Piano Concertos Nos.20, 21 : Haiou Zhang(P)Thomas Fey / Heidelberg Symphony Orchestra
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 04/January/2017
トーマス・ファイは2014年秋、自宅での転倒事故で脳に重傷を負い、いまだ指揮台への復帰ができていない(このほどハイドン交響曲全集の新譜が出ることになったが、2016年6月収録分では彼は指揮していない)。アーノンクール亡き後、ホルン、トランペット、ティンパニなど以外は現代楽器を持つオケでピリオド・スタイルを実践するハイブリッド演奏の第一人者だけに復帰が待たれるが、これは事故前の録音。近年の彼の進化(深化)がよく分かる演奏だ。K.466の冒頭主題はしばしば「引きずるように」奏されるが、ファイはインテンポで突進。しかし、ピアノが入ってくる直前のところでリタルダンドする(もちろん楽譜には書いてないが、K.467の第1楽章でも同じ)。両曲の中間楽章もさほど速くないし、K.467ではかの名旋律をノン・ヴィブラートながら、とても美しく歌う。もはや杓子定規に古楽スタイルに従うだけではない。K.466の激烈な終楽章では最後にニ長調に転じてからさらに加速するなど、昔ながらのアンファン・テリブルぶりも健在だ。 ハイオウ・チャンは粒立ちの良い美音が印象的なピアニスト。弾いているのはピリオド楽器ではない。欲を言えば、より明確な個性の発揮が望まれるが、カデンツァでのセンシティヴな演奏にはその個性の片鱗が見える。ちなみに、弾かれているカデンツァ自体はごくオーソドックスなもので、K.466はベートーヴェン、K.467はエドウィン・フィッシャー作。少なくともラン・ランとアーノンクールの共演よりはうまくいっていると思う。0 people agree with this review
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