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Review List of レインボー 

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     2019/08/25

    ドイツのレーベル、メンブランが復刻したオペレッタ・シリーズの一枚。
    パウル・リンケの喜歌劇『ルナ夫人』の全曲盤である。
    この作品、なんといってもベルリンの風が大変有名であるが、オペレッタ本体は殆ど録音がなく、手に入りやすい全曲盤はこれぐらいと言う大変貴重な音源。
    ベルリンの風以外にも代表作だけあって、メロディの良い曲が次々と出てきて面白い。
    演奏は、ヴィルヘルム・シュテファン指揮、ハンブルク放送管弦楽団。
    指揮者のシュテファンは、ドイツ国防軍軍楽隊出身で、陸軍歩兵第59連隊軍楽隊隊長を務め、戦後はハンブルク放送で働き、後に軍楽隊の世界に戻り西ドイツ連邦軍軍楽総監になった人物です。
    ハンブルク放送時代に多数の貴重なオペレッタを残しており、これもその一つ。
    ドイツのオケらしいがっしりしたサウンドにメリハリのついた演奏、ベルリンの風は軍楽隊出身者らしい演奏で良いです。
    後年、ドイツ連邦陸軍第6軍楽隊とも残したベルリンの風ですが、こちらの方が演奏は良いと感じます。
    歌手も若き頃のローテンベルガーを初め、好演しています。
    1954年録音なので音はイマイチな所がありますが仕方ないしょう。
    またオマケとしてヴァルター・コロの喜歌劇『3つの古い箱』のハイライトが、フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン・ダンス・ウンターハルトゥング管弦楽団の演奏で収録されています。
    あまり録音のないコロの貴重な音源ですが、このCDに収められた音源は全曲からの抜粋で全曲盤を手に入れた方が良いでしょう。
    演奏自体は悪くないのですが。

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     2019/08/23

    ヴァルター・ゲッツの喜歌劇『アドリエンヌ』の全曲盤。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団による演奏で収録された物。
    ゲッツはドイツの作曲家で、1883年にベルリンに生まれ、1961年に同地で亡くなった。
    世代的にはシュトルツ(1880年生)やカールマン(1882年生)あたりと同世代で、生前は確かに人気があったようなのだが、このアドリエンヌを聴く限り良くも悪くも20世紀初期のオペレッタらしいメロディ重視の平凡で個性の薄い作風で、忘れられたのも無理はないだろうと言った所。
    この音源以外にアドリエンヌの録音があるかはわからないが、マルスツァレク盤はとりあえず作品を知るには問題ない水準だと思う。
    またオマケとして、ゲッツの『三つ巴の愛』の抜粋が収録されているが、これは初演間もない頃に録音された物。
    演奏はアドリエンヌと同じマルスツァレク、ケルン放送管弦楽団による物で、演奏の傾向も同じ、作風も同じ感じ。
    録音はアドリエンヌが1956年、三つ巴の愛が1951年で、どちらも年代を考えれば十分聴ける。

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     2019/08/21

    レハールの喜歌劇『微笑みの国』全曲盤。
    演奏はフランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で収録。
    レハール没後間もない1950年に録音された物です。
    歌手は中々豪華で、当時の絶大な人気を誇ったペーター・アンダースの他に、若き日のアンネリーゼ・ローテンベルガーが出ています。
    指揮者のマルスツァレクはこのオケを振って、多数のオペレッタを録音した当時のオペレッタ指揮者のスペシャリストで、スタンダードな解釈に充実したオケの鳴らし方が特徴です。
    歌手ではやはりアンダースが聴き所でしょうか。
    録音年が古いので、音はそれなりですが、年代を考えれば仕方ないでしょう。
    2枚目にはボーナストラックで同じレハールの『ロシアの皇太子』がハイライト収録されています。
    ヴィクター・ラインスハーゲン指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏で、1949年に収録。
    こちらはあくまでオマケといった感じです。

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     2019/08/20

    このCDは映画音楽専門のレーベル、シルヴァ・スクリーン原盤で、宇宙を舞台にしたSF音楽を集めた内容です。
    このCDのための録音というのはないようで、全て他のアルバムより編集されたもの。
    演奏はプラハ市フィルハーモニー管弦楽団、指揮はポール・ベイトマン、ニック・レイン。
    但し個別の担当曲の記載はありません。
    この他にクラウチ・エンド祝祭合唱団が参加している曲があります。
    いずれも再演奏盤と言われるもので、オリジナルではないのですが、プラハ市フィルはこの手の映画音楽を得意とするオケで、一部立ち上がりが遅かったり鈍かったりする物の、オリジナル譜またはオリジナルを尊重した楽譜を使い、生気と迫力がある演奏を聴かせてくれ、中々良いです。
    金管の響きなどはいかにもチェコ的なサウンドがします。
    収録曲にはスタートレックやスターウォーズの他に珍しいのもあります。
    編集盤ながら、録音も良好で聴きやすい。

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     2019/08/19

    レオン・イェッセルの喜歌劇『黒い森の乙女』の全曲盤である。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で1953年に録音。
    この作品はイェッセルの代表曲『おもちゃの兵隊の観兵式』もしくは『楽しいそり滑り』の次ぐらいに知られた曲。
    イェッセルの書いたオペレッタでは録音に恵まれており、他にベルケ盤、マッテス盤と演奏のよいのがあるが残念だがどちらもハイライト収録で、全曲盤はマルスツァレク盤しか今のところない。
    マルスツァレクの演奏はドイツ的なしっかりとした堅実な演奏で、歌手も飛び抜けて有名な人はいないが、安定した水準で聴かせてくれる。
    録音は年相応だが、メンブランの復刻に時々ある音がボケたようなところはある。
    またオマケにキュネッケの喜歌劇『どこかのいとこ』がヴィルヘルム・シュテファン指揮、ハンブルク放送管弦楽団の演奏で抜粋で収録されています。

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     2019/08/17

    フランツ・フォン・スッペの喜歌劇『怪盗団』は今日では序曲のみが知られているにすぎず、作品全体がどの様な曲なのかは中々分からなかったのですが、ここに来て全曲盤が発売と言うことで、作品の把握が出来るようになりました。
    ヴェルナー・シュミット=ベルケ指揮、ミュンヘン放送管弦楽団により1954年に録音されたもので、大半があまり知られてない歌手だが、唯一の、エリカ・ケートあたりは知られているだろうか。
    作品としてはタランテラがあったり、序曲のメロディの断片が出てきたりと楽しいが、なんとこの音源、時間の都合か、序曲の収録はなく短かなイントロで始まっているのは非常に残念。
    演奏そのものは悪くなく、録音も年代を考えれば良い方だろう。

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     2019/08/15

    フランツ・レハールの喜歌劇『パガニーニ』全曲盤。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で1952年に録音された物だ。
    この音源、主役を往年のテノール、ペーター・アンダースが歌っている事もあってか、何度か復刻されている。
    このCDはメンブランからの復刻で、多少音は痩せている物の、年代の割に目立つノイズが少ない。
    演奏は数多いこの曲の演奏のなかでは、普通だが歌手はもちろん、オペレッタのカラヤンと言われたマルスツァレクの指揮の元、正統派のしっかりとした演奏が聴ける。
    ボーナス・トラックとして、レオ・ファルの喜歌劇『イスタンブールのバラ』の抜粋が収録、これもマルスツァレクとケルン放送管の演奏によるもので、ハイライトとはいえこの作品の録音は珍しい。

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     2019/08/14

    ドイツの激安復刻レーベル、メンブランが出したオペレッタシリーズのうちの一枚。
    フレッド・レイモンド『青い仮面』の全曲盤。
    ヴィルヘルム・シュテファン指揮、ハンブルク放送管弦楽団の演奏で収録。
    歌手は当時、ハンブルク放送のオペレッタ録音で活躍したこんにちではあまり知られてない歌手が中心だが、エミー・ローゼやアンネリーゼ・ローテンベルガーといったのちに有名になる人物も参加している。
    この作品、ミュージカルに近い作風でメロディも代表作だけあり、ジプシー風あり、タンゴありと様々。
    その割に録音は少なくほかにCDになっているのはシュミット=ベルケ盤ぐらいだがこれはハイライト、しかし演奏の質はどれも高い。
    このシュテファン盤もがっしりしたドイツオケらしいサウンドと躍動感のあるメリハリのついた演奏、歌手の好演が印象的な良い演奏だ。
    収録時間の関係で余白にパウル・アブラハムの喜歌劇『ヴィクトリアの軽騎兵』ハイライトが収録。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で、このコンビらしいツボを押さえた演奏。
    どちらも1950年代頃の録音で音質は年代相応。

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     2019/08/13

    オーストリア生まれで、アメリカで活躍したワルター・ユルマン。
    元々はポピュラー音楽の作曲家でしたが、アメリカに拠点を移してからは映画音楽も書くようになり、このCDはその映画音楽からのベスト盤。
    もちろんオリジナル・サウンドトラックではなく、クラウス・アルプ指揮、ケルン西部ドイツ放送管弦楽団の演奏で新たに録音された物です。
    アメリカでの映画音楽との事ですが、コルンゴルトやスタイナーら同じオーストリア出身組がオケを存分に鳴らしたクラシック・ベースの音楽に対してユルマンは、オーケストラを使いつつも常にポピュラー音楽の血が入っています。
    安ぽい音楽とも言えなくないのですが、これはこれで耳あたりも良く、難しくもなく楽しく聴けます。
    アルプとケルン放送管弦楽団の演奏は、派手ではないですが曲の魅力を過不足なく伝えてくれます。
    1996年録音で音質良好。

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     2019/08/12

    ジョン・ウィリアムズの映画音楽を集めたアルバムです。
    ウィリアムズの代表曲、スターウォーズや、スーパーマンなどの他に、意外と録音の珍しい曲まであり、発売年の関係からハリーポッターは入ってない物の、まさに決定版と言える内容です。
    演奏はフィルム・スタジオ・オーケストラという名前の団体。
    CDにも詳しく書いてない物の、録音用に集められた小編成オケに付けられた名前で、セッション毎にメンバーも違うのでしょう。
    実際このアルバムも、録音の感じが微妙に違ったりするので、何回かに分けて録音されているのでしょう。
    スコアはオリジナルではなく、有名なテーマのみを繰り返すようなこの手のアルバムにある編曲ですが、オリジナルの雰囲気はある程度残しているので、そこまで悪いアレンジではないと思います。
    演奏は曲によって、上手かったり、金管が外していたりと様々ですが、ストレートな演奏と、低音を強調した独特の録音で、これはこれでありと思います。

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     2019/08/10

    荒野の七人、大脱走などの映画音楽を書いた事で有名なアメリカの作曲家、エルマー・バーンスタインが、20世紀前半期にハリウッドで活躍した映画監督、セシル・B・デミルの伝記ドラマ、その名もズバリ、『セシル・B・デミル』のサウンドトラック。
    演奏はプラハ市フィルハーモニー管弦楽団、指揮は作曲者エルマー・バーンスタインによる。
    オケのプラハ市フィルハーモニー管弦楽団は、映画音楽の再演奏を中心に手がけるオケで、さすがにこの手の作品の演奏は上手い。
    このスコアは2004年に亡くなったバーンスタイン最後の作品で、テレビ用の映画スコアらしいのだが、弦で流れるメインテーマが大変美しく、中々隠れた名作と言えるだろう。
    尚、最後にバーンスタインが書いた『十戒』組曲がボーナストラックとして入っているが、この十戒の映画監督こそがデミルで、アルバムの最後を飾るのに相応しい選曲となっている。

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     2019/08/09

    ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇『ヴェネツィアの一夜』全曲盤。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で収録された内容だ。
    歌手にはルドルフ・ショック、リタ・シュトライヒと言った有名な歌手のほかに、マルスツァレクのオペレッタ録音に欠かせない歌手が脇を固め、声楽陣はかなり豪華なアルバムだ。
    演奏はオーソドックスながら細かい指示が隅々まで行き渡ったオーケストラ、歌手たちも熱演しているが、やはり1953年録音と音質がイマイチなのがネック。
    エレクトーラのアラース盤のようなメリハリのある演奏の後だと物足りなく感じるのも事実だ。
    またオマケとして同じヨハン2世の喜歌劇『ローマの謝肉祭』の抜粋が収録。
    この音源、長らく唯一と言われた音源で全曲盤があるらしいがCD化されたのはこのハイライトのみ。
    現在では全曲盤(他のアーティストのだが)もあり、昔ほど貴重ではないが、まだまだ貴重な部類だろう。
    演奏はヴェネツィアの一夜と同じフランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団である。

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     2019/08/06

    ラルフ・ベナツキーの喜歌劇『妹と私』の全曲盤。
    演奏はフランツ・マルスツァレク指揮、ケルン舞踏娯楽音楽管弦楽団による物だ。
    このオペレッタは1930年に初演された作品。
    実はベナツキーの代表作、白馬亭にてと同じ年に発表されている。
    しかし、やはり忘れられた作品だけあってか、メロディはあまり良くなく、印象に残らない。
    というより白馬亭の出来が良すぎたというべきだろう。
    演奏はオペレッタのカラヤンことマルスツァレクによる確かな物で、良くも悪くも作品の真価を伝えてくれる。
    尚、ボーナストラックで、同じベナツキーの喜歌劇『魅力的なお嬢さん』の抜粋が収録、これも同じような感想を持った。
    演奏も同じマルスツァレク&ケルン舞踏娯楽音楽管弦楽団による。
    どちらも、作曲家存命中の1950年代の古い録音で、メンブランに時々ある、ノイズを除去したらちょっと音がボケてしまった所はあるものの、年代を考えれば十分だろうか。

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     2019/08/05

    エフレム・クルツが、フィルハーモニア管弦楽団を振って録音したオーケストラで演奏される、いわゆるクラシック・マーチを集めたアルバムです。
    クルツはバレエ指揮者として有名で、残された音源も多くない上に、復刻もあまりすんでないといった感じです。
    いわば知られざる指揮者の一人といったところなのですが。
    しかし、この行進曲集を聴けば印象もだいぶ変わるのではないでしょうか。
    当時のフィルハーモニア管弦楽団の優秀な奏者からなる卓越した技術、しなやかな弦楽器、クルツの色彩的で、音楽にメリハリがついたこの演奏、なかなか良いです。
    1959年録音なので、音質はこんな物と言ったところでしょうか。

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     2019/08/03

    カールマンの喜歌劇『サーカスの女王』の全曲盤。
    フランツ・マルスツァレク指揮、ケルン放送管弦楽団&合唱団の演奏で1955年に録音された物です。
    歌手は比較的知られていない人が中心で、まだ有名なのはサーリ・バラバシュでしょうか。
    かなり古い録音ではありますが、年代のわりに音質は良好であり、そもそもあまり音源自体ないので、そういう意味では貴重な一枚です。
    ボーナスでウィルヘルム・シュテファン指揮、ハンブルク放送管弦楽団による『チャールダーシュの女王』の抜粋収録が収録されていてこの音源はあまり見かけないので、こちらも貴重と言えるでしょう。

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