0 people agree with this review
　2025/02/25

2006年にアメリカ合衆国バッファローの「クレインハウス音楽ホール」で録音されたバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団＆ジョアン・ファレッタの共演による「レスピーギ管弦楽作品集」。第1曲は交響的印象「教会のステンドグラス」はいかばかりか、冷静な音楽の滑り出しで、自分には堅調な響きに聞えた。それはこの音楽がどのような作品かを知る上では適切だと思う。（特に第2楽章の「大天使ミカエル」は1990年より吹奏楽編曲され、吹奏楽業界で非常に有名な作品のため、オリジナルの管弦楽模範演奏として作られたのではないかと言うくらい端正に聴こえる。しかしオススメCD。）第2曲目の組曲「ブラジルの印象」はこの管弦楽団の端正な響きが逆に「熱帯の夜」のような楽章では効果的だった。第3曲目の組曲「ロッシニアーナ」はやはり丁寧な演奏に聞えた。現代的な打楽器（銅鑼なども使用）の響きが小さめのダイナミクスで小粒な演奏に仕上がっており、他CDの数々の演奏と比較すると若干個性的な感じもした。演奏をスコアを眺めながら聴く人にオススメ。

0 people agree with this review
　2025/02/23

ハインツ・フリーセン＆大阪市音楽団の演奏CD。ライブ収録盤であり、演奏会の熱気と臨場感が伝わり非常に良かった。ライブ録音で気になった事と言えば、演奏のキズが少々気になる事もある。特にラヴェル作曲「スペイン狂詩曲」は「弦楽器の技巧」と「管楽器の技巧」を演奏にて「両方達成しなければならない作品」で、細やかな音符を隅々まで神経が行き届いた完璧に近い演奏をするにはライブ録音は「少々キツイ」ように見受けた。（どうしても仕方ない部分もありました。）そうした部分も演奏会の醍醐味ではあるが、全体的にすべてのプログラムが自然に楽しめ、「満足感のある1枚」に仕上がっている。会場のホールの響きも秀逸だった。

0 people agree with this review
　2025/02/23

このアルバムは東京佼成WOの最近のCDの中で「最も完成度の高い内容の1枚」かと思う。（吹奏楽の難しさか、作品の内容のつまらなさか「どうにも煮え切らない演奏」もたまにはある）

東京佼成WOのために1991年に委嘱された　冬の始まりのための「モーニング・アレルヤ」（R.ネルソン）は「広島県民に捧げる音楽」として初演された。2台のグランド・ピアノと奏者の声のハミング、破壊的なまでのハイ・トーンが書かれた楽譜で、この度2回目の録音となる。（幾分この作品の厄介な技術箇所がこ慣れて来ているように思う）

「変容」〜23独奏弦楽器のための習作/R.シュトラウス/中橋愛生編曲
吹奏楽の響きとしては非常にレベルの高いサウンドに仕上がっている。弦楽器の繊細な響きが絶妙。（木管高音楽器に注目）オリジナルの原曲を知っているが、一味違う吹奏楽の響きで自分としては非常に気に入った演奏だった。

吹奏楽のための天使ミカエルの嘆き／藤田玄播
大定番に作品であるが、このアルバムの趣旨に相応しい選曲。いつもの響きより知性的に感じる。最近の吹奏楽のサウンドや響きは思慮深い。

この地球を神と崇める／K.フサ
吹奏楽作品の中で「難曲」の一つに挙げられる作品。第2楽章の「破壊の悲劇」は金管楽器のハイ・トーン、ティンパニの連打、鍵盤打楽器の超絶技巧、数々の銅鑼（ゴング）が鳴り響く衝撃音など鬼気迫る世界。日本では1993年にアマチュア・バンドにより有名になったが、プロによる国内盤全曲版はこのCDが初めて。一味違う「吹奏楽の響き」を聴きたいリスナーにおすすめの1枚。

0 people agree with this review
　2025/02/23

イギリスのカーラ・レーベルがリリースしたジェフリー・サイモン＆フィルハーモニア管弦楽団のコンビによる「レスピーギ管弦楽作品集」であるがやはり、一味違う選曲が魅力的だった。

レスピーギ最後の名曲「地の精霊たちのバラード」は強烈な色彩と鮮やかなリズムに支えられた佳作。「ボッティチェルリの3枚絵」は第3曲目が有名な絵画「ビーナスの誕生」をインスピレーションした作品。たおやかな色彩感を湛えたレスピーギの違う一面を示す作品。「オルガンと弦楽のための組曲」は重圧でカラフルな弦楽の響きに驚かせられた。オルガンの機能や表現力をアピールした作品のように思うが、時として管弦楽を聴くような錯覚を与える音楽だった。レスピーギの音楽創作の真骨頂と言える作品。「アダージョと変奏曲」は他のレスピーギの協奏曲で見られる落ち着いた音楽。管弦楽の演奏会のアンコールでも聴いてみたいと思う1曲。

0 people agree with this review
　2025/02/23

バレエ音楽「ライモンダ」の全曲版。このCDは決定版であり、国内で入手可能の貴重なCD。最近はバレエの定番演目として有名であり、上演の機会も多い。ストーリーもさることながら、グラズノフの音楽が非常に素晴らしい事もあり、この作品のファンも多い。1993年に吹奏楽の世界でバレエ音楽の「抜粋吹奏楽編曲版」初めて演奏され、日本中の数多くのスクールバンドの「定番レパートリー」となった。
序奏、大スペイン舞曲、ピッチカート、ギャロップ、パ・ダクシオン、アポテーゼ（終曲）などバレエの主要曲を演奏する。CDの収録に時間の制約がありバレエの抜粋CDが数多く出ているが、全曲の中には魅力的な曲が数多くあるため、「全曲版CD」がオススメ。

0 people agree with this review
　2025/02/23

チャンドスレーベルのバレエ音楽「ライモンダ」から独自に選曲された抜粋版であるが、ヤルヴィの切れ味のある音楽が個性的だった。「ワルツの再開」から「コーダ」のあたりのテンポ設定は彼独自の音楽性を感じる。このバレエの重要な主要曲を網羅した抜粋で非常に聴き易い。本来原曲のバレエは長大な作品のため「ライモンダ」を知るには抜粋版CDがオススメ。

0 people agree with this review
　2025/02/23

グラズノフ全集第2集は交響的絵画「クレムリン」作品30は全3楽章。豪華絢爛なサウンドでクレムリンの祭典を色彩豊かに描く。1999年に吹奏楽コンクールでも人気の吹奏楽編曲作品となり多くの団体に演奏された。管弦楽では演奏の機会が全くないがグラズノフの素晴らしいオーケストレーションが冴える作品。組曲「中世より」作品79は中世の雰囲気満点の音楽で抒情性と懐古主義的な趣がグラズノフの音楽として描かれると非常に洗練された旋律やサウンドが聴けた。第3曲の「吟遊詩人のスケルッオ」はチェロ奏者のアンコールレパートリーとして有名で、単独でピアノ伴奏とチェロ・ソロでの演奏の機会が多い。ノーブルで色彩感のある「抒情的な詩」作品21は清涼感さえ感じる旋律が鮮烈だった。遺作となった「叙事的な詩」も懐の深い音楽となり、真摯に聴き手を引き付ける響きが印象的だった。グラズノフ・ファン必聴の1枚！！！

0 people agree with this review
　2025/02/23

グラズノフの代表的なバレエ作品1曲と、管弦楽用バレエ音楽の2曲のアルバム。
アシモフ＆モスクワ交響楽団のグラズノフ作品集第8集。
組曲「バレエの情景」作品52はバレエ音楽として演目になり振付もされて踊られる事もある。組曲「バレエの踊り」作品81は組曲であるが音楽をつなぎ目なく演奏する管弦楽作品。バレエ音楽「四季」はグラズノフの代表作で、特に第4場「秋」第2曲プティ・アダージョはグラズノフ作品屈指の名旋律で有名。グラズノフの真骨頂のバレエ音楽を楽しめる1枚。

0 people agree with this review
　2025/02/23

イギリスのカーラレーベルから1991年にリリースされた「ドビュッシー管弦楽作品集」の再構成盤。1巻と2巻をシャッフルして曲を組み合わせ、旧CDの曲順と全く別の内容に再編成している。

沈める寺（前奏曲集第1巻 L.125より、ストコフスキー編曲）1巻収録
喜びの島 L.109（モリナーリ編曲）2巻収録
2つのアラベスク L.74（ムートン編曲）1巻収録
交響詩『海』 L.111　1巻収録
ヒースの草むら（前奏曲集第2巻 L.131より、グレインジャー編曲）2巻収録
スティリー風タランテラ L.77（ラヴェル編曲）2巻収録
子供の領分 L.119（カプレ編曲）2巻収録

上記のように1巻と2巻の収録曲が混ざった編成になっている。色彩感のあるフィルハーモニア管弦楽団の秀逸な演奏とジェフリーサイモンの指揮が冴えわたる。（自分は管弦楽作品集を沢山聞いたがこのCD集がベストの1つと考えている）ストコフスキー編曲の「沈める寺」ムートン編曲の「2つのアラベスク」は作品のイメージを壊す事なく管弦楽に編曲できており、今回のCDの目玉曲。
吹奏楽の世界で2000年に第人気作品となった「喜びの島」はモレナーリの管弦楽オリジナル音源として非常に貴重なのでオススメしたい。
ピアノの名手、作編曲家として大活躍だったグレンジャーの「ヒースの生い茂る草むら」は木管5重奏で、フルート、クラリネット、ホルン、バス・クラリネット、コーラングレを5つの楽器編成に加えた味わい深く、珍しい編成の編曲。
「舞曲」スティーリー風タランテラはラヴェルの管弦楽編曲で有名だが、色彩感のある演奏と優れたソリストの演奏で非常に絵画的な演奏でお勧め音源。

0 people agree with this review
　2025/02/23

ジャンキン＆ダラス・ウィンド・シンフォニーは「ロン・ネルソン作品集」で話題になったが、次作の「アーノルド吹奏楽作品集」も良かった。アーノルドは吹奏楽団のトランペット奏者としての経験もあり、彼の作品の中にはトランペットの難曲である「金管五重奏曲」「交響曲第4番」などもあり、管弦楽と吹奏楽の世界でもトランペット奏者に人気の作曲家。「水の音楽」「4つのスコットランド舞曲」序曲「タモ＝シャンター」などあるが、特に「タモ＝シャンター」は管弦楽の編曲演奏で、酒に酔った伝説の人物「タモ＝シャンター」を描いた作品であるが、酒に酔った陶酔感を独特の和声で描いておりアーノルドの優れた作曲が伝わる作品でもある。

1 people agree with this review
　2025/02/23

映画音楽「スピットファイアー」より前奏曲とフーガは単独の管弦楽作品で、優美で高貴な音楽はウォルトンの最も人気のある管弦楽作品の一つ。

「ア・ウォータイム・スケッチ・ブック」は音楽が第1曲目「序曲」が映画音楽「スピットファイアー」前奏曲に作風が似通っている。その後の音楽は比較的大衆的で通俗的な音楽が続く。「愛の情景」「終曲」はウォルトンの旋律美を感じる小品で、音楽に身を傾けてしまう。1992年〜1998年頃に吹奏楽の世界でもこの2曲が大流行したので、知っている人が多いだろう。クラシック・ファンだけでなく吹奏楽マニアにもオススメの1枚。

0 people agree with this review
　2025/02/19

レオ・ヴェイネルのディベルティメント集。ヴェイネルはバルトーク、コダーイ、の次に有名なハンガリーの作曲家です。日本では「ハンガリー民族舞踏」が吹奏楽の世界でも1996年から有名です。管弦楽の作品では歌劇「チョンゴルと悪魔」よりスケルツォが有名です。またヴェイネルの「ディベルティメント」の中で最も有名なナンバー「狐の踊り」はしばしは単独でヴァイオリン、弦楽四重奏、クラリネット5重奏などの編成に編曲され、コンサートのアンコール・ピースとして演奏されるほど有名です。このアルバムにも収録されており、ヴェイネルの一味異なる才能を聴く事が出来るでしょう。買ってよかったCDです。