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Review List of レインボー 

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     2025/12/05

    チャイコフスキーのヴァイオリンとオーケストラのための作品集。
    収録曲は『ヴァイオリン協奏曲』『憂鬱なセレナード』『懐かしい土地の思い出』を収録。
    演奏はキース・クラークが指揮を務めて、オーケストラはスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団と、チェコ・スロヴァキア放送交響楽団が担当、ソリストは本田真理子という人物である。
    この盤、型番から分かるようにナクソスのCDでは初期にあたるもので、今となっては色々と粗い一枚。
    まずどの曲をどちらのオケが担当したのか書いてない。
    しかしナクソスミュージックライブラリーにある本CDの情報には、ヴァイオリン協奏曲がスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、憂鬱なセレナードと懐かしい土地の思い出がチェコ・スロヴァキア放送交響楽団であると書いてある。
    また録音場所も2箇所書かれている物のやはり個別の記載はないが、スロヴァキア・フィルがモイゼス・ホール、スロヴァキア放送響が、スロヴァキア放送コンサート・ホールでの録音なのだろう。
    そして1番謎なのがソリストである。
    解説書には1940年代に日本で生まれ、日本と米国の学校で音楽を学び、帰国後は教育者及び室内楽で演奏活動をし、これまで米国、カナダ、東南アジア、東ヨーロッパで演奏している、ナクソスにはチャイコフスキーとブルッフ、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を録音したとしか書かれておらず、本人の画像はおろか、プロフィールも中々にふわっとしたアーティストである。
    実際このネットで検索してもヒットするのはナクソスのCDのみという謎のヴァィオリニストだ。
    ちなみ指揮者のクラークは実在するアメリカの指揮者でナクソス以外のレーベルから音源も出ている。
    演奏は全体的にゆっくりとした演奏。
    ナクソス初期によくある可もなく不可もなくと言った演奏で、ヴァイオリンも特にいう事はなく、オケも特段不満のない演奏。
    充実した演奏ならいくらでもあるし、あえてこの盤を選ぶ理由はないが、安く手に入るなら買ってみても良いだろう。
    録音も初期ナクソスらしいあまりパッとしないもの。
    尚、ナクソスの活動初期は製造を日本等に委託していた物があるが、本CDはドイツ製で、あの一部で有名なピルツが製造を担当している。

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     2025/12/04

    ドミトリー・ヤブロンスキー指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏、コンスタンティン・シチョルバコフのピアノで収録された、チャイコフスキーのピアノ協奏曲集。
    有名な第1番と第3番、アンダンテとフィナーレの3曲を収録したもの。
    ヤブロンスキーとロシア・フィルによるコンビは2000年代半ばから2010年代半ばまで、ナクソスの看板アーティストとしてロシア物を中心に録音していたアーティストで、アメリカ物や日本の作品、ヨーロッパの作曲家の作品も手がけていたがやはりロシア物は出来が良い。
    本CDでも安定した演奏を繰り広げている。
    シチョルバコフはナクソス系列に幾つか録音を残しており、これもその一つ。
    確かな技術力を持っており、癖も少ない良くも悪くも作品に語らせる演奏と言えるのではないでしょうか。
    録音は2003年3月12日から15日、モスクワ放送第5スタジオにて。
    ホール録音のような奥行き感はないが、良い録音だ。

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     2025/12/02

    ヨンダニ・バット指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるエドワード・エルガーのオーケストラ作品集。
    収録曲は、演奏会用序曲『南国にて』『戴冠式行進曲』『生命の光から瞑想曲』演奏会用序曲『フロワサール』の4曲。
    発売元は日本クラウンではあるが、原盤はイギリスのレーベルで、シャンドスと並ぶ独立系レーベルの一つだった、ASV。
    日本クラウンのクラシックCDは自社音源は少なく、海外のレーベルの音源を使い国内盤にしたものが多いが、これもその一つ。
    ASVは現在ユニバーサル・ミュージックに買収されて、その音源の再発は冷遇気味なので、この日本クラウンのCDは中々貴重と言えるだろう。
    バットはマカオ出身で、ヨーロッパで活躍した指揮者。
    録音はASVに入れた物と晩年にニンバスに入れた物が知られる。
    このエルガーは1988年にヘンリー・ウッド・ホールで録音されたもの。
    基本的にはロイヤル・フィルの高い演奏能力もあって手堅くまとまった演奏と言えます。
    この中では戴冠式行進曲が良い演奏。
    録音は普通に優秀な物で、問題ありません。

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     2025/11/29

    このCDはチャイコフスキーが書いたピアノの小品を集めたアルバムです。
    チャイコフスキーのピアノ作品はあまり知られておらず、例外は四季のみ。
    華やかで親しみやすいメロディを持ったオーケストラ作品に比べると地味な作品が多いので、どうしてもあまり知られていないのですが、中にはこのCDに収録された『ドゥムカ』『ユーモレスク』等は良いメロディを持っています。
    ピアニストはイロナ・プルニです。
    プルニは1941年生まれのハンガリーのピアニストで、リスト・フェレンツ音楽大学を卒業後は、まず同大学でピアノを教え、1974年よりコンサート活動を行うようになったちょっと変わった経歴を持っています。
    表現の幅は狭い所はありますが、柔らかくも正確でしっかりと打鍵を鳴らすピアノ、そしてスラヴ圏だからでしょうか、共感を感じさせる良い演奏です。
    最後の演奏会用ポルカはアルバムを締めくくるには相応しい演奏。
    録音は1991年1月11日から13日で、プダペスト・イタリア会館にて収録、音質は問題なし。

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     2025/11/28

    アメリカの作曲家、ジョン・ウィリアムズ。
    交響曲や協奏曲と言った演奏会用作品もあるが、なんといっても数々の映画音楽を書いており、誰もが知るようなメロディをたくさん書いた現代の巨匠だ。
    ウィリアムズの映画音楽はこんにちクラシック化したと言っても良く、色々な団体が取り上げ、また演奏や録音を残している。
    そこに新たな一枚が登場したのがこのCD。
    選曲は有名な曲に加えて、有名作品のあまり有名ではない作品も入っている等、こだわりを感じられる。
    例えば『スーパーマン』は有名なマーチが収録されているが、その後のスターウォーズはみんなが知ってるメインテーマではなく、近年のスコアから収録されている。
    まぁ、断片的にはメロディは出てきますが。
    また1枚目は基本的にオケのみのナンバー、2枚目はソリストも入ったナンバーの選曲となっているようです。
    ケヴィン・グリフィス指揮、シティライト交響楽団の演奏で収録。
    ゲスト奏者にヴァランティーヌ・ミショーやポール・メイエ、ラインホルド・フリードリヒらが登場している。
    シティライト交響楽団は、スイスのオーケストラで、映画音楽を演奏するために結成された団体だそうです。
    本CDがファースト・アルバムとの事です。
    映画音楽を専門に手がける団体と言えばプラハ市フィルハーモニー管弦楽団が上げられますが、このシティライト交響楽団も引けを取らず、わかりやすい明快な音楽作りで、映画音楽にぴったりな解釈な演奏を聴かせてくれます。
    多少は録音の感じもあるでしょうが、流れるような演奏は見事と言えるでしょう。
    またソリスト陣も卓越した演奏を聴かせてくれます。
    CDはよくあるプラケースではなく、ブックタイプのカバー入っています。
    録音は非常に優秀で、柔らかな録音です。

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     2025/11/27

    このCDはチャイコフスキーのピアノ曲を集めたアルバム。
    『四季』『ピアノ・ソナタ作品80』を収録したもの。
    ピアニストは、ロシア出身のイリヤ・ラシュコフスキー。
    ラシュコフスキーのナクソスへの録音はこれが初めてのようだ。
    ラシュコフスキーのピアノは繊細なもので、四季では表情豊かに作品を演奏していて良い。
    録音の多い作品の中では名演とは行かないまでも中々良い線の演奏と言えるのではないだろうか。
    ピアノ・ソナタは録音があまり少ない作品だが、こちらも繊細なタッチの演奏で良い。
    共に水準には達していて、ピアノ・ソナタは入門用にも良いと思う。
    録音は2007年11月1日、2日、イギリスのサフォーク州ウェストルトンにあるポットン・ホールにて。
    21世紀に入ってからのナクソス録音なので、音質は良い。

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     2025/11/25

    エルガー・ハワース指揮、フィリップ・ジョーンズ・アンサンブルの演奏による世界の行進曲集。
    1986年に解散したこのブラス・バンドは今持って旧譜がリリースされるぐらいに人気は高い。
    このアルバムは解散直前に収録された音源にそれまで収録された音源を追加したもので、世界の行進曲で、やはり何度もリリースされ続けている。
    基本的に実用的作品や演奏会用のクラシック・マーチを吹奏楽用に編曲した選曲であり、著名な作品が中心。
    リリブレロは日本では馴染みがないかもしれないが、イギリスでは軍楽隊のレパートリーとして有名だし、日本からは團伊玖磨の祝典行進曲が収録されていて海外バンドの演奏は珍しい。
    普段は金管オンリーのフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルだが、ここでは木管や打楽器も入った吹奏楽編成。
    演奏はメリハリの付いたコンサート・スタイルのもの。
    イギリスらしい深い音色も時折聴けて悪くはないが、行進曲アルバムとしてはややパンチに欠ける内容だと思う。

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     2025/11/24

    2002年チャイコフスキー国際コンクールの優勝者、上原彩子のデビューアルバム。
    オール・チャイコフスキープログラムというちょっと珍しいもの。
    チャイコフスキーのピアノ曲は作曲家としての活動初期から晩年まで書かれているが、本CDの収録曲はそれぞれの年代から満遍なく集めた選曲となっている。
    チャイコフスキーのピアノ曲はあまり有名とはいえず、四季がかろうじて知られているぐらいだ。
    交響曲や協奏曲、バレエと言った色彩豊かな管弦楽作品に比べて、地味な作品が多いのも知名度が低い要因だろう。
    このCDでも作品の地味さは感じてしまうが、ピアニストのパッションでだいぶ聴ける。
    タッチは硬めだが、緩急の付いた演奏で、タイトルのグランド・ソナタやドゥムカ等は中々の演奏だと思う。
    録音は、最初こそちょっと悪いかなと思ったが、聴き進めていくうちに中々優秀な録音であることが分かる。
    輸入盤と国内盤が発売されているが、国内盤には一曲追加で曲が収録されており、買うならこちらがおすすめ。

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     2025/11/22

    サミュエル・フリードマン指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団によるビゼーのオーケストラ作品集です。
    組曲『カルメン』組曲『アルルの女』を収録しています。
    この組み合わせのCDはいくつもの有名、無名のアルバムが発売されているクラシックの人気アルバムの一つで、名盤も多数ある。
    指揮のフリードマンはウクライナのハルキウ出身のイスラエルの指揮者で、1995年頃からアルティノヴァに録音を開始、主にロシア物を中心に録音していました。
    ロシア・フィルはプロフィールがないため詳細は不明ですが、ナクソスにヤブロンスキー等が振っていた団体と同一ではないでしょうか。
    フリードマンとロシア・フィルは幾つか録音があり、評判は今ひとつですが、いずれも奇をてらう事のない安定志向の演奏です。
    その中でもこのビゼーは良い演奏で、最後に収録されたファランドールは推進力があって良いです。
    オケは洗練はされず、それでいてロシアらしい骨太サウンドも出さないと言った所ですが、時々はロシアらしい野太い響きが聴こえてきたりします。
    1996年7月8日から14日にかけてロシア放送第5スタジオで収録。
    ホールなので残響は少ないが、楽器は良く聞こえ、良い録音だと思います。

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     2025/11/20

    チェロとオーケストラの作品を収録したもの。
    演奏はハワード・ウィリアムズ指揮、ペーチ交響楽団。
    チェリストはピーター・レイトです。
    オーケストラはハンガリー南部の街、ペーチのオーケストラ。
    この街出身者にピアニストのイェネー・ヤンドーがいるが、ヤンドーが大量に録音したナクソスレーベルから出たライタ交響曲全集で、ペーチ交響楽団を知った人も多いだろう。
    ウィリアムズは1989年首席指揮者に就任したイギリスの指揮者。
    ペーチ響との録音は少ないながら、ここでも良質な演奏を聴かせてくれる。
    まず最初に登場するのはローザの『チェロ協奏曲』で、こちらはもう幾つか録音のある名曲だが、このCDの演奏も十分良い演奏だ。
    次に登場するのは、ジェラルド・シャーマンの『亡命の庭』という28分程の単一楽章の作品。
    この曲はウィリアムズが、ボーンマス交響楽団とレイトのチェロで初演した作品で、オケ以外は初演者の演奏という事もあってか、ソリストはこちらの方が素晴らしい演奏。
    ただ作品は一度聴けば充分と言った所。
    CDの録音、音質は共に良い。
    基本的には作曲家のファンか演奏家のファン向きの一枚だと思う。

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     2025/11/19

    チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と序曲『1812年』を収録したアルバム。
    演奏はサミュエル・フリードマン指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、ピアニストはアルカディ・セヴィドフ。
    フリードマンは1995年頃よりアルディノヴァ・レーベルに登場して、ロシア物を中心に録音していたウクライナ出身のイスラエルの指揮者、ピアニストは1947年生まれのロシアのピアニストだそうです。
    このCDは1996年にロシア放送第5スタジオで収録されたもの。
    ピアノ協奏曲はバランス良く整えられた演奏と言えますが、ロシアのオケとして聴くと物足りない部分もあります。
    ピアニストのセヴィドフはメロディア等に録音があるものの、CDはアルティノヴァでしか見たことがありせん。
    全ては聴いてないですが他の録音では評判は高いとは言えず、本CDの演奏も洗練されたピアノであるものの、やはり今ひとつ。
    オケのみの1812年も全体的にはバランス重視の安定志向の演奏。
    ただこちらはトランペットの鳴らし方などにロシアらしい太さを感じさせる所もあるが、1812年の演奏という事を考えると少し大人しい。
    当たり外れの大きいアルティノヴァらしい一枚と言えるだろう。
    本CDはアルティノヴァ原盤の国内盤で、輸入盤なら新品が今も手に入るがCD-R盤仕様になっているので、新品の入手は難しいが、日本語解説も付いたプレス盤仕様のこの国内盤を手に入れるというのもありだろう。

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     2025/11/07

    イェルク=ペーター・ヴァイグレ指揮、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で収録されたCDで、ロシアの作曲家による管弦楽作品を集めたアルバムです。
    選曲としてはタイトルにもなっている、チャイコフスキーの『ロメオとジュリエット』の他、グリンカ『ルスランとリュドミュラ』やムソルグスキー『禿山の一夜』と言った19世紀に活躍した作曲家の代表的な作品を集めた内容です。
    ヴァイグレは1953年生まれのドイツの指揮者で、1986年から1994年まで、ドレスデン・フィルの首席指揮者を務めており、録音も幾つか残しました。
    この音源は在任中後期の1992年12月から1993年1月にドレスデン・ルカ教会で収録されたもの。
    その演奏はヴァイグレの誠実な正統派の解釈に、いかにもなドイツ的な響きを持った演奏と言えるでしょうか。
    ルスランとリュドミュラやリムスキーのスペイン奇想曲等はベースの重いサウンドや、オケのもつ暗い響きも相まって余計その様に感じます。
    タイトルにもなったロメオとジュリエットは色々と手を入れられていて、それなりに劇的になっており、このCDの中で最も良いのではないでしょうか。
    ヴァイグレの前任としてドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団を振っていたのはあのケーゲルで、それだけにオケはだいぶ鍛え上げられており、技術的には不足はありません。
    また録音もデジタル期なので、不満はなく聴けると思います。
    本CDは徳間がドイツ・シャルプラッテンの音源を国内盤として発売していたうちの一つで、後にシャルプラッテンの日本での発売はキングに移り徳間で出ていたCDも再発されましたが、このヴァイグレのロシア管弦楽集はキングではCD化されておらず、国内盤としてはこれのみのようです(但し、海外まで目を広げればドイツ・シャルプラッテンの音源を発売しているベルリン・クラシックスが再発売しています)

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     2025/11/01

    このCDはチャイコフスキーの交響曲第5番を収録したアルバム。
    演奏は大沢可直指揮、トルコ国立チクロヴァ交響楽団。
    指揮の大沢可直はビクターに録音された吉田正の作品を交響組曲化した東京シンフォニーシリーズの作曲、指揮で知られていますが、他の録音は日本コロムビアに入れた2枚のマーチ集ぐらい。
    ベーシックなクラシック作品の録音は本CDのチャイコフスキーぐらいではないかと思われます。
    録音が行われた1990年代当時はイズミール国立フィルハーモニー交響楽団等のトルコの団体と関わりがあったようなので、このCDもそう言う関連で録音されたのでしょう。
    オケはライナーによれば1992年に設立された(録音当時)新しいオーケストラで、1997年より大沢が指揮者に就任したようです。
    この録音は翌1998年6月28日に日本に来日した際、田園ホール・エローラにで収録された物だそうです。
    演奏は良く言えば癖の少ない物なのですが、通常よりテンポが遅い所や唐突に音楽が変わる部分があって、流れがスムーズ出ないところがあり、聴いていて時気になるところがあります。
    オーケストラの技量はまずまずでしょう。
    またこのCD録音が良くない。
    基本となる基準の音が小さくダイナミックさに欠ける上にあまり奥行きの感じられない録音。
    記録目的で録音されたライヴ音源を、CD化した様な感じと言ったらわかりやすいか。
    尚、1日で録音はされているがライヴではないようです。
    チャイ5の録音は山の様にあり、名盤、珍盤多数ある中で、あえてこれをおすすめはしません。
    指揮者のファンか、オケのファン、もしくは珍盤マニアなら聴いても良いと思う。

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     2025/10/30

    ムソルグスキーの代表作、展覧会の絵を収録したアルバムです。
    本CDは原曲のピアノ版と、オーケストラ版を一枚に入れ、聴き比べ出来る様にしたアルバムです。
    この様な企画の盤は他にもいくつかありますが、1000円以下で買える廉価盤はこの盤ぐらいでしょうか。
    音源はアルティ・ノヴァが原盤であり、ギャラを抑えるためか、オール・ロシア勢のあまり有名でない人物が起用されています。
    ピアノ版の演奏者はアルカディ・セヴィドフというピアニスト。
    1947年生まれだそうでLP録音もありますが、CD時代の録音はアルティ・ノヴァぐらいしかないようです。
    オーソドックスな聴きやすい演奏なのですが、全体的にあっさりとした演奏なのでちょっと淡白に聴こえます。
    時折このピアニスト独自の解釈も入りますが、迫力不足でちょっと残念。
    オケ版はラヴェルの編曲による譜面を使い、サミュエル・フリードマン指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録しています。
    フリードマンはウクライナはハルコフ生まれのイスラエルの指揮者で、アルティ・ノヴァでは、チャイコフスキー交響曲全集等のロシア音楽を中心に録音を残しました。
    演奏団体のロシア・フィルハーモニー管弦楽団はライナーに記載が無いため詳細は不明ですが、録音場所的にもナクソスに2000年代に録音を入れていた団体と同一ではないでしょうか。
    フリードマンとロシア・フィルの演奏は高く評価されているのは見た事がなく、大抵褒められては無いのですが、本盤の演奏も全般にテンポやリズムが遅く、これで珍しい版を使っていればまた評価は変わったかもしれませんが、残念ながらラヴェル版という普及版の譜面で、他に良い音源も多数あるため、あまりおすすめしません。
    キーウの大門等で、突き出たトランペットの響きからロシアを感じさせるサウンドだったのは良かったですが。
    1996年10月1日から4日にかけて、ロシア放送第1スタジオ、ロシア放送第5スタジオで録音されたもので、録音自体は普通に優秀なもの。

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     2025/10/29

    1990年代半ば頃にナクソスと並ぶ廉価盤レーベルとなったアルティ・ノヴァから出たチャイコフスキー交響曲全集。
    元々バラバラで出ていたのも一枚にまとめたもの。
    1995年から1997年にかけて収録されたもので、指揮者は全てサミュエル・フリードマンだが、オーケストラは3団体を振っています。
    フリードマンはウクライナのハルキウ出身のイスラエルの指揮者で、アルティ・ノヴァではロシア物の録音を中心に担当していました。
    それぞれの感想を書きますと、CD1→交響曲第1番と組曲第4番『モーツァルティアーナ』を収録。
    オケはニジニノヴゴロド・フィルハーモニー管弦楽団。
    1995年6月ニジニノヴゴロド・コンサート・ホールで録音。
    割と小さな編成の様でバランスの良さが売りだが、交響曲は薄味の演奏。
    ロシア色の薄い演奏ではあるのでそう言う色の強い演奏が苦手な人は良いかもしれない。
    モーツァルティアーナも薄味ではあるが、曲の構成やオケの響き的に悪くないと思う。
    CD2→交響曲第2番と幻想的序曲『ロメオとジュリエット』を収録。
    オケはロシア・フィルハーモニー管弦楽団。
    1995年7月ロシア放送第5スタジオで録音。
    ロシア・フィルと言う団体は幾つか同じ名前の団体があるが、本CDの団体がどの団体かはわからないが録音場所的にナクソスにヤブロンスキー等が振っていた団体と同じだろうか。
    交響曲はバランスこそ良いが、テンポがイマイチ。
    それよりもロメオとジュリエットは中々良くて、ロシアのオケらしいブラスの力強い演奏が聴ける。
    CD3→交響曲第3番とロココ風による主題による変奏曲を収録。
    オケは2枚目と同じくロシア・フィルハーモニー管弦楽団。
    1996年5月25日から29日、ロシア放送第5スタジオで収録。
    交響曲は時折テンポの悪さが感じる所もあるも、ロシア・オケならではのブラスの咆哮や勢い、それでいてバランスの良い響きと中々悪くない。
    ロココ風による主題による変奏曲は、キリル・ロディンのチェロのソロを取っている。
    こちらはソロは控えめで抒情的、オケも伴奏に徹していて水準か、水準より少し上の演奏で、多数ある名盤を押しのけて紹介する程ではないが、これはこれで良い演奏。
    CD4→交響曲第4番、組曲『くるみ割り人形』を収録。
    オケはタタールスタン国立フィルハーモニー管弦楽団。
    1997年11月、カザン大コンサート・ホールにて収録。
    全集では最後に録音された物。
    交響曲、くるみ割り人形ともに覇気がなく、テンポ感の良くない演奏。
    録音もどこか遠く、音も迫力がなくボックスの中で1番イマイチなCDだ。
    オケのタタールスタン国立フィルの録音は珍しいので、オケを聴くアルバムと言えるだろうか。
    CD5→交響曲第5番、スラヴ行進曲、戴冠式行進曲を収録。
    オケは再びロシア・フィルハーモニー管弦楽団。
    1995年7月、ロシア放送第5スタジオで録音。
    交響曲は真面目に正統的な解釈なのがわかるが、第4楽章がわかりやすいがテンポが速く、全体的にあっさりした演奏。
    弦楽も荒れ気味な所があり、せっかくトランペット等にロシアン・ブラスの響きが聴けるのに勿体無い演奏だ。
    スラヴ行進曲もテンポは速めの淡白系の演奏なのだが、終結部分から急にオケがスピードアップし、最後の最後に台無しになっているのが残念。
    戴冠式行進曲は特に小細工もなく、機会音楽らしい華やかな作風も相まって、この5枚目の中では1番良い。
    CD6→交響曲第6番と組曲『眠れる森の美女』を収録。
    オケはロシア・フィルハーモニー管弦楽団。
    1997年10月、ロシア放送第5スタジオにて録音。
    第6交響曲は他の交響曲の録音と同じく、バランスは良いが軽い演奏。
    重苦しさはないが、さらっと流れていき印象には残りにくい。
    一方で眠れる森の美女は、この軽さが良い方向に向いた佳演だと思います。
    上記に特記したタタールスタン国立フィルを除くと、普通にデジタル録音としては優秀で、問題なく聴ける。
    このCDの売りは、最新デジタル録音で安価で手に入る事なので、廉価盤が幅を聴かせる現代ではやや2軍落ち感はあるが、安く手に入るなら購入してみても良いと思う。

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