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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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0 people agree with this review 2012/08/30
本盤はK.ミュンヒンガー/シュトットガルトCOが伴奏したバッハのカンタータ演奏では比較的早期のモノラルものです。彼が後年収録したバッハ宗教曲のマタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ、クリスマス・オラトリオ、復活祭オラトリオ等では穏やかで優しく温かく美しいバッハを展開してくれていますが本盤の様な録音時期的に早いものは彼のガチガチさがまだ々「健在」な面を見せております。即ち1953年S.ダンコ42歳、ミュンヒンガー38歳の時の演奏収録でモノラルLP時代では比較的先発組だった「祝儀物」組合せBWV51「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」(5曲トータルタイム18’40)とBWV202「いまぞ去れ、悲しみの影よ(結婚カンタータ)」(9曲同25’28)であります。私はオペラ歌手としてのダンコが歌うカッチーニ「アマリリ」くらいしか知らずカンタータとの結びつきは物珍しくバックが当時バロックで注目を集めていたミュンヒンガー/シュトットガルトCOという事で結構「様」になった演奏と受け止めました。当時もう押しも押されもしない柔らかな名ソプラノが例のミュンヒンガーの楷書式なタッチと上手くブレンドした名演となりました。そしてステレオ時代に入って彼のバッハ宗教曲の諸録音はもう少し当たりがマイルドになって行った様です。併録の1952年収録のバッハ・アリアBWV478(3’25)、BWV516(3’27)、BWV508(3’04)はじめシュッツ、スカルラッティ、グルック他の小品アリアも古き良き時代を偲ばせます・・・そうそう先述のカッチーニ「アマリリ」(3’43)も入っており素晴らしい盤と思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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0 people agree with this review 2012/08/29
ロンドン・オリンピックが終わり日本は38個と今迄で最多数のメダルを獲得しメダリスト達の凱旋銀座パレード等も行われ昨今領土を巡る近隣国とのイザコザ問題も一瞬ちょつと脇に置いた感もあったのですが、なかなかどうして次々問題が発生している様です。大体あのロンドン・オリンピック開会式でのイギリス独特の覇権・権威的雰囲気は遡ること20世紀初頭エドワード七世戴冠式の折エルガー「威風堂々」第1番の中ほどの名マーチにC.ベンソンによる歌詞を付して「希望と栄光の国」という最終第6楽章として本来の「戴冠式頌歌」に据えた曲がこの作品でいかにも英国風な世界で第二の国歌とまで今日言われ続けている事にも窺えましょう。エルガーは余り躊躇もせず淡々と音楽を書いているように聴こえますが愛国心は満々だったのでしょう。そういった曲をこれ又イギリスの権化指揮者A.ギブソンが1976年丁度50歳の時にオーケストラSNOを振って合唱はRSNOC、独唱陣はT.カーヒル(S、32歳)、A.コリンズ(A、33歳)、A.ロルフ・ジョンソン(T、36歳)、G.ハウエル(B、38歳)という陣容で収録したのが本盤(トータルタイム35’53)であります。第1楽章「王に冠を」は管楽器主体にファンファーレによる堂々の前奏から声楽陣が意気揚々と参加して例の「希望と栄光の国」テーマ・・・というより我々には「威風堂々テーマ」と言った方が分かり易いですね・・・がお目見えします。以降楽章を重ねて行きますが第4楽章「聖なる歌に耳を傾けよ」前半での朗々たるソプラノ、テノール独唱が印象的だし、精度はともかくSNO独特の中低弦の厚みと管の響きがギブソンの熱い指揮で高揚感へリードされ最終楽章は先述のテーマが第九「合唱」の様に堂々と合唱され最初と同じく管楽器フィナーレで大団円であります。マァ、この曲への若干の抵抗感というか最終楽章の堂々さに気分良くなりつつあった自分のノホホンさと四半世紀コンビを組んだギブソン/SNOの何か「確信」じみたものをも聞かされた思いでありました。勿論他の演奏も私は知りませんし併録のこれ又愛国歌「イギリス精神」3曲(タイム8’42+6’34+15’02)は未聴でありますのでOKランクにさせていただきます。何れにしても好みが分かれる曲でありクラシック音楽というものの微妙なところなのでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/08/28
甘暗い情熱が怪しく燻った感じは正しくS.フランソワの独壇場。大体彼のルックスからしてもう現代では見かけられない生粋の小難しい芸術家。LP時代から聴き知っているこのショパンの協奏曲2曲は、1965年そういうS.フランソワ41歳の時の演奏収録でバックはL.フレモー(当時44歳)指揮するモンテ・カルロ国立歌劇場Oで演奏タイムは第1番@19’55A8’53B10’51、第2番@13’42A8’20B9’03となっております。この両曲録音自体はフランソワにとっては二回目らしく一回目はモノラルでの第1番(1954年G.ツィビーヌ/パリ音楽院O、タイム@16’21A8’16B10’00)及び第2番(1958年P.クレッキー/フランス国立放送O、同@12’52A8’28B8’55)よりタイム的には伸びて各楽章他演奏家並みになっていますがその内実での個性的な解釈面は変わっていないと思われます。少し横道に逸れますがL.フレモーという指揮者はかのモナコ王国大公レーニエ三世の依頼でモンテ・カルロ国立歌劇場O首席指揮者を務めた人で本盤演奏は丁度その頃のものですがその整然とした伴奏がフランソワの酔っぱらったような独奏とのコントラストが面白く・・・いや面白いというよりラテン的色合いの管弦楽演奏のリードに感心した次第です。本体ピアノの方はテンポ緩急に関しては自在奔放丸出しで例えば第1番第1楽章は速めな序奏が一旦終わると重い腰をあげる様にピアノが入ってそれからもう好き勝手にテンポが出鱈目と思われる程変わり殆ど休止するほどまでのパッセージも・・・。それと甘暗い情熱が怪しく燻った感じは正しくフランソワの独壇場。ここでマァ説得させられる人と逆に違和感を覚える人もいて当然 ! 酒とタバコとジャズと奔放な生活の大好きだったフランソワの弾く音楽は、ある意味行き当たりばったりでその振幅大きい表現は極端に瞬間々ロマンチックに走っているわけで伴奏との対比感も含めて一聴の価値はあるのでしょうね。第2番もリスナーへの適度な「裏切り」を施しながらの進め具合に存在感を確認した次第・・・中間楽章の「屈託」も美しいですね。本盤併録の「二台のピアノの為のロンド」(協奏曲と同年録音、共演のP.バルビゼは当時43歳、タイム9’15)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2012/08/27
本盤はK.ミュンヒンガー/シュトットガルトCOが伴奏したバッハのカンタータ五曲で他の指揮者ほど曲数は多くはありませんが彼が収録したバッハのマタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ、クリスマス・オラトリオ、復活祭オラトリオ等と基本的には方向性は変わっておらず穏やかで優しく温かく美しいバッハを展開してくれています。とは言うものの録音時期的に早いものは彼のガチガチさがまだ々「健在」な面を見せております。即ち1953年S.ダンコ42歳、ミュンヒンガー38歳の時の演奏収録でモノラルLP時代では比較的先発組だった「祝儀物」組合せBWV51「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」(5曲トータルタイム18’40)とBWV202「いまぞ去れ、悲しみの影よ(結婚カンタータ)」(9曲同25’28)であります。私はオペラ歌手としてのダンコが歌うSPの時のカッチーニ「アマリリ」くらいしか知らずカンタータとの結びつきは物珍しくバックが当時バロックで注目を集めていたミュンヒンガー/シュトットガルトCOという事で結構「様」になった演奏と受け止めました。当時もう押しも押されもしない柔らかな名ソプラノが例のミュンヒンガーの楷書式なタッチと上手くブレンドした名演となりました。そしてステレオ時代に入って彼のバッハ宗教曲の諸録音はもう少し当たりがマイルドになって行った様です。本盤では1968年録音のBWV10「わが魂は主をあがめ」(7曲同21’39)の頃からそういう傾向が始まりましてこの曲ではミュンヒンガーがバッハ宗教曲で重用?したE.アメリング(S、当時35歳)の他H.ワッツ(A、同41歳)、W.クレン(T、同25)、M.リンツラー(B、同36歳)と実力派メンバー、合唱はウィーン・アカデミー合唱団 が声楽陣を務めております。アメリングの歌唱にホッとさせられますね。残りの二曲BWV80「われらが神は堅き砦」(8曲、同29’08)、BWV140「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」(7曲、同28’39)は更に時代が下って1984年・・・ミュンヒンガーも69歳になっており、いわゆるバロック演奏の主流を確立しつつあったオリジナル楽器のグループに圧されつつという時期の演奏だと思います。声楽陣はG.・フォンターナ(S、同26歳)、J.ハマリ(A、同42歳)、E.ヴィンベルイ(T、同41歳)、T.クラウセ(B、同50歳)、シュトゥットガルト聖歌合唱団と言った具合でタッチも幾分軽くテンポ的にも若干速めで当時のトレンド演奏に対して善戦?した感じとなりました。マァこの五曲のカンタータの決定盤という程ではありませんが安心して聴ける名カンタータ名演奏でありましょう。私にはオリジナル楽器によるトレンド演奏での大量録音カンタータ集より気分的には受け入れられる価格も含めて素晴らしい盤であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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1 people agree with this review 2012/08/26
大体彼のルックスからしてもう現代では見かけられない生粋の小難しい芸術家。LP時代から聴き知っているこのショパンの協奏曲2曲は、1965年そういうS.フランソワ41歳の時の演奏収録でバックはL.フレモー(当時44歳)指揮するモンテ・カルロ国立歌劇場Oで演奏タイムは第1番@19’55A8’53B10’51、第2番@13’42A8’20B9’03となっております。この両曲録音自体はフランソワにとっては二回目らしく一回目はモノラルでの第1番(1954年G.ツィビーヌ/パリ音楽院O、タイム@16’21A8’16B10’00)及び第2番(1958年P.クレッキー/フランス国立放送O、同@12’52A8’28B8’55)よりタイム的には伸びて各楽章他演奏家並みになっていますがその内実での個性的な解釈面は変わっていないと思われます。少し横道に逸れますがL.フレモーという指揮者はかのモナコ王国大公レーニエ三世の依頼でモンテ・カルロ国立歌劇場O首席指揮者を務めた人で本盤演奏は丁度その頃のものですがその整然とした伴奏がフランソワの酔っぱらったような独奏とのコントラストが面白く・・・いや面白いというよりラテン的色合いの管弦楽演奏のリードに感心した次第です。本体ピアノの方はテンポ緩急に関しては自在奔放丸出しで例えば第1番第1楽章は速めな序奏が一旦終わると重い腰をあげる様にピアノが入ってそれからもう好き勝手にテンポが出鱈目と思われる程変わり殆ど休止するほどまでのパッセージも・・・。それと甘暗い情熱が怪しく燻った感じは正しくフランソワの独壇場。ここでマァ説得させられる人と逆に違和感を覚える人もいて当然 ! 酒とタバコとジャズと奔放な生活の大好きだったフランソワの弾く音楽は、ある意味行き当たりばったりでその振幅大きい表現は極端に瞬間々ロマンチックに走っているわけで伴奏との対比感も含めて一聴の価値はあるのでしょうね。第2番もリスナーへの適度な「裏切り」を施しながらの進め具合に存在感を確認した次第・・・中間楽章の「屈託」も美しいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
3 people agree with this review 2012/08/25
2008/6に一度書き込んだ者ですが例によってデータ的なものを追加して参考に供しましょう。本ベートーヴェン交響曲、序曲集はコンビィチュニーが60歳前の1959〜1961年にLGOを振って収録したものでLPリリースされた当時盤質にもよるのか音質が幾分浅く派手さは有してはいなかったけれど演奏は正統派そのもので、まぁ値段のこともありましたがLGOの記録としても貴重なものとなっておりました。頑固なまでの重厚さ・保守さが何か大切なような感じで私にとってはベートーベン全集物の原点としての位置付けになっております。各曲決して演出過多でないところ彼らしく、アル中コンビュチュニーと言われていたとしても質実剛健とその統率力は「やる時にはやる!」感じで仕上がっていました。演奏タイムをメモしておきます。交響曲第1番(@9’01A8’06B3’36C5’43)、第2番(@13’22A10’50B3’45C6’07)、第3番「英雄」(@19’41A15’47B6’07C11’28)、第4番(@12’00A9’45B5’48C7’11)、第5番「運命」(@8’05A10’29B〜C17’57)、第6番「田園」(@11’33A14’33B〜C〜D18’55)、第7番(@14’01A8’33B9’41C8’24)、第8番(@10’10A3’48B4’42C7’41)、第9番「合唱」(@17’44A12’08B16’01C25’09)、「レオノーレ序曲」第1番10’10、「レオノーレ序曲」第3番14’18、「フィデリオ」序曲6’23、「コリオラン」序曲8’23、「プロメトイスの創造物」4’47・・・といった具合で交響曲に関しては反復演奏がなされている故の楽章もあります。コンビィチュニーにはそんなに他のベートーヴェン交響曲は残っておらず大曲「合唱」だけご紹介しておきますね。1960年LRSOライブ(タイム@18’16A12’06B17’06C26’14)、1961年LGO日本ライブ、声楽陣は日本人(同@17’22A11’31B17’21C25’52)となっていまして本盤スタジオ録音(声楽陣。I.ヴェングロル(S)33歳、U.ツォレンコップフ(A)年齢未確認、H.J.ロッチュ(T)30歳、T.アタ゜(B)33歳、合唱LRC)が1959年なので以降毎年の演奏記録なのですがコンビィチュニー自身はこれらの翌年1962年61歳で今日の感覚から申せば若くして亡くなってしまいます・・・年齢の割には演奏同様貫禄ある容貌でもありました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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3 people agree with this review 2012/08/24
バッハの「音楽の捧げもの」には我々の世代が親しんだ名演盤が多く本盤パイヤールをはじめミュンヒンガー、リヒター、レーデル等最近の古楽器演奏とは異なり現代楽器の良さを最大限に引き出した見事な各演奏があります。個人的にはレーデル演奏盤が何気ない即興的趣味にも満ちていて好きなのですがクラシック音楽演奏には「正解」がある様でなく、ない様でありの世界・・・各人実際に先ず聴く事でしょう。それぞれ聴き処が微妙に違うのですがパイヤールのものはヴァイオリンのジャリ、フルートのラリュー等のソリスト達がフランスを代表するアンサンブルならではの典雅の極めた洗練されたバッハ演奏を聴かせます。パイヤールは二度この「音楽の捧げもの」を収録しており本盤はパイヤール46歳の1974年演奏の方で演奏トータルタイムは47’30であります(他方は後年1986年収録、トータルタイム50’59)。全体的には一パート一楽器対応演奏の為か音色の絡みが精緻に録られ澄み切った音の世界が展開されて行きます。ドイツ系の謹厳実直演奏と比べればパイヤールらしく穏やかな味わいが特徴なのでしょう。その中で、4曲から成る「六声のリチェルカーレ」は弦全員の演奏でこの曲のピークを形作って神々しい効果すら上げているのではないでしょうか。まぁ、とにかくこの「音楽の捧げもの」は楽器の指定なし、主要部だけしか書かれていない楽譜、演奏家自身で完成させねばならないカノンなど、フリードリッヒ大王にまつわる逸話とともに謎に満ちた曲集ですが是非どの演奏盤でも良いので聴かれる事をおすすめします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/08/23
3 people agree with this review 2012/08/22
以前書き込みした者ですがデータ的なものを主に今回追加させていただきます。本盤はカラヤンがDECCA時代VPOを振って一連の録音を実施していたものの演奏で1961年収録の「惑星」タイムは(火7’03金8’22水3’59木7’38土8’33天王5’45海王7’36)と20年後1981年にBPOを振って再録した演奏(タイム火7’20金8’37水4’15木7’32土9’22天王6’02海王8’49)より何か颯爽としたものを感じさせます。VPOの円やかなサウンドは必ずしもこの曲にマッチしているとは限りませんがLP時代から私はこの演奏により引き入れられました・・・特に有名な「木星」メロディをカラヤンはレガートを噛ましつつ豊麗に歌わせ聴く者に印象付けたのではないでしょうか。マァ、この曲に関してはスタートのやや前のめりに気合の入った「火星」からラスト静謐な佇まいの楽曲における浮世離れした美しさが特筆される「海王星」まで・・・このカラヤン五十歳代前半の演奏か初演者ボールトの手練手管の何れかの演奏盤があれば充分と思っております。従前から色んなフォーマット・バージョンが出ておりますがとにかく名演奏最高ランクものでありましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
2 people agree with this review 2012/08/21
無伴奏チェロ・ソナタと言えばカザルスをはじめ諸チェリストがやや抹香臭いバッハの世界を案内してくれますが、本盤はその六曲の内大半の五曲のコードキーを5〜6度調子を上げかつ幾つかの低音を新たに配したりしつつも原曲の持ち味を損なわずしてギターによって改編したもので取っ付き易い・・・よりBGMでも適性を発揮出来る様な仕上がり感があります。A.v.ヴァンゲンハイム37歳の1999年での収録で各フレーズを実に丁寧に進めたポリフォニーでの腕前が聴き処なのですが、この奏者による説明も大変誠実でフレッシュさが垣間見れました。曲順番、演奏タイムをメモしておきましょう・・・第3番(トータルで21’26)、第1番(同16’56)、第4番(同22’17)、第2番(同18’05)、第6番(同24’59)、第5番(同23’50)となって、テンポ的にはゆったりしているものの決してダレずプレリュード等でのスムースさがメリハリ感をつけています。最後に短調の第5番を配した曲順も「癒し」効果に寄与してギター音楽として調和工夫がとられているのでしょう。まぁ、得てして小難しく扱われる事が多いこの名曲グループを解説書での人柄に加えるにとにかくハンサムな奏者が爽やかに紹介してくれる最高ランク盤ですね。そのヴァンゲンハイムももう今年50歳・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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3 people agree with this review 2012/08/20
セルと言えばクリーヴランド・オーケストラ(CLO)を使っての楽器間の音の配合にきっちりと神経を巡らせた諸演奏盤がお馴染みなのですが時折ヨーロッパのオーケストラに客演しこれ又伝説的な素晴らしい演奏を残しております。本盤我々の世代ではある意味でレコードライブラリー常備盤にもなっていた懐かしい演奏盤ですね。本盤ももう何回もLP時代から「お勤め」したACOを指揮した演奏で先ず1966年録音ベートーヴェン交響曲第5番「運命」の方ですがタイムが@7’36A10’13B5’35C8’43と彼のこの曲での他の演奏・・・1955年CLO(モノラル、タイム@7’35A10’06B5’26C8’20)、1963年CLC(@7’31A10’01B5’30C8’32)、1969年VPO(ライブ@7’40A10’09B5’35C8’35)といった演奏とそう軸足は狂ってはおりません(軸足が余り変わらないのはセルを尊敬していたカラヤンもでしたね)。彼の演奏は例の如く明確な造型バランスに基づいた見通しの良い運びが特徴となっておりそういう先入観だとサプライズはありません。マァ、音色が心もちACO特性での「くすみ」なのか虚飾を排したセルの取り組み方とのブレンド具合が素晴らしく最終楽章での「片付け方」での整合性の取り様が映えております。もう一曲は1964年録音のシベリウス交響曲第2番でタイムは@9’28A12’40B5’46C13’42とややテンポを速めに進めての演奏でセル(当時67歳)の割りには生々しい演奏となっております。管楽器アンサンブルに少し粗さも聴かれますがこの曲での曲趣ととらえれば特に気にはなりませんでした。なお、セルのシベリウス交響曲第2番は本盤演奏以外には万博記念でCLOを率いて来日した時の1970年ライブ演奏分(タイム@9’19A12’54B5’50C14’24)がある様です(セルはこの来日数ヶ月後亡くなってしまいました・・・)。セルとシベリウスは取り合わせとしては珍しい感じなのですが、珍しい取り合わせと言えばヘンデルの「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」を指揮したLSO演奏盤なども結構曲趣の核心に迫った名演だった事もあり本盤でもやはり名指揮者たる事を確認した次第であります。高品質仕様盤での音質も期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/08/19
1959年ワルター83歳・・・晩年収録の第九(タイム@16’13A11’03B17’45C26’11)でステレオ録音の為に編成されたオーケストラ・・・コロンビア交響楽団他を使ったものですが諸説では最終楽章だけは録音日時・場所、使用オーケストラ実態が前三楽章とは異なっておりワルター指揮ステレオ遺産を目標とするスタッフの苦労も偲ばれる演奏盤となりました。現在確認されているワルター指揮の第九盤は意外と歴史的には浅く1944年NYPO(ライブ、タイム@4’35+6’21+3’57A7’42B16’07C23’28)、1947年LPO(ライブ、同@14’24A9’45B14’48C22’49)、1949年NYPO(同@15’27A10’04B16’26C23’14)、1949&1953年NYPO(同@15’27A10’04B16’26C23’41)、1955年VPO(ライブ、同@15’00A9’54B15’05C24’12)そして本盤演奏であります。この様にタイムだけを見てもそのゆったりさというか自然な「間」にサポートされた運び具合がフルトヴェングラー演奏の様な精神性、カラヤン演奏の様な構造性に及ばなくても一種の「風格」を感じさせてくれます。その中で何と言っても第3楽章のじっくりとした叙情性は特筆物でしょう。次に最終楽章のソリストはE.クンダリ(S、当時27歳)、N.ランキン(MS、同35歳)、A.D.コスタ(T、同32歳)、W.ウィルダーマン(B、同40歳)と各声部年齢的にも妥当な面々で構成され、合唱団はWSC(指揮は同43歳のW.マーティン)が受け持って丁寧な音楽作りをしていますがやや私には安っぽく層薄な感じがし従って出来上がった雰囲気も緊迫感にもう一歩の様な気はしました・・・しかし、それもワルターらしいと捉えれば温もり溢れる演奏としてのステイタスを確保出来るのではないでしょうか。ただ通常私たちが聴く第3楽章から最終楽章への橋渡しの「勢い」が上述の様に当該両楽章間での収録事情の違いの為に寸断された様な印象が拭えないのは残念な処ですね。本復刻盤については音質は期待されますが、どうも私などは関西に住んでいる為かかつての朝比奈隆ばりの重厚一気・頑張り第九を先入観に抱いてしまい勝ちで・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/08/18
以前書き込みした者ですがデータ的なものを主に今回追加させていただきます。本盤はカラヤンがDECCA時代VPOを振って一連の録音を実施していたものの演奏で1961年収録の「惑星」タイムは(火7’03金8’22水3’59木7’38土8’33天王5’45海王7’36)と20年後1981年にBPOを振って再録した演奏(タイム火7’20金8’37水4’15木7’32土9’22天王6’02海王8’49)より何か颯爽としたものを感じさせます。VPOの円やかなサウンドは必ずしもこの曲にマッチしているとは限りませんがLP時代から私はこの演奏により引き入れられました・・・特に有名な「木星」メロディをカラヤンはレガートを噛ましつつ歌わせ聴く者に印象付けたのではないでしょうか。マァ、この曲に関してはスタートの「火星」からやや前のめりに気合の入ったこのカラヤン五十歳代前半の演奏か初演者ボールトの手練手管の何れかの演奏盤があれば充分と思っております、併録のR.シュトラウス「ドン・ファン」は1960年収録、タイム17’14で小気味良い曲進行が印象的であります・・・なお、カラヤンの「ドン・ファン」の他のCD演奏は1943年ARCO(タイム17’18)、1951年PHO(同17’22)、1973年BPO(同17’41)、1982年BPO(同18’24)等があります。彼のR.シュトラウス演奏は、オケの機能性、歌謡性、むせかえるような色気等全てが備わっていて、個人的にはBPOとの組み合わせが一歩リードしている様にも思っておりますが、本盤演奏もカラヤンの語り口の上手さが味わえトータルで本盤は最高ランクとしています。本盤は廃盤ですが他盤がフォーマット向上して出ている様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2012/08/17
カラヤン指揮によるブラームス交響曲第1番演奏盤には結構種類が残されておりカラヤンのこの曲への愛好ぶりが分かります。確かに演奏効果というかストーリーの語り易い曲でもあるのでさもありなん・・・と思います。一般に手に入るのは1943年録音ACO盤(@14’21A8’49B4’27C17’30)、1952年PHO盤(@13’59A9’20B4’59C17’16)そして1959年VPO盤(@14’00A9’13B4’56C17’40)等が候補にあがりますが、 以後はBPOを振ったもので1963年(@13’51A9’17B4’53C18’04)、 1978年(@13’26A8’26B4’48C17’46)、 本盤1987年(@13’22A8’22B4’46C17’38)、 1988年Tokyoライブ(@14’07A9’07B5’06C18’54(拍手込み))、 1988年Londonライブ(@13’37A8’50B4’57C18’14)、同年(@13’17A8’56B4’42C17’24)等々中々賑やかです。その中で本盤1959年分VPO(カラヤン51歳頃)の演奏分は他のこの頃のVPOとの収録曲同様カラヤンのDGでのBPOとの数多い諸録音に先行するまだ若き頃である意味でVPOの透明感を帯びた音色が実に演奏を映えたものに仕上げております。第1楽章から適度な緊迫感と共に展開され、主要弦ラインのバックが戦車の轟音の如く彫琢の精緻さがビクッともしない基盤を構築しております。第2楽章での分厚いハーモニーの中からのヴァイオリン・ソロはVPOの叙情性とカラヤン演出が素晴らしいですね。第3楽章を経て、いよいよ最終楽章・・・確信に満ちたスタート、ホルンにそして続く管の浮かばせ扱いも明瞭。クライマックスにそなえてじっくり運んで行きます。例の歓喜のテーマのテンポは割りとスッキリしたものフィナーレに向かってジワジワ包囲網を縮めて勝利的高揚に堂々と達して行きます、通して若干明るめトーンながらそこには些かのたじろぎも見られず適度な引き伸ばしでその快感を味わうことが出来ます。さて、これがブラームスかと改めて自問するとこの演奏の壮麗さにおいて次元が異なっていることに気がつきそんなことよりとにかく分り易い演奏に徹したと割り切って聴けました。もう一曲ですが私はカラヤンのモーツァルト演奏が好きで交響曲第40番についてカラヤンのCD録音暦をメモしてみましょう。1942年RCO(タイム@6’20A8’03B3’54C4’26)、1959年VPO(同@7’43A7’44B4’26C4’36)、1970年BPO(同@7’37A8’17B4’26C4’35)、1977年BPO(同@7’20A7’43B4’37C4’38)・・・等と言ったところです。その中で本盤は前述のブラームス交響曲第1番同様カラヤンの充実期に向かう演奏でメロディの歌わせ方がごく自然でカラヤン節も覗きちょっとやや第2楽章での弦楽器が重くはあるもの第3楽章は滴る様な速い滑り出しが印象的で全体としては後年の強引さが少なく第1楽章と最終楽章でのVPOの美音は切れよいテンポ感と相まって分かり易い演奏となっております。マァ、両曲共、演奏自体は本盤カラヤン若かりし頃のものが一番素直・・と言っても中々強かな面があり・・とカラヤンとしては繰り返しますが本当の充実期の記録(VPOとのDECCA収録一連です)と思われ素晴らしいと思います。平林氏のこの二つの演奏復刻盤は大いに期待されます。これらのDECCAでの一連演奏は聴き続けられるべき最高ランクに躊躇いたしません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります
1 people agree with this review 2012/08/16
1970年代中盤にワイセンベルク/カラヤンにより収録演奏されたベートーヴェン・ピアノ協奏曲全集からの一枚で当時ワイセンベルク45歳、カラヤン66歳と当時調子良かったスター級演奏者による「皇帝」協奏曲(タイム@20’34A9’21B10’07)であり、数多ある録音暦でカラヤンにとっての「皇帝」協奏曲伴奏指揮はギーゼキング(ピアノ)1951年録音のPHOを振ってのもの(同@20’04A7’49B10’14)しか本盤演奏の他にはなく珍しい類に属するのでしょう。彼ら二人によるベートーヴェン以外の作曲家作品演奏同様、この「皇帝」も序奏から豪華そのもので格好良いワイセンベルクが硬質・精密な重戦車の如くその技術力を誇りそれに輪をかけた様なカラヤンの分厚めなBPOサウンドが推移して行きます。少し聴き様によっては協奏曲というよりピアノ付きの交響曲にも思える位クラシックという音楽のスケール感を味あわせてくれるもので「そう」割り切れば結構それなりの世界に浸れましょう。本盤併録の小品はワイセンベルクがバッハ等の組曲集を録音した際同様で決して「力」抜きせず研ぎすまされた感性によるもので少しこれら小品についてメモしておきます。33の変奏(1977年録音、タイム10’19)、ロンド・カブリッチョ(1977年録音、同5’52)、ロンドop-51-1(1977年、同6’01)、パガテル「エリーゼの為に」。以上「皇帝」協奏曲はじめ各小品においてワイセンベルクのヴィルトゥオジティが格好良く展開されている素晴らしい盤と思います。(1978年録音、2’59)(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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