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Review List of レインボー 

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     2013/12/07

    ロベルト・シュトルツ指揮する、ベルリン交響楽団の演奏で収録されたワルトトイフェルのワルツ作品集だ。
    シュトルツと言えば自作やシュトラウスのワルツ、ポルカを体系的に録音し、それらは今でも耳に出来るが、ウィンナ・ミュージック以外の作品の録音は珍しい。
    演奏もフランス風の明るい物だが、たまに聴こえるヴァイオリン等に、ウィンナ・ワルツの響きがする。
    音楽にメリハリがつき、中庸なのはシュトルツらしいか。
    1964年の録音で、古さはあるが、音は聴きやすいと思う。

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     2013/12/07

    1980年代後半にマルコポーロが始めた大プロジェクト、それがヨハンシュトラウス二世の全管弦楽曲を録音するという物でした。
    のべ52枚、スロヴァキア、ポーランド、ウィーンのオケの使い、ヴァルターやメルツェンドルファー、トイスルやグードと言ったシュトラウスを得意とするベテランまで投入して制作された画期的な一枚でした。
    本盤はその補完的な一枚で、ヨハンシュトラウス二世のオペレッタのメロディをポプリにアレンジした、つまり歌なし、オケのみによるオペレッタ・メドレーです。
    収録されているのは、インディゴと四十人の盗賊、ウィーンのカリオストロ、メトゥザレム王子、女王のレースのハンカチ、愉快な戦争、ヴェネツィアの一夜。
    ほとんどが知られていない作品ではありますが、例えば女王のレースのハンカチでは、『南国のバラ』が、ウィーンのカリオストロでは『狩りのポルカ』のメロディが出て来たりして、楽しいです。(ちなみにこれらのワルツやポルカはオペレッタから編まれた作品)
    クリスティアン・ポラック指揮、スロヴァキア国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、このコンビも全集に何枚か入れてますが、ここでも安心して聴ける出来でしょう。
    初期ナクソスの金属さのある録音ですが、音質は良い。

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     2013/12/07

    旧ソ連邦を代表する作曲家の一人、ミャスコフスキー。
    彼は近代の作曲家では27曲という交響曲作家でもあったのですが、作品の大半は聴く機会がありません。
    マルコポーロはミャスコフスキーの交響曲をいくつか録音しており、この第8番もその一つです。
    ロベルト・スタンコフスキー指揮、チェコスロヴァキア放送交響楽団の演奏で1989年に録音された物。
    録音当時はナクソス系で主力の1つだったスロヴァキアのオケによる演奏で、この団体、当たり外れが激しいのですが、このCDはまずまずの出来、他に録音と言えばスヴェトラの演奏位しかないと思うので、この水準なら 作品を知るには問題ないでしょう。

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     2013/12/06

    日本の管弦楽曲を集めたCD。
    国内のメーカーからの発売は珍しくないが、海外盤は今でも珍しい。
    1994年の発売だから、もう20年は発売されているちょっとしたベストセラーだろう。
    伊福部昭の『交響楽詩』に始まり、弟子の和田薫『オーケストラのための民舞組曲』で終わるという選曲になっている。
    特筆すべきは当時若手の、田中カレンと和田薫の作品が収録されていると言う事で、田中のプリズムもこの盤以外は録音を見た事がないし、和田の民舞組曲も作曲者が日本フィルを指揮した自作自演盤しか、全曲の録音はないので貴重である。
    ちなみに田中、尾高の作品が現代音楽で、その他が国民学派つまり日本的なメロディを持ったわかりやすい作風。
    マエストロは、広上淳一で、マルメ交響楽団を降っている。
    マルメ交響楽団はスウェーデンのオケだが、マエストロの指示が良いのか日本的な雰囲気を見事に出しており、名演奏と言って良い。
    曲中にかけ声が出てくる民舞組曲なんかはやはり外国のオケだと一瞬思わせる所もあるが、全体的にはかなりの物だと思う。
    録音、音質は良好。

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     2013/12/06

    ハンガリー国歌の作曲者として知られている、フェレンツ・エルケルは、ハンガリーの国民的オペラを多数作曲した事で知られています。
    しかしそれらの作品は『フニャディ・ラーズロ』の行進曲(このCDの3曲目に収録)が知られているぐらいです。
    本盤はエルケルのオペラの旋律を、ピアノにアレンジしたアルバムになります。(ちなみに大半は作曲者の編曲)
    元々はオーケストラで演奏されていた曲でしょうから、ピアノにアレンジする事で音として寂しく感じる所もあります。
    ピアニストのイシュトヴァン・カッサイはなかなかの名演奏を聴かせてくれます。
    1990年録音、この頃のナクソス系に特徴的な金属的な録音ですが、音質は良い。
    この他にも、フェレンツの息子、サンドールの作品も収録されている。

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     2013/12/05

    現在のニューイヤー・コンサートのアンコールは3曲に固定されているが、クラウスのニューイヤー・コンサートには現在には見られない、独特の形でアンコールされており、なかなか興味深い。
    HMVのレビューにもあるのだが、速いポルカの生命力、推進力のある演奏は見事で、新年を祝うお祭りのコンサートにらしい楽しい演奏だ。
    春の声もテンポは速めで、個人的に気に入っている。
    音質は年代を考えれば、そうおかしな音質ではないのだろうが、良いとは言えないか。
    ファン向きのCD。
    尚CD2は、同じレーベルのシュトラウスの歴史的音源を集めたボックス物CDにも収録されている。

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     2013/12/04

    マルコポーロの中国音楽シリーズの一枚で、陳鋼のヴァイオリンと管弦楽のための作品を集めたCD。
    陳は何占豪と共作した『梁山伯と祝英台』で知られているが、単独の作品集はこれだけであると思われる。
    タイトルにもなっている『ヴァイオリン協奏曲』が、葉詠詩指揮、香港フィルハーモニー管弦楽団、その他の曲の演奏は、シュテファン・ガンゼンハウザー指揮、カペラ・イストロポリターナによる。
    ヴァイオリンは西崎崇子。
    カペラ・イストロポリターナの演奏はスロヴァキアの他の演奏者と同じく、あまり良くないが、香港フィルとのヴァイオリン協奏曲は良い。
    といってもこちらもオケの技術はイマイチであるが、指揮者、楽団、そしてソリスト共に、共感あふれる熱い、簡単に言うとヘタウマと言われるタイプの演奏だ。
    録音は初期ナクソスによくある音質は良いが、安かろう悪かろうという録音。
    資料的価値も考えてこの評価。

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     2013/12/03

    マルコポーロが活動初期からリリースした中国音楽シリーズの一枚で、これは名前の通り、中国の管弦楽曲を録音をしていくマルコポーロらしい企画だった。
    このCDはその中でも、中国版国民学派と言ってよい作品を集めたCD。
    中国と一括りにしても広いのでタイトルにもなっている『ヴァイオリン協奏曲』や『祝祭舞曲』等は、いかにも息の長い大陸的な中国と分かるメロディだが、『ウイグルの古い歌による幻想曲』なんかは、中央アジア風のオリエンタルな、一見聴くだけでは中国の作品とはわからない曲をしているが、どの曲もわかりやすい曲である事には変わりない。
    ほとんどが知らない作曲家の曲だが、中には、陳豪とか馬可のように日本でも知られている作曲家の作品も収録されている。
    演奏は、チョー・ホヘイ指揮する、シンガポール交響楽団、そして西崎崇子のヴァイオリン。
    ホヘイはシンガポール出身で、イギリス等で活躍したのち、1979年にシンガポール交響楽団を創立した。
    このCDの録音は1981年で、設立から2年という時期に録音された事もあってか、演奏はイマイチであり、特に金管楽器がたまにズレているのが気になるし、弦楽器も細い。
    ヴァイオリンの西崎女史は、この方いくつか聴いた録音では歌って聴かせるタイプだと思うのだが、このCDの曲はそういう歌謡的な曲が多いので、こちらはなかなか良いと思う。
    録音はナクソスの録音にしては珍しいADD録音であるが、初期ナクソスのデジタル録音の安かろ悪かろう的な録音よりは良いと思う。

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     2013/12/02

    中国クラシックを代表するピアノ協奏曲『黄河』は、黄河大合唱を元に数名の人物により編曲された曲。
    ピアノ協奏曲というより、組曲に近い構成だが、これでもかと言うほどわかりやすい中華ロマンのメロディが出てくるため、聴きやすいとは言える。
    この曲の最も有名な音源(かつ手に入りやすい)は殷承宗のピアノ、リーパー&スロヴァキア放送交響楽団演奏のナクソス盤だと思うが、本盤の石叔誠のピアノ&指揮(中央楽団交響楽団演奏)による演奏も大陸的な大らかさと、技巧を持っていて悪くないと思う。
    ちなみにこのCDのピアニストは、殷と同じく黄河協奏曲の作曲に関わった人物で、自作自演とも言える。
    余白には韓中杰指揮、中央楽団交響楽団の演奏で、『春節序曲』などの中国管弦楽曲を収録している。
    演奏はちょっと苦しい所はあるが、情熱的ないわゆるヘタウマというやつだ。
    録音は1985年で、音質は問題ない

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     2013/12/01

    忘れられた日本の管弦楽曲を次々と蘇演している事で知られる、オーケストラ・ニッポニカと本名徹次のコンビによるCD。
    本盤に収録された曲はいずれも1950年代に東京交響楽団の演奏で初演されたという共通点がある。
    この中で特におすすめしたいのが、林の『交響曲』。
    作曲当時、東京交響楽団ではソヴィエトの作品を多数取り上げていただけあり、結構影響が感じられ、ショスタコによく似た所もある。
    後の作品に比べればまだまだかもしれないが、なかなかの作品。
    また池野成の『ダンス・コンセルタンテ』も、師、伊福部を感じさせるリズムが面白い。
    演奏は少々パンチが欲しいが、作品を知るには問題ないと思う。

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     2013/11/25

    ドイツの出版社ルンデルと、日本のブレーン社がコラボしたルンデルシリーズの最新作。
    演奏は前作、前々作と素晴らしい演奏を披露した、海上自衛隊東京音楽隊と、隊長、河邊一彦2等海佐の指揮によります。
    今回はドイツの作品を集めたと帯に書いてあるのですが、イタリアやデンマークの作品があったりします。
    東京音楽隊がこのシリーズを担当するようになってからこのシリーズには、めったに演奏されない珍しいクラシックが取り上げられるようになりましたが、今回もワーグナーの『祝典音楽』やフチークの『愛の炎』と言った珍曲が収録されています。
    特に愛の炎は他に録音が見た事がないので初録音かもしれません。
    逆に新曲の吹奏楽オリジナル曲については前回同様、厳しめの評価になります。
    例えばタイトルのウィルデンシュタインの伝説はドイツに伝わる古い民話を音にしたドラマチックな今時の曲なのですが、前後を重厚なワーグナーで挟まれているので軽く聴こえます。
    他の曲も正直微妙で後述する音楽隊の演奏の良さにだいぶ助けられています。
    とはいえ、オリジナル曲でもベテラン、ベーゼンドルファーは良いと思いますし、前作『アルカス』収録の新曲に比べれば多少は良くなっています。
    今最もホットな海上自衛隊東京音楽隊の演奏は、いつもながら素晴らしいのですが、特にクラシック系の曲と相性が良いようで、ワーグナーの重厚なこれぞブラスというサウンド、フチークのウィンナ・ワルツさながらの軽やかなサウンド、そして吹奏楽と言えばマーチ、『ヴェネチア』『サンクトペテルブルグ万歳』はこれぞマーチというべきお手本のような名演!
    今までこのシリーズ、日本語解説がありませんでしたが、このCDより楽曲解説が付きました。(といっても折り畳まれた紙が付いているだけなのですが)
    ブレーンの録音は良いと感じた物は少ないのですが、このCDは曲と合っていて良いと思います。
    ブレーンののCDは、どこか参考演奏集、録音も優れない、繰り返しの鑑賞にも耐えれるかと言った手放しで誉める事の出来るCDは少ないのですが、このCDもいわゆる参考演奏集ではありますが、演奏、録音、選曲ともに鑑賞耐えれるCDとして、吹奏楽好きはもちろん、クラシックファンにもおすすめの一枚だと思います。

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     2013/11/23

    宮城県出身の小杉太一郎は伊福部昭に学んだ作曲家で、多数の映像音楽を書いたが、このCDに収録された、交声曲『大いなる故郷石巻』は代表作との事。
    作品は石巻市政40周年を記念して書かれた作品で、明るくわかりやすいメロディーと、祝典的な作品で、時々聴こえてくるリズムや管弦学法に師を思わせる所がある。
    このCDの音源は初演時の物で、非売品LPのサブ・マスターテープからの復刻であり、音質はライブと言う事も考えて年代のわりにまずまずと言った所だ。
    演奏は小林研一郎と、東京交響楽団で、弦楽器が細く感じる所もあるが、それを補って、作曲家への共感を感じる熱い演奏である。
    声楽、合唱も大変に素晴らしいし、朗読の山内明の演技力とでもいうのか、場面場面の感情表現には流石だと思った。
    この作品自体、忘れられていたのが信じられない位良い作品だし、演奏もこれ以上ないと言う程の名演なので、日本の作曲家の好きな方には是非ともおすすめ。

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     2013/11/21

    ブルガリア国民学派の代表的な作曲家、パンチョ・ヴラディゲロフのオーケストラ作品を集めたCDだ。
    代表作『ブルガリア狂詩曲』を含む全4曲を収録。
    指揮者は、アレクサンドル・ヴラディゲロフ、オケはブルガリア国立放送交響楽団。
    指揮者は名前見ればわかるようにパンチョの息子で、作曲家としても活動している。
    ブルガリア国立放送交響楽団の演奏は技術面で難もあるが、それを上回る情熱的な演奏で、特にブルガリア狂詩曲『バーダー』は同曲の録音の中でもトップクラスだと言って良いと思う。
    ピアノ、チェロのソリストはなかなか上手く、オーケストラを見事に引っ張っている。
    録音年代は不明だが、音質は聴きやすい。

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     2013/11/18

    ヴァシリー・シナイスキーと言えばシャンドスに録音したロシア音楽が有名だが、このCDはシナイスキーがラトヴィア国立交響楽団の指揮者をしていた1980年代前半に録音された物で、オペラの序曲集を集めた物だ。
    収録曲は特に目新しい曲はなく、よく知られた曲ばかりを収録しているが、演奏は充実していて、隠れた名演奏。
    特に『シチリア島の夕べの祈り』は推進力と集中力が凄まじく、一流オケの演奏にも匹敵する演奏だ。
    次点としてスッペも良い。
    録音は古い録音ながらも聴きやすい。

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     2013/11/17

    イギリス近衛スコッツ連隊軍楽隊といえば、ジェームズ・ハウ少佐との録音が知られていますが、このCDはハウの前任、サミュエル・ローズ中佐の指揮で録音された物で1枚目が、1960年EMIに録音されたオペラ序曲集、2枚目がエンジェル・レコードに1958年に録音された、サリヴァンのオペレッタ・メドレーという組み合わせ。
    なんといっても序曲集が大変素晴らしい出来で、イギリス軍楽隊の特徴的なコルネットによる柔らかい深みのある響き、綺麗に揃ったアンサンブル、ライヴのような熱さ、そして推進力、どれをとっても完璧な演奏と言って良いでしょう。
    サリヴァンはイギリスのオペレッタの作曲家で、日本ではまだまだ知名度は低いのですが、イギリスでは現在も人気のある作曲家、このようなメドレーがあってもおかしくありません。
    演奏は大変素晴らしい出来ですが、編曲がイマイチな上、1曲あたり10〜20分と吹奏楽では長めで退屈な所もあります。
    古い音源故にキズがあったりしますが、年代を考えれば仕方ない事でしょう。

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