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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/01/04

    交響曲や弦楽四重奏曲のジャンルでほぼ一定の達成感を見たハイドンは晩年宗教曲の方に傾倒して行くのですがこの「天地創造」はミルトン「失楽園」を題材として特にヘンデル「メサイヤ」に触発され当初大量なスケッチを単純・直截化すべく慎重に作曲された開放的な安定した穏やかさが特徴の正しく大家の作品に出来上がっており結構聴き易い曲だけに演奏盤も多くアーノンクールについては1986年VSO(なお、合唱団は本盤と同じ)を振った旧盤と本盤2003年アーノンクールが自ら育てたCMV50周年記念ライブ演奏盤があります。アーノンクールと言えばほぼ本盤と同じ組合せメンバーで2010年秋の日本での「天地創造」公演が話題になりましたね。本盤アーノンクールの演奏はかつての衝撃的な要素はさすが74歳での指揮なのか少しマイルドになり分り易く申しますと以前の激しい強弱さから後者つまり「弱」フレーズに印象的場面が多い様に思いました。極端なのは第三部最終曲の「アーメン、アーメン」の「メン」の箇所の歌わせ方等にその余韻的特徴が出ているのではと思いました。演奏タイムとしては第一部、第二部(創世記第一章、第1日〜6日分)77分半、第三部(アダム&イブ)28分半とやはり時間的にはそう違和感もなく運んでいます。第一部「混沌」・・・各管楽器の古楽器の美しさが特に私は好きですし、又、この出だしは演奏とは別に全くハイドンの才能による本当に傑作だと思います・・・、本盤は三人体制の独唱陣でレッシュマン(S36歳)、シャーデ(T38歳)、ゲルハーヘル(B34歳)という比較的同年輩若手の布陣で出来の凹凸具合が割りと少なく思われました。「混沌」後のB出だしは静けさすら伴い第5曲(トラック単位・・・以下同)の合唱合間のSの感情表現も嫌味がありません。第7曲「泡立つ波を轟かせて」では穏やかなBと自然描写の巧みさがよくブレンドされています。同じく第一部第11と14曲のよく整理された合唱が詰めで忙しく入れ込むのも面白いです。第二部第5曲「若々しき緑に飾られて・・・」は例の三重唱なのですが如何にも楽しげ且つ力強さがこの曲の特徴。第12曲「大いなる業は成りぬ、全てのものは仰ぎ見る」での合唱〆には前述の「弱」フレーズが表れています。第三部第2曲二重唱は快いテンポを保ち温和さと緊迫感の程よい混ざり具合ですね。第4曲S,B二重唱フィーリングにはそのバロック的演奏雰囲気がアーノンクール指揮を再確認した次第。最終曲については先に少し触れました。本盤演奏はアーノンクールのいつも変わらぬ綿密な検討を経ての演奏であることととにかくライブ故なのか一気に聴かせてくれる演奏であります。私自身VPOを振った1960年代後半録音のミュンヒンガー演奏盤もおっとり目で好きですし朝比奈が大フィルを振った1975年ライブLP盤もその武骨さに聴き入った一時期もかつてありました・・・いい曲ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/01/03

    多くの人がそうであるように私もこの1951年バイロイト・ライブ録音ソース演奏をEMI・LPから聴き始めた者ですがCDになって数々の同音源異盤が出て更にオルフェオから異奏版が新たに発売(別の同日?バイロイト演奏分)されマニアには研究甲斐のある昨今。オルフェオ版はサンプリングしか聴いてはいないので相変わらず前者のLP,CD(フルトヴェングラー65歳の頃でタイムは@17’35A11’42B19’20C24’39です)で間に合わせその当初の興奮した感動を大切にしている次第で50年近くこの演奏の私を含めた世のファンに感動を植えつけた功績は馬鹿には出来ません。本盤の仕様技術的な事は他のレビューの方にお任せするとしまして兎も角演奏としての最高ランクは私の中では色あせません・・・多分今となってはもっと優れた他の指揮者による演奏はあるでしょうがオールドファンなので昔子供の頃食べたちょっとした食べ物が今日いろいろあるグルメレストランのメニューより旨く思われ忘れられない感覚に近いかもしれません。いずれにしても「合唱」交響曲に関して本盤を含めこのフルトヴェングラーのバイロイト演奏はクラシック演奏記録として長く残るでしょう。本盤添付のメモには前述のこの演奏日での異演奏分についても触れているらしく興味がありますね。(1942年BPO演奏盤も面白い)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/01/02

    多くの人がそうであるように私もこの1951年バイロイト・ライブ録音ソース演奏をEMI・LPから聴き始めた者ですがCDになって数々の同音源異盤が出て更にオルフェオから異奏版が新たに発売(別の同日?バイロイト演奏分)されマニアには研究甲斐のある昨今。オルフェオ版はサンプリングしか聴いてはいないので相変わらず前者のLP,CD(フルトヴェングラー65歳の頃でタイムは@17’35A11’42B19’20C24’39です)で間に合わせその当初の興奮した感動を大切にしている次第で50年近くこの演奏の私を含めた世のファンに感動を植えつけた功績は馬鹿には出来ません。本盤の仕様技術的な事は他のレビューの方にお任せするとしまして兎も角演奏としての最高ランクは私の中では色あせません・・・多分今となってはもっと優れた他の指揮者による演奏はあるでしょうがオールドファンなので昔子供の頃食べたちょっとした食べ物が今日いろいろあるグルメレストランのメニューより旨く思われ忘れられない感覚に近いかもしれません。いずれにしても「合唱」交響曲に関して本盤を含めこのフルトヴェングラーのバイロイト演奏はクラシック演奏記録として長く残るでしょう。(1942年BPO演奏盤も面白い)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/01/01

    年末年始は「合唱」、フルトヴェングラーの「合唱」は有名な1951年バイロイト版の他に何種類かの演奏がCD化されており種々彼の演奏のバラエティを楽しめますが私は以前そのバイロイト版と本盤演奏である1942年BPO版をLPで聴き比べたりしておりました。BPO版はアメリカエベレスト盤(レコード表記タイム@16’33A9’38B19’25C23’24)で録音もソース次第なのか芳しくなくても戦時下の緊迫したものが窺われ、全体に即興的なところが活きタイム的には短めで第2楽章の気迫や終楽章のクライマックス・・オケ、合唱の集中度とスピードは乱れつつ怒涛と流れて行く有様はモノラルだけにもの凄く、一つのライブ演奏芸術としては素晴らしいものです、こうなったら録音の良否(CDもいろいろ本盤含め復刻盤が出ています・・・)より演奏そのものを素人ながら書き込みたくなった次第です。1942年BPO録音盤でも3月演奏と4月演奏のものがあり3月の本演奏別盤タイム目安をメモしますと1942/3分は@17’11A11’22B20’03C24’32で、かたや1942/4分は@17’06A11’29B18’59C24’09で若干差があるもののそれよりも先述のレコード表記タイムと楽章・トラック間の多少の経過タイム或いは編集上の問題(再生スピード、欠落等)はあるとしても特に第2楽章が異なるのは面白いですね。ここでは1942年のフルトヴェングラー/BPOの「合唱」と割り切って演奏に対する感想を述べさせていただきました。(2011/1/1)(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/31

    年末年始は「合唱」、フルトヴェングラーの「合唱」は有名な1951年バイロイト版の他に何種類かの演奏がCD化されており種々彼の演奏のバラエティを楽しめますが私は昔このバイロイト版と本盤演奏である1942年BPO版をLPで聴き比べたりしておりました。BPO版はアメリカエベレスト盤(レコード表記タイム@16’33A9’38B19’25C23’24)で録音もソース次第なのか芳しくなくても戦時下の緊迫したものが窺われ、全体に即興的なところが活きタイム的には短めで第2楽章の気迫や終楽章のクライマックス・・オケ、合唱の集中度とスピードは乱れつつ凄く、一つのライブ演奏芸術としては素晴らしいものです。1942年BPO録音盤でも3月演奏と4月演奏のものがあり本盤がどちらなのかは不明なのですが参考までにタイムをメモしますと1942/3分は@17’11A11’22B20’03C24’32、 1942/4分は@17’06A11’29B18’59C24’09で先述のレコード表記タイムと楽章・トラック間の多少の経過タイム或いは編集上の問題はあるとしても特に第2楽章が異なるのは面白いですね。ここでは1942年のフルトヴェングラー/BPOの「合唱」と割り切って演奏に対する感想を述べさせていただきました。良い来年であります様に!(2010.12.31)(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/31

    今日は大晦日。多くの人がそうであるように私もこの1951年バイロイト・ライブ録音ソース演奏(フルトヴェングラー65歳の頃でタイムは@17’35A11’42B19’20C24’39です)をEMI・LPから聴き始めた者ですがCDになって数々の同音源異盤が出て更にオルフェオから異奏版が新たに発売(別の同日?バイロイト演奏分)されマニアには研究甲斐のある昨今。オルフェオ版はサンプリングしか聴いてはいないので相変わらず前者のLP,CDで間に合わせその当初の興奮した感動を大切にしている次第で50年近くこの演奏の私を含めた世のファンに感動を植えつけた功績は馬鹿には出来ません。本盤の仕様技術的な事は他のレビューの方にお任せするとしまして演奏を開く前の遣り取りも興味がありますし兎も角演奏としての最高ランクは私の中では色あせません(1942年BPO演奏盤も面白い)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/30

    廃盤ですが敢えてコメント致します。先日SPレコード会でこの19世紀ロマン派の流れを汲む実に個性的なロシアユダヤ系ピアニスト・・・パハマンの弾くショパンを聴きました。噂ではその片鱗を聞いていたのですが何しろそのショパン存命中からピアノを弾いていたというのですから兎に角珍し物好きで「電蓄」の前で座って司会の方が巻き上げハンドルを20回位回してアーム針(針は一盤一盤交換するのです)を盤に置く所作の後 レコード針音雑音の中から聴こえて来る演奏は自由に思いつくまま人間感情を吐露して行く印象を持ちました。CDではSP、ピアノ・ロールなどからのいろいろな復刻盤があり私自身本盤そのものは未聴で必ずしも今ここで触れる曲目が廃盤にもなってしまっている本盤に入ってはいないのですが音源は同一でしょうから演奏傾向で感激醒めぬ内にコメントさせていただきご参考になれば嬉しい限りです。1912年録音(パハマン64歳の頃)とされているソナタ第2番第3楽章「葬送行進曲」(タイム5’14)は勿論機械吹き込みでもある事もそうですがその不気味さというかトレモロの凄みが不気味そのもの、しかしトリオでの安らぎ感も素晴らしく全体ギクシャク感が病的青白さも伴い先述の人間感情おもむくままと言った感じ。野村あらえびす と言う一昔前の評論家は著「名曲決定版」で「それは啜り無く美しさだ。柩を包む花束の揺れるのを、涙一杯溜めた眼で見つめながら尊い讃美歌を聴いている美しさだ。あんな深い悲しみ、あんな悲嘆に彩られた美しさというものがほかにあるだろうか。」と書いていることでも有名ですね。1926年収録の「子犬のワルツ」(3’06?)では冒頭何か演説らしいものをぶっています。下手な英語で「俺だったらこうやるんだぜ・・・」と言っているらしいのですが??パフォーマンスの一部だった演奏中のおしゃべりは聴衆にサロン形式で接するのが当たり前だった時代の演奏形態の名残?とすれば貴重な記録ですね。このワルツでは最後の〆、レガート風にアドリブ対応して自由度満杯。ノクターンOP32-1(1927年録音?・・・この時期には電気吹き込みになっていたらしいです・・・4’04)では中盤以降しょっちゅう何か呟いています・・・これもグールドどころではなく珍しいです。エチュード10-5「黒鍵」(1927年2’08)ではやはり冒頭何か(左手はこうするんだ・・・)喋って弾き直しもしています。途中例の喋りも入れその即興性が楽しめます。パハマンは気に入った箇所を何度も弾くという癖もあったらしいです。ノクターンOP27-2(4’25)やワルツOP70-1(1’45)では既にパハマンは70歳代の時の収録なのですが指の運びの自由度が儚さ・多感さに絶妙に帰結して時代物とは分かっていても癖になりそうであります。ノクターンOP72-1(4’04)も今の感覚では大層なのですがデリケートな思い入れが音質に拘わらず臨場感を増します。その他の曲も聴いたのですが省略させていただき、何れにしてもクラシックCD収集・・・それも演奏家切り口からすればどの盤でも良いので揃えておきたいピアニストの一人には間違いありませんね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)。

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     2010/12/29

    ルービンシュタインは1963年本盤演奏録音(ルービンシュタイン既に76歳、演奏タイム@19’17A7’08B6’50)前に本人言によれば三度この曲を録音しており1929年バルビローリ/LSOの伴奏(同@17’29A6’46B6’04)、1946年ミトロプーロス/MPSOの伴奏(同@19’06A7’26B6’23)は復刻盤などで確認出来るのですがもうひとつの演奏・・・1958年クリップス/RCASOバックのものはどうも本人曰く「出来が悪い」そうでリリースされなかったそうです??(なお、1946年ロジンスキー/NYPバックのライブ録音トータルタイム29’38もある様です)。さて、本盤はラインスドルフ/BSOの堅実な伴奏で私などはLP時代この曲の本命盤とも位置付けていました。決してバリバリ弾きまくる感じではなくお年のせいか余裕というか過去の先述各録音演奏より勿論淡々と基本路線を歩んでいる様な感じであります。従ってエキサイティングさをこの曲に求める方には少し物足りないかもしれません。例えば第1楽章スタートやや強めのホルンの割には落ち着いたピアノでファースト・インプレッションは得られるでしょう。解説書で伴奏指揮を担当したラインスドルフは「ルービンシュタインの様に疲れることを知らない演奏家とは一つの楽章全体を何度も演奏し直す事が可能になるだけ作品全体の一貫した流れの形が保てる風にもって行ける」と述べているのですがこの曲の優雅さもポイントゲットしつつ過不足ない音楽を展開しています。聴き飽きしない演奏で最高ランクにしたいですね。グリーグの方(1956年?録音演奏タイム@12’21A5’12B9’16)は聴いていませんので本盤全体で無難にワンランク下げておきます・・・スミマセン。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/29

    ルービンシュタインは1963年本盤演奏録音(ルービンシュタイン既に76歳、演奏タイム@19’17A7’08B6’50)前に本人言によれば三度この曲を録音しており1929年バルビローリ/LSOの伴奏(同@17’29A6’46B6’04)、1946年ミトロプーロス/MPSOの伴奏(同@19’06A7’26B6’23)は復刻盤などで確認出来るのですがもうひとつの演奏・・・1958年クリップス/RCASOバックのものはどうも本人曰く「出来が悪い」そうでリリースされなかったそうです??(なお、1946年ロジンスキー/NYPバックのライブ録音トータルタイム29’38もある様です)。さて、本盤はラインスドルフ/BSOの堅実な伴奏で私などはLP時代この曲の本命盤とも位置付けていました。決してバリバリ弾きまくる感じではなくお年のせいか余裕というか過去の先述各録音演奏より勿論淡々と基本路線を歩んでいる様な感じであります。従ってエキサイティングさをこの曲に求める方には少し物足りないかもしれません。例えば第1楽章スタートやや強めのホルンの割には落ち着いたピアノでファースト・インプレッションは得られるでしょう。解説書で伴奏指揮を担当したラインスドルフは「ルービンシュタインの様に疲れることを知らない演奏家とは一つの楽章全体を何度も演奏し直す事が可能になるだけ作品全体の一貫した流れの形が保てる風にもって行ける」と述べているのですがこの曲の優雅さもポイントゲットしつつ過不足ない音楽を展開しています。聴き飽きしない演奏で最高ランクにしたいですね。ラフマニノフの方(1971年録音演奏タイム@10’02A11’18B11’27)は聴いていませんので本盤全体で無難にワンランク下げておきます・・・スミマセン。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/28

    先日SPレコード会でこの19世紀ロマン派の流れを汲む実に個性的なロシアユダヤ系ピアニスト・・・パハマンの弾くショパンを聴きました。噂ではその片鱗を聞いていたのですが何しろそのショパン存命中からピアノを弾いていたというのですから兎に角珍し物好きで「電蓄」の前で座って司会の方が巻き上げハンドルを20回位回してアーム針(針は一盤一盤交換するのです)を盤に置く所作の後 レコード針音雑音の中から聴こえて来る演奏は自由に思いつくまま人間感情を吐露して行く印象を持ちました。CDではSP、ピアノ・ロールなどからのいろいろな復刻盤があり私自身本盤そのものは未聴で必ずしも今ここで触れる曲目が本盤に入ってはいないのですが音源は同一でしょうから演奏傾向で感激醒めぬ内にコメントさせていただきご参考になれば嬉しい限りです。1912年録音(パハマン64歳の頃)とされているソナタ第2番第2楽章「葬送行進曲」(タイム5’14)は勿論機械吹き込みでもある事もそうですがその不気味さというかトレモロの凄みが不気味そのもの、しかしトリオでの安らぎ感も素晴らしく全体ギクシャク感が病的青白さも伴い先述の人間感情おもむくままと言った感じ。野村あらえびす と言う一昔前の評論家は著「名曲決定版」で「それは啜り無く美しさだ。柩を包む花束の揺れるのを、涙一杯溜めた眼で見つめながら尊い讃美歌を聴いている美しさだ。あんな深い悲しみ、あんな悲嘆に彩られた美しさというものがほかにあるだろうか。」と書いていることでも有名ですね。1926年収録の「子犬のワルツ」(3’06?)では冒頭何か演説らしいものをぶっています。下手な英語で「俺だったらこうやるんだぜ・・・」と言っているらしいのですが??パフォーマンスの一部だった演奏中のおしゃべりは聴衆にサロン形式で接するのが当たり前だった時代の演奏形態の名残?とすれば貴重な記録ですね。このワルツでは最後の〆、レガート風にアドリブ対応して自由度満杯。ノクターンOP32-1(1927年録音?・・・この時期には電気吹き込みになっていたらしいです・・・4’04)では中盤以降しょっちゅう何か呟いています・・・これもグールドどころではなく珍しいです。エチュード10-5「黒鍵」(1927年2’08)ではやはり冒頭何か(左手はこうするんだ・・・)喋って弾き直しもしています。途中例の喋りも入れその即興性が楽しめます。パハマンは気に入った箇所を何度も弾くという癖もあったらしいです。ノクターンOP27-2(4’25)やワルツOP70-1(1’45)では既にパハマンは70歳代の時の収録なのですが指の運びの自由度が儚さ・多感さに絶妙に帰結して時代物とは分かっていても癖になりそうであります。ノクターンOP72-1(4’04)も今の感覚では大層なのですがデリケートな思い入れが音質に拘わらず臨場感を増します。その他の曲も聴いたのですが省略させていただき、何れにしてもクラシックCD収集・・・それも演奏家切り口からすればどの盤でも良いので揃えておきたいピアニストの一人には間違いありませんね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)。

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     2010/12/27

    以前ベートーヴェン・ピアノ協奏曲では何曲か収録したキーシン、今回2007年収録演奏は全曲に挑戦での本盤第1番(演奏タイム@14’33A10’32B8’14)と第3番(同@17’43A10’40B9’23)でキーシン36歳と私には丁度いいタイミングでの録音で彼の今後の一過程の位置付けにもなるかもしれません。若干一音一音に丁寧に感情移入をしたり鳴らなかったりするピアノは検討思考を重ねた結果所謂勢いあるベートーヴェンとは異なる世界を我々に提示してくれその辺りどう聴くかでありましょう。そしてバックのディヴィス/LSOはこれもゆっくりと風格を示し、ただ緩徐楽章ではムーディに陥ったようにも勘違いしてしまいます。そうした傾向を第3番において少し触れて見ますと第1楽章、ややもったりした序奏が演奏印象を決め打ちし時にはエレガントとも思われるくらい流れてピアノでの出だしも然り! 途中オーケストラ全奏も穏やかだしカデンツァも私の先入観からすれば本当はもう少し剛直さが欲しい処。その代わり第2楽章は今言ったアプローチがピッタリはまり穏やかで安らぎな佇まいは最高に近い感じでそれが最終楽章でのピアノの切れを映えさせますね。好みとしては第1楽章でもう少し暴れてね良かったのに・・・と素人的には思ったりしていますがベートーヴェン演奏を見直す素晴らしいランクには違いありません。仕様も期待されます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/26

    名演か否かかを巡っていろいろ意見もあるモーッアルト交響曲第40番は1948〜1949年(フルトヴェングラー62歳の頃)VPOとの共演収録(演奏タイム@6’54A8’24B4’19C4’28)です。私は古い海外LP盤でハイドン交響曲とセットになったもので聴いております。第1楽章有名な出だし・・・かのトスカニーニが絹のハンカチーフがふわふわ地上へ舞い降りる如く云々といった処・・・はそのテンポの速さに面食らいを味わう人がいるかもしれません・・・かく言う私もそうで何か逆に演奏側が不用意にスタートしたのではと錯覚した位でそうこうして7分弱・・・他の演奏より明らかに短いのです・・・が終わるのですがその経過たるや大変思惟に詰まった感じで単純にテンポ云々で片付けられない気が今でもしております。第2楽章は客観的にはそう引き伸ばしてはいないのですがそれでも反動で長く感じてしまうのも勝手なものです。第3,4楽章はどちらもやはり気密性の高い演奏でこれまで出ているCDでも音質は改善されているとは思いますが決して100点満点とは多分行かなくてもモノラル故の迫力も手伝って相当の訴えのある演奏となっているのでは。私は別のCDで聴いているのですがベートーヴェン交響曲第7番は1950年やはりVPOを振ったものでタイムは@12’53A10’14B8’38C6’52であります。この第7番は「のだめカンタビーレ」などで日本で一頃流行りましたがフルトヴェングラーの振ったこの曲はBPOその他とのものも数々ありますがVPOとは1954年ライブ録音(タイムは@13’39A9’35B8’25C7’37で本盤演奏と微妙な違いが・・・)ものも残っています。さて、第1楽章、ややアクセントを強調しつつ高揚させてその中にある粘っこさが魅力です。変奏曲で進む第2楽章はその各変奏のテンポ感が素晴らしく底深さもあります。第3楽章のゆらぐテンポそして最終楽章のきついティンパニーを効かせてひたすら密度の高い緊迫感を保ち突き進みようが凄いの一言ですね。演奏まとめてモーツァルトはマァマァ、ベートーヴェンは最高と私の好みでランク付けします。とにかく盤起しでいろいろな盤がありますが従来盤で大抵抱えているモーツァルトの第3楽章、ベートーヴェンの方の第4楽章でのちょっとした欠陥(私などは正直余り気にはならないのですが)もクリヤーした平林氏の変わらぬ盤起し姿勢に本盤も期待がかかりますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)。

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     2010/12/25

    以前ベートーヴェン・ピアノ協奏曲では何曲か収録したキーシン、今回2007年収録演奏は全曲に挑戦での本盤第1番(演奏タイム@14’33A10’32B8’14)と第3番(同@17’43A10’40B9’23)でキーシン36歳と私には丁度いいタイミングでの録音で彼の今後の一過程の位置付けにもなるかもしれません。若干一音一音に丁寧に感情移入をしたり鳴らなかったりするピアノは検討思考を重ねた結果所謂勢いあるベートーヴェンとは異なる世界を我々に提示してくれその辺りどう聴くかでありましょう。そしてバックのディヴィス/LSOはこれもゆっくりと風格を示し、ただ緩徐楽章ではムーディに陥ったようにも勘違いしてしまいます。そうした傾向を第3番において少し触れて見ますと第1楽章、ややもったりした序奏が演奏印象を決め打ちし時にはエレガントとも思われるくらい流れてピアノでの出だしも然り! 途中オーケストラ全奏も穏やかだしカデンツァも私の先入観からすれば本当はもう少し剛直さが欲しい処。その代わり第2楽章は今言ったアプローチがピッタリはまり穏やかで安らぎな佇まいは最高に近い感じでそれが最終楽章でのピアノの切れを映えさせますね。好みとしては第1楽章でもう少し暴れてね良かったのに・・・と素人的には思ったりしていますがベートーヴェン演奏を見直す素晴らしいランクには違いありません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/24

    ベートーヴェンのトリブル・コンチェルト・・・やや私には散漫な曲の様に思えて聴いてはいる曲をエマール(P)、ツェートマイヤー(V)、ハーゲン(C)を従えてアーノンクール(当時75歳)がECOを振っての2004年演奏録音です。各独奏者夫々個性豊かな上に問題意識やや過剰気味のアーノンクールが「散漫さ」をどう捌くかに注目しました。演奏タイムは@18’30A4’44B13’18とやや第1楽章が長めになっております。第1楽章、意味ありげな低音を効かせてスタート・・・オドロオドロさせ古楽器演奏での強弱を強調した演奏展開はある意味新鮮な響き。そして奥ゆかしくチェロが入り込んで室内楽的味わいでもあります。オーケストラ全奏でも音色は団子状態にはなりません。三者独奏が引っかく処ではアーノンクールのこだわりも聴けベタ塗り感が無いのが助かります。穏やかな味わいの第2楽章では透明感さえ漂います。最終楽章でも各独奏が交替で踊る様な処での引っかけも面白いです。得てして大家そろいの演奏盤が多いこの曲で比較的指揮者主導のこの演奏盤は少なくともダラダラ散漫感は抑えられたのですが私のこの曲・・・ベートーヴェン三十歳台前半若き頃のチャレンジングな作品だけに完成度では徹底出来ていない点はともかく・・・に対する好みも入れてOKランクとしておきます。2003年収録の「合唱幻想曲」はエマールの瑞々しい切り込みと少し勢い一点張りではない変容的コーラスとが良き対照具合を見せております。ところでアーノンクール/VPOによるブラームス「ドイツ・レクイエム」が2010年度レコード・アカデミー賞大賞を受賞した様でアーノンクールの「問題意識」の賜物かと思います、「アーノンクールさん、おめでとうございます」。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/12/23

    1965年デュ・プレ20歳の時のコヴァセヴィチ(P)とのチェロ・ソナタ第3番、第5番で全曲録音は彼女がバレンボイムとの結婚という事があって(コヴァセヴィチの方はアルゲリッチと〜??)達成しませんでした。演奏者両名共まだ若い頃なのでそう灰汁の強いものではなく好ましい新鮮さというか大仰な対応ではありません。第3番の方は演奏タイム@13’05A5’13B8’50で特に特徴はタイム上はありません(なお、1970年バレンボイムとの再録は@9’21A5’45B8’53で第1楽章反復略?)。この第3番では曲自体もありますが特にこだわりが無く清々しい演奏がバランス良く彼らの若さを物語っています。第5番の方は少し内省的な曲でもあるのか演奏の方もやや内に秘める情熱が汲み取れる様に聴きました。演奏タイムは@6’35A10’47B3’52(1970年演奏の方は@6’52A11’14B4’23とタイム上はそう差はありません)であります。コヴァセヴィチはベートーヴェンのピアノ・ソナタで一定の論評も得ていますが本盤では滋味溢れる伴奏者に徹しており、デュ・プレに関して何れにしても五年後のバレンボイムとの全曲盤と比べて若い頃の五年ですので成長変化?具合をどう評価するかでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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