Eugene Onegin : Trelinski, Wellber / Valencia State Orchestra, Rucinski, Opolais, Belkina, etc (2011 Stereo)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 06/June/2017
なぜかまだレビューがないので、遅まきながら一筆。かつては選択肢が限られた『エフゲニ・オネーギン』の映像も今やボリショイからメトまで選び放題だが、これもまた忘れがたい舞台。魅力の焦点はオポライスのタチャーナ。このキャラクターは夢見がちな乙女とはいえ、決して普遍的な人物ではなく、相当にエキセントリックな、狂気を秘めたヒロインだと思うが、そういう人物を演じさせたら、彼女は無敵。モノガローワと双璧をなす名唱だと思う。この二人に比べたらフレミング、ストヤノヴァ、ネトレプコなどは遥かに「普通の人」に見える。対するルチンスキの題名役はニヒルなイケメンで見た目は文句なし。ただ、ややクールに演じすぎていて、声楽的に非力だとは思わぬものの、幕切れの絶望の表現なども「きれいごと」に終わった感は否めない。けれども、後述するような演出の仕様からして、これで良いということかもしれない。指揮は実にみずみずしく、切れ味鋭い。本当に素晴らしい指揮者という感想を新たにした。 演出はすべてを老オネーギンの回想という「枠」の中に入れていて、白塗りの老オネーギン(もちろん黙役)が狂言回し的に最初から最後まで登場している。熱いドラマが噛み合うというよりは確かに作曲者が名付けた副題通り、「抒情的場面」の並列である作品にふさわしい工夫だと思う。第3幕冒頭のポロネーズを「死の舞踏」に仕立てるのは、最近の流行だが(最も強烈だったのは、ペーター・コンヴィチュニー演出だが、映像作品としては見られない)、ジャケ写真上部およびHMVレビューの写真に見られるように、この振付もそうなっている。ヘアハイムやチェルニャコフほど斬新とは言えぬかもしれないが、オケピット手前の前舞台を活用したスタイリッシュで重層的な見せ方はなかなかの出来と見た。4 people agree with this review
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