のころのきびきびとした音楽性が、晩年にも失われていなかったことが、このややダイエットしたリマスターからわかるのが興味深いです。

    決して枯れているわけではない、一人の偉大なマエストロの生涯の結論と天才モーツァルトの邂逅の奇跡、体験しない手はないでしょう。

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  • 3 people agree with this review
     2011/12/02

    間違いなくこの曲の演奏・録音の近年の金字塔です。

    もう冒頭からリズムの刻みとメロディーの縦と横の関係が十全に活かされているし、第二主題ももうこのテンポ、この歌い方しかないと思わせる解釈で、しかも繰り返しのチェロの歌いまわし、と、音の素晴らしさったらないです。こんな美しいブル1は初めてです。

    展開部はさらに楽しく、冗長になりがちなこの曲のウィークポイントがこの指揮者の手にかかると却って長所として作曲されていたことが分かるほどで、ほかの指揮者がつまらなく聞こえる部分は曲のせいではなかったことが痛感できます。

    楽しさの原因は各楽器の分離の良さと奏者の音色の美しさ。

    もちろん録音の優秀さも比類がありませんが、単に音質が良いだけではブルックナーはだめで、ブルックナーをブルックナーたらしめる絶妙な残響が欠かせません。

    あと特筆すべきはティンパニーで、これは指揮者の指示なのか、奏者の腕なのかわかりませんが、極めて出番の多いブルックナーのティンパニーですが、えてして音程のない爆音になりがちなところを実にセンス良く「役割」をわきまえています。

    ブルックナーの場合ティンパニーだけ残る休止も頻出するので、無意識にティンパニーの出来不出来が全体の印象を決定している場合が多いのです。

    こんな調子で全編全く弛緩なく進んでいきます。

    アダージョは内声や対旋律に今まで聴いたこともないような新鮮味があります。どうしてこんなにすごいのか譜面を見てもよくわかりません。
    気を衒った部分は一か所としてないのですから。

    トランペットのファンファーレのような叫びはすでに第九番のアダージョの永遠の謎のトランペットの咆哮を暗示しているかのようです。

    聴いていて全く飽きない恐ろしい名演ですね。
    クライマックスのフォルテシモがうるさくないので、その内側にあるリズムの刻みが逞しく、運動的に機能しているのがわかる演奏をほかに知りません。

    スケルツォは実はシモーネヤングは一番得意なのでは、とここまで充実仕切った演奏を聴かせているにもかかわらず、そう思わせる代表的なパフォーマンスとなっています。

    この段階でブルックナーは自信を確立させているわけですが、このスケルツォは自身の7番のそれに直接つながる音楽でありながら、その影響がモーツァルトからきていることを思わせる憂いを含んでいます。
    トリオは4番のトリオはこのトリオがなければ書けなかっただろうと思わせます。要は、ヤングの弦の刻ませ方が絶妙だから。
    また後期の交響曲になるとその存在が思いっきり吹いているにもかかわらずほとんど聞こえないというファゴットがこの曲ではかなり重要な場面でフィーチャーされているのも、決してわざとらしくなく扱っているのもヤングのセンスです。

    問題のフィナーレですが、この難解な音楽を楽器の分離を良くして、各旋律の絡みの見通しを完璧にし、ティンパニーでかき消さないようにすることで、聴き手にあとは解釈をまかせている印象です。

    全曲聴き終わって、そういえばブルックナーと言えばオルガン的な響きというイメージですが、そういうありきたりの音色を完全に乗り越えたところにこのシモーネ・ヤングの意義があることにも気づきました。

    シモーネ・ヤングならあの無意味とすら言われているウィーン版も聴いてみたいので、ぜひ録音していただきたい。

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  • 2 people agree with this review
     2011/12/01

    特に素晴らしいのはスケルツォの奥行き感。私はCDプレーヤーをSACDプレーヤーに買い替える時、このスケルツォの奥行きと余韻が出せるかどうかを基準にしました。
    この盤はSACDの長所が最大限に生かされていると思います。
    もちろんCD面でも十分にシモーネ・ヤングの才能を堪能できます。
    ただ者ではない。

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