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Review List of レインボー 

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     2021/08/03

    ヨハン・シュトラウス2世が晩年に手がけたのが、バレエ音楽『灰かぶり姫』です。
    ワルツ王、唯一のバレエ作品と知られていますが、完成させる事なく無くなったため、バイヤーが後を引き継いで完成しました。
    このような経緯からか録音は大変少なく、ボニングによる世界初録音とハラースによる映像、そして本盤しかない希少な作品です。
    音楽そのものを聴くだけだと退屈なところもありますが、未完とはいえシュトラウスらしいメロディが随所に聴こえます。
    エルンスト・タイスは今まで、ドレスデン・オペレッタ劇場管弦楽団と録音がありましたが、ここではウィーン放送交響楽団を振っています。
    本場のオケによるCDは初録音であり、ウィーンのオケならではのリズムの取り方など、演奏はウィーンらしさを感じさせる良い演奏です。
    録音も新しいだけあり、良好です。

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     2021/08/02

    ジークムンド・ロンバーグの『学生王子』の全曲盤です。
    ジョン・マウチェリ指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で録音されたものです。
    この作品、ロンバーグの代表曲であり、8曲目のセレナードは学生王子のセレナードという題名で昔から知られるポピュラーなもの。
    通常はミュージカルとして扱われ、録音もミュージカル路線の軽いタッチの演奏が多いがこの録音では、クラシックスタイルで演奏されている。
    このスタイルの演奏によって、この作品がウィンナ・オペレッタの流れを汲む作品である事がよくわかるだろう。
    メロディはロマンティックではあるがやはり、学生王子のセレナードを超えるメロディはない。
    マウチェリはアメリカの指揮者で映画音楽やガーシュウィン、ミュージカルのCDをフィリップスに録音した事で知られる。
    ここではミュージカル路線の甘々ではなく、クラシック路線で、ウィンナ・オペレッタの後継である事をしっかりと示した演奏。
    ケルン放送管弦楽団もフレキシブルに対応しており良い。
    歌手は多少言葉の発音に疑問があるが、十分聴ける。
    録音も良好で、現時点でこの曲の1番おすすめ出来る演奏だろう。

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     2021/08/01

    CPOレーベルはフランツ・レハールのオペレッタの録音に積極的に録音しており、特に知られざる作品を紹介してきました。
    このCDに収録された『ルクセンブルク伯爵』は珍しい作品ではないですが、近年録音が少なくなってきたのでそういう意味では珍しいでしょうか?
    ダニエル・インバル指揮、オスナブリュック交響楽団&オスナブリュック劇場合唱団の演奏です。
    指揮者は日本でもお馴染みの、エリアフ・インバルの息子との事で、どうやらこの盤がファーストアルバムの模様。
    ルクセンブルク伯爵には昔から録音が幾つもありますが、この演奏は良くも悪くも普通の出来です。
    歌手も特筆する様な人物はおらず数多いこの曲の録音ではレハール・ファンか、演奏家のファンでも無ければおすすめしません。
    また2012年のセッション録音というわりには基準音が小さく、弱音時などは聴きにくいのも難点です。

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     2021/07/29

    19世紀の知られざるバレエ音楽を大量に録音した事で知られるリチャード・ボニング。
    ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団を振ったこのアルバムもそんな一枚で、ヨハン・シュトラウス2世唯一のバレエ音楽『シンデレラ』を収録したもの。
    シュトラウスが完成させる事なくバイヤーが補筆した事や、そのためマーラーが演奏を拒否したなどのエピソードが知られる割には作品自体は知られておらずこの録音が世界初録音との事。
    未完の作品だけあって、シュトラウスの作品として見るとなんだかイマイチですが、部分部分ではシュトラウスらしい旋律が聴こえます。
    併せて収録されているのが、『騎士パズマン』からのバレエ音楽とチャルダーシュ、デゾミエール編曲の『美しき青きドナウ』で、前者はオペラの劇中曲、後者はシュトラウスの様々な曲を繋いで新たに編曲されたもの。
    これも録音はそう多くないので貴重です。
    ボニングとナショナル・フィルの演奏は、バレエ音楽の大家らしいメリハリがついたもの。
    録音は年代を考慮すれば充分だろう。

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     2021/07/27

    キング・レコードが2003年に発売した、シンフォニック・フィル・スペクタキュラーシリーズ。
    このCDは最初に発売されたうちの一枚で、感動とサスペンス編と題されたアルバム。
    西部劇やらホラーやら、SFやら映画のジャンルはバラバラであるが、とりあえず感動する映画やサスペンス映画を集めたものらしい。
    たとえ名前を知らなくても有名な曲ばかりなので楽しく聴けるだろう。
    このシリーズ、スコアがオリジナルかまたは演奏会用に編纂された質の高いスコアを使っており、解説書には一曲一曲、スコアについて解説がついているのが良い。
    演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。
    指揮は沼尻竜典。
    指揮者は当時、日本フィルの正指揮者になったばかりであり、CD帯にはその事が書いてある。
    いずれも質の高い演奏なのだが、最後の『王座の間とエンドタイトル』が聴きどころであり、威風堂々とした行進曲や、盛り上げ方、追い込み方などが理想的な演奏である。
    録音はクラシック音楽と同じように録られており、大変良い。

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     2021/07/24

    シャンドスが発売している、ウィリアム・オルウィンの映画音楽集も、本作で4枚目となるもの。
    シャンドス・ムービーシリーズで1人の作曲家がこれ程取り上げられるのも珍しく、かなり力が入れられているのだろう。
    今回の収録曲はオルウィンの映画音楽でもマイナーな作品が中心。
    中東風のオリエンタルなメロディや、正統派のイギリスの作曲家らしいスケルツォや、歌手も入った人魚の歌などバラエティ豊か。
    あまりド派手な曲はなく、地味で味わい深い曲が多いのはイギリスの作曲家らしいだろうか。
    演奏は、ラモン・ガンバ指揮、BBCフィルハーモニック管弦楽団。
    第2集より担当しているコンビの演奏で、今作も安定した演奏を聴かせる。
    人魚の歌はシャーロット・トレスパスが歌っており、聴いたことのない人物だが、悪くはなかった。
    録音は2016年で、音は良い。

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     2021/07/23

    ソヴィエトの作曲家、アレクサンドル・モソロフは、活動初期には現代音楽協会に所属し、この頃に代表作の『鉄工場』を書くのですが、その破壊的な作風が当局に睨まれ、逮捕されるも、師ミャスコフスキーとグリエールにより8年後に無事生還する事ができました。
    この頃からは初期の作風とは違う、社会主義リアリズムに沿った作風となりました。
    このCDの収録曲もそう言う路線の作品です。
    1965年に書かれた『交響曲第5番』はモソロフ最後の交響曲にして、最後の大作らしく、冒頭から冷たい、いかにもソヴィエトと言ったメロディが出てきます。
    3楽章からなりますが、曲調は雄大だったり、激しかったり、落ち着いたりと表情がさまざまに変わります。
    モソロフ最後の大作に相応しい出来の作品。
    1939年の『ハープ協奏曲』は師グリエールのハープ協奏曲を手本にしたような作品で、明るくメロディアスな作品であり、丁度苦しい時期に書かれたものですが、そのような雰囲気は全く感じさせない、傑作です。
    演奏はアルトゥール・アルノルト指揮、モスクワ交響楽団。
    1990年代から2000年代半ばにかけてナクソスとマルコポーロ系列に録音を残した、モスクワ交響楽団ですが、2005年頃のコルンゴルトの録音を最後に新録は途絶えており、今回久々の新規録音での登場となったものです。
    その演奏はモソロフへの共感豊かで、それでいて分かりやすいもの。
    流暢なサウンドですが管楽器にロシアらしい野太いサウンドが見られたりするほか、フレッシュマンのハープもよく名演と言える内容です。
    尚、指揮者はオランダ出身で現在このオケの音楽監督との事。
    録音場所は変わらずモスフィルム・スタジオで、音質も良好。

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     2021/07/22

    キングレコードが2003年から発売しているシンフォニック・フィルム・スペクタキュラーシリーズもついに10枚目となりました。
    この10巻はノスタルジーセレクションという事で、比較的古い作品が収録されています。
    今までの巻に収録がなかったの?と言いたくなるような有名な曲や、オーリックやコープランドらクラシック系の作曲家が書いたスコアが収録されています。
    スコアの質は古い映画だからか、どれも一定のレベルを保ち、安定しています。
    中にはあまり録音のないスコアもあるのは、このシリーズらしい所。
    演奏は竹本泰蔵指揮、日本フィルハーモニー交響楽団。
    シリーズ最初期から関わっているベテランコンビです。
    このCDでも日本のオケらしい安定した演奏を聴かせますが、11人のカウボーイ、ライトスタッフ、サンダーバード、ローマの休日などは映画のサントラに匹敵する演奏と言えます。
    監修は変わらず神尾保行が担当、曲の解説も短く分かりやすい解説となっている。
    またこのCDからハイ・クオリティCD仕様になっているがその分値段が上がったのは残念なところ。
    録音はDSDレコーディングで録られており、ホールを意識した残響が付いた聴くためのサウンドでなかなか良い。

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     2021/07/20

    ヤッシャ・ホーレンシュタインと、ウィーン・プロムジカ管弦楽団が残したVOX録音から、ショスタコーヴィチの交響曲第5番と、ヤナーチェクのタラス・ブーリバを収録した内容である。
    ショスタコの5番は、スタイリッシュな演奏と思わせて、非常に濃い表情を聴かせてくれるのがホーレンシュタインらしい。
    ウィーンの演奏家を集めた、ウィーン・プロムジカ管弦楽団の演奏はお世辞にも上手いとは言えず、随所で粗さがあるのが残念。
    タラス・ブーリバも同様の傾向だが、幾分かオケの技術はましでこちらの方が良い。
    録音はVOXらしいサウンドで、まぁまぁ。

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     2021/07/18

    アルトゥール・ロジンスキーが、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を振ってウエストミンスターに録音したアルバムから、ドヴォルザークのスラヴ舞曲を収録した内容のCD。
    ロジンスキーは元々、オーストリア生まれ、生地は現在のクロアチアのスプリト(スッペと同じ!!)で、そのためかスラヴ圏の作曲家の演奏には良い演奏が多い。
    このスラヴ舞曲、ロジンスキーにしては大人しめに感じられるが、情緒豊かに歌いあげるその演奏はなかなかの演奏と言える。
    出来て間もないロイヤル・フィルもなかなか上手い。
    録音は古さが気になるが。

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     2021/07/17

    ルイ・フレモー指揮、バーミンガム市交響楽団が、EMIに残した録音の一つ。
    ビゼーの交響曲第1番と交響曲ローマを収録したもの。
    大体カルメンやアルルの女とカップリングされる事の多い、ビゼーの交響曲を両方集めたアルバムというのはなかなかないので、このアルバムは珍しいのではないか。
    どちらもフレモーの端正で生き生きとした演奏が際立つ好演であり、特にローマはこの曲の名盤と言って良い切れ味のある演奏と言えるだろう。
    録音も年代の割に良好だと思います。

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     2021/07/16

    1950〜1960年代に各レコード会社が発売していたオペラのハイライト盤、CD時代になってからは基本全曲盤が中心となったお陰で見かけなくなりました。
    名曲を手軽に味わえる良い物でしたが、CDになってもすぐ廃盤なので今回の復活は嬉しいところ。
    このBOXはドイツ・グラモフォンが発売した音源を集めた物で、録音時期がら全てドイツ語歌唱となっています。
    またCDはクラムシェル仕様。
    各CD簡単に見ていきますと、
    CD1→ビゼーの『カルメン』
    マルセル・クーロー指揮、バーデン州立歌劇場管弦楽団の演奏。
    これは初CD化との事。
    豪華な歌手よりもこのCDの聴きどころは6曲目のカスタネットである。
    ずしりと響く重いカスタネット、存在感は抜群。
    6曲目はつまるところジプシーの踊りなのだが、カスタネットに導かれ徐々にテンションが高くなって行く表現は見事だ。
    CD2→ダルベールの『低地』
    ハンス・レーヴライン指揮、バンベルク交響楽団の演奏で収録。
    作曲者の代表曲ながら曲自体を聴いたのは初めて。
    全体的に手堅いく仕上がっており、この辺りはオペラハウスを渡り歩いたと言う経歴のある、レーヴラインらしい演奏だ。
    CD3→マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』レオンカヴァッロ『道化師』を収録。
    2曲セットで上演される事も多いためか、これのみ一枚に2作収録されている。
    指揮はハンガリー出身のヤーノシュ・クルカ、演奏はベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(マスカーニ)ベルリン放送交響楽団(レオンカヴァッロ)である。
    シュレムやベリーに混じって当時ヨーロッパで活躍していた長野羊奈子が出ているのも気になる所。
    演奏はこれも安定した職人的なもの

    CD4→ロルツィングの『ロシア皇帝と船大工』
    この作曲家の代表曲なので録音は幾つもあるが、この録音にはヴンダーリッヒとフィッシャー=ディースカウと言ったスター級の歌手や、当時の名花ハルシュタイン、エレクトーラのオペレッタ録音でも活躍したレンツといった録音ならではの豪華な歌手が聴きどころ。
    指揮のハンス・ギールスターはドイツの指揮者でオペラ畑で活躍したマエストロ。
    バンベルク交響楽団を振ったこの録音でも手堅い演奏。
    有名なバレエ音楽はなかなか。
    CD5→モーツァルトの『フィガロの結婚』
    フェルデナント・ライトナー指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、正統派の演奏。
    CD6→オッフェンバックの『ホフマン物語』
    リヒャルト・クラウス指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の演奏である。
    往年のバス歌手、スチュアート等が出ているが聴きどころはオーケストラと合唱。
    プロローグやエピローグで現れる『やいやい、ルーテル親父』の演奏はリズム感が良く、この演奏の聴きどころである。
    CD7→プッチーニの『ボエーム』
    アルベルト・エレーデ指揮、シュターツカペレ・ベルリンの演奏である。
    ボエーム自体あまり聴かないが、この演奏も他と同じく安定した演奏だと思う。
    CD8→ロッシーニの『セビリャの理髪師』
    ラインハルト・ペータース指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団。
    この盤ではヘフリガーが聴きどころで、明晰な歌唱が聴きやすい。
    ペータースのタクトによるオケナンバーもなかなか。
    CD9→チャイコフスキーの歌劇『エフゲニ・オネーギン』
    オットー・ゲルデス指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏。
    この演奏の1番の売りはフィッシャー=ディースカウとヴンダーリヒが共演している事であろう。
    ヴンダーリヒ最晩年の歌唱だが、その澄んだ声は健在です。
    CD10→トマの『ミニョン』
    ジャン・フルネ指揮、コンセール・ラムルー管弦楽団の演奏で収録。
    このBOX、指揮者はドイツ圏以外の人でもオケはドイツ圏という組み合わせが基本だが、これのみ指揮者、オケ共にフランス勢によるもの。
    歌手よりもフルネらしい上品なサウンドを聴く一枚で、序曲等はその良い例である。
    CD11→ヴェルディの『アイーダ』
    アルジェオ・クアドリ指揮、ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団による演奏で収録。
    これ、オケも歌手もなかなか充実した演奏で抜粋なのが残念である。
    CD12→ヴェルディの『運命の力』
    ハンス・レーヴライン指揮、ベルリン放送交響楽団の演奏で収録。
    低地でもそうだったが、レーヴラインの的確なサポートが聴きどころ。
    序曲を聴けば分かるが音楽がさまざまに表情が変わり、実力派であった事が分かる。
    CD13→ヴェルディの『椿姫』
    ブルーノ・バルトレッティ指揮、バイエルン放送交響楽団による演奏。
    このバルトレッティもオペラ畑を歩いてきた指揮者であり、サポートが上手い。
    歌手も役者が揃っておりなかなかのもの。
    CD14→ヴェルディの『ナブッコ』
    ホルスト・シュタイン指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の演奏。
    そこそこの歌手陣であるが、このCDのヴェルディの中では普通と言ったところだろうか。
    CD15→ヴェルディの『リゴレット』
    ホルスト・シュタイン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
    ベルリン・フィルによるリゴレットの商用録音はハイライトとはいえ珍しいのではないだろうか。
    充実した60年代のサウンドと、豪華な歌手陣による安定した演奏。

    こうしてみるとそれぞれ、ハイライト録音ながら歌手は当時のスター級が揃っており、指揮者はオペラ畑出身者(日本にも縁ある人物が多い)を起用し、しっかりと制作されており、おすすめ。
    録音は年代の割には良い方というのが多い。

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     2021/07/14

    ヴァルジャン・コージアン指揮、ユタ交響楽団によるジョン・ウィリアムズのスターウォーズ三部作のアルバムである。
    現在では著名な楽団でもレパートリーにしている事の多いスターウォーズだが、本盤が録音された当時クラシック・オーケストラでの録音は作曲者とボストン・ポップス、カンゼルとシンシナティ・ポップス、メータとロサンゼルス・フィルか、ゲルハルトとナショナル・フィルぐらいしかなかったもので、サントラ以外ではかなり初期に録音されたものとなっている。
    コージアンはユタ交響楽団の音楽監督を1981〜1984年まで務めていてその間の録音。
    知名度は低いがテンポの運びが素晴らしく、明快な音楽作りでメータやゲルハルトの録音とは違う良さがある。
    またオケもアメリカらしく、輝かしく鳴り響いており良い。
    デジタル初期にやや硬く感じる部分はあるものの、録音そのものは大変優秀。

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     2021/07/13

    日本クラウンが発売した吹奏楽大全集。
    ワンポイントレコーディングによる優秀な録音と、3自衛隊音楽隊による演奏で話題になったシリーズです。
    このCDは第1弾として出された一枚で、世界の行進曲を集めたもの。
    定番所もあるのですが、今もって珍しい曲も多く、ファンなら持っておきたい一枚です。
    陸上自衛隊中央音楽隊の演奏は、どれも安定したシンフォニックなもの。
    柔らかな『大いなる忠誠』とダイナミックな『青と黄色の旗の下に』はなかなかのもの。
    海上自衛隊東京音楽隊の演奏は、CD中最も縦ノリの昔ながらの演奏。
    正確なテンポとバスドラムによるアクセントが特徴的な演奏です。
    航空自衛隊航空中央音楽隊の演奏は、流暢な演奏。
    スペインの行進曲はちょっと不得意があるかと思うが、それ以外はなかなか。
    先にも書いた通り、録音は大変優秀なもの。
    30数年経った今でも現役で聴ける優秀な音質です。

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     2021/07/12

    20世紀半ばにかけて活躍したハンガリー出身のニコ・ドスタル。
    オペレッタの作曲で有名ですがクリヴィアと並び代表作とされるのがこのCDに収録された『ハンガリーの結婚式』です。
    この作品は先輩のカールマンの作品と同じくハンガリー情緒にあふれたロマンティックな作風で、耳馴染みの良いメロディが出てきます。
    ハイライト収録ですが、1番有名なハンガリー行進曲を含む聴きどころは全て収録しています。
    録音の感じからして最初からハイライトのみの収録でしょう。
    演奏はロマン・ドスタル指揮、フィルハーモニア・フンガリカ。
    指揮者は名前から分かるかの様にニコ・ドスタルの息子との事。
    オケはドラティのハイドン交響曲全集でお馴染みですが、オペレッタの録音も幾つか残しています。
    その情熱的な演奏はなかなかのものであり、この曲の名盤の一つと言えます。
    歌手は他のEMIのオペレッタ録音に比べてスター級こそ居ませんが、こちらも問題なし。
    年代を考えれば音はまずまずです。

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