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TOP > My page > Review List of 風信子
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3 people agree with this review 2018/04/22
シュヴァーベのチェロが水際立った筆致を残す 弾くというより書き出すといった風情だ 流麗であり軽みを失わない爽やかさは個性ある前途を予告している スーストロも自国のエスプリを生かす運びでサポートしていく サン=サーンスのチェロ・コンチェルト第1番は耳馴染みがあるが 第2番をはじめ”白鳥”以外の作品は耳にする機会が稀にしかない このセンシティブなチェロ作品はもっと頻繁に弾かれ聴かれていいものだ 小品も味わい深く愉しんだが 何と言っても第2コンチェルトだろう 聞いたことがあるはずだが 印象に残っていなかった 今度初めて意識を新たにした 第3交響曲「オルガン付き」と同じ構造で見かけは二楽章だが実質三楽章の定型である 作曲者67歳時の作品で第1コンチェルトから30年を経ている 時代は20世紀に入っていてもロマン派スタイルを堅持している 時代遅れと侮らず無心に耳傾けたいものだ いつの世でも人が保ち得たい精神と美意識が今も光を放っている 美しい魂に触れた思いだ あなたも如何
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4 people agree with this review 2018/04/21
等身大のベートーヴェンが切切と語りかけてくる 隣のベートーヴェンさんが居る 偉大な芸術家でなく 尊大な先生でなく ”音楽”の使徒として身を捧げた者の不器用で木訥ですらある語り口に戸惑う人もあろう 圧等する威勢も見せず 大見得を切る役者風も吹かせず 力まず弛まず歌うのだ モザイクQua.はベートーヴェンが交響曲や協奏曲とは違う発想でクァルテットを書いたことを如実に示した 巨大さも晦渋さも消え凡てが簡潔に平明に聞こえる 4つの楽器が絶妙なバランスで歌い交わし共鳴するソノリティは弦楽四重奏とは何かを自然に感じさせる ロマン主義も形式主義も廃されている 疾風も吹かず怒涛も打ち寄せない モザイクQua.はピリオド楽器によるピリオド奏法を基底に置きながらも全く自由である 端的に言えばヴィブラートも使っている 音楽の流れの中でそうでなければならないと思えば最上の弾き方をする いつだってそれでいいのだとベートーヴェンも言うだろう これは分かる朋ばかりではあるまい あなたは如何
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0 people agree with this review 2018/04/20
最も若い24歳の作”ピアノ協奏曲”から死の五年前38歳で書いた”プロメテウス”まで スクリャービンの音楽書法がどのように変遷したかがよく分かった セーゲルスタムはスコアを忠実に再現している 第1交響曲は弱音に終始して優しいと言うよりは儚いロマンティシズムが漂っている 最後に声楽が入らなければ完結しなかったと頷ける これを失敗作と見るか作曲者の資質として面白く聴くかはわたしたちに預けられている 第2交響曲は逆に合唱から始める構想であったが出版社が説得して回避させた テーマは親しみやすく楽曲は幻想的な風貌を持つに至った 32歳で完成した第3交響曲・神聖な詩で一気に1つの頂点を築く ここに神秘主義を打ち立てる 36歳で完成された第4交響曲・法悦の詩は神秘主義の結論であり同時に交響曲の終焉でもある 多楽章は単一楽章に凝縮しひとつの奥つ城となった それはまた新たな出発の予告であった 2年後第5交響曲・プロメテウスは未知の宇宙への旅立ちを告げる一曲となった 音に光を加える試みは未だ誰も描かなかった未踏の芸術への挑戦だった 次回作”神秘劇”は壮大な構想のまま中断され残された 100年を経た今も病に倒れたスクリャービンを惜しむばかりだ ここに美しい演奏がある あなたも如何
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1 people agree with this review 2018/04/18
カナディアン・ブラスのトロンボーン奏者リアルマコプーロスが吹くピアソラ トロンボーン好きは言うに及ばずピアソラ・ファンを越えて凡ての音楽愛好家に知らせ奨めたい 協奏者はギター, マリンバ, バンドネオン・トリオ, ピアノそして弦楽と様々に楽曲の色合いを変えていく ”孤独”でトロンボーンがレガートに歌うメロディーは哀しく切ない また”グラン・タンゴ”ではトロンボーンがマルカートで吹き切るメロディーは太陽のように尽きることのない力を感じさせる 雄々しく勇気をくれる ”忘却”のつぶやき ”鮫”の絶唱 孰れも人の声を連想させる愛しさと温かさに満ちている ピアソラは楽器を取り替えてもピアソラだ 最後に”天使の組曲”は導入部を省いて”ミロンガ”と ”死”を入れ替えて演奏している ”タンゴの歴史”も1曲目と4曲目も聴きたかった と欲張ったところで あなたも如何
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4 people agree with this review 2018/04/17
18歳でトロイロ楽団に加わったピアソラは19歳からヒナステラに楽理を習い始める 23歳でヒナステラから離れ 同時に自分のバンドを組織するも続かず作編曲に専念する N.ブーランジェに師事するするため33歳でフランスへ渡る その前年に書かれたのが”シンフォニア・ブエノスアイレス”だ バンドネオンを加えたフル・オーケストラの堂々たる音楽は南米のリズムとメロディーが縦横に駆け回って爽快 34歳で帰国してブエノスアイレス八重奏団結成するが 37歳でニューヨークへ移住する 父の死後39歳で再帰国して 遂にピアソラの五重奏団を結成する 40代で新たな八重奏団を組んでいた後半に相次いで書かれたのが”ブエノスアイレスの四季” ここではVn独奏と弦楽オーケストラで秋から夏へ奏で継がれる 71歳で生涯を閉じたピアソラは62歳の時に”バンドネオン協奏曲”を書いている タンゴ楽団と弦楽オーケストラによる合奏協奏曲だ 孰れも優れた音楽であり ゲレーロ&ナッシュヴィルsoとビネッリそしてヤン・ティアンワの熱演が聴かれる これは見つけ物 あなたも如何
1 people agree with this review 2018/04/17
これはモラレッタの歌を聴く一枚だ ”バチンの少年””ロコへのバラード”そしてタンゴ・オペリータ”ブエノスアイレスのマリア”の”カリエーゴのミロンガ” 三曲だが堪能した 踊るタンゴが聴くタンゴへと変貌する時 自ずと心を吐露する”歌”がタンゴに加わる 情熱と哀感の狭間を歌は流れ出す ”ブエノスアイレスのマリア”の全曲を聴きたいものだ
7 people agree with this review 2018/04/17
フレーズのディテールが明確に描き出されている それによって楽想が明晰に見渡せる これまで複雑晦渋で掴みきれなかった第4・第8・第12番などの大曲が明快な姿を現した 逆に耳通りの良い人気曲からはこれまで聴き落としていた楽句の一端が聴こえてきた 情緒感情的表現は払拭され音そのものに語らせる極めてリアルな演奏がここにある 曖昧な幻想性は消え 音楽の表情と性格と内包する作者の意思が克明に語り出された 伝記や資料を必要としない 音楽はショスタコーヴィチに体得感得した世界と向き合った時に沸き起こった心の声を確実に伝えている 音楽は今も生きて歌い語りかけ叫んでいる そこから何を聴き取るか それはショスタコーヴィチとわたしが語り合えるかを問われていることでもある 何を求めて生きるかと言うことでもある 音楽は恐ろしい 自分が何者であるかを見せつけられる せめて自己を見つめる目を失いたくはないものだ 今を生きるあなたは如何
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3 people agree with this review 2018/04/17
Brass SeptetというからQuintetにもう一本TrpとTrbかEuphを加えたのだと思い込んで聞きはじめた ラヴェルの”パヴァーヌ”になってもHrnが出てこないので編成を確認してみれば 3Trp+3Trb+Tubaの七重奏だった だからか”マ・メール・ロワ”で感じた意外さ 思いの外色彩感が出ていない まるでピアノで聞いているイメージなのに驚いた 謂わば単色のグラデーションで描かれた挿絵のようだ しかしこれがかえって楽曲の骨格を透視したようで面白い フォーレの六曲はその歌謡性を前面に出して趣を変えた 好いアルバムの間奏曲でありアクセントになった ドビュッシーの前奏曲集からの六曲こそセプトゥーラが最も力を示せた傑作編曲だろう 7つの楽器が生かされまた見事に調和して楽曲の性格を表出し得ている ドビュッシーそのものを愉しめる こんな粋なブラス・アンサンブルを朋と聴くのは嬉しいだろうな あなたも如何
1 people agree with this review 2018/04/15
凄い ギターのための”5つの小品”に唖然とする ガイド弾く一挺のギターがこれほど歌い雄弁であろうとは だがピアソラは超絶技巧を求めるような書き方はしていない メロディーを綴って紡いでゆくだけなのに愛おしい世界が豊かに語られていく それでもギターはオーケストラに准えられるから不思議ではない しかし 一本のフルートによる”タンゴ・エチュード”には驚嘆した 基本単旋律楽器である木管楽器一本でタンゴとは 語らい歌い踊るフルートに魅入られる トッパーの音は高音域から低音域まで艶とエネルギーを失わない 特に中低音が多く情念とドラマを語り出す そして”タンゴの歴史”はDuoで これは様々な楽器の組み合わせで演奏されるが Fl&Guiが原曲 1900年売春宿は囃し踊る音楽 1930年カフェはメランコリーの要素が加わって聴く音楽 1960年ナイトクラブはピアソラがいた世界 タンゴに革命を起こした 最後は現代のコンサート即ち未来のタンゴ 全身に電気が走る タンゴに止まらずこれは音楽の歴史なのだ 音楽とは何か 創造と表現の意味は そして人間とは 様々な想念が脳内を駆け回る 皆 お聴きを
2 people agree with this review 2018/04/15
栴檀は双葉より芳しはモーツァルトをはじめ天才に付いて回る形容詞だ プロコフィエフが12〜19歳で書いた手稿譜の一端が紹介されている 5歳で作曲を始め13歳で音楽学校へ入っているのだから今更驚くに当たらない 目を見張るのは併録された30代40代の作品と続けて聴いて遜色がない事だ 芸術は教わってできるものでないことを証明している 才能はやはり生まれ持っているものだ ドッシンのピアノは明晰で美しい 構えて聴くのでなく 生活の中に鳴っていてほしい音楽だ それにしてもこの洒脱軽妙な音楽は智の窓を開き 情の漣を打ち寄せ 行動の意思を支えてくれる プロコフィエフとは何者だったのか 汲めども尽きぬ泉の滸で考えている また朋と耳傾けよう あなたも如何
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1 people agree with this review 2018/04/13
三大歌曲集を録音したプレガルディエンが向かった先は幻の歌曲集だった ”エルンスト・シュルツェの詩による九つの歌”は『野の小道にて』と呼ばれるべき歌曲集になるはずだった という説がある シュルツェの詩集「詩的日記」から構想されたという さらに書き加える計画だったか否かは分からない 1825〜26年にかけて作曲されたが歌曲集としての出版に至っていない ”白鳥の歌”は題名は違うが13曲で28年に出版予定だったから やはり未完で放置されたのだろう 27年には”冬の旅”が発表されている ”春に”はD.882として単独で有名だ ドレイクのピアノがそうであるように総じて雄弁で雄々しい音楽に聞こえる それは後半の”好きな詩による八つの歌”にも通じている ほとんどが歌曲集を編んだ円熟期から晩年にかけての作品であり 曲想の自然さと的確な表出力が支えとなって直截に主題が伝わってくる プレガルディエンの骨太な歌唱が楽曲の個性を見事に描き分けて飽きさせない 朋と共に聞きたい あなたも如何
3 people agree with this review 2018/04/12
美しい音楽そして演奏 神の子であろうと人の子であろうと 否 生きとし生けるものが誕生する喜びに勝るものがこの世にあるだろうか 全曲に漲る優しさは抱えきれないほどの幸福感をもたらす ノリントン&シュトゥットガルトRSOが奏でる透明感あるソノリティが最良の成果を生んでいる ベルリオーズの繊細な音楽が精緻に具現されている 声楽を支える管弦楽に耳を奪われる 歌のない第二部の”序曲”や第三部の”FlとHarpの三重奏”も聴きものだ ”キリストの幼時”が光彩を放つところはやはり合唱が歌う箇所だろう 管弦楽と合唱共々にノン・ヴィブラートが徹底されたことで音楽の響きに清浄さと高潔さが加わった しかし音楽が堅くなったり抹香臭くなっていないのは やはりノリントンに備わった気風がどこまでも自然で自由な魂を追い求めているからだと思う 暖かくて柔らかい風が吹くこんな音楽聞いた事がない 絶え間ない刺激にさらされている朋に聞かせたい あなたも如何
5 people agree with this review 2018/04/11
室内楽に見るドビュッシーの現し身は百年の孤独を越えて悠久の光彩を放つ 先ずはカプソン演奏するところの”Vnソナタ”が秀逸だ 小品ながら汲めども尽きぬ魅力に溢れる 単純で雄弁なテーマと透過性ある構造が親しみ易く聴く者に語りかけてくる 春の目覚めから雄々しく旅立つ蝶の化身のようだ このDuoにモローのチェロを加えた”ピアノ・トリオ”はひとときの語らいの場となる 牧歌的な佇まいが美しい 光差す草原に寝て揺れる草陰に視線を這わせながらおしゃべりはいつまでも続く 聴くより奏でたいと思わせる モローの”Vcソナタ”に帯びたしどけなさは緑の木陰にある情緒 知性の憂愁は微笑みを忘れない 続くパユの”シランクス”は女心の諸相を垣間見せる コセとラングラメを加えた”三重奏”が最もドビュッシーらしさを感じさせる 目眩く管弦楽の魔術の一端がここに零れ落ちたようだ
5 people agree with this review
0 people agree with this review 2018/04/10
わたしの好みだが さて同好の士はどの程度いることやら テノールとホルンを好む人にはお勧めか 6人の作品が並んだが 室内楽で知るラッハナーとクロイツァーは兎も角 こういう言い方は悪いが 結局シューベルトとブリテンを歌うための企画だろう しかもブリテンなら”セレナード”を取り上げて欲しかった ホルンのダルベレイは十分に力を発揮したし ブルガルディエンの歌唱も情感豊かで聞き応えがあった だが目玉のブリテンとシューベルトはほんの一曲聞いたという印象を出ない その一曲が好かっただけに食い足りないと感じるのは誰しもだろう 面白い企画で期待した 期待を超えた愉しさと喜びをもたらして欲しかった それにしてもシューベルトの”流れの上で”はいい曲だ
2 people agree with this review 2018/04/10
驚いた 宗教音楽っ気の欠けらもない 面白い音楽だと初めて思った ベートーヴェンを如何に心の糧としていても 第九以外の声楽曲には触手が動かない オペラもバレエもそして宗教曲もベートーヴェンの柄じゃない 痒いところに手が届かないフラストレーションがどうしても残った 気の迷いで手にしてしまったが長く積読状態だった いよいよ未聴ディスクが底をつき始めたので聞いた次第 えっ こんな音楽だったっけ これは正直な感想だ すぐに感興が湧き起こり聴き入った 全5章と認識していたからおっとり構えていたら 目まぐるしく変化するのだ 章を組み立てている各部の特徴が鮮明に伝わってくる 5章からなる長大な辛気臭い物語が十数個の星を飛び渡るスペクタクルに変貌したのだ これこそベートーヴェンが思い描いていた音楽だと確信する こうなったら わたしの苦手なベートーヴェン作品を鈴木雅明&BCJに是非演奏してほしい 早速朋に知らせよう あなたも如何
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