Complete String Quartets Vol.2 : Belcea Quartet (4CD)
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ココパナ | 北海道 | 不明 | 06/July/2021
強く、美しく、そして苛烈さも交えて描かれたベートーヴェン。彼らのスタイルの特徴が強く出た1曲が、第7番だと思う。特に中間2楽章が出色で、第2楽章は時に敢えて粗削りな音を演出しながら、激しく曲想の内奥に切れ込むような演出が激しい。またそれに続く第3楽章は痛切さと緊迫感があいまって、ベートーヴェンが書いた緩徐楽章の一つの究極とでも言える芸術的示唆が、深く描き出されている。4人の独奏者は、互いの主張を弱めることなく、しかし一つの表現形に基づいた意志を統一させ、緊密性の高い音楽をドラマティックに解き放っており、その熱量は圧巻。第10番では、タカーチ四重奏団の調和的な名演と比べると、はるかにエッジの利いた表現を多用し、聴き手によっては、必要以上に荒立っている感もあるかもしれないが、その力強さは音楽的に吟味されたもので、エネルギーに溢れている。第15番の緩徐楽章における祈りは感情的な膨らみをもって描かれ、第16番のスケルツォは、この楽章の新規性を強調した積極性に貫かれている。初期の曲にも中後期のような重厚感がもたらされているのもベルチャ四重奏団の演奏の特徴の一つ。第5番の第3楽章のスケールの大きな楽器間の交換の様は、その後のベートーヴェンの足跡を知る私たちには、とても説得力のある表現として感じられるだろう。初期、中期、後期、いずれの楽曲においても、ベートーヴェンの芸術にふさわしい恰幅と厳しさをもって奏でられる。0 people agree with this review
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