Thomas Enhco

CD Fireflies

Fireflies

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  14/April/2014

    クラシックの素養をしっかりと身に付けたThomas Enhcoが、様々なアイディアをその卓越したテクニックにより具体的な形(音)に仕上げた、素晴らしい作品。 Enhcoは、1988年パリの音楽一家に生まれ、3歳でヴァイオリンを、6歳からはピアノを弾き始め、なんと9歳で初舞台を踏んだという才気溢れるジャズピアニスト。 その華麗なテクニックと美貌ゆえに、わが国でも多くのファン(特に女性)を獲得し ているようで、2013年には伊藤八十八氏のレーベルから、Jack DeJohnett(drums)、John Patitucci(bass)という超豪華なメンバーとの共演作「Jack & John」をリリースしています。 さて、本作のタイトル「Fireflies」とは、ホタルのこと。ジャケットには、線香花火のようなパチパチとした光の群れを手に掴もうとするThomas Enhcoが(中ジャケットにはクッキリと美顔が)写っています。 2012年5月に録音された、Enhcoの通算4枚目のアルバムで、自らプロデュースにあたったという意欲作。リズムセクションは前作「The Window and the Rain」同様、Chris Jennings (bass)、Nicolas Charlier (drums)が務めています。 冒頭の「The Outlaw」は、クラシカルな雰囲気からスタートしますが、徐々に激しい曲調に転じ、ちょっとした暗さも味付けされています。「You’re Just a Ghost」は、一転してリリカルな曲調へ。ピアノの美しい高音部にハラハラさせられもします。「Traumerei」は、正にシューマンの「トロイメライ」で、名曲を心を込めて奏でます。「Train de Nuit」は、夜汽車のタイトル通り、スピーディで、かつクラシカルなピアノソロで、Enhcoのテクニックに圧倒されます。 ベースのボウイングがシュールな雰囲気を醸し出すイントロの「Awakening」。そこから間髪を入れず演奏される「Wadi Rum」は、多彩な表情を持つ曲で、Enhcoがハイテンションで弾きまくるかと思うと、スローダウンし、煌めくピアノとベースのボウイングが幻想の世界へと誘ってくれます。本作のベストトラックでしょう。 「Soulmate」は、綺麗なメロディを説得力あるテクニックで聴かせるピアノソ ロ。続く「Morning Blues」は40秒足らずのアップテンポの曲で、若さがほとばしります。 「La fenetre et la pluie」は、Enhcoの育ちの良さ?が表れた曲。ここでも卓越したテクニックが。「Ballade pour un Esprit Nocturne」は、ピアノとベースの対話に、ドラムスが少しだけアクセントを添え、最後まで穏やかに進んでいきます。変わったタイトルの「Boumboumboum」はイントロとあるように2分に満たない曲。抽象的ながら音の粒立ちがくっきりしています。切れ目なく演奏される「Open Your Door」は、印象的なテーマがリズミカルに奏でられ、アドリブにもEnhcoのひらめきが感じられる曲。 ラストは「Choral」。ショパンを思わせるような静かなピアノソロで、アルバムは 幕を閉じます。 今後、ますますファン層を拡大するであろうThomas Enhcoの優れた演奏力と構成力が存分に発揮された傑作です。

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