Don Quixote, Till Eulenspiegel, Macbeth : Francois-Xavier Roth / SWR Symphony Orchestra
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 12/September/2015
ロトのR.シュトラウスはどれも面白い。従来の演奏伝統を無視して、冒頭のティンパニ連打のくだりから快速テンポで突っ走る『ツァラトゥストラ』も痛快だが、曲との相性という点で言えば、やはりパロディ、アイロニーの気配が最も濃い『ドン・キホーテ』かな(最近では『英雄の生涯』も自己パロディだという声が高いけど)。さて、『ドン・キホーテ』の最終変奏、彼が友人カラスコとの決闘に負けた直後の部分ではティンパニの打ち続けるリズム、弦の主旋律の裏でトロンボーンが派手な下降グリッサンドを奏している。ドン・キホーテ(あるいはサンチョ・パンザ?)の嘆きの声といったところか。これまでの指揮者だって総譜にそう書かれていることは知っていたはずだが、ロトほどこの裏の旋律をはっきり聴かせようとはしなかった。これはいささかはしたない、どぎつすぎる、クラシック音楽の品位に関わるとでも思ったからではないか。これに対して、ロトの演奏姿勢はまことに単純明快であるように見える。そう書いてあるんなら、聴衆に聴かせなきゃ駄目でしょ。まして、この作曲者たるや、「品位」なんぞ蹴っ飛ばしてしまえと思っていた人なんだから。ロトのシュトラウスはまさにそういうスタンス、総譜に書いてあるものなら残らず引きずり出してしまえというスタンスの演奏だ。さらに『ドン・キホーテ』は決して協奏曲ではないにもかかわらず、いわば中途半端な曲だから、大物チェリストを招くと指揮者と独奏者が遠慮し合ってしまいがちだ。このディスクでのソリストは同じオケの首席奏者だから、その点でも遠慮なし。しかもドイツの放送オケは、今やどこも驚異的にうまい。3 people agree with this review
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