Die Zauberflote : P.Stein, A.Fischer / Teatro alla Scala Accademia, M.Summer, Ozkan, Piskorski, etc (2016 Stereo)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 18/June/2017
演出は全く読み替えなく、可能な限りオリジナルのト書き通りに舞台化したもの。「原点回帰」という意味ではこういう舞台もたまには良いかもしれないが、芸がないという批判は覚悟せねばなるまいし、こういう方向ならミュンヒェンのエファーディング演出に及ばない。普通の上演に比べれば台詞は多い方だが、元の台詞が全部そのまま語られているわけではなく、ザラストロのモノスタートスに対する人種差別発言「お前の心が顔と同じく黒いことは知っているぞ」や夜の女王のザラストロ教団に対する非難「あの野蛮人たちの恥ずべき動機」うんぬんはカット。なるほど、こういう台詞がないと論理的一貫性は保たれるが、逆に私は論理的一貫性が無いこと、一方が善で他方は悪と決めつけられないことが『魔笛』の最大の魅力と考えるので、このような恣意的な台詞のカットは残念だ。 素晴らしいモーツァルト交響曲全集を録音していたアダム・フィッシャーの指揮には大いに期待していたのだが、たとえばパパゲーノとパパゲーナの二重唱「パ、パ、パ」など部分的に秀逸な部分はあるものの、全体としては凡庸と言わざるをえない。現代楽器を持つ若いオケにピリオド・スタイルを踏まえた表現を徹底させるのは難しかったようだ。歌手陣で良かったのは、まずエジプト人らしいエキゾチックな美貌が魅力的なファトマ・サイードのパミーナ。ついで芸達者なスイス人テノール、ザシャ・エマヌエル・クラーマーのモノスタートス。タミーノとパパゲーノは可もなく不可もなし。夜の女王は技術的には及第点としても、悲しみも怒りも一色で、歌にまだ表情が乏しい。『魔笛』に若い歌手が似合うのは、若者たちのイニシエーション物語だからだが、それでも夜の女王とザラストロだけは経験の乏しい歌手には難しい役だと思う。一方のザラストロは絵に描いたような聖人君子でつまらない。この役はもともとそういうキャラではあるのだが、パミーナに色目を使ったりするちょっとした工夫で、もっと深みのある人物にもできるのだ(サルミネンのエロじじいぶり、ツェッペンフェルトの変態マッド・サイエンティストが懐かしい)。ここでも、そもそも責められるべきは演出の無策なのではあるが。さて、毎度問題含みの日本語字幕、今回も特に第1幕フィナーレあたりはデタラメの極みだ。輸入盤にくるみケース(日本語解説)を付けただけで、ずいぶん高い値段で売っている日本の販売会社さん、Cmajorに監修者ぐらい派遣したらいかがか。4 people agree with this review
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