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Review List of ヤナハル 

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  • 3 people agree with this review
     2020/08/04

     ベルリオーズほど時代を超越したような音楽家は稀ではなかろうか。ブラームスやブルックナーよりも、あるいはフランクやサン=サーンスよりも、ずっと現代に近いのではないか。絢爛豪華な管弦楽というイメージが先行しているように思われるが、幻想交響曲にしても、宗教音楽や歌劇にしても、随所にきめこまやかな室内楽的な部分もあり、(それゆえに、バロック時代に近いという面もあるのだが)えもいわれぬ味わいを至る所で感じさせてくれる。何故、ピアノ曲や室内楽を書かなかったのだろう。普通に交響曲や協奏曲を書いても傑作ができたと思うが、ベルリオーズはやはり表題のある劇音楽への嗜好が強かったのだと思う。ベルリオーズ作品全集、演奏も全て一級品揃いである。

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  • 6 people agree with this review
     2020/08/04

     現在出されているベートーヴェン作品全集の中で一番完全な全集に近いのではないか。どうでもいいような作品まで網羅したからそうなったんだと言えば、確かにその通りなのだが、ベートーヴェンを崇拝する者としては、やはり手元に置いておきたい。演奏もきびきびとした近年録音された演奏が大部分であり、今日のベートーヴェン全集としては申し分がない。何と言っても、一万円かそこらで手に入るわけだから、お買い得である。愛すべきセーゲルスタムも加わってはいるけれども、大部分が無名の演奏家であるお陰で、所蔵のCD との重なりは殆んどなかった。

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     2020/08/01

     クレーメル版の弦楽合奏に打楽器を加えた作品の原曲であるのに気づくのに少々時間がかかりました。確かにクレーメル版の打楽器は大変効果的で、弦楽合奏の切れ味が素晴らしいのですが、ビアノ五重奏曲原曲もこの作品本来の渋さが感じられて、これはこれで十分に聴き応えがあります。ショスタコーヴィチの影響を受けたとは言いながら、20台の作品とは思えないほど高い完成度があると思います。聖俗入り乱れた楽想はマーラーの世界に近いのかも知れません。

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     2020/08/01

     コトルバスのファンです。少しウェットで、かすれたような声で、声量には乏しいように思われますが、アバド指揮の「カルメン」のレコードでミカエラを歌っているのを聞き、このソプラノは誰だと一気に私にとって特別な存在になりました。クライバーの「椿姫」では、コトルバスのヴィオレッタだけが少し弱いとしばしば言われるようですが、私にとってはやはり特別なヴィオレッタです。コトルバスの名前を見つけるたびに、CD を手に入れてきましたが、モーツァルトのミサ曲ハ短調でもコトルバスの歌唱には満足しました。ただ、現代のきびきびした演奏に比べると、幾分スローテンポでもどかしく思われます。

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     2020/07/29

     タイミングが良かったのか、6000円足らずで手に入れた。DVD がBlu-rayでないのが、少々残念であるが、全ての1枚1枚が震い付きたくなるくらい絶品である。多分バルトリの全盛期の歌唱ということになるのだろう。名盤である。

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     2020/07/22

     クリスティとレザール・フロリサンの名刺代わりの作品であるが、今回CDで久しぶりに聴いて感動を新たにした。ルイ14世を過剰に(?)讚美する他愛のない歌詞であるが、音楽は息を呑むほど素晴らしい。クリスティのお陰で、シャルパンティエはリュリなどよりも遥かに重要な音楽家となった。この後、クリスティは歌劇や宗教音楽など、次々にシャルパンティエを紹介してくれるのだが、この最初のCDが霞むことはない。そろそろシャルパンティエの全集とまではいかなくても、ここまでの集大成みたいなものを出していただきたい。

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     2020/07/22

     サリエリ・ルネサンスが始まっている。数十年前に出たジェルメッティ指揮の「ダナオスの娘たち」も面白かったが、国内盤はまだこの2作品だけではなかろうか。音楽が素晴らしいから、歌詞は理解できなくても、十分に楽しめるのだが、やはり歌詞まで理解したい。海外盤はたくさん出ているので、順次国内盤を出していっていただきたい。サリエリは音楽史の隅に置いておくべき音楽家ではない。ウェーバー並みには扱っていいのではないか。

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  • 10 people agree with this review
     2020/07/22

     シューマンのぎくしゃくとした音楽が大好きである。ホリガーは、そんなシューマンの等身大の音楽をストレートに聴かせてくれる。しかも、交響曲第4番は原典版と改訂版の両方を取り上げ、「ツヴィッカウ」交響曲も含み、序曲も協奏曲も全て網羅し、ガーディナー以上に徹底している。コパチンスカヤはもう少し大暴れしてくれるかと期待していたのだが、ややらしくないか。立派な演奏には違いない。シューマン好きには堪らないセットである。ジャケットが幾分地味過ぎるか。

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  • 2 people agree with this review
     2020/07/21

     エラス=カサドとはまるで世界の異なる伝統的な安定感のある演奏。安心して、ゴージャスなサウンドに浸れる。もちろん、現代における最高級の演奏であろう。ぼうっと聴いていると、何事も起こらない音楽。でも、虚心に耳を傾けると、様々な味わいが感じられる。心を激しく揺さぶるだけが芸術ではない。芸術は必ずしも爆発とは限らない。ベートーヴェン自体が十分に爆発ではあるけれども。

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  • 0 people agree with this review
     2020/07/21

     エラス=カサドのファンである。どこか、ガチャガチャしていて、出始めのオリジナル楽器の演奏を思い出させる。一聴素人臭さが感じられるが、目の前で音楽が作られる臨場感が堪らない。ベームが聴いたら、眉を潜めるであろう。カラヤンやレヴァインなどのゴージャスなメンデルスゾーンも嫌いではないが、今はエラス=カサドである。

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  • 2 people agree with this review
     2020/07/21

     ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は面白い、ものもある。でも、交響曲第7番、第8番、第10番、第11番、第12番並みにやたらヒステリックであったり、陰鬱が過ぎるものが多い。バルトークやシェーンベルク、そしてショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲が好きと言えるようになれば、格好いいと思う。古典四重奏団の演奏がその足掛かりになってくれそうな気がする。まだ、十分に理解できていないので、4つ星にしておくが、本当は5つ星であろう。見事に文字通りショスタコーヴィチを古典にしてくれている。

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  • 1 people agree with this review
     2020/07/21

     ボストリッジの張りつめたような、直向きな歌唱が好きである。息子の方のプレガルディエンほど、狂気と言うか芝居がかったところはない。「水車小屋」と「冬の旅」はすでに所有していたが、「白鳥の歌」と「冬の旅」のDVD がつき、比較的安価だったので、迷わず購入した。CD の歌唱はもちろん素晴らしい。切羽詰まったような若者の精神状態が見事に表現されている。ある意味狂気と言ってもいいのかも知れない。ところが、DVDには少々閉口した。ツェンダー並の解釈が施されている。でも、ツェンダーほどの面白味はない。このDVD、もう見ることはないかも知れない。ボストリッジの端正な歌唱だけで十分である。

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  • 5 people agree with this review
     2020/07/20

     「イザイへのトリビュート」と言いながら、無伴奏ヴァイオリン・ソナタが抜けている。でも、それがなくても十分に聴き応えのあるセットである。ドビュッシーの弦楽四重奏曲やルクーのヴァイオリン・ソナタなど、名曲と呼ばれるものもあるけれども、全体的には実に渋い作品集である。それだけに聴けば聴くほど味わい深い作品ばかりである。一通り聴いた後、気になった1枚または1曲を取り出して聴く作業が実に楽しい。聴くほどに、新しい世界が見えてくる。今年前半の最高のCDと言っていいと思う。勿論全部聴いたわけではないけれど、今年出たCDを。

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