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Schubert (1797-1828)

CD "String Quintet, String Quartet No.14 : Pavel Haas Quartet, Danjulo Ishizaka(Vc)(2CD)"

"String Quintet, String Quartet No.14 : Pavel Haas Quartet, Danjulo Ishizaka(Vc)(2CD)"

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  08/July/2021

    パヴェル・ハース弦楽四重奏団は、私が現代最高と考える弦楽四重奏団の一つ。本アルバムは、彼らがはじめて録音したドイツ・オーストリア系の音楽である。弦楽五重奏曲では、ドイツ生まれの日系ドイツ人チェロ奏者、石坂団十郎(1979-)が加わる。なお、この録音に前もって、パヴェル・ハース弦楽四重奏団はメンバーの変更を行っており、第2ヴァイオリン奏者がエヴァ・カロヴァから、マレク・ツヴァイベルに交代している。とはいえ、パヴェル・ハースのスリリングで熱血的な味わいは維持されている。弦楽四重奏曲第14番は普通の落ち着いたテンポで開始されるが、この楽曲に込められた情緒的な箇所に差し掛かっても、彼らは情感のためテンポを安易に緩めることはなく、つねに高いテンションを維持し、拘束感のある引き締まった運動を行う。そのため、このロマン派の傑作といえる室内楽は、予期しないほどの古典的な端正さを保つ。しかし、その一方で、隙のないアンサンブルが、細やかなアクセントを見事なタイミングで繰り出すため、音楽を聴いているものは、グングンと音楽の内奥の世界に引き込まれていく。第2楽章の有名な変奏曲も、同様のスタイルで、常に客観的で鋭利な視点を保ちながら、的確にリズム感を高め、音楽の求心力を生み出していく。そのため、この楽章の後半は、突き詰めたような緊張感に満ち、特有の荘厳な気配を引き出している。スケルツォとフィナーレも「クールだけど熱い」彼らの音楽が全開し、清々しく情熱的だ。この通常ならば相反しかねない異なる要素を、同時に高い次元で表現できるところが、彼らの最大の特徴に思う。弦楽五重奏曲も素晴らしい。直截で、線的なソノリティを堪能させてくれる演奏だ。長大な第1楽章も、真摯に、かつ切り込みの深い音で、相剋を刻むように音楽を作り上げている。リアリスティックで、室内楽の緊密さを感じさせる仕上がり。とはいっても、流れる音楽は豊饒で、弦の鳴りの立派さ、音の大きさも申し分ない。第2ヴァイオリンとヴィオラによる内声の肉付けも十分な質感があり、シャープでありながら、この大曲を奏でるのに必要な音の重さも兼ね備えている。やはり、この楽団はタダモノではない。

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