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TOP > My page > Review List of レインボー
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0 people agree with this review 2023/04/05
このCDはハファブラが出している参考演奏集の一枚です。 出版社の楽譜参考演奏集なので選曲としてはごちゃ混ぜ感はあります。 幾つか優れた作品を紹介しますと、冒頭の行進曲『近衛兵の交代』はスタンダードな行進曲で、なかなか良いです。 メルテンスの3本のテナーは3つのテナーホーンを独奏とする小品。 ヨーロッパの香りのする作品で個人的には好きです。 またモルックポーアのペルシャ舞曲は題名通りの作品で1番から6番まであるようですが、ここでは1、3、4番の3曲が収録されています。 演奏の大多数はアド・ホック・ウィンド・オーケストラが担当しています。 この団体は録音用ではありますが、メンバーにはベルギー有数のバンドのメンバーを集めた団体となっており、腕前はなかなかのもの。 ここではヘックが大半を受け持っていますが、行進曲からポップスまでフレキシブルに対応し、優れた演奏を聴かせてくれます。 また1曲だけあるイフ・セヘルス指揮、ベルギー王立近衛兵軍楽隊の演奏は、いわゆる現代音楽寄りのグレードの高い作品ですが、難なくこなしているのはさすがギィデと言えるでしょうか。 録音年や録音場所は不明ですが、音質は綺麗で、不満なく聴けると思います。 最後に収録曲と演奏者です。 1.行進曲『近衛兵の交代』(ヘック) 2.2つのラテン舞曲 (ウェニャン) 3.ペルシャ舞曲第1番 (モルックポーア) 4.プレーリー・ムーン (ホッペ arrマルチヌス) 5.ペルシャ舞曲第3番 (モルックポーア) 6.ラクダの背中の針(オーリオ) 7.ペルシャ舞曲第4番 (モルックポーア) 8.イッツ・フォー・タイム・ラヴ (ヘック) 9.ピーター・パン・ハイライト (ウェルターズ編曲) 10.3つのテナー (メルテンス) 11.ミッシェル・フーガン・ラテン版 (フーガン arrルゴロワ) 12.死ぬまで愛す (カブレル arrフリードリクソン) 13.ストロマエ (ストロマエ arrシュバリエ) 14.青春に乾杯 (ヴァンサン arrフリードリクソン) 15.ママチャリ (アンプヤ) 16.彼は立ったままピアノを弾く (バーガー arrペリン) 演奏 ジャン=ピエール・ヘック指揮、アド・ホック・ウィンドオーケストラ 6、10以外の全曲 ハーディ・メルテンス指揮、アド・ホック・ウィンドオーケストラ 10 イフ・セヘルス指揮、ベルギー王立近衛兵軍楽隊 6
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1 people agree with this review 2023/04/04
このCDはリチャード・ボニングがデッカに録音したバレエ音楽の数々を纏めてBOX化したもので、ボニングが90歳を迎えるにあたり企画されたものです。 ボニングはオペラ畑の指揮者として知られ、マイナーな作品の録音をしていた事でもしられていますが、バレエでも同じ様にマイナーな作品を取り上げ録音していた事で知られます。 このCDでもアダン『海賊』『4人の悪魔』『マルコスパダ』オッフェンバック『蝶々』シュトラウス2世『シンデレラ』等々今持って録音が1種類または、片手で数えられる作品がたくさん収録されています。 またボニングお得意のオペラの序曲や管弦楽曲、マスネのオーケストラ作品などバレエ以外の作品も収録されています。 オケはいくつかの団体を振っていますが、ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、イギリス室内管弦楽団といったロンドンのオケとの共演が多いです。 いずれもオケの優秀さも手伝い色彩豊かな、生き生きとした演奏となっています。 デッカの録音だけあり、古い録音ながら音は聴きやすい。 そこそこ値は張るが、資料的な価値も高く、なかなか良いBOXだと思う。
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1 people agree with this review 2023/04/03
このCDはNHK交響楽団が1968年から2010年にかけて演奏・収録した音源より、クラシックのポピュラーな名曲を収録したボックス。 指揮者は岩城宏之、森正、外山雄三、若杉弘、山本直純、尾高忠明、秋山和慶の7名がそれぞれ振っている。 その大半がライヴである。 NHK交響楽団は元々商用セッション録音が少なく、現在出回っている音源の大半はライヴ録音が殆どかつ、日本のクラシック界特有の(=リスナーの)シンフォニー&コンチェルトと言った大曲重視の姿勢もあってか、同楽団のCDは交響曲や協奏曲が多く、しかも海外の著名指揮者やソリストを招いた音源が殆ど。 一方でこのCDの様な誰もが聴いた様な名作はあまりCDにはならず、ましてや日本人指揮者によるこれらの録音がCDになるのはこんにち珍しい。 演奏は基本的に、日本のオケらしい真面目さが目立った演奏であるが、一方でライヴ特有の熱のある演奏も見られる。 また新しくなるほどオケの技術がよくなっているのは分かる反面、古い録音では試行錯誤を重ねた手作り感のある演奏でこれはこれで面白い。 録音はやはり古い録音ほどイマイチで、新しい程良いです。 収録音源はこのBOXで初出音源と謳っており、現在でも大半がこのBOX以外出ていませんが、後に別のCDに収録された音源もあります。 解説書には楽曲解説の他、楽団縁の人物のエッセイと専用ケースにCDが入っています。
1 people agree with this review 2023/04/02
オランダの老舗楽譜出版社、モレナールが自社の楽譜の参考演奏集として出している、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの第62弾にあたるディスクです。 演奏はポルトガル公共治安警察音楽隊、指揮はホセ・マヌエル・フェレイラ・ブリト隊長です。 本CDは中級グレードの新曲を中心にセレクトしたものです。 吹奏楽の新曲は他の出版社だと当たり外れが激しいイメージですが、モレナールは比較的安定しており、このCDでもタイトル曲を初め、聴きごたえのある作品が収録されている。 編曲物ではベルリオーズの『ハンガリー行進曲』ヨハン・シュトラウス2世『芸術家のカドリーユ』が収録、特に後者の吹奏楽版は珍しい。 演奏団体は近年モレナールの参考演奏集で知られる様になった団体で、ポルトガルの吹奏楽団らしく、大編成による分厚いサウンドと、卓越した技術を持ったシンフォニック・バンドです。 本CDでも鑑賞用としても十分なレベルの演奏で、高い表現力は見事だ。 録音年及び収録場所は不明だが2014年発売なので、その頃と思われる。 レコーディングとミキシングはモレナールではなく、アファナウディオが担当している。 アファナウディオはポルトガルの吹奏楽系のレーベルで自社でCDも制作している。 残念ながら日本ではアファナウディオのCDの流通はほぼしていないため無名のレーベルとなっているが、スイスのアモス・レーベルの様に、豊かな残響と柔らかでクリアに録られた録音は吹奏楽のCDの中でも良い音質と言えるだろう。 最後に収録曲は以下の通り。 1.英雄の呼びかけ (マイケル・ガイスラー) 2.オリンピックの夢 (ディーン・ジョーンズ) 3.琥珀の間の伝説 (マイケル・ガイスラー) 4.ハンガリー行進曲 (エクトル・ベルリオーズarr.トン・ファン・フレーヴェンブレーク) 5.ケルト族の文化 (ラルフ・ウール) 6.祝祭の印 (マイケル・ガイスラー) 7.リトル・メイフラワー (ニンク・ファン・デル・ハイデーファン・デル・フェーン) 8.フェスティーヴォよりサルサ・タイム 9.フェスティーヴォよりサンセット・タンゴ 10.フェスティーヴォよりサンバ・スウィング (ディーン・ジョーンズ) 11.芸術家のカドリーユ (ヨハン・シュトラウス2世arr.ヴィンセント・ファン・デン・バイラール) 12.世界中のクリスマス (ジョフ・ペンダース) 13.ヴェニスの謝肉祭 (arr.パトリック・ミルストーン) ホセ・マヌエル・フェレイラ・ブリト隊長指揮、ポルトガル公共治安警察音楽隊演奏
0 people agree with this review 2023/04/01
アンドルー・デイヴィス指揮、BBCフィルハーモニックの演奏で収録されたエルガー作品集です。 『チェロ協奏曲』『序奏とアレグロ』『エレジー』『威風堂々』の4曲を収録している。 デイヴィスは若い頃からエルガーの録音を残すなど、今現在のエルガーのスペシャリストだが、その集大成とも言えるのが本CDだ。 まず冒頭のチェロ協奏曲は、ポール・ワトキンスをソリストに迎えて、録音されたもの。 このチェロ協奏曲は悪くはないのだが、今ひとつと言ったところ。 序奏とアレグロ及びエレジーもオーケストラの合奏能力の高さが分かるが、このCDの1番の聴きどころは威風堂々である。 これだけオケの気合いの入り方が違い、この曲は自分たちのレパートリーであると言わんばかりの情熱と共感が感じられる。 全5曲とも名演だが、特に素晴らしいのは有名な1番で、テンポの設定やオルガンをしっかりと効かせたその演奏は新しい名演と言える。 録音も新しいだけあり良いのだが、威風堂々は特にダイナミックに迫力がある録音で、これもこのCDの売りだろう。 おすすめである。
0 people agree with this review 2023/03/31
ヨハン・シュトラウスの喜歌劇『理性の女神』の全曲盤。 クリスティアン・ポラック指揮、スロヴァキア・シンフォニエッタ・ジリナ演奏で収録されたものである。 この作品は1897年に初演されたもので、作曲家存命中に初演された最後の喜歌劇である。 この作品、シュトラウス自身が気乗りせず、一度は作曲を止めるも、台本作者より催促されなんとか完成に至った作品との事で、初演時から評判は良くなかったそうだが、序曲等を除きあながちその評価は正しかったようで、このポラック盤が出るまで音源はなかったようである。 演奏そのものは室内オーケストラの響きを生かした中庸な演奏であり、歌手陣も不足はない。 世界初録音なら充分な演奏と言えるだろう。 録音も良好。 どちらかといえば資料的価値の方が高いアルバムといえるかも知れない。 余白にはこの喜歌劇のメロディを使ったワルツやポルカ等が収録されており、これは既にマルコポーロから発売されたヨハン・シュトラウス2世管弦楽作品全集からの抜粋。 スロヴァキア国立フィルハーモニー管弦楽団や、スロヴァキア放送交響楽団が演奏し、ヨハネス・ヴィルトナー、ミハエル・ディトリッヒ、クリスティアン・ポラックが指揮したもので、作品を知るには問題ない演奏である。
1 people agree with this review 2023/03/30
デ・ハスケの2010年参考演奏集。 1枚目には主に吹奏楽のオリジナル作品が、2枚目には吹奏楽オリジナルとブラスバンド作品を選曲した編集盤。 様々な寄せ集めなので、新曲の出来もよりけりと言ったところですが、1番出来が良いのはヴォルフガング・ヴェスナー『マリナーズ行進曲』でしょうか。 タイケ等のドイツ行進曲を思わせるガッチリとした作風で、ファウスト作『グリュック・アウフ』でも使われた炭鉱歌を引用した新しくも伝統的なドイツ行進曲です。 演奏者も幾つかいまして紹介しますと、ドイツ連邦軍軍楽隊、ヴァルター・ラツェク中佐の指揮でこちらは如何にもドイツ的なカッチリとした演奏。 美しき青きドナウを聴けば分かるのではないだろうか。 ライプツィヒ放送吹奏楽団は作曲家のトーマス・ドスが自作を含む4曲を振ったもの。 作曲家の指揮というのは淡々としたものが多いが、本CDでは意外と演奏は良く、ドイツ的なベースの安定感と充実した演奏が聴きどころです。 オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊は、ギィデの元楽長ノルベール・ノジーを指揮者に迎えていた時代の録音で、流石オランダの名門だけあり、軽やかなタッチからシリアスな演奏まで、なかなか見事です。 後半に出てくるブラック・ダイク・バンドやコリー・バンドあたりは金管バンドの中でもかなりの有名団体で、この辺りは参考演奏集でも充分鑑賞に耐える出来です。 収録音源は本CDのみに収録されている物もある他、既発売のCDからの転用もあります。 録音状態は少々バラバラではありますが、いずれもデジタルであり、聴ける水準だと思います。 収録曲及び演奏者は以下の通りです。 1 団結のファンファーレ(シュワルツ) 2 偉大な都市への序曲 (スパーク) 3 望郷 (ヤコブ・デ=ハーン) 4 マイナーズ行進曲 (ヴェスナー) 5 主よ深き淵の底より (arr.ヤコブ・デ=ハーン) 6 羅針盤の旅 (ネイス) 7 喜びの舞 (ウェニャン) 8 メリー・ポピンズ・セレクション(シャーマンarr.リケッツ) 9 指揮者のスウィング (ボヴィ) 10 伝説のチャンピオン (マーキュリーarrティンナー) 11 アトラクティーヴォ (ラセロムス) 12 未開人 (ラモーarrウィッフィン) 13 勝利の風 (ヤン・デ=ハーン) 14 序曲パイレーツ (ドス) 15 アヴェ・マリア (シューベルトarrベーリンゲン) 16 戦士の賛歌 (広瀬) 17 アルプスのクリスマス (arrドス) 18 ミニストリー・オブ・ウィンズ (ヤコブ・デ=ハーン) 19 ヴォヤージュ (八木澤) 20 マリンバと吹奏楽のための幻想曲第四楽章 (広瀬) 21 メッセンジャー・オブ・ライト (ドス) 22 美しき青きドナウ (シュトラウスarrデル・ベーク) 23 チョイス・ザ・サン (ウィッフィン) 24 サウンド・オブ・ミュージック (ロジャース&ハマースタインarr岩井) 25 アリス・イン・ワールド・サウンドトラック・ハイライト (エルフマンarrブラウン) 26 アバター・サウンドトラック・ハイライト (ホーナーarrボックック) 27 ヘイル・ザ・ドラゴン (スパーク) 28 フレミッシュ・クリスマス (ハデルマン) 演奏 トーマス・ドス指揮、ライプツィヒ放送吹奏楽団 1.4.14.17 ヴァルター・ラツェク中佐指揮、ドイツ連邦軍軍楽隊 2.22 ノルベール・ノジー指揮、オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊 3.5.12.15.18.19 ピーター・クライネ・スハールス指揮、ミッドウェスト・ウィンズ 6.9 指揮者不詳、オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊 7.11 指揮者不詳、ミッドウェスト・ウィンズ 8 ヤン・デ=ハーン指揮、名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラ 13 ヤン・ヴァン・デル=ロースト指揮、名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラ 16.21 ハルメン・クノッセン少佐指揮、オランダ王立海軍軍楽隊 20 イヴァン・メイレマンス指揮、ベルギー王立ケンペンブルーイ・アヘル・ファンファーレ・オルケストラ 23 クラース・ヴァン・デル・ヴォウデ指揮、ブラスバンド・デ・パズアン・ウンケルケ 24 イアン・ボートハウス指揮、フォーデンズ・バンド 25 ロバート・チャイルズ指揮、コリー・バンド 26.27 ニコラス・チャイルズ指揮、ブラック・ダイク・バンド 28
1 people agree with this review 2023/03/29
シャンドス・レコードから発売されたエドワード・エルガーの作品集である。 2枚組であり、1枚目はアレクサンダー・ギブソン指揮、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団の演奏で収録された『エニグマ変奏曲』と『威風堂々』である。 この音源は1994年発売のCD(品番CHAN6504)をそっくり転用したもの。 ギブソンはオペラ畑出身だが、シベリウスの様な北欧音楽から、イギリス音楽までを録音したベテランだったがCD化はそう多くはなく、シャンドスに残された録音が1番多くCDになっており、本CDもそんな1枚である。 その演奏は一言で言うならば中庸であり、イギリス的とも言えるもの。 スコティッシュ管は流石によく鳴らしており、これはこれでなかなかに立派な演奏だろう。 2枚目はエルガーの管弦楽作品からあまり知られてない作品を集めたもの。 愛の挨拶を別にすれば殆どがまずエルガーファンでもない限り知られていない作品であり、オーボエ独奏の独白や、スルスム・コルダ等大変貴重なものが収録されている。 演奏は全曲ボーンマス・シンフォニエッタ、指揮は1曲目から14曲目までが、ノーマン・デル・マーの指揮で、15曲目から20曲目はジョージ・ハーストの指揮で収録されている。 デル・マーの音源は、CHAN8371という品番のCDをそのまま収録、ハーストの音源はR.V.ウィリアムズとエルガーの作品を集めたCHAN8432からエルガーの曲だけを転用したもの。 演奏は共になかなか良く、特にエルガーを得意としたハーストの演奏は見事。 ハースト、デル・マーもギブソンと同じくCD時代ではあまり復刻されないがなかなかの実力者であるのがわかる一枚である。 録音は1975~1978年で、時代を考えれば充分な水準。
1 people agree with this review 2023/03/28
オランダの楽譜出版社、デ・ハスケの1999年新譜参考演奏集です。 アレックス・シェリングス少佐、ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊の演奏で録音、収録されています。 演奏団体は1819年まで起源を遡る事が出来、オランダ王立陸軍軍楽隊と共に永らく陸軍を代表する軍楽隊として知られ、録音も多く日本でも著名な団体でしたが2005年に前記オランダ王立陸軍軍楽隊と合併し、オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊として新たにスタートを切りました。 指揮のシェリングス少佐は1995年にヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊の軍楽隊長に就任し、2002年まで務めました。 在任中は録音にも積極的で、デ・ハスケやモレナール、アムステルやカーナウ、アングロ、ルンデル等の出版社系レーベルに録音を残しています。 酒井格『若草山ファンフーレ』で始まる本CDは、タイトルにもなっているローストの『クレデンティウム』の様な新作オリジナル曲や、プレスリーやキャリーらポピュラー歌手のヒット作品を吹奏楽に編曲した物、ドリーブ『チャルダーシュ』フンパーディンク『夕べの祈り』の様なクラシックの編曲等、様々なジャンルの作品を集めています。 演奏は流石、名門軍楽隊として知られただけあって、どれもが素晴らしい。 参考演奏集と言えば抑えたニュートラルな演奏も多い中、このCDの演奏は作品の表現力が良く、鑑賞用にも十分いけます。 とは言え特に良いのが、上記の『若草山ファンフーレ』とラセロムス『エスパデ』で、軍楽隊が得意とするファンフーレや行進曲という事もあり、特に音の鳴りが良い。 録音年は不明だが、1999年新譜なので同年頃だろう、録音も綺麗で良い。
1 people agree with this review 2023/03/27
このCDはエリザベス女王即位50年を記念して制作されたアルバム。 フィリップ・E・ヒルズ少佐指揮、イギリス近衛歩兵グレナディア・ガーズ軍楽隊の演奏で収録されたもの。 本CDは2012年の発売であるが、元は2002年に発売されたアルバムの再発売。 再発に伴って色々と簡素にはなったものの、内容自体はオリジナルである。 収録曲はいわゆる愛国歌や行進曲等、イギリスの軍楽隊の得意レパートリーを集めたもの。 それだけに演奏はどれも自信に満ちた好演奏で、特にウォルトン『宝玉と杖』ブリス『ようこそ女王陛下』エルガー『威風堂々第1番』ヘンデル『スキピオ』あたりの行進曲の演奏はさすがである。 指揮のヒルズ少佐は1992年にグレナディア・ガーズ軍楽隊の音楽監督になり2002年まで在任していた指揮者で、在任中には幾つかのレーベルに音源を吹き込んでいるがこの音源は同軍楽隊の最後の音源と思われる。 録音はデジタルなので、綺麗なのだがEMIによる録音ということもあってか硬めのサウンド。 この辺りは好みの問題だと思うが。
1 people agree with this review 2023/03/25
このCDは、フィルハーモニア・ウィンド・アンサンブルが演奏した行進曲のアルバム。 指揮は汐澤安彦と平井哲三郎だが、個々の担当曲の記載はない。 フィルハーモニア・ウィンド・アンサンブルは元々、ソニーの録音用の団体として結成された団体だったはずであり、1970年代頃に録音を残している。 録音用ながら腕前はしっかりとしており、演奏そのものはスタンダードな解釈。 『軍艦行進曲』や『双頭の鷲の旗のもとに』はオケのメリハリがあって名演奏と言えるだろう。 選曲はスーザをメインに有名な作曲家の作品をセレクトしており、数曲マイナーな曲もあるが、行進曲CDの選曲としては定番と言えるだろう。 音質は特に不満なく聴ける。 尚、収録音源は2012年に通販限定で、新たに再発売されており、値がはるのが難点だが、そのBOXCDを買った方がお得だ。
1 people agree with this review 2023/03/24
マーチと言っても軍楽隊が演奏する事を想定したパレード用作品の他に、オペラの劇中や演奏会向けのコンサート・マーチと言われる作品もあり、本CDはそれらを集めたものとなります。 元は管弦楽曲という作品ばかりですが、吹奏楽に演奏するにあたり編曲されており、本CDの使用楽譜について記載はないですが、出版元の記載を見る限り近年新しく編曲されたものではなく伝統的な楽譜を使っている様です。 演奏は陸海空の3自衛隊中央音楽隊です。 陸上自衛隊中央音楽隊(指揮:船山紘良、柳川成章)は2曲のみですが、意外と良い演奏で、ナイツブリッジ行進曲とおもちゃの国の行進曲共におすすめです。 海上自衛隊東京音楽隊(指揮:山田哲朗、早田透)は3曲のみの登場。 どれも安定した演奏を聴かせるが、ショパンの葬送行進曲の吹奏楽版の録音は案外珍しいかも知れない。 航空自衛隊航空中央音楽隊(指揮:印南智之、佐藤徹)はCDの中で最も演奏回数が多い。 こちらも安定しているが、フランス軍隊行進曲などはなかなかの演奏だ。 このシリーズはワンポイント録音と録音にもこだわりを持って制作されており、録音から30年以上たった現在でも現役で通用する水準の録音。 1998年にも再発売されていますが、これは1987年発売の初盤で、微身にライナーが違う以外は一緒です。
1 people agree with this review 2023/03/23
アンドリュー・チャトバーン少佐指揮、イギリス近衛アイリッシュ・ガーズ軍楽隊による演奏で収録されたアルバムである。 スペシャリスト・レーベルのバンドスタンドシリーズの一枚で、本CDはアイルランドをテーマとしている。 そのマニアックながら充実した内容に評価が高かったスペシャリストだが、ここでも名曲から珍しい作品までを集めていて要注目。 タイトルにもなった『エリンを忘れるな』は同名の民謡をもとにした幻想曲で、ヴィルヘルム・フリッツ・ブラーゼが書いた作品。 ブラーゼはドイツ出身の軍楽隊指揮者・作曲家で、ドイツ時代には若くしてベルリン近衛第1連隊軍楽隊隊長に就任、演奏や録音活動の他に代表曲となった『偉大なる時代、新しい時代』という行進曲を書いていたりします。 しかし第一次世界大戦後は、軍縮の影響で軍楽隊が減り、時同じくして軍楽隊の指導者を探していたアイルランドに移住、アイルランドの軍楽隊育成に力を注ぎ、1940年に当地で亡くなりました。 アイルランド移住後も作曲は続けましたが、演奏はもちろん、録音機会が少なく、この音源は貴重です。 他にもアイリッシュ・ガーズの元楽長、ウィルコックス少佐が書いた行進曲『サラファンド』や、スタンフォード『シャミス・オブライエン』オドネル『アイルランドの2つのトーン・スケッチ』等と言った聴く機会の少ない作品が並びます。 チャトバーン少佐は1985年に、第13/18軽騎兵連隊軍楽隊の隊長に就任し、1993年にグルカ旅団軍楽隊、1995年にイギリス陸軍通信隊軍楽隊の隊長に、1998年にアイリッシュ・ガーズ軍楽隊の音楽監督に就任しました。 録音は13/18軽騎兵連隊軍楽隊時代と、通信隊軍楽隊時代にもありますが、アイリッシュ時代が1番多いです。 演奏は、重心が低めの演奏で、ブリティッシュ・サウンド全開の熱い演奏であり、作品を楽しむには問題ありません。 録音も豊かな残響が特徴で、素晴らしいです。 吹奏楽CDの中では優秀な水準といえます。
1 people agree with this review 2023/03/22
このCDはミヒャエル・オイラー少佐指揮、ドイツ連邦軍山岳師団軍楽隊による演奏で収録されたCDです。 内容は大帰営譜の音楽を収録したものです。 大帰営譜はドイツ軍楽でも重要な音楽でSP時代から録音されています。 本CDには前半はセレナードと題したコンサート、後半に大帰営譜が収録されています。 前半のセレナードはベートーヴェンの行進曲『帰営の音楽第1~3番』に、『バイエルン巡閲行進曲』ショルツァー作曲『バイエルン分列行進曲』そして、スッペ『軽騎兵』シャハト『バイエルン祝祭序曲』が収録されています。 ベートーヴェンの作品はいわゆるヨルク軍団行進曲を含みますが、編曲がヨハネス・シャーデ大佐によるものだったり(当然トリオ付き)スッペはオーストリアのザルツブルク陸軍軍楽隊の隊長を務めたハンス・エーベル大佐のものだったり、シャハトの作品は録音自体が珍しかったり、この時点でなかなか濃い内容です。 大帰営譜は西ドイツ時代からのをそのまま演奏しております。 但し、演奏のみであり、号令等は入っていないタイプの録音です。 演奏するドイツ連邦軍山岳師団軍楽隊は1956年に創設されたバンド。 西ドイツ時代から、西ドイツ連邦軍司令部軍楽隊、西ドイツ連邦陸軍第1軍楽隊、西ドイツ連邦陸軍第6軍楽隊、西ドイツ連邦陸軍第11軍楽隊等と共に日本で知られた、人気のある軍楽隊です。 録音も初代隊長、ヴェルナー・ジンメルマン中佐時代からコンスタントに録音されており、行進曲を中心に評判は高いです。 本CDの指揮者、ミヒャエル・オイラー少佐は、1992年にこの軍楽隊の隊長となり、2001年まで在任しました。 録音も幾つかあり手に入れやすいものの中にはマゼールと共演した1812年もありますが、単独での録音はコッホへの録音が多かったためか、日本ではあまり知られていない音源が多いようです。 この録音は軍楽隊得意のレパートリーのCDであり、ドイツの軍楽隊らしい重厚で低音をバシッと効かせたサウンドや、行進曲でのメリハリのある演奏等聴きどころがたくさん。 録音年は不明ですが、2000年頃の発売で、そのあたりに収録されたものでしょう。 録音は普通に優秀であり、問題ありません。 行進曲好きな人におすすめの一枚です。
1 people agree with this review 2023/03/21
フランツ・フォン・スッペ作曲、劇付随音楽『八十日間世界一周』を収録したもの。 非常に珍しいこの作品は1874年の作品でやはり本CDが世界初録音との事である。 スッペの作品では比較的珍しく描写的な作品で、また他作曲家のメロディが流用されていたりし、また時にワーグナー的な重厚なオーケストレーションがなされており、まぁまぁ聴きごたえはある。 演奏はダリオ・サルヴィ指揮、ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団。 サルヴィ&ヤナーチェク・フィルのコンビは近年ナクソスに録音をしており、スッペの作品では近年『モーツァルト』をリリースしたばかり。 第1作のモーツァルトに比べて、演奏は格段とパワーアップしており、作品の魅力を丁寧に引き出した好演奏です。 ヤナーチェク・フィルも知名度は高くないのですが、技量はなかなかのもの。 録音、音質良好です。
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