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Review List of madman 

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     2014/08/12

    ’95年発表。ナイン・インチ・ネイルズのT・レズナーが設立したレーベルに所属する彼らの2作目(トレントが共同プロデュース)。おどろおどろしいルックスのシアトリカルな5人組で、本作もオープニングから暗いムードが漂い、SE的なトラックもあり、ホラー映画のサントラのよう。ユーズミックスのカバーEが“甘く”なく、どんよりと“悪夢”のようだし、スクリーミング・ジェイ・ホーキンスのカバーHにも不気味さがある。

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     2014/07/24

    ’86年発表。トレヴァー・ホーンにプロデュースを依頼した逸話もある通り、サンプリングを本格導入。だが『エスペラント』と違い、フェアライトもページRではなく肉体的な演奏で、「力と速度」を奨励した未来派の美学を実践している。ファンクへの傾倒は、’85年のPILの録音で会ったビル・ラズウェルの影響とか。曲名はアンタイル、モンドリアンから拝借、マリネッティの肉声や『ブレード・ランナー』などの劇中音が使われたが、アート・オブ・ノイズの“引用”は『北京の秋』を無断借用されたこと意趣返し。DX-7による未来のラウンジAほか佳曲多し。LPとCD、別ジャケットで発売。

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     2014/06/21

    ’14年発表。ピクシーズの新作だ。93年の解散後、04年からは断続的に再結成ツアーを行っていたが、13年6月にオリジナル・メンバーのキム・ディールが脱退(現在はア・パーフェクト・サークル、ズワンのパズ・レンチャンティンがサポート参加)。同年9月に新曲4曲入り『EP1』発表。14年1月の『EP2』発表を経て、23年振りのニュー・アルバムということになる。ブラック・フランシスは、ずっとブランクなしに活動を続けていたから当然、ということもあるだろうけど、前述の『EP1』収録の1曲目から現役バリバリのピクシーズ・サウンドをブチかましてくれる。2枚のEP収録曲を含むこの作品については、フランシスがアルバムというパッケージの意味と有効性について逡巡した結果ということらしい。つまりはアルバムという完成形を想定して作られたものではないということのようなのだが、リスナーとしては、今後もピクシーズとしての活動を続けていくという意志の表明として、このパッケージを受けとめるべきだろう。やっぱり12曲を連続して聴くと、満足感が違うというのは旧世代の見解なの?

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     2014/06/20

    ’14年発表。カサビアンらしさ満開、すなわち最高〜な5作目。トレードマークと言えるアンセム化必至のビッグ・サウンドをたっぷり装備し、ブレイクビーツやエレクトロニクスの使用厭わず、気がつきゃサイケで深遠なる空間にトリップ…つうね。ショッキングピンクのジャケも攻撃的で良いね。気がつきゃ今年はあのデビューから10年なわけで、こんだけ移り変わりが激しい中で君臨し続けている姿はスゴい。

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     2014/06/19

    ’14年発表。カッコいい!で済ませてしまいたい気もあるが、実際のところの本作の制作過程は、ジャックにとってはイレギュラーなものだった。なにせ書き溜めた多数の曲を1年近くかけて録音し、歌詞を書きながら仕上げていったのだ。ホワイト・ストライプス時代も含め、今まではほぼ数週間で完成させていたのを思うと、異例中の異例。それだけに、ある程度のラフな感触が魅力だった今までの作品に比べると音が作り込まれているし、長期に及んだぶん、サウンドに幅がある。ブルースやハードロックはもちろん、カントリー、ジャズ、フォーク…いずれにも、ルーツ・ロックに根ざした資質があふれている。弦の音色や女声も素晴らしく映えている。ただ、そうした伝統主義的な姿勢がありながらこの音は決してまっとうではないし、単に正統的なものではない。そこにイビツさや違和感が混ぜ込まれているからこそ、この人の音楽たりえている。そこが最もスリリングだ。あと、女性に捧げる曲があるあたり、やっぱ色男だなぁと思った。ともかく、クラシック・ロックのスタイルをこの21世紀になお革新させていくという、稀有なアーティストとしての像が鮮明に表れた快作。

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     2014/06/19

    ’99年発表。すべて溶け合い、何にも染まらない、aquaな響き。 それが坂本美雨の才能であり、努力して手に入るような質のものとは明らかに違う圧倒的な本物なのだ…と実感するアルバム。 プロデューサーの坂本龍一を筆頭に矢野顕子、SUGIZO、大貫妙子、A・リンゼイ、川村結花が楽曲提供。 作詞は半数以上が本人。 Bは矢野顕子のカバー、Dは「鉄道員」の英語版、ポエトリーリーディングCは淡々とした中に妙ななまめかしさがある。

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     2014/06/16

    ’14年発表。スーパー・ファーリー・アニマルズの中心人物グリフ・リースがソロ名義としては4作目のアルバムをリリース。SFAでは、’09年発売の『ダーク・デイズ/ライト・イヤーズ』が最新作となったままだが、グリフはその後もさまざまなプロジェクトで作品を発表し続けている。’10年には、ブラジル人ミュージシャン、トニー・ダ・ガトラとの共同名義でのアルバム『The Terror Of Cosmic Loneliness』をリリース。’11年にはソロ名義のアルバム『ホテル・シャンプー』を発表。’13年にはLAを拠点に活動するヒップホップ・プロデューサー、ブーム・ビップとのプロジェクト、ネオン・ネオン名義での第2作『Praxis Makes Perfect』を発売したばかりだ。約3年ぶりとなる本作は、彼の遠い親族にあたるジョン・エヴァンスという考古学者が辿った道を巡り歩いた彼自身の体験を元に作られた作品。これまでのソロ作同様、アコースティックなサウンドによる温かみのある内容となっている。なお海外では、音楽、書籍、ドキュメンタリー映画、アプリという4つのフォーマットで展開される。

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     2014/06/15

    ’98年発表。Sister Mとして、「The other side of love」を歌った、坂本龍一と矢野顕子の娘が本格デビュー。 父のプロデュース、そして、彼女の希望によりLUNA SEAのSUGIZOが全面参加。 坂本美雨は、透明感があり、クールなのに、ヒューマンな響きのある歌声を聴かせる。 シンプルなようで深いアンビエント感のある音作りとともに、まるで、この世にはない“水の国”の風景を思わせるよう。

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     2014/06/14

    ’11年発表。このツアーがもう6年前になるんだなぁ。リリース当時はヨンシーのソロ活動が際立っていた彼らがその前に休止する直前、『残響』に伴う旅の終盤のロンドン公演を収めたライブ作品。あのアルバムに顕著だった躍動感や肉体性を見せながら、このバンドらしい静謐な表現も共存している。激しさや熱さまで鳴らすようになったこの段階の次を早く見たかったけど、なにせマイペースだからな…気長に待つしかないかと思ったら、翌年には新作をリリースしてくれた。

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     2014/06/13

    ’14年発表。1年9ヵ月ぶりのアルバムは全14曲収録のボリューム感あふれる仕上がり。ぶっ飛んだアッパーな1曲目に始まり、躍動感に満ちた曲が並びつつも、ラストの2曲の重厚さによって、これぞBUCK-TICKと思える深い余韻を残す。シンセ・マニピュレーターにCube Juice、マニピュレーター&シンセサイザーにYOW-ROW(GARI)、キーボードに森岡賢、プログラミングにHAYASHI HIROYUKI(POLYSICS)、三代堅といったゲストを迎えてチャレンジを行っているのも聴きどころだ。先鋭的なサウンドと陰影に満ちた歌詞はさらに研ぎ澄まされ、ポップでありながらも音に込められた様々な細かい仕掛けとともに、まだ誰も聴いたことのない音像が立ち上がるアルバム。

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     2014/05/29

    ’14年発表。ブラーのフロントマンとしてデビューしてから何と四半世紀を経て初めて発表したソロ作。驚くような事実だけど、本当に自然な経緯で生まれたのだろう。リズムのプログラミングはプロデュースを手掛けたリチャード・ラッセルの手によるのだけれど、これが何とも気持ちいい。若くて突っ走っていた頃のデーモンとはまた異なるちょっと黄昏れた今の魅力をより引き出している。肩の力がフッと抜け、自我も感じさせない、まるで時代の傍観者の歌。静かに、でも確かな多幸感と同量の虚しさに溢れた傑作だと思う。

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     2014/05/18

    ’14年発表。ちょい上〜同世代はもちろん若手と話していても、今なおヒロト&マーシーがいかに強い影響を持っているかを思い知るのだが、その当人たちが「タリホー」と唄いながら猿人になった瞬間の衝撃を改めて思い出す。あれから7年半、次々と出たシングルにすべて意味なし!主張なし!なのにこんなに勇気が出るのはなぜなんだ。ただのシングル集でしょと言わず買え。そして身近な14歳に渡すんだ!

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     2014/05/16

    ’14年発表。約3年振り通算4枚目となる本作。これまでもコンセプチュアルに世界観を打ち出して来たバンドであるし、常に新しいサウンドを模索している彼ららしく本作はよりポップで踊れるこれまでのダークなイメージを払拭すろような内容に。エレクトロ色も強く歌が際立っているのも特徴的。曲は直感に従って書いたと言うことだけれど、これまでの尖っているムードとは異なり、ハッピーで楽しめる感じも新鮮で、確かに踊りたくなる。タイトル通り明るく突き抜けている感じが小気味良い。

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     2014/05/11

    ’14年発表。多幸感アンビエント・ノイズ・ギター作『エンドレス・サマー』で注目され、坂本龍一や大友良英らと共演するオーストリアのエレクトロニカ・ギタリスト、6年ぶりのソロ作品は彼の故郷、ウィーンがテーマ。それだけにノスタルジックでエモーショナル。直情的にかき鳴らされるギターとそれに応えるドラムスが次第に電子ノイズを帯びていき、10分かけて壮大な音響伽藍が浮かび上がるBなど失禁必至の美しさ!

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     2014/05/09

    ’14年発表。歴史に残る、歴史を変えるようなスゴイアーティストとアーティストが手を取りあったからと言ってそれが特別なものになるかどうかはわからない。そこに起きる化学反応は予想を超えたものであると思うのだけれど、そういう意味で今作には想定範囲外の嬉しい衝撃を食らった。インテリジェンス溢れる孤高のアーティスト、そして音のパイオニア2人による無限の実験とその結果。すごく静かで美しく、それでいてどこまでも音に対する探求の情熱が滾っている。自我や主張の鬩ぎ合いではなく、鋭い観察力と音楽に生命を吹き込める特別な能力を持つ二人の絶妙なハーモニー。スゴイと言う以前に愉しく、エキサイティング。そこには音を紡ぎだす歓びが溢れている。しなやかで麗しいのに強靭。もう何度聞いてもすり減らない。一音一音が慎重に大切に積み重ねられて、時に引き算もされて、そこにあったり、なかったりするのが感じられる。さぞやこのプロフェッサー達の実験室は無邪気で愉しいものだったのに違いない。反復ビートが軽やかで永遠を感じさせるFをはじめ、どの曲も最高。無と無限にフッと近づくような1枚です。

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