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TOP > My page > Review List of 遊悠音詩人
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2 people agree with this review 2009/07/13
最近NAXOSからバラキレフの協奏曲集が発売されたが、聴き比べも兼ねて入手。純ロシア的だがやや大味な印象も受けるセイフェトディノーヴァ&ヤブロンスキーの演奏に比して、このビンズ&L=ジョーンズの演奏は細かいところまで神経が行き届いていて素晴らしい。ショパンの協奏曲に影響された第1番など、繊細なディナーミクやアゴーギクによって、青春の揺れ動く心情が吐露されるようだ。第2番も重くなりすぎず、適度な気品を湛えている。R=コルサコフも録音に恵まれないが、ロシアの仄暗さや野趣に溢れた、いい意味で土臭い曲だ。当盤の演奏は徒に民族色を強調することはないが、スタイリッシュな中にも抒情的なニュアンスを持った素晴らしいものだ。また、透明感を持った豊かな音響の録音もHyperionならでは。NAXOS盤より値は張るが、それに見合うだけの魅力がある。ロシア音楽ファンならば是非聴いて欲しい。
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0 people agree with this review 2009/07/12
ラフマニノフ協会理事も務めるアシュケナージのライヴ盤ということで期待して買ったが、皮肉なことに自分とアシュケナージとの相性の悪さを確かめる決定的な一枚となった。チャイコフスキーは確かに熱演かも知れないが、至るところに不自然なギアチェンジが散見され、正直興醒めする。ギアチェンジの上手さでいうと、ヤンソンス&バイエルン放送響が随一の出来だ。また熱演という意味では、ベーム&チェコ・フィルを推す。ラフマニノフも、これを越える演奏なら幾らでもある。筆頭は諸氏周知のリヒテル盤で、ラフマニノフの再起をかけた入魂の作を、凄まじい程の集中力で描き切っている。だが、当盤のガヴリーロフときたら、何とも散漫で、ミスタッチが多く、ギクシャクしている。録音自体、ピアノが金属的でいただけない。アシュケナージならぬ、味気なしだ。
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2 people agree with this review 2009/07/10
ゲヴァントハウスの懐深い響きに惚れ惚れ!シャイー時代になってから響きが華奢になったと評されることの多いLGOだが、やはり指揮者がブロムシュテットだと往年の響きが戻ってくるようだ。これは、アバド時代になって質が下がったBPOを、ヴァントが見事に復活させた例と似ている。ブルックナー演奏の決め手である、重厚さと透明感を両立させるという難しい課題を、これ以上ない程に具現している。リズムの刻みが全編を支配する作品であり、縦の線が揃っていないと話にならない曲だが、ブロムシュテットは実にキッチリとやってくれている。しかし、それでは杓子定規で堅苦しい演奏かというと決してそうではなく、メリハリやふとした柔らかさが至るところで効いている、人間味に溢れた演奏になっているのだ。ブロムシュテットらしさ、LGOらしさがよく示された一枚。早くも次回作が楽しみだ。
2 people agree with this review 2009/07/08
大御所ショパンのお膝元であるポーランドに、かくも美しい協奏曲が眠っていたとは!今やHyperionの人気アイテムとしてコアなファンを喜ばせているシリーズだが、その第1弾として選ばれた理由がよく分かる。とにかく、ロマンティックで美しい!際立つ抒情、溢れるメロディ、華麗なフィナーレ、どこをとっても聴きどころ満載だ。モシュコフスキは、特にアンダンテが甘美この上なく、思わず息を呑む程……!BBCスコティッシュ響のノーブルなオケの響きも相まって、温かく滋味深く奏でられている。スケルツォも単なる空騒ぎにならず、民謡風のメロディが歯切れ良いリズムを伴って鳴らされ、実に小気味よい。対するパデレフスキは、壮麗な終楽章が聴きものだ。リズミカルでゴージャスなサウンドは、聴いていて楽しい。勿論中間楽章の情緒も事欠くことなく、繊細な表情を見せてくれる。名エンジニア、トニー・フォークナー氏による優秀録音も聴きもので、適度な透明感を伴った素晴らしい音響だ。
3 people agree with this review 2009/07/01
19世紀の作品かと聴き紛う程、ロマン派の残り香が漂うボルトキエヴィチの交響曲。特に第1番は、至るところにチャイコフスキーの影が垣間見える。第1楽章のコーダは第5交響曲第2楽章のそれと近い雰囲気を持っているし、第2楽章のピチカートは第4交響曲第2楽章を彷彿とさせる。終楽章に至ってはバレエ音楽やらマンフレッド交響曲やらの要素を聴かせ、挙げ句1812年序曲やスラヴ行進曲でお馴染みの旧ロシア国歌を登場させている。最後の終わらせ方など悲愴交響曲の第3楽章と瓜二つである。全体的な雰囲気は仄暗いもので、それを振り払うかのごとくおどけてみたり騒いでみたりする辺りも、チャイコフスキーのメンタルに近い。また、第1楽章冒頭で示された不穏な叫びが、各楽章で回帰する構成も実にチャイコフスキー的。第2交響曲もやはり陰欝なロシアの情緒に溢れている。既にプロコフィエフやストラヴィンスキーなどが挙って前衛的な作品を書いていた頃に、ボルトキエヴィチときたら何一つ新しいことをしていないのである。しかしそれだけに親しみやすいのも事実。録音・演奏ともによく、この無名作曲家の再評価を促す一枚として相応しい。
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0 people agree with this review 2009/07/01
もともと旧ソ連の音源だから、当然ながら(?)音質がよくない。広がりに乏しく、音割れや歪みが散見される。まるでモノラル録音を電気的に擬似ステレオ化したような音だ。しかし作品自体は“ショスタコの16番”ともいうべき狂暴さと深刻さを持ったもので、中々聴き物だ。オーケストレーションも後期ロマン派の手法にモロにはまっている豪快なものだ。特に偶数楽章はショスタコ好きには堪らない程で、その上プロコフィエフ的な響きやラフマニノフ的な情緒すら垣間見える。要は、20世紀前半のロシアの有名交響曲のごった煮といった作風だ。作曲年代(1956)から言えば“ゲンダイオンガク”の時代だが、スヴェトラーノフときたら何一つ新しいことをしていないのである。しかし、気を衒わない作風は聴きやすく分かりやすく面白い。録音が悪いためよい評価は与えられないが、作品自体はよいので、テミルカーノフやアレクセーエフ、スピヴァコフ辺りがデジタル録音してくれないだろうか。
4 people agree with this review 2009/06/30
俗に“ライヴの時のベームは凄い”といわれているが、まさにその通り!特にチャイコフスキーの凄まじさたるや、本場ロシアのオケもかくやと思える程!出だしから熱い呼吸であり、第1楽章コーダの捲りも強烈。ムラヴィンスキーやロジェストヴェンスキーでさえここまでは暴れなかった。第2楽章など弦の美しさがよく生きているし、第3楽章のピチカートも鮮明だ。終楽章など血管が沸騰しそうな程の熱さ!晩年のヨボヨボ爺さん(失礼!)の指揮とは到底信じられぬ、灼熱のチャイコフスキーだ。一方の《皇帝》はギレリスのミスタッチや呼吸の不一致などが散見され、個人的には余り好みではない。しかし、血沸き肉踊る鮮烈なチャイコフスキーだけで、この盤の価値は不滅である。
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4 people agree with this review 2009/06/26
“ロシア音楽の祖”といわれるバラキレフ。彼のピアノ協奏曲は、切なさや美しさが際立った傑作だ!第1番など“ロシアのショパン”と呼んで差し支えない程で、若書きらしい初々しさが却って一層哀愁を引き出している。第2番は第1番より更にロシア的で、民謡からインスパイアされたであろう旋律がそこかしこに出てくる。この点は弟子のリャプノフにも受け継がれている(第2番はリャプノフが補筆)。また後のボロディンやグラズノフに繋がる要素も見受けられる。即ち独特の野趣と旋律美である。いい意味での土臭さが、純ロシア勢の演奏によって充分に生かされているし、録音もよい。何より、隠れた名曲を提供してくれるNAXOSに感謝。しかもこの値段!道理で発売直後に在庫切れになった訳だ。
0 people agree with this review 2009/06/26
バラキレフから連なるロシア音楽の系譜の中で、リャプノフもまた見捨ててはならない作曲家である。作風は師であるバラキレフによく似ており、「旋律美」「野趣」「抒情」といったロシア音楽の重要要素が全て詰まっている。この意味においては、ボロディンやグラズノフにも相通ずるものがあるだろう。リャプノフの作品にみるロマンティシズムは、西洋との折衷を目指したチャイコフスキーやその思想を継ぐラフマニノフなどとは異質ではあるが、とても親しみやすく美しい。ミルンのピアノも、ロシア情緒をよく生かした実に素晴らしいもので、しかも技巧も一流である。20分間休みなしの一楽章形式で、しかもキャッチーなメロディがあるわけではないので、じっくり聴かないと弄んでしまいそうだ。しかし聴けば聴く程に味わいを増していくことは事実。録音も優秀であり、リャプノフの再評価につながりうる一枚といえよう。
0 people agree with this review 2009/06/22
ラフマニノフはルービンシュタイン&オーマンディ盤も定番ではあるが、よく聴き込むにつれルービンシュタインの老衰ゆえのミスタッチが目立つようになり、更にフィラデルフィアの楽天的に過ぎるサウンドに嫌気がさしてくる。ラフマニノフの第2協奏曲は、諸氏周知の通り、第1交響曲の 失敗からノイローゼに陥った作曲家が再起を賭けた作品である。その曲が、単に技巧的に優れてメロディアスでゴージャスなだけの曲になるとは、とても思えないのである。この意味において、過度な洗練を排除し、重苦しい情感を強烈なタッチで打ち込んだリヒテルの演奏は、やはり永遠の名盤として相応しい。対するチャイコフスキーは、カラヤンを聴きたい人ならよいかも知れないが、リヒテルのピアニズムを純粋に楽しみたい人にとっては違和感を覚えるだろう。因みに個人的な好みはデミジェンコ&ラザレフ盤だ。ロシアとロシアの四つ相撲は、虚飾を排した打鍵にケレン味たっぷりのケバいオケで応酬するような演奏にはない、真の迫力とロマンがある。
ムラヴィンスキーやコンドラシンなどと共に、20世紀ロシアを代表する名指揮者として誉れ高いスヴェトラーノフだが、その彼が作曲家でもあったとは!しかも“ラフマニノフを上回る濃厚・激甘”となれば聴かない訳にはいきませぬ。曲が始まるや、時代錯誤も甚だしい程のロマンが連綿と紡がれていく。本当に1970年代の作品なのだろうかと思える程だ。まるでラフマニノフと初期のスクリャービンを足して二で割ったような感じなのだ。第2楽章になると一抹の不安や焦燥を感じさせるようになり、ハ短調という調性からか、ラフマニノフの第2協奏曲の名残がそこかしこに垣間見えるのが面白い。スクリャービンも独自の官能美が生きた演奏だ。録音はややオフ気味だが、埋もれた作品にスポットを当てる取り組みは絶賛したい。なお、全曲ライヴ録音で、終演後の拍手までしっかり収録されている。
1 people agree with this review 2009/06/19
“イギリスのラフマニノフ”とは言い得て妙!第3協奏曲は特にメロディアスな美しさとそそり立つようなオクターブ・ユニゾンがラフマニノフを思わせる。一方そこにディーリアス風の抒情を加味している辺り、やはりイギリスの作曲家なのだと感じる。曲の佳境で五音音階風のフレーズも登場し、非常に華やかに曲を閉じる。対する第4協奏曲は陰欝な印象である。冒頭はラフマニノフの第2協奏曲の出だしと瓜二つで、しかもそれが終楽章で回帰するという構成を持っている。構成そのものは、メトネルの第1協奏曲にも相通じるものがありそうだ。しかし、第1楽章の途中で、ラフマニノフの《死の島》とそっくりな旋律が出てくることから、やはり“ラフマニノフ風”というイメージは拒めないであろう。録音・演奏ともによく、この無名作曲家の再評価を促す重要なファクターとなりうる一枚として推薦したい。
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2 people agree with this review 2009/06/15
セルゲイ・ラフマニノフの影に隠れた、もう一人のセルゲイ、ボルトキエヴィツ。旋律の美しさや仄暗さたるや、ラフマニノフと肩を並べる程素晴らしい。いやむしろ、“ラフマニノフの第5協奏曲”と言ってよいかも知れない。壮大なロマンが紡がれる第1楽章、静謐な第2楽章、そしてチャイコフスキーばりの壮麗さを持つ第3楽章と、どこをとっても聴きどころ満載である。殊に終楽章では、パガニーニのカプリース24番のような主題とカリンニコフの交響曲のような主題が登場し、なかなか面白い。一方のアレンスキーは、チャイコフスキーとグリーグを足して二で割ったような芸風であり、特に第2楽章はグリーグの焼直しのようである。途中でグリーグの協奏曲の第1楽章とそっくりなメロディが登場する。終楽章など更に顕著で、グリーグの冒頭と瓜二つなのである。これだけでは贋作同然だが、アレンスキーの凄いところはそれを完全にロシア的に仕立て直していることである。演奏水準も高く、録音も優秀であり、二人の作曲家の再評価を促す重要なファクターとなりうる一枚といえよう。
0 people agree with this review 2009/06/11
シチェルバコフ盤を聴いてこの曲を知ったが、聴き比べしてみたいと思い当盤を入手。個人的には当盤に軍配を上げたい。アレクセーエフの腕前はシチェルバコフと互角だが、バックを務めるラザレフがよい。メリハリやテンポ設定、リズム感が素晴らしく、メトネルがさりげなく織り込んだ“仕掛け”が明瞭に浮かび上がる。例えば副旋律に主題のモティーフが隠れていたり、何気ない伴奏が副主題への伏線だったり、これが中々面白く、奥深さを感じる。強いて汚点を挙げれば、アレクセーエフの鼻息が荒い(笑)。鼻詰まりか?
1 people agree with this review 2009/06/02
NAXOSの廉価盤(シナイスキ&マルメ響)を聴いてこの曲に開眼したが、聴き比べも兼ねて入手。結論から言えば、演奏・録音ともにシナイスキ盤に軍配を上げたい。オケ&指揮者の知名度からすればこのルイージ盤の方が上だが、散見されるアンサンブルの乱れがどうも気になる。複雑な対位法の絡みが見られる曲だが、どれを前に押し出すかによって響きのバランスが変わってくる。ルイージは色々な音を引き出そうとしているが、如何せんその要求にオケが応え切れていない。特に第1楽章に顕著だ。録音も残響過多でぼやけた印象だ。しかしながら、このマイナーな作曲家にスポットを当て、積極的なアプローチをしたルイージの姿勢は評価に値するだろう。
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