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2013/08/11
Spenser愛に満ちあふれた第一章が素晴らしい。現時点では8/39しか読めていないため、ネタバレ怖さに最も紙幅を割いている第二章をほとんど読むことができず、第三章もSpenser, Suze, Hawkの三人のみ(Robert B. Parkerのプロファイルはおもしろかった)。まぁ焦ることなくシリーズを読み進めていき、その都度本書の未読ページを埋めていきたいと思っている。
第二章でSpenserシリーズ全39冊を、展開、味わい、会話、人物について著者が五段階の評価を行っている。総合評価は、前述の4項目の平均が3.75-4.25ポイントを「4:少しばかり忙しくても読んで欲しい逸品」とし、その範囲を上回れば「5:ぜひとも読んでほしい傑作」、下回れば「3:寝ころんで読むには最適な佳品」になっているようだ。なお「2:何もすることない、雨の降る憂鬱な日曜の午後にどうぞ」と「1:読む価値なし。時間の無駄。無人島で読み物がなければどうぞ」は該当なし。
栄えある評価:5(4.75ポイント)で金メダルを獲得した作品は下記の五つ。
#06 Looking for Rachel Wallace
#07 Early Autumn
#17 Stardust
#19 Double Deuce
#24 Small Vices
惜しくも次点:4(4.25ポイント)で銀メダルとなった作品は下記の三つ。
#03 Mortal Stakes
#05 The Judas Goat
#22 Thin Air
銅メダルとして、#04, 09, 11, 12, 15, 20, 26, 32, 34, 36の十作品が総合評価:4(4.00ポイント)で続いている。
3.00ポイントを下回った作品は、#01, 16, 27, 29, 33, 37の六作品で、#33 School Daysが最低の2.50ポイントだった。
十作品単位でグルーピングして4項目の平均を比較すると、長期シリーズの宿命としてはやり、初期作品に軍配が上がるようだ。
#01-10 3.95ポイント(金2、銀2、銅1)
#11-20 3.90ポイント(金2、銀0、銅4)
#21-30 3.53ポイント(金1、銀1、銅1)
#31-39 3.42ポイント(金0、銀0、銅3)
初期作品の中で、”The Judas Goat”と”Early Autumn”の高評価は同意見だが、デビュー作The Godwulf Manuscript”の低評価が興味深い。確かにpilot版的でSpenserのキャラが安定せず、SuzeやHawkも未登場ではあるけれど、あのLinda Loriingのファミリーネームを冠したBrendaが登場し、おそらく唯一であろうハードボイルド的な雰囲気を併せ持つ、悪くない作品だと思うのだけれど。