Simon Boccanegra : Gallione, Callegari / Teatro Regio di Parma, Nucci, Scandiuzzi, Piazzola, Iveri, etc (2010 Stereo)
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グー | 兵庫県 | 不明 | 27/July/2021
歌手や演出に関しては、正にキングインターナショナルの説明にある通りで付け加える事は何もないので、作品について。最近ようやくこの作品こそヴェルディのベストという声も聞かれるようになってきたが、それでもまだまだその真価が正当に認知されているとは言い難い状況だと思う。ほとんどのオペラ作品には多かれ少なかれ、グランドオペラに顕著なように、娯楽作品としての聴衆へのサービス(意地悪く言えば受け狙いの)が含まれているものだ。ヴェルディ作品群の中の最高峰、仮面舞踏会や運命の力はもちろん、あのドン・カルロにすらそれを指摘する事ができる。しかし、シモンにはそれが一切ない。「この世の喜びの一切はまやかしにすぎない。人の心とは尽きることのない涙の泉である」という最終幕のフィエスコのセリフに収斂されるストーリーはどこまでも真情に溢れている。そしてそのドラマを完璧に支える音楽は「椿姫」のように覚えやすい単純なものではないから、聴くほどに新しい発見がある。ヌッチはその斬新さをベルクの音楽になぞらえているほどだ。私も、もしヴェルディがこれ一作しか書かなかったとしてもオペラ史に不朽の名を残していただろうと思う。最近もザルツブルクやチューリヒから新しいDVDがリリースされたようで、それによってこの作品の魅力がさらに世に広まるのは喜ばしい事だ。ただ、私はこのパルマのヌッチの盤に加えて、ドミンゴ、ミルンズの三人の千両役者の 映像でもう十二分に満足しているので、これ以上新しいものを見たいとは思わないのだが。0 people agree with this review
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