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Review List of bonsan 

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     2011/09/18

     1908年創業のスイスの名門5星ホテル、ヴァルトハウス・シルス・マリアのラウンジ「皇帝の間」に1910年にかつて設置されていたウェルテ・ミニョンのロール式自動ピアノを用いて録音されたものです。   1930年代に破損して倉庫に保存されて使用されていなかったものを、ホテルは1978年から数年かけて修復し、現在は原位置で楽しむことができるようになっているとのことです。  このCDは2000年9月13,14,15日にオフシーズンを利用してまさにこのホテルのラウンジで録音されたものです。つまり、1910年当時の上流階級の人々が楽しんだ空間で当時の楽器が奏でた音を楽しめるというわけです。ピアノ・ロールの受容のされ方をうかがわせる貴重なドキュメントといえます。  録音されたロールも珍品揃いで、CDではこれでしか聞けないものが沢山あるので貴重です。アルトゥール・ニキシュ、ゲオルク・ツシェルネク(レーガーの教え子)、ファニー・デイヴィス(クララ・シューマンの教え子)、ラザロ・ウツィエッリ(クララ・シューマンの教え子)、フェリクス・ドライショク(アレクサンダー・ドライショクの甥)など、本当に珍しいです。  ただ、難点が数点あります。 1. 音響が必ずしもよくない。これはホテルの・ラウンジの問題かもしれませんが、ピアノ・ロールが宿命的に孕む問題です。つまり、録音環境を再現できないということです。 2. ロールのピッチが不正確。例えば、テレサ・カレーニョ(オイゲン・ダルベールの妻)のワルトシュタイン第1楽章ですが、Pierianのカレーニョのロール音源集(これは全曲収録)では8:15であるのに対し、このCDではなんと7:00!? 明らかにこのCDはおかしい。他も程度の差はありますが、同様の印象を持ちました。  しかし、この難点を超える価値をこのCDは持っています。むしろ、難点すらピアノ・ロールを考える上で貴重な歴史的意味を持っていると思います。 当時、このホテルを訪れた上流階級の名士は、当然これらのロールに録音した高名なピアニストを生で聴く機会もあったはずですから、案外、「これはちょっと違うね。某ホールで聴いた時はもっとよかった」とか話に花を咲かせていたのかもしれません。 そんな楽しい空想広がるロマンのあるCDです。

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     2011/02/27

    すばらしいCDです。プーニョとディエメの全録音を良い状態で聞けるのは、夢のようです。プーニョはロールも残していますが、真価はやはり録音でないとうかがえないと思います。ディエメは、バイオリンのブーシュリの伴奏にまわったものが収録されていないのが残念ですが、これはビクター国内盤で6曲復刻されています(「ビクトロラ・クレデンザで聴く」)。ドビュッシーのメアリー・ガーデンの伴奏CDは、EMIのレファレンス・シリーズで大昔復刻されて以来ではないでしょうか。かつてのキース・ハードウィックの復刻に遜色のないものです。

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  • 1 people agree with this review
     2011/02/27

    グリーンドア音楽出版のオリジナルLPからのCD復刻(GDCL0039)を所有していましたが、原盤から復刻の本品は音質では全く比較になりません。狭いレンジと針音のためヴェールをかぶったようなくぐもった音がこうも違っていたとは・・。買い直されることをお勧めします。原盤の状態の良さに驚くと共に、デッカのモノラル全盛期のようなシャープな音質は、弦の魅力を高めています。真価を伝える録音に恵まれていない、リバールの泣くが如き気品ある音色を楽しめるのは、貴重です。リバールは生涯3つの名演の一つと言ったそうですが、ブッシュも本当に素晴らしくハフナーのベスト盤を争うと思います。

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  • 5 people agree with this review
     2011/02/19

    ビクターとテルデックでの既発売音源をもっていました。このCDは、同じロールを使用しているにもかかわらず、レベルが全然違います。2点理由があります。 1.マーラーの愛器を使用している。この時期、コルトーはじめフランスのピアニストがプレイエルを愛用していたのは有名ですが、現在以上にピアノの質が異なっており、鍵盤も軽く表現に大きく影響していました。現代ピアノでの再生は微妙なタッチが再現されにくい恨みがあります。 2.ウィーン美術史美術館の古楽器室で録音されている。豊かな残響があり、ロール再生でのペダルの弱点をカバーしています。というよりロール録音時の環境に近い可能性があります。 今まではボツボツと一音一音が切れるような感じで聞き通すのが辛かったのですが、このCDはあっという間に再生が終わり名残惜しさを感じさせるほどでマーラーの表現を十分に偲ばせるものになっています。 ライナーノーツも充実しており、英文もついています。

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