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Review List of レインボー 

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     2014/10/19

    モレナール・エディション・シリーズの1枚で、比較的規模の大きな吹奏楽曲を集めたCD。
    吹奏楽曲はたいていは6〜8分の曲が多いが、このCDの収録曲は大半が10分前後、最も長い曲で16分という演奏時間であるが、その分作品の出来は確かな物であり、近年の量産品のような似たような質ではなく1曲1曲の個性はよく感じられる。
    短い曲は冒頭に収録されたサリンコフ『バーレスク』ぐらいで、これは日本ではそう聴く事の出来ないロシアの作曲家による吹奏楽オリジナル曲である(日本で演奏されるロシア物は大抵クラシックからの編曲)
    これらを演奏するのはオランダ王立陸軍軍楽隊、指揮者はピエール・キュエイペルス隊長。
    尚、タイトルにもなっている、ウィンド・ハープのみ作曲者のボロヴィッツがタクトをとっている。
    録音は1989年で、この頃のこのバンドは一言で言うならば凄いに尽きる。
    技術力の高さもさる事ながら、音楽性が高い演奏であり、大抵こういう新譜参考演奏集というのはどこかニュートラルで、バンドの個性が薄かったりするのだが、このCDは鑑賞用としても全く不足のない、全力投球な演奏で、バンドの個性がハッキリと出ていた、この時代らしい名演だと思う。
    録音も特に不足はない。

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     2014/10/17

    アーノンクールは2枚のシュトラウスの作品集に、オペレッタが2作品(こうもりとジプシー男爵)を録音、更にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートにも出演して、これも録音に残す等、シュトラウス指揮者の一人と言っても良いが、いずれの作品でも他とは違う大胆な解釈で知られる。
    このこうもりでも、シンフォニックに重厚に鳴らした、アーノンクールらしいこうもりになっており、聴いて楽しいかどうかは微妙な所だが、数多いこうもりの録音の中でも異色の盤だと思います。
    歌手は音声だけで聴いて最高とまでは行かなくとも、良いほうではないでしょうか。
    録音はちょっと遠いと感じる所がありますが、音質は良好です。
    まさか、いきなりこのオペレッタの入門盤に聴く人はそうはいないかと思いますが、ファーストチョイスにはあまり向いておらず、何枚かこのオペレッタを聴いて来た人向きの盤だと思います。

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     2014/10/16

    ガーディナーがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をふって録音したウィンナ・ライト・ミュージックのアルバムです。
    HMVのレビューにもある通り、シュトラウス一家をはずした通好みと言いますか、極端に珍しい曲はないのですが、そのような選曲をしていて、個人的には良いと思います。
    演奏は正直な所、まずまずと言った所なのですが、そこはさすがにウィーン・フィル、水準には達した演奏と言えるのではないでしょうか。
    2000年の録音で、音質は良好です。

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     2014/10/15

    往年の名指揮者、メルゲンベルクが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を降ってメルゲンベルクと同世代ぐらいのオランダの作曲家のオーケストラ曲を集めたというCD。
    収録の作曲家はほとんど知られていない(ワーヘナールはまだ有名なほうだろう)という秘曲集のような一枚で、なんと中には、メルゲンベルクの自作自演というのもある。(これのみ、ニューヨーク・フィルとの録音)
    演奏は、ロマンティックで豪快なメルゲンベルク節全開で、録音年代(大半が1930〜1940年代)の割に音質が良いのも素晴らしい。
    ただ、ちょっと復刻がいい加減かも。
    またこのレーベル、ポルトガル製ではあるが、ゴールドディスク仕様というのもなかなか良い。
    内容的に万人向きではないが、中身が気になるようだったら、マルチバイのお供に買ってみても良いと思う。

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     2014/10/14

    ベルギーの楽譜出版社、ベリアト・ミュージック2013年の新譜。
    同時期に発売されたアルバム「アウディヴィ・メディア・ノクテ」は比較的長めの大曲中心のアルバムでしたが、このCDは大体3〜5分前後の曲を中心にした小品を集めた物となっています。
    収録曲は一度聴けば十分と言ったような曲も多く、一番良かったのは唯一のアレンジ物である『熊のピクニック』でした。
    日本の作曲家からは和田直也が3曲取り上げられてますが、最初の2曲は似たような曲想だし、1曲は安い吹奏楽ポップスだし…
    演奏はドイツ北西部の街、ミュンスターに所在する、ドイツ連邦空軍第3軍楽隊、指揮は隊長の、ティモール・オリヴァー・チャデック少佐による物です。
    この空軍第3軍楽隊は昔から録音に積極的で特に、バンムラーやオルテラー、ファブリー等の歴代隊長による優れた行進曲集の演奏で有名です。
    チャデック少佐が隊長に就任してから本盤も含め3枚のアルバムを出していますが、何れも優秀な演奏で特に「魅力あふれるミュンスター」というCDはこれぞドイツ空軍軍楽隊というような好演を聴かせてくれています。
    本盤はベリアト・ミュージックの参考演奏という事もあり、少し抑えた所もあるのですが、ドイツ式編成の安定感のある重厚な演奏を聴かせてくれます。
    録音は吹奏楽にしては良いほうであり、まろやかでバランスのとれた迫力のあるサウンドだと思います。
    作品よりバンドを聴くためのCDでしょう。

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     2014/10/13

    毎年6月に行われるトルーピング・オブ・ザ・カラーの2007年実況録音盤です。
    これはエリザベス女王誕生日祝賀大閲兵式と訳されるのを見れば分かる通り、エリザベス女王の公式な誕生日を祝って行われるパレードで、イギリス観光の見所の1つとなっていますが、バンドリーダーは2000年頃からずっとこのイベントのライブ盤をだしています。
    このCDに参加している軍楽隊は、ハウスホールド騎兵隊合同軍楽隊(指揮:P.ペニンクトン少佐)と、近衛師団合同軍楽隊&ドラム隊(指揮:R.オーウェン中佐)です。
    基本的に野外録音という良いとは言えない条件のため、録音は貧弱で、合同演奏ながらあまり迫力もなく、また打楽器、金管は聴こえますが木管は聴こえません。
    その為、音楽として聴くとあまり楽しめません、あくまで当日の雰囲気を楽しむCDと言えるでしょう。
    収録曲はマーチが中心で、歴代の軍楽隊長の作品からエレビーのように吹奏楽界で有名な人物の知られざる作品まで収録しています。

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     2014/10/11

    ボスコフスキーがデッカにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したヨハン・シュトラウス2世の音源からポルカを集めたCDです。
    作曲された順に収録されており、よく知られた作品から、そうでもない曲まで、収録されています。
    ボスコフスキーの演奏は、非常に生き生きとした演奏で、ボスコフスキーならではの演出もあったりして楽しいです。
    勿論、ウィーン・フィルのしなやか音色も大変に美しく、日本語の解説も付いているので入門用にもおすすめ。
    ただし、半世紀近く前の録音なので最新録音同様と言うわけではないので、注意!
    それでも年代を考えれば良い音質だと思いますが。

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     2014/10/10

    ノルウェーの作曲家、E.グローヴェンの管弦楽作品集。
    20世紀最初の年に生まれたこの作曲家は、20世紀に活躍した作曲家ながら、いわゆるゲンダイ音楽のような聴きにくい要素はなく、ノルウェー民謡を取り入れた大変分かりやすい作風をしています。
    ブラインドで作曲家を伏せて聴かされたとしても一聴してどこの音楽か分かるでしょう。
    1曲目の『ヒャラル・リョド』序曲は正にこの作曲家の作品を知るに相応しい作品で、華やかな金管に始まり、弦楽が奏でるいかにもノルウェー的、北欧的な雄大なメロディが印象に残る隠れ名曲です。
    エイヴィン・アードラン指揮、スタヴァンゲル交響楽団の演奏で収録されていて、オケはノルウェーのオケなのだそうだが、だからかどうかは分からないが、作曲家への共感を感じさせる良い意味でローカルな熱い演奏。
    グローヴェンの作品は弦楽がメロディを受け持つ比率が高いのだが、スタヴァンゲル響の弦楽セクション、特に健闘していますし、金管もよく鳴ってます。
    発売は2006年ですが、録音は2001年と開きがあります。
    しかし、音質は綺麗で、おすすめの一枚です。

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     2014/10/09

    グリンカの『ルスランとリュドミラ』で始まるこのCDは、ベルギーのハファブラ出版の新譜参考演奏集。
    ブルジョワ、メルテスといったハファブラお抱えの作曲家の新作を中心に、アレンジやパソドプレ等を収録しており、作品は意外と良い物が多い。
    1つの団体が演奏しているのではなく、このCDはいくつかの団体が演奏したオムニバスで、登場団体は、アド・ホック・ウィンド・オーケストラ(指揮:O.ハース、W.アーツ、G.スポーキン、D.ブルジョワ)ラオ・シレス吹奏楽団(指揮:F.ピッタウ)ベルギー王立近衛兵軍楽隊(指揮:F.ド・リデル)オランダ警察音楽隊(指揮:H.メルテス)ベルギー王立海軍軍楽隊(指揮:M.デュモント、P.シュネリンクス)で、ブルジョワ、メルテスは自作自演。
    演奏はアド・ホックが曲によって多少苦しい所はありますが、後はなかなかのもので、近衛兵軍楽隊(ギィデと言えば分かるでしょうか)のルスランは流石、欧州随一の軍楽隊と言われたこのバンドらしい演奏です。
    ただ、ちょっと残念な事にハファブラのCDはたいていそうなのですが、録音が平凡な音をしていて、これで損をしています。

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     2014/10/08

    ヨハン・ワーヘナールは、オランダの作曲家。
    このCDは、そのワーヘナールの管弦楽曲を集めたCDです。
    ワーヘナールの音楽は1862年生まれという事を見ても分かる通り、後期ロマン派世代の作曲家で、世代の近いマーラーやR.シュトラウスのような革命的な斬新さはない物の、後期ロマン派特有の劇的なオーケストレーションと、美しい旋律を持っているのが特徴です。
    こんにちではあまり知られていない物の、良い作品を残した隠れた作曲家の1人と言えるでしょう。
    このCDでは、エリ・クラス指揮、オランダ放送交響楽団の演奏で収録されていて、なかなか見事に作品の真価を伝えてくれます。
    録音は2000年、2002年で、音質は問題ありません。

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     2014/10/07

    ヴィリー・ボスコフスキーがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を降って、デッカに録音したシュトラウス・ファミリーの音源から編集された物で、このCDではヨーゼフ・シュトラウスのワルツを集めた1枚です。
    ヨーゼフの作品集はマルコポーロの全集を別にすればほとんどありませんから、このCDは貴重な1枚と言えるのではないでしょうか。
    珍曲はありませんが、ヨーゼフの代表的なワルツは収録されており、ボスコフスキー&ウィーン・フィルという本場中の本場による、ウィーンの香りが楽しめる内容となってます。
    録音年はかなり古いく、録音時期もバラバラなのですが、そこはデッカというべきか、年代のわりには良いほうだと思います。

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     2014/10/06

    ベルギーの楽譜出版社、ベリアト・ミュージックの2013年の新譜参考演奏CDです。
    吹奏楽曲にしては長めの大曲の部類に入る作品を中心に選曲された物です。
    全ての曲が良いと感じたわけではないのですが、わりと聴き応えのある良い作品が多いように思いました。
    その中でも特に、アッペルモントの『ホルン協奏曲』が良かったです。
    何よりタイトル自体が良いですね、これ以上になくシンプルで分かりやすいタイトルです。
    最近の吹奏楽曲は何かと、映画のようにストーリーがある曲だったり、タイトルだったりで、中身はどれも似たようなのが多いのですが、この曲は変にストーリーのある曲でもなく、またストーリーを想像させるタイトルでもなく、質実剛健にホルン協奏曲。
    こういうタイプの曲って現在の吹奏楽界でなかなかないと思うので、是非聴いて貰いたいですね。
    オランダの指揮者、ヤン・コーベルと、オランダ王立海軍軍楽隊の演奏で、かつてのこの軍楽隊の音を知っていると、インターナショナル化していて残念なんですが、流石にヨーロッパの代表的軍楽隊だけあって、演奏その物はすごいです。
    何より中低音の安定感がプロらしいです。
    ベリアトは楽譜出版社系のメーカーの中では録音は良いほうで、このCDでも綺麗にまろやかに録音されています。

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     2014/10/05

    ツィーラー財団から発売されているツィーラー・エディションの一枚です。
    ツィーラーはシュトラウスの影に隠れて、日本では知名度はまだまだですが、本場ウィーンでは現在もよく演奏されるらしく、このようなCDが作られたのも納得出来ます。
    ハンス・シャーデンバウアー指揮、オリジナル・カール・ミヒャエル・ツィーラー管弦楽団の演奏で収録されたこのCD、オケは名前通りツィーラーの作品を演奏するために結成されたらしく、あまり規模は大きいとはいえないのですが、ツィーラー在世中のダンス・オーケストラの雰囲気は堪能出来るかと思います。
    演奏は手堅い物です。
    音質は綺麗なのですが、録音がちょっと平板なのが難点かも知れません。

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     2014/10/03

    マック・ドネリー大尉指揮、ウエスト・ポイント・ミリタリー・バンド演奏と書かれたこのCDは、スーザを中心にしたアメリカ・マーチ+タイケやJ.F.ワーグナー等のマーチを集めたCDです。
    バンドはアメリカ陸軍士官学校軍楽隊の事かと思ってましたが聴いてみると楽器編成がアメリカの軍楽隊の編成と少し違います。
    かと思えば演奏はいかにも威勢の良い、アメリカ的な演奏でちょっと正体不明な音源です。
    また最後にはヴィクトリー・マーチ(ベートヴェン作曲)という曲が収録されているのですが、とてもアメリカンな曲調の曲なので、多分ベートヴェンの曲ではないでしょう(本当の作者は知りませんが)
    録音年も聴いた感じ古く、復刻も平板(このメーカーのCDは大体そうだが)で、余程マーチを聴いてきた人向きの一枚です。

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     2014/10/01

    ブレーンのCDであるが、CDその物はデ・ハスケのアルバム『7インチ・フレーム』でそれに日本語訳の紙一つをつけだけの輸入盤国内仕様なのだが、正直これだけでこの価格は高いと思う。
    CDの中身はデ・ハスケの新譜集で、系列レーベルの楽譜を含めて全7曲収録。
    某所ではブロッセやチェザリーニが推薦されていたが、いやいやむしろこのCDの目玉は2曲目に収録されたロツコスニーのオペラ『モルダウ河の人魚たち』序曲だろう。
    聖ヨハネの急流という題でも知られるこのチェコの伝統音楽を取り入れた作品は録音が大変少なく現在普通に手に入るのは、吹奏楽に編曲されているとはいえこのCDぐらい。
    貴重である。
    貴重と言えば桑原洋明の『吹奏楽のための3つの断章』、これも少なく、ましてやプロの録音はこれだけかもしれない。
    演奏はピエール・キュエイペルス隊長指揮、オランダ王立陸軍軍楽隊。
    録音は1991年で、この頃このバンドは現在とは比べ物にならないぐらい、優秀で筋の通った音楽を聴かせてくれていた。
    例えば『エグモンド』の重厚で遅めの演奏はヨーロッパの歴史を感じさせるような出来だし、続く『モルダウ河の人魚たち』では管楽器の強弱、表現力が素晴らしい!
    とまぁけっして参考演奏にするにはもったいないような、観賞にもいける一枚です。
    音質良好。

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