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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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1 people agree with this review 2011/12/07
2008年に第2番の方について感じたことを書き込みさせていただいた者ですが、第1番についてデータ的なものをメモしておきたく再書き込みする次第です。ポリーニはブラームスが余程好きなのか第1番についても現在三種類同じDGからCD盤が出ております。先ず本盤は1979年ポリーニ当時37歳の時にベーム(同85歳)/VPOバックでの演奏がタイム@20’53A13’26B11’58であります。次に1997年ライブ録音でバックがアバド(同64歳)/BPOでタイムは@20’52A12’07B11’44の盤であります。そして直近盤は今年2011年のライブでティーレマン(52歳)/SKDOがバックを務めタイムが@21’02A12’31B11’56の演奏であります。演奏タイムに若干の凸凹はあるのは別にしてポリーニが回数を重ね加齢して行くのに逆行してバックを担当する指揮者が若くなって行っているのが演奏に如何に反映しているのかオーケストラの違いと共に味わいたい処で、ポリーニの客観性を踏まえたアプローチで益々その明晰な表現に磨きがかかってきている面も注目したいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2011/12/06
爆演系指揮者として知られるメキシコ出身のバティスの演奏がどの様な物なのか聴きたくHMVカタログから自分の曲好みと勘案してビゼー「カルメン」&「アルルの女」組曲のCD盤を求めました。本盤はこの二つの組曲をはじめ交響曲ハ長調(1988年録音、オーケストラはRPO、トータルタイム34’02)その他ビゼーの管弦楽曲を集めたものです。大体バティスの指揮するメキシコのオーケストラはメキシコ・フィルハーモニー管弦楽団(MPO)、メキシコ・シティ・フィルハーモニー管弦楽団。メキシコ州立交響楽団、メキシコ国立交響楽団等々があり私など何れがどれか未だに認識程度が曖昧な処もあるのですが本盤は二つの交響曲をRPO、二つの組曲その他は前記地元のMPOを振ってのものです。これらの中での代表曲・・・ビゼーの「カルメン」組曲は1987年バティス45歳の時の録音演奏で演奏タイムは第1組曲5曲で12’00、第2組曲は6曲22’13であります。又、「アルルの女」組曲は1988年録音で第1組曲が4曲で19’10、第2組曲がやはり4曲で16’29となっており両曲共どちらかと言えばやや足早な感じですがまぁとにかく先ずオーケストラが元気でそれに中南米系演奏という先入観なのでしょう・・・ラテン系の明るい情緒が素晴らしいですね。独特のリズム感がそれに拍車をかけて気分の盛り上げ方がノーテンキな演奏と決め付けたり深い意味を求めなければオーケストラのアンサンブル寸足らずがあるもののカラフルな楽しげな雰囲気を出しており、このポピュラーな曲をより分り易く提示した演奏かと思います。録音も結構良好で迫力充分ですね。バティスはレパートリーを拡充最中なのですが比較的評判良いのがビゼーである故かハ長調交響曲には2005年パリライブ盤(オーケストラはメキシコ州立SO)もあるようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/12/05
爆演系指揮者として知られるメキシコ出身のバティスの演奏がどの様な物なのか聴きたくHMVカタログから自分の曲好みと勘案して本盤を求めました。本盤、地元のメキシコPOを振ってのビゼーの「カルメン」組曲は1987年バティス45歳の時の録音演奏で演奏タイムは第1組曲5曲で12’00、第2組曲は6曲22’13であります。又、「アルルの女」組曲は1988年録音で第1組曲が4曲で19’10、第2組曲がやはり4曲で16’29となっており両曲共どちらかと言えばやや足早な感じですがまぁとにかく先ずオーケストラが元気でそれに中南米系演奏という先入観なのでしょう・・・ラテン系の明るい情緒が素晴らしいですね。独特のリズム感がそれに拍車をかけて気分の盛り上げ方がノーテンキな演奏と決め付けたり深い意味を求めなければオーケストラのアンサンブル寸足らずと相俟ってカラフルな雰囲気をも出しております。このポピュラーな曲をより分り易く提示した演奏かと思います。価格の割?には録音状態もバッチリで迫力充分ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2011/12/04
一筋縄では行かないようなルックスの持ち主ギーレンが75歳の時にSWRSOを振って2002年指揮したマーラー交響曲第1番は演奏タイムが@15’37A6’59B9’49C19’45とやや速めのテンポでそのルックスに似合った?切れ込みの鋭さ・・・クールさをチラつかせながら克明に展開しております。全体的に素っ気無いものの一音一音に意味を持たせたその明瞭さの為なのかそれが私には見通しの明るい曲の印象となりました。第1楽章は特にドラマ性を強調せずむしろ淡々と進めているし第3楽章でも他の演奏で聴かれる様な「湿っぽさ?」とは無縁でテンポも速く素っ気無いとも思われる方もおられるかも知れません。この辺りが前述のクールさにつながるのでは・・・。最終楽章はスタート気合の入ったものでそれまでの楽章がやや抑制気味だったのに反転して果敢に攻めて特に管楽器の各存在が再確認出来るくらい構成感も明確にしている事が妙に説得力に結びつき特記され、青春の奔流と言うかマーラーの若きスタートぶりに似合った演奏に仕上がっている感じで聴きました。所謂ユダヤ的執拗さが薄く簡潔なのには意外感が伴った次第であります。ギーレンは作曲も行なう事からか、彼の演奏盤では現代曲とのカップリングが比較的見られ本盤もアイヴスの二小品(1995年録音、タイム10’43+5’18)が収録されておりマーラーの本交響曲との対照的雰囲気を出しております。余談ですが本盤のHMVレビューに演奏タイムの実測値がメモされており日頃演奏タイムをレビューに書き込む様にしている私はHMVスタッフに好感を持ちました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/12/03
ベートーヴェンの三重協奏曲は曲の成り立ちからやや散漫な処もありますが中々冒険的な作でこの曲の収録には以前から演奏家オールスター戦の様相がどの盤でもあり本盤カラヤン(当時61歳)、オイストラフ(同61歳)、ロストロヴォービッチ(同42歳)、リヒテル(同54歳)何れも事演奏については煩い面々が火花を散らすより(四者の火花は分かりにくいし・・・)ビジネス面もありとにかく無難に行こうという事でしょう。大体三つの楽器の協奏曲なのですから辿っていく路線は自ずと決まってそう際立ったサプライズはありません。1969年の録音でタイム的には@17’51A5’34B12’58でそう過不足感もありません。ただこの曲自体に対する私の好みからすればポーランドロマン的な第3楽章は冒頭述べた散漫さが特に気にかかりました。巨匠達の写真については・・・・リヒテルが一部再録を申し出たもののカラヤンは元々のLP盤や一部それを継続したCDジャケット表紙にあるこのCDの四人一緒の写真撮影を時間の関係で優先させたというエピソードも読んだことがあります。なおカラヤンは10年後あのムターやヨー・ヨー・マそれにゼルツァーとこの曲を再録して多分カラヤンにとっては自己ペースで演奏できたのでは?(@17’52A5’47B12’38とほぼ同じタイムで要はぶれ様のない曲だということです)。ただ本盤、仕様はこれとしては良いのですがこの曲一曲だけでは少し贅沢というかマァ記念碑的な盤にとどまる面を見た様でもあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/12/02
演奏家が年齢を重ねると一つの曲に対してその演奏の変化が顕著な場合とそうでない場合があり、一方聴く側での加齢に伴う聴くアンテナというかセンス・・・所謂演奏への「好み」や曲そのものへの「好み」が変化する程度との多くの組み合わせが特にクラシックでは楽しみの一つ・・・そしてこうした中で自分自身を知る事にもなる様であります。私自身一つの曲への演奏好みはどちらかと言えば最初に聴いた演奏の印象を良い方に捉えて引き摺る方なのかもしれませんが・・・。カラヤンほどの指揮者になると一つの曲をビジネスライクに何回も録って都度加齢に伴うそれなりの評価を得て来たと申せましょう。例えば本盤を含むベートーヴェン交響曲全集だとセッションでは(A)1951〜1955年オーケストラPHO、(B)1961〜1962年BPO、(C)1975〜1977年BPO、(D)1982〜1984年BPOそしてライブで昨年話題になった日本での(E)1977年BPOがあり夫々その時代の演奏味わいがある様です。ただ私はブラインド・テストで聴くとその区別仕分けには自信が無いし昨今の技術ではカラヤン風演奏盤も制作が簡単でその辺りになりますと益々微妙な段階に入りつつあるのではないでしょうか。一般には既に東京の方のレビューにもあります様に1950年代分はPHOを振る才気溢れる若きカラヤンの颯爽さ(若いと言ってももう40代半ば)、1960年代のものはまだ前任フルトヴェングラー残滓の残るBPOとの模索闘争、1970年代分はBPOで君臨しカラヤンスタイルの確立、そして最後の1980年代分は晩年の人生諦観の反映・仕上げとなるのは理解出来る処ではあります。さて、これら各交響曲全集で代表選手として第9番「合唱」をサンプリングして見ましょう。ちょつと煩わしいですがタイムデータでは(A)1955年@15’08A10’09B16’06CD24’06、(B)1962年@15’27A10’58B16’25C23’57、(C)1976年@15’20A10’03B16’50C24’22、(D)1983年@15’34A10’26B15’24C24’20、(E)1977年@15’00A9’50B16’18CD25’02(拍手込み?)といった具合です。こうして比べますとカラヤンの演奏でのタイム上のブレは大変小さい様で基本的運びの変化は少ない方なのでしょう。本盤1983年録音盤(D)はとにかくカラヤン最後の全集からのもので各レビューで何かすごく晩年のイメージが植えつけられていますが客観的にはまだ75歳と長寿職業である?指揮者としてはまだ切羽詰った年齢ではありませんでした。ただ仕上がった本盤第九演奏はカラヤン自身の健康の事や本全集の録音が開始された1982年にはザビーネ・マイヤー事件の勃発の仕事への影響は大なり小なり有りはしたでしょう。結果的には彼のベートーヴェン解釈の総決算とか遺言とかになるのでしょうが全体あのかつてのカラヤン独特の精緻重流感溢れるBPOサウンドは良くややスリム化された演奏で展開されます。第1楽章から「アレッ」といつもの彼のペースから思わせる感触感で少しオーケストラに託すというか自然に流す雰囲気は実際にはあります。しかし力感のあるオーケストラ機能は管楽器の強奏などには相変わらずで後段の攻め・盛り上げはオーケストラ機能を最大に発揮させ「やっぱり」と思った次第。ティンパニー協奏曲と言われる第2楽章でのティンパニーの切れは素晴らしいです。第3楽章はカラヤンの晩年?境地が淡々さを伴いそのレガートを通して聴かれますが優美ながら「芯」が焦点ボケしてしまった印象が残りました。いよいよ最終楽章、出だしはマァマァ・・・六分余のオーケストラでの歓喜テーマは力む程度は薄まり私にはこの感じは好きです。そして声楽部に突入です。独唱陣はJ.ペリー(S,当時36歳)、A.バルツァ(MS,39歳)、V.コール(T,34歳)、J.V.ダム(B,43歳)といつもながら中々充実した陣揃い。合唱はカラヤンが多用しているウィーン楽友協会合唱団ですが声楽部分出だしバス語り直後の歌いだしでの不揃いさから何か調子が今一な感じがしました。そして以降の合唱もクリヤーな力強さが無く管弦楽と相俟ってどうも荒っぽく濁り勝ちな楽章に聴こえる時もありますが私にはそれほど気にはならずこれも許容範囲であります。それより印象に残ったのはTの若干明るめの声でした。なお、フィナーレはいつもながら精緻で力感の漲る壮大なスケールであります。何れにしてもカラヤン・ファンのみならず上記各演奏盤で聴き比べしてニュアンスの微妙さを味わうのもクラシック・ファンの楽しみですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2011/12/01
演奏家が年齢を重ねると一つの曲に対してその演奏の変化が顕著な場合とそうでない場合があり、一方聴く側での加齢に伴う聴くアンテナというかセンス・・・所謂演奏への「好み」や曲そのものへの「好み」が変化する程度との多くの組み合わせが特にクラシックでは楽しみの一つ・・・そしてこうした中で自分自身を知る事にもなる様であります。私自身一つの曲への演奏好みはどちらかと言えば最初に聴いた演奏の印象を良い方に捉えて引き摺る方なのかもしれませんが・・・。カラヤンほどの指揮者になると一つの曲をビジネスライクに何回も録って都度加齢に伴うそれなりの評価を得て来たと申せましょう。例えば本盤を含むベートーヴェン交響曲全集だとセッションでは(A)1951〜1955年オーケストラPHO、(B)1961〜1962年BPO、(C)1975〜1977年BPO、(D)1982〜1984年BPOそしてライブで昨年話題になった日本での(E)1977年BPOがあり夫々その時代の演奏味わいがある様です。ただ私はブラインド・テストで聴くとその区別仕分けには自信が無いし昨今の技術ではカラヤン風演奏盤も制作が簡単でその辺りになりますと益々微妙な段階に入りつつあるのではないでしょうか。一般には既に東京の方のレビューにもあります様に1950年代分はPHOを振る才気溢れる若きカラヤンの颯爽さ(若いと言ってももう40代半ば)、1960年代のものはまだ前任フルトヴェングラー残滓の残るBPOとの模索闘争、1970年代分はBPOで君臨しカラヤンスタイルの確立、そして最後の1980年代分は晩年の人生諦観の反映・仕上げとなるのは理解出来る処ではあります。さて、これら各交響曲全集で代表選手として第9番「合唱」をサンプリングして見ましょう。ちょつと煩わしいですがタイムデータでは(A)1955年@15’08A10’09B16’06CD24’06、(B)1962年@15’27A10’58B16’25C23’57、(C)1976年@15’20A10’03B16’50C24’22、(D)1983年@15’34A10’26B15’24C24’20、(E)1977年@15’00A9’50B16’18CD25’02(拍手込み?)といった具合です。こうして比べますとカラヤンの演奏でのタイム上のブレは大変小さい様で基本的運びの変化は少ない方なのでしょう。本盤(A)はPHPを振って当時の名プロデューサーW.レッグのマネジメントよろしく、モノラル録音というハンディはあるもののあるバランスを保ちつつ古典派スタイルを貫いた第九演奏でひたすら音楽進め・運びに専念している様です。カラヤンはトスカニーニの演奏にある共感を当時は覚えていたとの事でそれも肯けますね。第1楽章に聴かれる覇気から好印象を持って聴き進めました。ティンパニー協奏曲とも言われる第2楽章ではいたずらにその面を強調せず本質的なポイントを押さえている様な感じです。第3楽章の伸びやかに包み込む至福からいよいよ最終楽章です。本盤独唱歌手陣は豪華な組合せでシュヴァルツップ(S,当時40歳)、ヘフゲン(MS,34歳)、ヘフリガー(T,36歳)、エーデルマン(B,38歳)といった絶頂期の名歌手たちでちなみに47歳のカラヤンが彼らを上手くコントロールして全体像へ結びつけています。六分余の力強い歓喜テーマを含むオーケストラ部分が終わり声楽部分に入りますが冒頭のエーデルマンの語りかけはゆとりというか懐深さを感じさせます。途中合唱が一旦静まりテノールの独唱が入る前の「間」は幾分長くそしてそのヘフリガーのテノールは実に朗々と高まりを帯びつつ歌われます。合唱はウィーン楽友会協会合唱団でカラヤンの第九では多用され一部評判が芳しくないケースもある様ですがプロ中のプロのカラヤンが収録するわけですから私はそんなに気にせず本盤は聴いております。さて、この楽章も後段合唱のフーガ的掛合いの前の段落の合唱でも息長く引っ張られる処が注目されます。最後の〆もきっちり各楽器の構成感を明確にしつつ終わります。調和する独唱陣ではありますが矢張り年の功?ソプラノのシュヴァルツップが存在感ありますね(W.レッグの連れ合いなので何となく?)。又、余談ですがカラヤンとシュヴァルツップが協演した第九は他に1947年(オーケストラはVPO)、1957年(オーケストラはBPO)のライブ盤が海賊盤を含めある様ですが何よりも先述の話しの落とし処として彼女には有名な演奏である1951年フルトヴェングラー/オーケストラBFOや本盤録音の丁度一年前1954年での同じオーケストラPHOでこのフルトヴェングラー指揮のライブ盤が手に入り易い様です。私の聴いた最初のカラヤン第九として最高ランクにしたいのですが本盤他の交響曲を全て聴いているわけではありませんので★一つ保留いたします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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3 people agree with this review 2011/11/30
アンスネス/パッパーノは2005年にBPOをオーケストラ伴奏としてラフマニノフのピアノ協奏曲第1番と第2番を録っていますが、本盤は続く第3番(2009年録音、タイム@16’35A10’43B14’44)、第4番(2010年録音、同@9’36A6’35B8’43)をオーケストラをLSOに持ち替えてのアンスネス39歳、パッパーノ50歳の頃の録音であります。第3番についてメモを入れさせていただきますがアンスネスにはずぅっと若い頃の1995年ベルグンド指揮オスロ・フィルOのバックでのライブ録音(同@16’30A10’23B14’25)で熱っぽい演奏が残っています。本盤の方は演奏タイムこそほぼ同じ様なものですがセッションということでもあり少し雰囲気そのものが違ってはいるようで、アンスネス元々の磨きあげ洗練されたテクニックでこの難曲を透明感高く展開しております。アンスネスのややクールな縦糸とパッパーノのラテン的暖かさの横糸が綾なして行くこの演奏はまぁロシア的憂愁情緒とは程ほどに距離感を置いた処に時としてこの曲に対して持つ煩わしさを軽くしている様に私は感じました。第1楽章での使用される大カデンツァをはじめ適度な重みと正確さに胸のすく思いもしました。中間楽章はほの暗さに漂う前述の冷暖具合が絶妙でありましたし、スポーテイに進んだ最終楽章でのあのいつも?の「ラフマニノフ終止」での力強い〆に最後はため息が・・・。アンスネス、パッパーノの各演奏は勿論私は特にLSOの堅実・確かさを再認識した次第です。第4番の方は未聴ですので★一つ保留させて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/11/29
日本人が指揮部門で優勝するケースの多いブザンソン国際音楽祭でやはり優勝している佐渡裕さん(以下敬称略)はこの音楽祭開催地であるフランスの作曲家の作品から録り出した印象があり本盤演奏録音の前にもイベールの管弦楽曲を録音しております。さて、本盤は1999年佐渡が38歳の時に本盤収録曲の大半の初演を受け持ったラムルーOを振っての演奏盤であり正直私が初めて聴く曲もあり他指揮者演奏との比較が出来ていない処もありますが全体印象としてはラテン的気質を発揮しつつ率直な佐渡の指揮にこのオーケストラが初演の誇りを保ちながら好感持って従っているという感じであります。一番ポピュラーな「ボレロ」(タイム14’50)を例にとって感想を述べますと中庸のテンポで繰り返される旋律を勢いまかせでつき進むのではなくごく自然に楷書的に展開して行き後半戦でその深く刻むダイナミックなリズムが高揚して活きた演奏かと思います。佐渡の後半での滴り落ちる汗が目に浮ぶようであります。ラムルーOによる「ボレロ」演奏盤が意外と現役には少ない?ようで、本盤演奏、貴重と言えば貴重なものとなっております。演奏なお、この「ボレロ」の初演は勿論世界初録音も1932年ラヴェル/ラムルーOによってなされているらしいです。ラヴェル「高雅にして感傷的なワルツ」(タイムは8曲通して17’22)は少し勝手が違った様な感じもあり彩り豊かなオーケストラまかせにしている様でもありました。シャブリエの狂詩曲「スペイン」(タイム6’39)もその色彩感が佐渡の発揮しどころとマッチし中々の佳演であります。同じくシャブリエの「グヴァンドリーヌ」序曲は私は初めて聴いたのですが作品として後半ワグナー風になって行く曲自体に面白く聴かせてもらいました。今年夢のBPOを振っての演奏を達成した佐渡が、まぁ、本盤解説メモに佐渡と(これも当時夢であったオーケストラ)ラムルーOとの相性等の良さが記されており話半分としても録音の良さも手伝って更に関西出身者としての頑張りに最高ランクをつけておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/11/28
0 people agree with this review 2011/11/27
チェリビダッケ/MPOによるEMI盤シリーズはその個性溢れる演奏で圧倒的な存在感があり私も数種類の曲を聴いております。さて、本盤「シェエラザード」は先ずその遅いテンポに驚かされます。1984年チェリビダッケ72歳の時のライブ演奏で注目の演奏タイムは@11’55A15’43B12’05C14’15となっており例えば彼が1975年シュトットガルトRSOを振ったライブ盤の@10’50A14’16B11’22C12’50・・・これでも結構ゆっくりしたペース(まぁ私自身はこの1975年盤でのチェリビダッケの時折聴かれるうなり声・かけ声での演奏緊迫感が好きではあります)・・・と比べても歴然としたものであります。この「遅い」ペースの中で各フレーズのポイントを搾り出す様で全ての声部を明確に隈取って運んで行く有様は正に千夜一夜物語の引き延ばし作戦であります。第1楽章粘りつく様な低音弦がゆっくり「間」をつけながらスタートします。やがて登場のシェエラザードのソロヴァイオリンはやや抑えられ気味でハープの方がのさばります。海洋の弦ピッチカートの弱さとこのゆっくりペースはメリハリ感からの切り口では少ししんどいのですが次第に気分を高揚させて行くコントロールは流石!生々しい弦と複層的な管で圧倒的な〆につなげて行きます。第2楽章もややボリューム感の小さいソロヴァイオリンがスタートしとにかくゆったり前楽章より更に遅い感じで「だらけ気味」の緊張感まるで無しの弛緩模様?ただ詰めはやはりその反動なのか凄いですね。このゆっくりトレンドが似合いそうな第3楽章は中間部で効果満点。最終楽章は俄かに何か雄弁になった感じでその雄大なスケール感は相変わらずのペースながらソロヴァイオリンも声高になります。そしてややゆっくりし過ぎてアンサンブルも怪しいものの終結部の静けさは絶妙であります。一般的には本盤演奏はこの曲を聴き尽くしたファン、チェリビダッケ・ファン向きなのではないでしょうか。マニア向きということで当面OKランク以上確保とします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/11/26
以前同演奏異盤に書き込んだレビューにデータ的なものを追加してメモさせていただきます。E・クライバーの田園は3種類ほど盤があるようですがやはりACOとの演奏が第一と言われています。3種類ほどとはつまり1948年LPO(タイム@9’21A13’38B〜D15’57)、1955年KRSO、1953年NDRSOと本盤ACOを指しているのですが本盤ACOの全体タイム的(@9’08A14’03B〜D18’08)にはそう目立った特徴はないのですがどちらかと言えば第2楽章のゆっくり目の新鮮な自然描写はピカ一。他の楽章もその時間内で感じさせるキビギヒとした演奏・・・オルフェオ盤で息子のカルロスが演奏したセカセカしたものとは明らかに異なります・・・は大したもので小気味良さすら感じさせます。私はこの演奏盤を聴いて更に感じたことはこの指揮者の何と音の重ねて行くそして音を抜いて行く事の上手いことだということです。強烈な個性の指揮者が群雄割拠する時代においてやヽ残された録音が少ないだけに最高さが目立つ盤です。同年録音(クライバーは63歳頃)の「運命」(同@7’18A9’18B5’20C9’33)は私自身未聴なのですがタイム上からはやはりそのキビキビした演奏がうかがわれますね・・・一度機会を見て聴きたいです。未聴分がありますので★一つ保留させて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/25
先々月2011年9月、99歳の誕生日を翌日に控えて亡くなったザンデルリンクのBSOを指揮しての1982年まだ70歳と若かりし頃録音したショスタコーヴィチ交響曲第5番で他のレビューの方も述べられている様に正にドイツ風の演奏でタイムは@17’37A5’30B15’34C11’50と全体充分時間をかけての進め具合であります。周知の様にザンデルリンクは亡命先のソ連で1940〜1950年代旧LPSOの指揮を担当しあのムラビンスキーの下で研鑽も積みショスタコーヴィチとも面識があったわけですから本盤仕上がりもその本質は中々大したものなのでしょう。1960年代に戻って来たドイツでの活動でもかつてのソ連での経験も生きた演奏も多い様ですね。さて、本盤演奏第1楽章、ファッとした感じの出だしでややユトリを持った・・・ギスギスせず鋭い感じも抑え気味の運びが暫く続きます。中ほどマーチ風の処はテンポアップさせたり詰めは隈取りながら再びスローダウンさせ起伏メリハリをつけます。ピーク後更にスローになりやがて後日談の様にヴァイオリン・ソロが美しく添いながら落ち着いたクロージングであります。第2楽章・・・スタートは少しブチ切り的ですがゆっくりリズムを刻みつつ伴奏的管弦楽はなだらかな流れで対照を強調します。締めくくりはやはり落ち着いたものです。コントラストを抑制したこれまでのアプローチの延長戦上では一番似合いの第3楽章はやはり弦中心に穏やかに進みますが時として「凄み」もチラつかせます。緊張感が疑問視される寸前様相一点しピークでは厚い弦を軸に攻めて執拗さも加わりはち切れます。静まった後はハープ等主導でやはり落ち着いた〆め。いよいよ最終楽章、例のスタートはかなり速く全楽章とのこれも対比感を出して行きます。中間部への突入はスローダウンからクライマックスへの準備体制に入ってマーチへはゆっくりとティンパニーも踏みしめる如くで管楽器の咆哮と弦楽器側もどっしり、ゆっくり・・・最後のティンパニーも実に堂々と勝利感に結び付けます。ムラビンスキー流に初め速く終わり遅くの配分なのですがかなり異なりはしておりました。この「革命」交響曲は正直な処ある程度のレベルの演奏ならどんな演奏でもその効果があげられるそれこそ名曲なのですが本盤演奏の後半二楽章は特に印象深く説得力あるものと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/24
0 people agree with this review 2011/11/23
K.トーマス指揮のバッハ宗教曲については私はBWV4,11,68カンタータをベルリンクラシックCDでそしてBWV56,82カンタータとBWV225,226,227モテットとをエンジェル又はアルヒーブLPで聴いていますが夫々魅力的な充実した内容を包しています。周知の様にライプツィヒ聖トーマス教会合唱団はその揺ぎない伝統をラミン、K.トーマス、マウエルスベルガー、ロッチュら歴代のカントルたちによって受け継がれてきましたがK.トーマスの在任期間は政治的な事もあったのか4年位と短かった様です。しかし録音盤に聴く彼のバッハ演奏は重みのあるリズムをベースに各声部がよく弾んで絡み合ったその心底からの叫びが気迫を感じさせます。本盤はモテットBWV225〜230を1958〜1959年、K.トーマス54歳頃に収録したものであります。タイムデータをメモしておきましょう・・・BWV225(3曲15’32)、BWV226(3曲8’45)、BWV227(11曲22’35)、BWV228(2曲9’26)、BWV229(3曲9’36)、BWV230(3曲7’26)、何れの演奏を聴いても我々の世代は勿論若い愛好家らにも基本的な伝統を踏まえたカントルたるK.トーマスの取り組んだ結果たるものを沸々と感じることが出来ましょう。特にBWV227は曲も長めな事もありますが一種侵しがたい厳しさを聴きとることになりましょう。私にはK.トーマスにリヒター盤以降には聴かれない根の張った普遍的なものを教えてもらったように思っております、現在販売されていない様ですが素晴らしいアルバムです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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