パーソナル 上 講談社文庫
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購入者 | 滋賀県 | 不明 | 29/January/2024
家も車も持たず、放浪の旅を続ける米軍の元軍警察捜査官ジャック・リーチャー。リー・チャイルド原作。小林宏明訳。その広告に、わたしの名前が載っているものがあった。彼についてはなにもわからないに等しかった。多くの理由があるのかもしれないが、そのうちのひとつは、彼の部隊にいた者はだれも彼を積極的に密告するつもりがなくだれも彼をかばうような作り話をしなかったからだ。一種の倫理。あるいは、想像力の欠如。どちらにしても、賢い選択だ。作り話はいつだって化けの皮がはがれる。なにも言わないほうがいい。空は、コマドリの卵のようにブルーで、わたしは少しあたたかさを感じたが、ふたたび突風が吹き、肩に冷たい手をのせられたように感じた。敷きつめられた芝生が、春の新芽で緑鮮やかだった。幅広で低い墓石が間隔をおいて建っていた。目当ての墓石をみつけた。青白く、ほとんど風雨で傷みもせず、碑文がまだくっきりとのこっていた。ジョセフィーヌ・モウティール・リーチャー、一九三〇ー一九九〇。六十年の生涯。わたしはその半分の年をとっくにすぎた。わたしになにがわかる?もしかしたら、文化の革命が進行中なのかもしれない。わたしが過去に何度もやってきたように、わたしたちは待った。法執行官にとって、待つことは大きな部分を占める。だいたいにおいて、軍隊生活でも大きな部分を占める。ほとんどなにもない長い時間がゆっくり流れる。そして、ときとして突発的になにかがおきる。わたしは待つことが得意だった。0 people agree with this review
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