Symphonies Nos, 35, 36, etc : Klemperer / Philharmonia (Hybrid)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 18/December/2011
モーツァルトの交響曲第35番&第36番の名演としては、ワルター&コロンビア交響楽団(1960年)、ベーム&ベルリン・フィル(1959年、1966年)、クーベリック&バイエルン放送響(1980年)などによる名演がいの一番に思い浮かぶ。これらの名演と比較すると、本盤におさめられたクレンペラーによる演奏は、一部の熱心なファンを除き、必ずしもこれら両曲のベストの名演との評価がなされてきたとは言い難いと言っても過言ではあるまい。確かに本演奏は、前述の名演が基調としていた流麗な優美さなどは薬にしたくもないと言える。むしろ、武骨なまでに剛直とさえ言えるところだ。クレンペラーは悠揚迫らぬインテンポで、一音一音を蔑ろにせず、各楽器を分厚く鳴らして、いささかも隙間風の吹かない重厚な演奏を展開している。正にクレンペラーは、ベートーヴェンの交響曲を指揮する時と同様のアプローチで、モーツァルトの交響曲にも接していると言えるだろう。しかしながら、一聴すると武骨ささえ感じさせる様々なフレーズの端々から漂ってくる深沈たる情感の豊かさには抗し難い魅力があると言えるところであり、このような演奏の彫の深さと言った面においては、前述の名演をも凌駕しているとさえ思われるところである。巧言令色とは程遠い本演奏の特徴を一言で言えば、噛めば噛むほど味が出てくる味わい深い演奏ということになる。いずれにしても本演奏は、巨匠クレンペラーだけに可能な質実剛健を絵に描いたような剛毅な名演と高く評価したい。近年では、モーツァルトの交響曲の演奏は、古楽器奏法やピリオド楽器を使用した演奏が主流となりつつあるが、そのような軽妙な演奏に慣れた耳からすると、クレンペラーによる重厚にしてシンフォニックな本演奏は実に芸術的かつ立派に聴こえるところであり、あたかも故郷に帰省した時のように安定した気持ちになる聴き手は私だけではあるまい。なお、おさめられた交響曲のうち、第36番については、演奏年代が古い分だけ、クレンペラーとしてはいささか早めのテンポで、第35番と比較するといささか彫の深さに不足しているきらいもないわけではないが、それは高い次元での比較の問題であり、名演との評価にいささかも揺らぎがあるものではない。併録の歌劇「後宮からの誘拐」序曲は、クレンペラーだけに可能な壮大なスケールによる巨大な音楽であり、その威容には居住まいを正さずにはいられないほどの凄みを感じさせる超名演と高く評価したい。音質は今から50年ほど前の録音であるが、従来CD盤でも比較的満足できる音質であったと言える。このような中で、数年前にHQCD化されたことにより、音質は更に鮮明になるとともに音場が幅広くなったように感じられるところであり、私も当該HQCD盤を愛聴してきたところだ。しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって大変驚いた。従来CD盤やHQCD盤とは次元が異なる見違えるような、そして1950年代後半から60年代前半にかけてのスタジオ録音とは到底信じられないような鮮明な音質に生まれ変わった言える。録音年代の古い第36番については、今一歩の鮮明さが欲しいと思うが、それでもこれだけ堪能させてくれれば文句は言えまい。いずれにしても、クレンペラーによる至高の名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。4 people agree with this review
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