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Beethoven (1770-1827)

CD Sym, 9, : Karajan / Bpo Perry Baltsa Cole Van Dam (1983)

Sym, 9, : Karajan / Bpo Perry Baltsa Cole Van Dam (1983)

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  • ★★★☆☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  02/December/2011

    演奏家が年齢を重ねると一つの曲に対してその演奏の変化が顕著な場合とそうでない場合があり、一方聴く側での加齢に伴う聴くアンテナというかセンス・・・所謂演奏への「好み」や曲そのものへの「好み」が変化する程度との多くの組み合わせが特にクラシックでは楽しみの一つ・・・そしてこうした中で自分自身を知る事にもなる様であります。私自身一つの曲への演奏好みはどちらかと言えば最初に聴いた演奏の印象を良い方に捉えて引き摺る方なのかもしれませんが・・・。カラヤンほどの指揮者になると一つの曲をビジネスライクに何回も録って都度加齢に伴うそれなりの評価を得て来たと申せましょう。例えば本盤を含むベートーヴェン交響曲全集だとセッションでは(A)1951〜1955年オーケストラPHO、(B)1961〜1962年BPO、(C)1975〜1977年BPO、(D)1982〜1984年BPOそしてライブで昨年話題になった日本での(E)1977年BPOがあり夫々その時代の演奏味わいがある様です。ただ私はブラインド・テストで聴くとその区別仕分けには自信が無いし昨今の技術ではカラヤン風演奏盤も制作が簡単でその辺りになりますと益々微妙な段階に入りつつあるのではないでしょうか。一般には既に東京の方のレビューにもあります様に1950年代分はPHOを振る才気溢れる若きカラヤンの颯爽さ(若いと言ってももう40代半ば)、1960年代のものはまだ前任フルトヴェングラー残滓の残るBPOとの模索闘争、1970年代分はBPOで君臨しカラヤンスタイルの確立、そして最後の1980年代分は晩年の人生諦観の反映・仕上げとなるのは理解出来る処ではあります。さて、これら各交響曲全集で代表選手として第9番「合唱」をサンプリングして見ましょう。ちょつと煩わしいですがタイムデータでは(A)1955年@15’08A10’09B16’06CD24’06、(B)1962年@15’27A10’58B16’25C23’57、(C)1976年@15’20A10’03B16’50C24’22、(D)1983年@15’34A10’26B15’24C24’20、(E)1977年@15’00A9’50B16’18CD25’02(拍手込み?)といった具合です。こうして比べますとカラヤンの演奏でのタイム上のブレは大変小さい様で基本的運びの変化は少ない方なのでしょう。本盤1983年録音盤(D)はとにかくカラヤン最後の全集からのもので各レビューで何かすごく晩年のイメージが植えつけられていますが客観的にはまだ75歳と長寿職業である?指揮者としてはまだ切羽詰った年齢ではありませんでした。ただ仕上がった本盤第九演奏はカラヤン自身の健康の事や本全集の録音が開始された1982年にはザビーネ・マイヤー事件の勃発の仕事への影響は大なり小なり有りはしたでしょう。結果的には彼のベートーヴェン解釈の総決算とか遺言とかになるのでしょうが全体あのかつてのカラヤン独特の精緻重流感溢れるBPOサウンドは良くややスリム化された演奏で展開されます。第1楽章から「アレッ」といつもの彼のペースから思わせる感触感で少しオーケストラに託すというか自然に流す雰囲気は実際にはあります。しかし力感のあるオーケストラ機能は管楽器の強奏などには相変わらずで後段の攻め・盛り上げはオーケストラ機能を最大に発揮させ「やっぱり」と思った次第。ティンパニー協奏曲と言われる第2楽章でのティンパニーの切れは素晴らしいです。第3楽章はカラヤンの晩年?境地が淡々さを伴いそのレガートを通して聴かれますが優美ながら「芯」が焦点ボケしてしまった印象が残りました。いよいよ最終楽章、出だしはマァマァ・・・六分余のオーケストラでの歓喜テーマは力む程度は薄まり私にはこの感じは好きです。そして声楽部に突入です。独唱陣はJ.ペリー(S,当時36歳)、A.バルツァ(MS,39歳)、V.コール(T,34歳)、J.V.ダム(B,43歳)といつもながら中々充実した陣揃い。合唱はカラヤンが多用しているウィーン楽友協会合唱団ですが声楽部分出だしバス語り直後の歌いだしでの不揃いさから何か調子が今一な感じがしました。そして以降の合唱もクリヤーな力強さが無く管弦楽と相俟ってどうも荒っぽく濁り勝ちな楽章に聴こえる時もありますが私にはそれほど気にはならずこれも許容範囲であります。それより印象に残ったのはTの若干明るめの声でした。なお、フィナーレはいつもながら精緻で力感の漲る壮大なスケールであります。何れにしてもカラヤン・ファンのみならず上記各演奏盤で聴き比べしてニュアンスの微妙さを味わうのもクラシック・ファンの楽しみですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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