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1 people agree with this review 2021/03/11
スミ・ヨー以来?のDG専属ソプラノ第1弾。リリコ〜レジェーロ系の王道レパートリーによる名刺的な1枚となっている。もぎたての果実のようにみずみずしい美声が何よりの至福。ただヨーを含め歴代の名ソプラノが記してきた唯一無二の個性には乏しい。最後に収録された現代韓国作品はややムーディーに流れるきらいがあるものの、言葉に一層の真実味がこもり彼女の矜持が光る。順調にキャリアを重て、R.シュトラウスやフランスもの等も聴いてみたいと期待が高まる。
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4 people agree with this review 2011/06/15
ここ20年ほどロッシーニの最前線を牽引してきた、バルトリやカサロヴァといった先輩が、声の転換点に差し掛かっているのか“ドス”が目立つ様になり、彼女たちのデビュー当時のようなストレートな歌唱が恋しくなってきた昨今、現れ出でた驚異の若き才能。どの声域も無理なくまろやかに響き、技巧的な難所でも全く力みが感じられないアジリティ。ミンコフスキの即物的な指揮にもよるのかもしれないが、全体に表現がイタリアの強烈な色彩というより、淡彩に傾きがちで、ここぞ、という箇所で控えめで、鮮烈な印象が薄いのは、若さゆえかもしれない。レパートリー的に超高域が必要となる楽曲もないし、メッツォなのか、低域にも強いソプラノ・リリコなのか判断しかねるが、真珠の連なりを連想させる鮮やかなコロラトゥーラや趣味の良い音楽性に誰も抗うことは出来ないであろう。桁外れの可能性を湛えたソロ・デビュー盤にまずは乾杯!
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1 people agree with this review 2011/05/17
かたや超絶技巧によりピアノの新しい地平線を拓きつつあるアムラン、一方では少なくとも盤歴上では、ヘンデルやヴィヴァルディ、ポルポーラ等のバロック分野での活躍が光るゴーヴァン、二人のカナダ人技巧派が、フランス歌曲の王道で共演した珍しい記録。全く無理な所のない声と、ネイティヴ?ならでの明晰な朗唱。出しゃばらず、キラリと光るピアノ。アムランがこんなに素敵な伴奏者だったなんて嬉しいサプライズ。ATMAレーベルに意欲的な録音を続けるゴーヴァンには、ベルリオーズ『夏の夜』やラヴェル『シェエラザード』を録音してもらいたいところ。10年以上前の収録ゆえ、今は共演の機会も少ないのかもしれないが、二人には続編を是非期待したい。フランス歌曲の精髄を堪能できる、万人にお薦めしたい一枚。
1 people agree with this review 2010/01/27
「偉大な歌手になるために必要なのは?」の問いに、ニューヨークの著名な声楽教師は「内なる光」と答えたという。このコンサートの後2年後に亡くなったメッツォの声を聴くと、失ったものの大きさに、心が引きちぎられる思いがする。全霊を傾けて歌い上げた珠玉の歌の数々。歌うこと=生きること、であるかのように、音源を通して彼女の気高い魂に語りかけられている気がする。Wigmore Hallライブと同様、アンコールの“Deep River”は涙なくして聴けない絶唱。アンコールの2曲目は、以外にも“Calling You”。通俗的と思っていたこの歌が、懐かしくて、果てることのない彷徨のモノローグと化す。伴奏はあのピーター・ゼルキン。いい味出してる。ハントは来日経験があるそうだが、残念、聴き逃してしまった。痛恨の極み。
8 people agree with this review 2009/12/15
伝説の名ソプラノ、コルブランのレパートリーを気鋭のメッツォ、ディドナートが取り上げた意欲的な企画。声・表現・名技性共に申し分ない水準で、バルトリ以来の傑出したロッシーニ歌手であることを高らかに宣言するアルバム。指揮者に懐かしいエドアルド・ミューラーを迎え、まずは完璧な出来栄え。『アルミーダ』の至難極まりないアリアを聴くと、アメリカ声楽教育の新たなマイルストーンと実感する。彼女にはコルブランだけでなく、マリブランやパスタなど伝説の名歌手に基づいた、音楽的好奇心をワクワクさせるような、後続の企画を期待したい。
8 people agree with this review
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