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Review List of miklos 

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     2021/03/16

    ピノックの選曲のセンスの良さがわかるアルバム。「調子の良い鍛冶屋」や「神秘的なバリケード」など有名な曲の合間にマイナー作曲家の作品が挿入されている。バロック期のマイナー作曲家のチェンバロ作品をこのアルバムで初めて触れるという方が多いのではないだろうか。

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     2021/03/16

    モーツァルトがフリーメーソンのために作曲した音楽を集めた珍しいアルバム。数年前に似たような内容のアルバムがナクソスから出たが、それ以前は競合盤が揃いも揃って入手困難かつ無名ということもあり、ケルテス&ロンドン交響楽団が事実上唯一の選択肢かつ決定盤であった。ナクソス盤が出た今でもその位置付けは変わっていない。

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     2021/03/16

    バルトークの作品についてよく言われるのが、民俗音楽の要素を楽曲に落とし込むことで、独自のスタイルを確立したということである。だがバルトークが最初から民謡のリズムやらなんやらを応用した出来たわけではなく、民謡編曲や民謡研究を通じ、その分野に通暁したことで初めてその段階にまで到達することができた。その過程を理解する際に助けとなるのが、ピアノ作品である。時系列順に民謡編曲作品を追っていくと、徐々に民謡編曲がシンプルなものからより複雑なものへと変化していくことがわかると思う。このコチシュによるボックスは、青年期の一部の作品を除くほぼ全てのピアノ作品を網羅していることから、バルトークの民謡に対する理解の深まりを理解できる唯一無二の音楽的資料であることであり、全てのバルトークマニア(?)にとってマストアイテムである。演奏も申し分のない。
    民謡編曲作品以外の作品の出来栄えも素晴らしく、「ピアノソナタ」や「戸外にて」は間違いなくベストの演奏だ。

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     2021/03/15

    SingやYesterday once moreというカーペンターズの代表曲が収められているアルバムだが、このアルバムの魅力は後半のリチャード・カーペンターによるオールディーズのアレンジのメドレーだと思う。Beach BoysのFun, fun, funやキャロル・キングのOne fine dayのアレンジの秀逸さをぜひともこのアルバムで聞いていただきたい。

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     2021/03/15

    タローのセンスが光る好アルバム。長かった戦争が終わり、国際協調の時代に入った狂騒の1920年代にパリで流行した曲が集められている。ナタリー・デセイなど独唱陣も充実。

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     2021/03/15

    デュトワがモントリオール交響楽団を指揮して録音したベルリオーズ録音は、ラヴェル管弦楽曲全集と並んで、デュトワ&モントリオールのコンビの最上の成果であることに疑いの余地はない。もちろん幻想交響曲のような有名曲も素晴らしい出来なのだが、ベルリオーズのマイナー作品、例えば幻想交響曲と連続して演奏されることが想定されている「レリオ、あるいは生への回帰」やカンタータ「帝国」などが豪華な独唱陣と
    デュトワ&モントリオール交響楽団で聞けるのは、このセットの醍醐味である。

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     2021/03/15

    ここに収められている作品は、野外劇場で上映される劇のためにニールセンが作曲した作品である。通常のオーケストラでなく、ウィンドオーケストラのために書かれているのはそのためであろう。吹奏楽だけということもあって、響きが貧弱になってしまうのは否めないが、コーラスやソリストのおかげである程度カバーはできているし、何よりも資料的価値が高い(すべて世界初録音だと思われる)ため、星4つ。

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     2021/03/15

    劇付随音楽はカール・ニールセンが生涯にわたって取り組んだジャンルの一つであり、作品も多いため、ある程度作風の変遷を追うことが可能であるのだが、交響曲と比べて取り上げられる機会が圧倒的に少ない。
    これはそんな不運な境遇に置かれているニールセンの劇付随音楽を取り上げた貴重なディスクである。交響曲や協奏曲と比較するとオリジナリティには欠けるが、親しみやすい曲がそろっており、また交響曲や協奏曲からはなかなか見えてこないニールセンの国民楽派的な側面も理解することができる。デンマークでのキャリアの長いハンガリー人指揮者ヴェテと歌唱陣は、国際的な知名度こそないが、レヴェルは高い。

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     2021/03/15

    ダグ•ヴィレーンの管弦楽曲が収められたアルバム。20世紀を生きた作曲家だから、不協和音がたくさんということはなく一番知られた作品「セレナーデ」と同様に親しみやすい曲が並ぶ。中でもヴェニスの商人からのロマンティック組曲は、旋律が美しく、北欧音楽の透明感が好きな人にはおすすめできる作品。演奏もよい。

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     2021/03/14

    グリーグはピアノ協奏曲とペールギュントばかりが有名で、それ以外の作品の録音となると途端に少なくなる。そんな中で、ヤルヴィ、ルードに続き、エンゲセトまでもがグリーグの管弦楽作品をまとまって録音してくれたことは私のようなグリーグファンにとって非常にありがたいことである。
    この8枚組の中では、管弦楽用に編曲された作品を集めたDisc2が内容的に充実していると思う。グリーグのピアノ作品「スロッテル」からの管弦楽用編曲や「抒情組曲」からの編曲作品は編曲としてよくできていると思うし、「リカルド・ノルドクロークのための葬送行進曲」は正直原曲の吹奏楽版よりオーケストラ編曲のほうが若き親友をなくしたグリーグの悲痛な思いが伝わってくるような気がして、抜群に良い。

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     2021/03/14

    古代ギリシャの詩人ホメロスのオルフェウス物語を1930年代のストックホルムに持ってきてしまうという、ともすれば古典への侮辱ともいわれかねない作品だが、音楽そのものは非常に面白いと思う。響きは20世紀音楽のそれだが、とっつきにくさ全開というようなものではなく、ところどころに入る打楽器のおかげでややもするとキッチュでチープな感じすら覚えてしまう。

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     2021/03/14

    デンマークの作曲家ゲーゼは、初めての交響曲がメンデルスゾーンに認められてメンデルスゾーンの指揮でライプツィヒで初演され、シューマンとも親交があり、死後にはゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者も務めたという当時の北欧で初めて国際的な知名度を勝ち得た作曲家である。作風はロマン派音楽のそれで、劇的、あるいは牧歌的。ハムレット序曲はロマン派序曲の代表例としてもっと聞かれてもいい。田舎の夏の日はタイトル通りの曲で深みはないかもしれないが、音楽としては十分楽しめる。オシアンからの山びこやホルベルギアーナは、ナショナルロマンティシズムに分類される音楽だが、そこまで愛国心が前面に出ている音楽ではないので、肩を張らずに鑑賞できるのではないだろうか。指揮者のオレ=シュミットは、ロンドン響のニールセン全集で知られる指揮者。

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     2021/03/14

    プロコフィエフのエフゲニー・オネーギンの完全版。短いヴァージョンならユロフスキやチェコ語版の録音があるが、完全版の録音は世界で初めてとのこと。しかしなぜか英語。ロシア語のほうが雰囲気出ていいのかなとは思うが、朗読者は著名なイギリスの俳優陣で固められているので、これはこれでありかもしれない。演奏は非常に良いと思う。

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     2021/03/14

    この3枚組ボックスには普段あまり耳にすることのないプロコフィエフの劇付随音楽が収められている。
    例えばエフゲニー・オネーギンと聞くと多くのクラシック音楽ファンはチャイコフスキーの同名のオペラを想起するだろうが、プロコフィエフもプーシキン没後100周年の機会に同じ題材を取り上げている。政治的な理由により彼の生前に演奏・出版されることはなかったようであるが。ボリス・ゴドゥノフも同名のオペラがあるが、メイエルホリドはプロコフィエフとタッグを組んで、このプーシキンの作品を上演を実現させようとした(1936年)が、果たせなかった。メイエルホリドの劇場は1938年に閉鎖され、1940年には銃殺されているので、やはり政治的な理由からであろう。
    このようにマイナーな作品一つをとっても、プロコフィエフの作曲家としてのキャリアが母国の政治体制に翻弄されてきたということを知ることができる。そういった意味でも、このCDを手に取る価値はあるように思われる。

    演奏は競合盤が少ないので何とも言えないのだが、エフゲニー・オネーギンがロシア語歌唱であるのはうれしい。テキストの意味は理解できないが、シャンドスから出たダウンズ指揮の英語版には違和感しか感じないので。

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     2021/03/13

    イベールの珍しいバレエ作品が収められたCD。
    「放浪の騎士」では、ミヨーやオーリックを思わせる人を食ったような音楽が展開されると思いきや、弛緩楽章では寄港地を思い出せるような透明感のある音楽が聴けたり、はたまたギターが登場するなど、いろいろな要素が一つの作品にあって面白いのではないだろうか。
    ジュピターの恋は、ジュピターとジュピターが恋した女性4人の恋物語だが、序曲と終曲の主旋律がレダのそれであることが、けっこう笑える。
    指揮のジャック•メルシェは、フローラン•シュミットの珍しいバレーなどを取り上げるなどフランス近現代音楽のマニアックなレパートリーを積極的に録音する指揮者。

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