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Review List of eroicka 

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  • 2 people agree with this review
     2012/05/15

    30年ほど前は、マーラーの巨人といえば、このワルターのステレオ盤か、バーンスタインNYP盤がまず代表的名盤とされ、その次にショルティやメータ、テンシュテット、クーベリック、ハイティンク…といった評価が音楽評論や愛好者の支配的考え方だった。青春の挫折や狂気、感覚美や高い名人技…多種多様な名演がその後現れ、いまやワルターの端正で穏健、禁欲的な古典的表現は幾分古臭さが感じられるのは否めない。覇気やオケの緊密さでは、50年代のNYフィルとのセッション録音や、NBC交響楽団やバイエルン放送交響楽団などとのライヴの方が面白みはある。しかし、師マーラーと共に過ごした若き日への挽歌のようなしみじみした表現が随所にあふれ、独特の魅力を放っている。挫折に狂おしく身もだえし死の願望に悩むといった若き日のマーラーの不安定な心の側面は影をひそめ、穏やかに青春の挫折を回顧するといった趣だ。オケのサウンドの洗練はもう一つだが華やかな響きは好感が持てる。高齢だったワルターがよくぞステレオ録音を残してくれたと感謝せずにいられない。

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  • 1 people agree with this review
     2012/05/10

    かつて名盤と称された、カンタービレのきいたドビュッシー・ラヴェル。響きの醸し出す雰囲気よりも旋律美に比重の置かれた表現なのが独特だ。勿論、個々のテクニックやアンサンブルの精妙さは往年の名団体だけに高い水準だ。現代風なシャープな演奏やフランス風の響きを重視した演奏を好む向きには受けないかも知れない。60年代半ばの録音だが、音はフィリップスらしく品良くまとまり美しい。LP時代には、イタリア四重奏団の多くのレコードが市場に出まわっていたが、特にフィリップスレーベルが吸収されてからは、カタログが寂しくなった。また、その頃、ドビュッシー・ラヴェルの名盤とされていたパレナン四重奏団のステレオ録音盤(モノラル旧盤は幸い発売中)も今は廃盤…。青春時代を彩った名盤が消えてゆくのは寂しいものだ。ネット有料配信は勿論、(高齢者向けには)特注CDーRでも良いから、そういった地味な音源を何とかカタログに残してもらえないだろうか。

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  • 3 people agree with this review
     2012/05/09

    「コンプリート・アルバム・コレクション」の名の通り、RCAは勿論、EMIやDECCA録音なども含め、非公式なライヴ録音以外はすべて網羅している壮挙。既に持っている音源が3〜4割ぐらいだが、中古屋で高値がついているような貴重な廃盤音源が発掘されている。20年代末のブラームスのピアノ協奏曲2番の細かなミスをものともせず猛然と驀進する演奏やコハンスキー、プロアルテ四重奏団との共演などは貴重なものだ。しかもこの値段。協奏曲やソロのほかに、「100万ドルトリオ」に限らぬ室内楽での多彩な共演者に、この人の芸暦の長さと豊富さを再認識した。ベートーヴェンやシューマンなどの協奏曲は何度も録音しなおしているが、それもすべて入っており、比べる楽しさもある。オリジナルジャケットも趣味が良い。小生のような不心得なファンには142枚という膨大な音源をすべて一気に聴きとおす暇も根気も恐らく無いが、ルービンシュタインに関心がある人は手元にあって然るべき全集だ。

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  • 6 people agree with this review
     2012/05/06

    テンポが遅く表現が大仰でものものしいという声も出そうだが、個人的には愛着の強い一枚。大仰なだけではなく、実は繊細なニュアンスに富んでいる。シューベルトのピアノ作品に漂う死神の影と欝に陥りそうな深いメランコリーに開眼させてくれた演奏の1つ。この頃聴いたリヒテルやルプー、ブレンデル、アラウの演奏に(偏ったものかもしれないが)シューベルト観を育ててもらったといっても過言ではない。このCDは1979年2月1日と7日に東京の厚生年金会館と東京文化会館であった来日公演の記録。一連のライヴLPが翌年ごろ発売になって話題になったのを覚えている。当時2500円のLPが今、800円程度のCDとは、隔世の感だ。アンチ・リヒテル以外なら、聴いていない人は是非聴いたほうが良い。当時のリヒテルは毎年のように来日していて、その多くはLP・CD化されたり、FMやテレビで放送されたが、多くは廃盤やお蔵入りだなるべく多くの音源を再発売することが巨匠の再評価につながるはずだ。リヒテルは個人的に生でききたかったのだが、なかなか機会が無く、最後の来日時は切符が取れたのに、リヒテルの急病で聴けずじまいになってしまった。リヒテルが演奏会でそうしたように部屋を暗くして、このCDを聴いていると、その場にいたら緊張感で金縛りにあっただろうとさえ思える瞬間がある。盛大な拍手を送る聴衆が実にうらやましい。こうした音楽の神が降臨するような演奏会に邂逅できなくなったのは馬齢を重ねて感性が鈍磨したせいなのか、それともそうした演奏会が少なくなったのか。

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     2012/05/05

    録音が少ないため今は忘れ去られつつあるが、あらえびす氏の「名曲決定盤」に出てくるように、フリードマンは戦前は有名な巨匠だった。このCDに収められた「月光」をはじめ、opus蔵などからでているフーベルマンとの「クロイツェル」の白熱した演奏は大戦前では代表的名盤だった。「月光」も含めて電気録音初期のものが多く録音が冴えないので、曲によっては素っ気無い演奏に聴こえるのが難点だが、録音の少ない大家の演奏をしのぶには十分な一枚だ。興味をもたれたら、NAXOSからで出ているシリーズを一度聴かれることをお勧めする。

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     2012/05/05

    アルゲリッチのひくショパンの協奏曲第一番の音源は5〜6種類はあるように思う。、指揮が誰だろうと、スタイルは変わらず、どれも燃える激しい感情を確かな力と技が支えるといった趣ではあるが、とりわけこのショパンコンクール時のライヴは輝きがあって素晴しい。彼女のこの先に開ける明るい未来を確信したかのような充実感と高揚が感じられる。第一楽章での管弦楽の前奏のカットや聴衆の雑音が気にならなくも無いが、青春の煌きには変えがたい。

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     2012/05/04

    ショパンコンクールの風雲児として物議をかもした直後に録音したソナタ第2番をはじめ、脂の乗った時期の24の前奏曲、スケルツオ4曲といった、ポゴレリッチの代表的なショパン録音が収められている。最近、録音においては長く沈黙している鬼才の個性的な演奏を、安く一まとめに聴けるというのは、ファンならずともありがたい企画だ。仄聞するに、師匠である年上の妻に先立たれてからスランプに陥り、舞台に戻ったものの、精神的ダメージから、個性がいきすぎてテンポが遅すぎてしまう異形の演奏をライヴで披露しているそうだ。実際、ネット上でみられるラフマニノフの協奏曲2番のライヴの異様な演奏に驚かされた。映画「シャイン」のヘルフゴットのようだった。異形の演奏もまた彼の現在たどり着いた境地だろうが、むしろ、大きすぎる挫折に屈せず、ここに記録された昔の録音で見せた悪魔的な凄みの進化の行方を聴いてみたかったものだ。彼のライヴには90年代後半、敬虔な信徒のように万障繰り合わせて毎回のように演奏会に足を運び、ピアノの手元のみをほのかに照らした暗い舞台を凝視しながらまるで黒ミサに参加するかのように耳を傾けたものだ。その後、最近は、05年と07年来日したが、足が遠のいているのは、仕事や家庭のせいばかりではない。痛々しい姿をみたくなかったからかもしれない。ちょうど来日公演があり、今のポゴレリッチの変容を直視したいと思ったのだが、公演日が近くなるまで予定が立たず券が買えなかった。半ば怖いものみたさとはいえ、少し残念である。

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     2012/05/04

    この録音は録音機の回転ムラやノイズの多い代物で通して聴くのはしんどいものだが、優れたワーグナー指揮者としてのトスカニーニの姿を今に伝える歴史遺産である。フルヴェンやクナらドイツ系の指揮者に比べて造形はモダンだが、テンポも感興に応じて変動し決して速くもない。いつもの交響曲やイタオペでのトスカニーニと違う姿を見せる。1930年代初めのバイロイトでのパルジファル(勿論、公演の実況録音はなし。ちなみに前奏曲と聖金曜日の音楽は、1935年のロンドンでのBBCSOとのライヴ録音があり、悠然とした見事な演奏である)は正味4時間45分ほどかけ、フルヴェンよりも遅いテンポで演奏したというほどだから、ワーグナーの楽劇演奏は特別なものと考えていたのかもしれない。歌手も歌唱は古臭いが、スケールが大きく、今の歌手とは比較にならない表現力。かすかにウイーンフィルらしい音色も感じ取れる。昔かった別の高い値段のレーベルのものを持っているが、こんだけ安ければまた欲しくなる。

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     2012/05/04

    何度もレーベルを替えて録音している曲が多いが、いずれもテクニック、音色、解釈ともに今なお他の追随をゆるさぬものだ。曲想や共演指揮者によって微妙に違うのも一興だ。具体的には、カール・リヒターとマッケラスの共演の比較は面白いし、カラヤンやマリナー盤との比較も楽しい。ほぼ似た選曲のアルバムが昔、フランスのグラモフォンから出ていた。

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     2012/05/03

    LP末期の名盤。まばゆいばかりの引き締まったアンサンブルとサウンドは今でもこの曲の代表的名盤の地位を保っている。ベテラン四重奏団を壮年の名ピアニストがリードして自分の世界に引き込んでいるように感じるのは誤解だろうか。確かなテクニックと明晰な音楽づくりがこの交響曲のような重厚な作品をまとめあげている。ブラームスの青春の苦悩や焦りが色濃い曲だが、ポリーニらしく暗鬱さや激情、ロマン的幻想性は追い求めず、曲の構成や重厚な響きを尊重した上で、比較的カラリと仕上げている。両端楽章はとにかく緊密なアンサンブルと個人技に圧倒される。古くはゼルキンとブッシュQ、ゼルキンやカーゾン、セルとブダペストQ、リヒテルとボロディンQ、ハスキルとヴィンタートールQ、グールドとモントリオールQなど、新しめのものでシフやラーンキ、グリモーなど様々な録音があるが、これらの個性的名盤に勝るとも劣らない一枚だ。この曲の音源を一つしか選べないとしたら、色々迷った挙句、このポリーニとイタリアQの演奏を選ぶだろうし、人にも薦めるだろう。

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     2012/05/03

    チャイコフスキーは名匠スタインバーグ(SP時代の往年の名盤フーベルマンとの共演が有名)との息が合い、覇気のある精力的な演奏となっている。ブラームスは一見淡白な感じもするが、内に秘めた情念がにじみ出る演奏だ。ステレオ初期のEMIに多くの名盤をのこしたフィストラーリが手堅くバックを務める。テンポは概して速めだが、無論ハイフェッツほどの快速ではない。この演奏はLP末期に「セラフイム1300」シリーズという廉価盤で売り出されていたので、40代以上のファンは、ファーストチョイスとして購入して耳にした人も多いはず。数々あるライヴ盤のようなスリルや高揚感は薄く、後年のアバド指揮ウィーンフィルとの共演のような風格や完成度の高さはまだないが、これだけでも十分ミルシテインの至芸を後世に伝えうるものに値するとは思う。ミルシテインのキャピタル録音を中心に集めたBOXものには収録されている音源だが、何しろワンコインで買える安さ(送料は別として)が魅力だ。

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     2012/05/03

    有名な曲とコラール(地味なものもあるが)が交互に配され、アルバムとして考えられている。全曲録音を3回も成し遂げた巨匠アランの華があれども手堅い演奏が良いのは勿論、1980年前後という(アナログ録音末期=デジタル録音初期=LPレコード末期)時期だけに今聴いても素晴しい音色が堪能できる。ビギナーや古楽に興味の薄いファン層にも名曲集としても、所謂最近の古楽演奏家でないものであれば、リヒター、ヴァルヒャらのものと共に推薦でき、比較の楽しみもできる。

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     2012/05/02

    リスト晩年の高弟ザウアーのレコードといえば代表的なものがこれだ。ワインガルトナーもナチスを逃れてロンドンを経てスイスに亡命して亡くなるのが1942年で、死の4年前、活動末期の録音だ。当時80歳に近かったザウアーは腕の衰えが目立ち、速く音符の多いパッセージではスピードを上げられないなど、痛々しい部分もあるが、巨匠らしい風格・貫禄を感じさせる表現と、リスト直伝と思しきエレガンスで堂々と乗り切る。音の美しさやニュアンスは古い録音から推察できる。リストの生きた19世紀の空気を共に吸っていたワインガルトナーとの共演だからこそなし得た名演。第二次大戦直前の暗雲がたちこめるヨーロッパの世相の中、良く残してくれたものだと感謝する。他にザウアーの協奏曲録音は、メンゲルベルクとのシューマンのライヴ盤(King、Arbiterなど)も出ていたが、タッチの美しさが偲ばれるが、針音のノイズが多くミスタッチも目立つなど、好事家でなければ勧められない代物だ。ソロ録音などもカタログが寂しくなる中、カタログに名盤を残すメーカーの意気は評価したい。ワインガルトナー指揮の「レ・プレリュード」もフランスのオケの独特な響きを生かして、端正な造形の土台に、甘く華やかな刹那的ロマンを描いている。後半でヴァイオリンを一部ソロに改変して演奏するなどはその一例だ。一度聴いてしまうと、印象に残る演奏だ。「レ・プレリュード」はナチスが好んで宣伝に用いた音楽だったのだが、ユダヤ人であったワインガルトナーは当時、どんな心境でこの曲を録音していたのか知りたい気分にはなる。最後に録音だが、ピアノ協奏曲では明晰で迫力ある音が素晴しいのだが、レ・プレリュードはSPレコードによくある盤面替え後のピッチの変化が気になるところがあった。盤を替えれば音質やピッチが微妙に変わるSPのテイストを尊重したいのだろうが、この演奏を初めて聴く人には不親切だとは思った。今後はご一考いただきたい。

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     2012/05/02

    1962年の録音。ラリュー、アンドレ、ピエルロ、オンニュといった往年のフランスの管楽器の達人を擁し楽しい名演。からりと明るいラテン性の響きと表現、ソロの上品な表現と懐かしいフレンチサウンドが心地よい。リヒターやミュンヒンガー、レーデルのような構成感、真摯さや高邁な精神は薄いが、肩のこらないバッハもまた良し。第2番はラリューの玲瓏な音色に魅せられ、第3番は華麗なアンドレの豪華に輝く響きに酔わされる。古楽器隆盛の現代にはいささか古いスタイルだが、これだけの個性的な名手の演奏を楽しむ機会はむしろ少ないのではないか。エラートが合併する前は必ず市場にある定盤で国内盤もあったが、今ではこの輸入盤しかなく、いつ廃盤になるかも分からない。クルト・レーデルのブランデンブルクなども廃盤になっており、廃盤にしないようメーカーに頼むしかない。なお、安いのは嬉しいが「Paillard chamber orchestra」とあるだけで、ソリスト名が記載されていないのは不親切だと思う。蛇足ながら、偽作とされている第5番も割愛されず当時のセットのまま収められているのもレアだ。

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     2012/05/02

    1962年の録音。ラリュー、アンドレ、ピエルロ、オンニュといった往年のフランスの管楽器の達人を擁し楽しい名演。からりと明るいラテン性の響きと表現、ソロの上品な表現と懐かしいフレンチサウンドが心地よい。リヒターやミュンヒンガーのような真摯さや高邁な精神は薄いが、肩のこらない癒しのバッハもまた良し。エラートが合併する前は必ず市場にある定盤で国内盤もあったが、今ではこの輸入盤しかなく、いつ廃盤になるかも分からない。廃盤にしないようメーカーに頼むしかない。なお、安いのは嬉しいが「Paillard chamber orchestra」とあるだけで、ソリスト名が記載されていないのは不親切だと思う。

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