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Verdi (1813-1901)

CD Un Ballo In Maschera: Karajan / Vpo Domingo Nucci Barstow Jo Quivar

Un Ballo In Maschera: Karajan / Vpo Domingo Nucci Barstow Jo Quivar

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  • ★★★★★ 

    slave  |  東京都  |  不明  |  28/July/2023

    この録音は、カラヤンが計画していたザルツブルク音楽祭での上演の直前に死去したことで、あたかも「死の直前の体調の悪い時に、録音した演奏」であるかのように思われているように思う。 その思い込みが、ややゆったりとしたテンポ設定にも裏書されて、「集中力の衰えた弛緩した演奏」のような思い込みを誘っているように思う。 この録音を聴く場合、オーケストラの残響がはっきりと聴きとれるように音量を上げることがポイントだ。こうして聴けば、仮に、カラヤンがテンポを速くとったならば、響きが混濁してしまい、混乱した演奏になってしまったであろうことが分かる。 この録音の欠点は、歌手とオーケストラの録音のバランスが悪いところだ。歌手はオン・マイクで録音しているので、歌手に合わせて聴くとオーケストラの豊かな残響が聴こえないので、ゆったりとしたテンポが持たなくなってしまうのだ。 この点に注意をして聴けば、カラヤンはオーケストラの音色の美しさと響きの豊かさを大切にしつつ、このゆったりとしたテンポを基調としながらも、深い劇性を盛り込むことに成功していることが分かる。 このため、豊かな響き、大きく持続するよく歌うオーケストラ、深い劇性を備えた稀有な名演が記録されている。 歌手については、ドミンゴの歌唱が立派であると言える。70年代のムーティ、80年代のアバド、そして90年代のカラヤンと、それぞれの録音を残している。アバドとの録音は彼の調子が悪いので、別人かと思うほど。それに比べると、この録音は、あまりに立派過ぎる歌唱ぶりである。 その結果、アンサンブルが成立していない。この立派過ぎる歌唱に他の歌手が対等に絡めれば、さぞ素晴らしかっただろう。それは、1つには、このテンポでは、息をセーブしなくてはならなかったからでもあろう。彼だけが、しっかりとしたカンタービレを維持しており、カラヤンの意図を忠実に再現していた。さすがと思う。

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  • ★★★★★ 

    金山寺味噌  |  愛知県  |  不明  |  23/April/2016

    ヴェルディの歌劇『仮面舞踏会』はスウェーデン国王グスタフ3(1746〜1792)の暗殺事件を題材としている作品だが、「国王暗殺」という内容が当時のイタリア当局の忌避に触れたため設定を変更、物語の舞台をアメリカのボストンとし主人公をボストン知事リッカルドとすることで上演許可を得たという経緯があった。以降この改訂版が長く上演されてきたが近年は原典尊重主義の観点からオリジナル版での上演や録音も増えてきた。このカラヤン盤もオリジナル版による演奏である。 1989年1月27日〜2月3日、ウィーン、ムジークフェラインでのセッション収録。カラヤン生涯最後のオペラ全曲録音である。この年のザルツブルク音楽祭で上演を予定していて、そのリハーサルも兼ねて録音されたものだが結局カラヤンは体調不良により上演を断念、この録音のみが残された。主人公の国王を 演じるプラシド・ドミンゴの雄渾でありながら知性的で精妙な歌唱が圧倒的である。ヒロインのアメリア役のジョセフィン・バーストウ、オスカル役のスミ・ジョーも好調。この頃のカラヤンは体調の衰えが顕著であり以前のようにオケを自在にドライブすることはできなくなっていたため、第一幕はやや精気に欠ける感なしとしないが、第二幕以降は奮起していつものカラヤンらしい華麗な美音と豊かな劇的起伏で興趣を盛り上げていく。ウィーン・フィルも老巨匠を良く支えている。この録音から半年足らずでカラヤンは逝去し、文字通り「遺産」となってしまった名演である。音質良好。

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  • ★★★★★ 

    れいくー  |  奈良県  |  不明  |  10/February/2013

    この演奏は仮面舞踏会としては異質だとは思いますが、カラヤンでしか聴くことの出来ない管弦楽と声楽が一体化したシンフォニックで美の極みでもあるとんでもない名盤だと思います。 これがカラヤンが最終的に辿り着いたオペラの演奏だったのかもしれませんね。 ここでは声も一つの楽器のようです、オペラに興味のない方、声楽は嫌い、という方にも楽しんでいただけるのではないかと感じます。 歌手陣のバランスも大変良く、ドミンゴは彼としては後年の録音であるにも関わらず、彼のBESTだと思われます。 何故、晩年のカラヤンがこの作品を演奏しようと思ったのかはわかりませんが、ひょっとしたら、アイーダ、オテロ、椿姫、そして、リゴレットも録音しようとカラヤンは考えていたのかもしれないですね。 オペラファン、ヴェルディファン、カラヤンファンを超えて、クラシック音楽ファン必聴の名盤だと思いますので、みんなに聴いてほしいです。

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