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Review List of うーつん 

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     2020/11/02

      再度投稿させてもらいました。


      前のレビュアーのレビューにうなずかされる部分が多く勉強になりました。が、それでも私は第2番の最終楽章でのリピートはあってほしいと考えてます。時間間隔について言うと確かに昔と今では隔たりはあることでしょう。しかし私は時間の問題でリピートが冗長とするより、「シューベルトの心象風景のドラマ」という意味合いでリピートはあってほしいと考えています。


      あくまで個人的な感覚ですが最終楽章次のようなドラマが書かれていると考えています。まず冒頭非常に気軽で楽し気な歌から始まるものの、そこから雲行きが怪しくなり、自分の置かれた境遇への焦りや失意に加えて、病気への、そしてそれがもたらす死への不安や絶望で精神がバラバラに壊れていくような感覚があると思います。第2楽章でも突然舞台が暗転し何かを叫ぶような曲調に変わる場面がありますが、最終楽章ではそれが「再発」し、叫ぶどころか泣き叫び、身もだえ、頭をかきむしるかのような絶望や苦悩や狂気が次々に待ち構えてシューベルトを襲っています。普通であればその絶望の苦しみは一度で終わるべきですが、シューベルトの「闇(死)への恐怖」はそれで終わってはくれません。堕ちても堕ちてもまだ底が見えない、そんな「地獄への転落」を私は感じてしまいます。人によってはシューベルトのある種の作品を「天国的な長さ」と形容します。D944の交響曲であれば納得しますが、この曲に関しては「地獄的な深さ」とでも言ったらよいような恐ろしさが潜んでいる・・・。これが私の感覚です。そして、その恐怖のドラマ(またはその夢)から覚めないうちにその余韻の震えを残す中で孤独を抱えながら奇妙な微笑みを浮かべながら曲が終わっていくように私は感じています。

      A.シフ、塩川悠子、M.ペレーニ(Teldec)や、T.デメンガ、 H.シュネーベルガー、J.E.デーラーら(ECM)のトリオのディスクではリピートがされています。時間的な整合性も一理ありますが、ドラマにはつきものの「非整合性」があると考えています。非整合性があるからこそ、流れが不自然に聴こえることがあると思います。 要するに、時間間隔や流れの整合性をとる方もいるでしょうし、そこに反対する気は全くなく、あくまで「シューベルトが伝えたかったもの、残したかった想い」を従容として受け入れ追体験する意味で聴いてみていただければと思います。逆説的ですが前のレビュアーの意見があったからこそ上記の部分により思いをはせることができたのでありがたく思います。


      蛇足ながら、リピートがないからこのディスクが悪いとは思いません。その感想についてはすでに書いているので繰り返しませんが「聴くべきディスク」なのでおすすめしたいです。そもそも上にあるのは私個人の主張で、それが正しいとは言いません。ただ「こんな聴き方する奴もいるんだ」程度の参考として乱筆ながら述べさせていただきました。。。

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     2020/10/26

      おそらくラトルにしかできないプログラミングではなかろうか。しかも好きな物だけやったが聴衆にはうけなかった、という演奏にならず刺激性と知的好奇心、演奏のダイナミズムの3要素を満たしてくれる内容と思う。

      通常なら後半のストラヴィンスキーがハイライトとなるのだろうが、前半の3つのプログラムの流れが絶妙すぎる。ウェーベルンで厳格に始まり、ベルクで官能の花が開き、リゲティのハンニガンの独唱(ビジュアルも演技?も歌唱もキレッキレで絶品)でクライマックスを迎える。それらを前半でやってのけておいてのストラヴィンスキーなのだから興奮しないわけがない。

      じっくり鑑賞する雰囲気の演奏会ではないが、前述の3要素をもってして良く練られ、しかも聴きごたえ・見ごたえのある一晩の記録としておすすめしたい。

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     2020/10/22

      聴いていてとても幸福な気持ちになれた。大曲であるがゆえ、大きめのオケで力奏し、それに負けないようソロも大きな音やオケから浮き出るような美音を奏でることはしない。このディスクにはその種の心配はない。 ソロが一番良いバランスで音楽を作れるよう(ソロの音が聞こえやすくするためではない、五嶋みどりが作品に向き合う姿勢にふさわしい音作り・音楽作りに徹するため、という意味)、それに相応した大きさのオーケストラ。指揮者がいないのもプラスに働いているのだろうか。

      ベートーヴェンに挑むわけでもなく、無理に合わせようとするのでもない。奇抜なカデンツァで他の演奏と差別化したり、無理やりな変化をつけることで聴衆を驚かせる必要もない。大切なのは等身大で向き合うことでベートーヴェンの歌心に触れていくだけ…そんな雰囲気を私は感じる。

      オケとソロが自己主張をたたかわすことなく、落ち着いたたたずまいの中で幸せな音楽作りがなされていると思う。 五嶋みどり(MIDORI)は美しい音を奏でようとは考えていないと思う。あくまでベートーヴェンが作品に込めた「歌」をヴァイオリンにのせていくだけ、考えていると思う。それ以外の想念が入り込んでおらず、清らかな気持ちで音楽に身を任せることができる。

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     2020/10/20

     ボストリッジにとって2作目のCD。前作(レイフ・オヴェ・アンスネスのピアノ)は伴奏と歌がちぐはぐな感じがしてあまり聴かずにいたが、今回のアデスとのコンビでは間延びした感じがなくむしろ水を得た魚のごとくアデスの伴奏の中を自在に泳いでいる感がある。彼には「冬の旅」に関する著作がありこちらを読んでいた上で入手した。あの中に書き込んでいたもろもろの含蓄や解釈をどのように表現しているかが気になったのだ。歌曲集でありながら語りに近い節回しや叫びに近いような歌唱もあり、かなりドラマティック。さすらい人である主人公の主観的な歌とそれを客観的に眺めて語りによって描写するボストリッジの「一人二役の芝居」のような感覚を持った冬の旅。「おやすみ」からドラマが進み徐々に傷つきボロボロになっていく過程は壮絶。村を離れ彷徨するにつれ人間性も希薄になっていくもののやはり「心」は失えず、人間性と喪失の闇をいったりきたりしつつ、やがて老いたライアー回しに共感と一抹の慰めを感じて幕を閉じる一連のドラマ、人でありながら人でなくなっていくような感じはディスクカバーに描かれたボストリッジの奇妙な肖像に重なっていく。可能なら彼の著作(日本語版は2017年、アルテスパブリッシングより出版)と合わせて読みつつ聴きつつをおすすめしたい。

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     2020/10/14

     アンコール集と言っても他にありがちな「チェロ名曲集」と同じに考えない方がいいです。ロマンチックとか耽美的な要素は少ないから。チェロ名曲集の代表曲「白鳥」も甘さはなく、虚飾を排した歌い方がその好例となっています。外見的な美しさより内面の質に感じ入ることの多いディスクです。チェロが好きな方には示唆あふれる1枚となるはず。

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     2020/10/12

     明晰な音運びと、(録音した教会に由来するのか)豊かな音響でやわらかく包み込んでくれる演奏。「眠りに導く」というコンセプトにしては音楽がクリアで音も前に出すぎるため眠る気持ちに音が勝ってしまっている気もする。まぁ、音はボリュームを調節すればいいわけで、枕元に音源を置くより少し離れた場所からそこはかとなく流れてくるくらいがちょうどよいように思う。照明を落とした湯船につかりながらゆったり聴くのもなかなか良かった(注:湯船で寝てはいけません。寝落ちしないよう各自の責任で十分気を付けてください!)。曲の中ではリストとラッヘンマン、アルカンの曲に惹かれた。あのラッヘンマンでこの優しい調べ…とびっくりした。眠りを愛する人々に向けたやさしさに溢れた愛すべきディスクと思う。眠りに限らず、肩の力を抜いてリラックスしたいときにもおすすめしたい。

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     2020/10/08

      実に味わい深いディスクと感じた。あまり前のめりにならないように落ち着いたバランスと、ゆったりした滋味深いシフのピアノが心に沁み込む感覚を味わいながら、ヴィトマンの彫りの深い豊かなクラリネットの響きがいろどりを加えていく。

      それにしてもヴィトマンのクラリネット、最弱音の表現の素晴らしさに参ってしまった。そっと息を吹きかけただけのような最弱奏の効果が特に際立つディスク。楽器のことはよく分からないが、最弱奏から強奏まで自在に吹き分けていく手練れは他の演奏ではなかなか聴けないと思う。ほんのり息を吹きかけるようなそっとした繊細な音が最晩年のブラームスの心のひだを表すかのよう。音楽の骨格はシフのピアノが盤石の支えとして作られ、そこにヴィトマンのクラリネットが(ヨアヒムのモットーではないが)”自由に、しかし孤独に”歌いあげていく。

      ヴィトマンの「ピアノのための間奏曲」は聴きやすい小品集。私は聴いていて、なんとなくブラームスとヤナーチェクを足して2で割ったような雰囲気に似ているように感じた。個人的なイメージだが「心の迷宮に迷い込んだ」ような不思議なさすらいの感じを持っていると感じた。

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     2020/09/26

     ロマン派が成熟し完熟を迎え、そこから新しい文化の芽が出現してゆく過程の作品が品よく揃えられている。どれも濃厚な色付けはなく、かといって素っ気ないわけでもない。どの曲も「良い趣味」で奏されていると感じた。普通に食べたらこってりしていそうな熟成した(完熟した)素材を、さっぱりと味付けしたコース料理を提供されている感じといったらよいだろうか。ある文化の端境期の室内楽を良質な演奏で愉しみたい方におすすめ。

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     2020/09/21

      受難曲というとキリスト教信者かその文化に詳しい人でないと立ち入れないのでは、と昔は思っていた。だが、人間が永遠に繰り返すであろう弱さや不安そして望みを、イエス・キリストという「仲介者」によって客観的にあぶり出し、エヴァンゲリストによって進行されるドラマと考えると実に示唆あふれる作品なのだと最近は考えている。

      その意味でこの「ヨハネ受難曲」は劇的この上なく「人間の業」を描き出していると思う。折しも、コロナ禍のギリギリの状況で収録されたという当盤はその状況ゆえか高いテンションでドラマが展開していく。 冒頭の「Herr, unser Herrscher, dessen Ruhm」からして、幕が開くなり眼前に悲劇が飛び込んでくるような緊迫感があり、聴き進めるごとに哀しみが積もっていく。「マタイ受難曲」と比して今まであまり聴いてこなかったが、このディスクによってもっと勉強できそうだ。独唱のアリアはそれぞれ登場人物の心境を真摯に描き出して聴き入ってしまうが、私がもっとも惹かれたのは合唱部分。コラールであれ聖書場面であれメッセージが前面に出てきてドラマに没入している。この受難曲が特定の個人でなく、「我々人間たち」のドラマであることを表しているかのようだ。聖書内のストーリーでなく、今の我々にも十分に適用されるドラマなのだろう。

      ちょうど礒山雅氏の遺作「ヨハネ受難曲」(2020年)も読んでおり、これによってもヨハネ受難曲の精髄を学べるので、当盤を「参考ディスク」として聴きながら礒山氏の著作を読み進めることも併せておすすめしてみたい。

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     2020/09/20

      後世の我々が意識している「運命はかくのごとく…」(弟子の作り話だが)に代表されるイメージを洗い流した演奏と感じた。このコンビらしく楽器間の音がバランスよく配置され、音の情報量が豊富でモティーフの受け渡しの流れが見通しよくわかりやすい。

      しかし、私が今まで聴いてきたドラマ(同曲の重厚で「闘争から勝利へ」みたいな)をもったディスクとは趣が違い、純粋に音響とモティーフによって構築された音楽を提示しているように思った。いわゆる「運命交響曲」と思って聴くと少しさっぱりと思ってしまうかもしれないが、交響楽作品として聴くにはいろいろな発見ができそうなディスクではないだろうか。初演されたときには「バリバリの前衛音楽」に聴こえたのであろうと頷ける革新性は持っており、愉しめるのは間違いないと思う。

      ディスク全体のコンセプトもフランスとの関わりや作品の制作にまつわる検証をめざした性格を持っているので「ベートーヴェンとその時代、他作曲家とのつながり」を学べる内容になっているのもうれしい。ベートーヴェンの聖年にちなんだ、時代考証研究も踏まえた良質なディスクなのでおすすめしたい。

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     2020/09/18

     ヴィヴァルディとイタリアの現代作曲家による作品と聞いて、どんなものかと入手してみた。のっけから刺激と奇想がほとばしるようなテンションで幕を開け、様々な楽器の組み合わせで作品が登場するので先が読めないジェットコースターのようにライヴ感も体感できる。
     が、しかし、であるが不思議とあとに感興が残らない。アイディアもテクニックも面白いが、なにか心に残るものが少ないのだ。私の聴き方が稚拙だからかもしれないが、聴き終えると前述のライブ感も薄っぺらく思えてしまう。「ヴィヴァルディ、その先に」あるのは「ライヴは楽しめたがそれはアトラクションとして」みたいな妙な空虚感だった。

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     2020/09/14

      名著『マタイ受難曲』を読み終え、次なる山はヨハネ受難曲。実はまだ読了していませんが、他の方の目に少しでも触れて手に取ってもらいたく急きょレビューしておきます。

      私自身、バッハの受難曲と言えば「マタイ」で「ヨハネ」はおまけというかその次…みたいな感じ方でいました。そんな中でこの本を読み始め、すぐさま夢中になり、CDラックに長らく眠っていたCDを取り出しつつ読んでみると、実に劇的で内容が充実していることに気づかされました。


       本書ではバッハ以前のヨハネ受難曲の歴史に始まり、バッハによる複数の改訂バージョンについての論考や各曲のポイントや聴きどころ、テキストと音符の密接な連関への指摘など挙げるべき点は多いですが、それを次々に読ませる最大の要因は著者のバッハへの想いや曲への愛着と探求心ゆえでしょう。これを読んでいる時(2020年9月)に鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパンによる新盤のニュースも入り即購入しこれを聴きつつさらに読み進めるつもりですが、バッハが言葉の一節一音に至るまでイエスの劇的な「死へのドラマ」を音化していることに驚かされてしまいます。


      コロナ禍で過去が消え去り、今日が不安に換わり、明日が見えなくなった2020年。不謹慎かもしれませんが、こんな今こそヨハネ受難曲のドラマは聴かれるべきではないかと思います。マタイ受難曲では静かにしかし厳粛に曲が始まりますが、ヨハネ受難曲ではいきなり悲劇の中に鷲掴みで連れていかれるような切実な曲で幕開けします。まるで遠いところにあると思い込んでいたコロナウィルスがいきなり自分の身の回りに襲いかかる今日の状態に近いとも感じてしまいます。「ヨハネ受難曲」で綴られる悲劇は聖書の中や音楽の中だけのものでなく、読んで聴いて今の自分たちと重ね合わせて「実感」するものであるということを痛切に感じます。


      もちろん著者はコロナとの関連などは意図していません(コロナ禍以前に逝去されているわけですから)が、バッハの音楽が長い間「普遍」として存在しているのはそれなりの「力」を持っているからで、その力は2020年の現在にもなお「力」と「存在意義」を持ち続けていると言えるかもしれません。いずれにせよ、この著作を通じてヨハネ受難曲を知り、親しみ、そしてバッハの精神世界に思いを馳せてみたくなるでしょう。礒山氏の道案内でヨハネ受難曲の世界に入ってみたい方にぜひ読んでいただきたいです。
      

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     2020/09/12

     第2弾となったこのディスクもすこぶる快活で自発性と即興性のある仕上がりと思う。ピアノ協奏曲第4番はアルヒーフレーベルから出ていたR.レヴィン&ガーディナー盤と同様に即興的でみずみずしい出だしから始まる。フォルテピアノとオケがぴったりと寄り添いベートーヴェンのいわゆる「傑作の森」にふさわしい音楽の喜びが全体を支配する。

     すばらしいディスクなので他の方にもお勧めしたい。だが、個人的な印象として4番には「女王、または皇后」のイメージを持っている(5番が「皇帝」と呼ばれるスケールの曲だからかもしれない)。そのため快活というよりは優雅でたおやか、気品があふれつつ芯の強さも併せ持つような演奏の方がしっくりくる。その点でいうとこのディスクでは快活さやオケの雄弁(静かな哀しみを漂わせた第2楽章で時に強くブツッと奏されるオケの響きなど)が私の考えている雰囲気にすこし方向が合わない個所もあるのが気にかかってしまう。あとせっかくプロメテウス序曲をカップリングするなら、せめて抜粋でもよいのでもう少し入れてほしかった。この2つの理由で★をひとつ減らしておきたい。

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     2020/08/10

     トリプル・コンチェルトももちろん注目(ソロ3人のお祭り騒ぎにならず、がっちりとハイティンクが手綱を握り安定感のある演奏)ではあるが、私の目当てはピアノ協奏曲第2番の方。

     ピリスとハイティンクというコンビによる素晴らしく清々しい演奏をお勧めしたい。昔のCMではないが、「何も足さない、何も引かない」演奏がここにある。このコンビからすれば楽譜にあるがままを奏するだけでよいことであり、何も足す必要はないだろうし、何も引く必要性もない、ということになるのだろう。そんな充実した演奏を安心して聴くことができる。今となっては2人とも引退してしまった以上、このディスクで渇きを癒してみてほしい。

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     2020/08/02

     「変奏の楽しみ」がこのディスクの隠れた愉しみではないだろうか。次々と表情を変え、モーツァルトが微笑みながら「次はこんなの、どう?」と言っているかのよう。ベズイデンホウトによる自由でチャーミングな演奏は「モーツァルトさん、こうやってみたよ!」と対話しているかのよう。誰もが耳にしたことのある有名曲も入っているし、他のディスクでそう出てこない曲もある。しかしマンネリ化しそうな有名曲も新鮮に聴かせてくれるのが彼の良いところ。その工夫は学究的な雰囲気はなく実に自由自在。「どのように?」と問う方には「まぁ、聴いてみてよ!」とすすめてみたい。モーツァルト入門でも、よく聴きこまれている方でも肩ひじ張らずリラックスして愉しめます。

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