Symphony No.9 : Chailly / Gewandhaus Orchestra
Customer Reviews
Showing 4 star reviews > Read all customer reviews
Showing 1 - 1 of 1 items
-




naoko | 鳥取県 | 不明 | 08/November/2014
私は、この演奏・録音に対して好印象を持った。確かに、RCOとの演奏とくらべてみても、一般的に見ても、テンポは速い。しかし、せかせかしているようには感じなかった。この演奏全般的に言えるのは、一つひとつの音が、深く、また力強く彫琢されていること。テンポ設定そのものにどれだけの根拠があるのかどうかはわからないが、マーラーの書いた音を一つひとつ再現しようと一刀一刀に力がこもっている。そのために音が途切れそうになるときもあるが、きちんと呼吸を絶やさずにいる。またテンポをいたずらに揺らしたり、感情に溺れたりしない。そういった意味では、ワルター/VPOよりもワルター/コロンビアSOの演奏、棟方志功の板画を想起させる。オケも素晴らしく、ソロのパートでも美しい。録音の方も、確かに、映像作品であるので、楽器の空間バランスはやや大げさにしているのかもしれないが、ステレオを選んでも、各楽器ははっきりと分離して聞こえるし、奥行きも感じられる(ロックなどスタジオで作り上げた音楽や、意図的に音響効果を狙った曲ならともかく、普通のクラシックの楽曲なら実はステレオの方がサラウンドよりも自然なのではないかと最近、私は思う)。シャイーという人は、いくつかの読み物で判断するかぎり、それほど、音楽に深い哲学・想念はないように思うのだが、音楽を聞くかぎり、音楽に忠実に仕えようとする、また、正しいか間違っているかは別として、自分の信じた音楽を再現しようと努める真摯な人なのではないかと思う。2 people agree with this review
Showing 1 - 1 of 1 items
