Symphony No.2, Genoveva Overture : Klemperer / New Philharmonia (Hybrid)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 06/May/2012
本盤には、クレンペラーがニュー・フィルハーモニア管弦楽団(厳密に言うと、第4番はフィルハーモニア管弦楽団)とともにスタジオ録音したシューマンの交響曲全集のうち、第2番及び歌劇『ゲノヴェーヴァ』序曲がおさめられているが、いずれも素晴らしい名演と評価したい。クレンペラーの本演奏におけるアプローチは、悠揚迫らぬゆったりとしたテンポで曲想を重厚に描き出していくというものだ。ブラスセクションなども力奏させることによって、いささかも隙間風の吹かない剛毅にして壮麗な音楽が紡ぎだされており、全体の造型も極めて堅固であると言える。木管楽器などを比較的強く吹奏させて際立たせるのもクレンペラーならではであるが、全体に独特の格調の高さが支配しているのが素晴らしい。交響曲第2番の緩徐箇所(特に第3楽章)等における情感の豊かさにもいささかも不足もなく、いい意味での剛柔バランスのとれた演奏に仕上がっているのがクレンペラーのシューマンの特徴と言えるだろう。交響曲第2番は、シューマンの精神的な疾患の影響が反映された楽曲であり、細部に至るまで彫琢の限りを尽くしたシノーポリ&ウィーン・フィルによる演奏(1983年)や、より激情的でドラマティックなバーンスタイン&ウィーン・フィルによる演奏(1985年)の方がより同曲に相応しい名演のように思えなくもないところだ。しかしながら、前述のような剛柔バランスのとれたアプローチによって、本演奏はシューマンが同曲に込めた絶望感を鋭く抉り出していくような奥行きのある演奏に仕上がっていると言えるところであり、その演奏の彫の深さと言った点においては、前述のシノーポリやバーンスタインによる名演にも肉薄する名演と高く評価したいと考える。一方、歌劇『ゲノヴェーヴァ』序曲も極めて優れた名演だ。同曲にはライバルともなり得る名演が存在していないことから、正にクレンペラーの独壇場と言っても過言ではあるまい。クレンペラーは微動だにしないインテンポで曲想を描き出して行くが、その威容は余人を寄せ付けないような風格を兼ね備えていると言えるところであり、格調の高さという意味においては、他の演奏をいささかも寄せ付けない至高の超名演と高く評価したいと考える。音質は、従来CD盤でも比較的満足できる音質であったと言える。数年前にARTによるリマスタリングも施されたことによって、音質は更に鮮明になるとともに音場が幅広くなったように感じられるところであり、私も当該リマスタリングCD盤を愛聴してきたところだ。しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって大変驚いた。リマスタリングCD盤とは次元が異なる見違えるような、1968年のスタジオ録音とは信じられないような鮮明な音質に生まれ変わった言える。いずれにしても、クレンペラー、そしてニュー・フィルハーモニア管弦楽団による素晴らしい名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。2 people agree with this review
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