Die Liebe der Danae : Harms, Litton / Berlin Deutschen Oper, M.Uhl, Delavan, Klink, etc (2011 Stereo)(2DVD)
Showing 1 - 2 of 2 items
-




oni-bikkuri-syakkuri | 山梨県 | 不明 | 14/November/2015
肝心のDOBの演奏は、このオケにしては珍しく雑で粗っぽく情感のかけらもない。不慣れな難曲のためか必死さのみが伝わってくるようで、少々残念。どういう訳か、「ダナエの愛」は映像・音声ともに市販のソフトが極めて少ない。この映像で助かったのは日本語字幕があったことで、はじめて見るこの興味深いオペラを理解するうえで大いに参考にはなった。ブルーレイのほうは、日本語字幕の説明が明記されていないのだ。また、キルステン・ハームズという女性による演出は、わかりやすく共感を持てるものだった。ユピテルが金の雨に姿を変えてダナエを抱くという幻想的な話しは具体化・映像化しにくいものだと思うが、ここでは天上からパラパラとこの美しい曲の楽譜が舞い降りてくるというアイデアで、うまく演出している(R・シュトラウスの楽譜=金(cash)の雨ということだと思う)。本来ならここの演奏もさぞ美しいのだろうが、DOBの演奏は上記のように雑で粗っぽさが目立ち、残念な印象だ。二幕では、ユピテルの悪だくみでミダスがダナエに接吻をすると、ダナエは金に変わって死んでしまう。ユピテルがダナエを蘇生させ、ユピテルと一緒になって神として豪華な暮らしをとるか、魔力を解いて貧しいロバひきに戻った人間のミダスとの暮らしを選ぶかとダナエに迫る。二幕の最後に金よりもミダスとの愛を選んだ二人は、三幕が開くとユピテルとの夢から覚め、破産して崩れ落ちた邸宅の廃墟で貧しい現実に引き戻される。この演奏で唯一音楽と演出がしっとりとマッチしていて感動に至ったのは、この廃墟のなかで、一幕冒頭でまだユピテルから授かった魔力で触れたものすべてを金に変えていた時にミダスが触れたために金一色となっていた大きな額入りの絵画をダナエがそっと瓦礫の中から引き出すと、それがもとの(クリムトの)ダナエの絵に戻っているという場面で、ここは演奏もなんとか美しく、ほとんど唯一感動できる場面だった。そして最後に一幕で天上から舞い降りて来た楽譜を(「金の櫛」の変わりに)ダナエがユピテルに手渡すと、ユピテルは男版の元帥夫人よろしく身を引いて幕となる。「Joyful Mythology in three acts op.83」とあるように、ギリシャ神話のパロディとして作曲した作品のようではあるが、こうして観てみると本格的で(本来の演奏が良ければ)美しい音楽のオペラであるということがよくわかった。1 people agree with this review
-




村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 24/November/2011
幾つかのシュトラウス伝では、『ダフネ』や『カプリッチョ』以上に高く評価されているオペラだが、それを実感させるようなCDがまだなかった。しかし、この映像を見て私も納得。オペレッタ的(『美しきエレーヌ』風)な喜劇的シーンとシリアスな場面との配合も良く、音楽もまだ「だしがら」ではない。ハームズの演出が大変すばらしい。ダナエが金色の雨の夢を語るところでは、逆さ吊りにされたピアノ(ジャケ写真にも見える)からこのオペラの楽譜が降ってくるが、最後にダナエはこの楽譜(つまり霊感)をユピテルに返してしまう。作曲者がこの曲を最後の自作にしようとしていたことを踏まえた演出だ。ウールは声に関してはやや非力に感じるが、クリムト作の『ダナエ』(これもジャケ写真で上の端の方が見える)に似ているのは偶然としても、この役には合っている。クリンクもやや軽めのテノールだが、彼女の相手役としては悪くない。『影のない女』のカイコバートが最後まで舞台に出てこないのに対し、このオペラではもはや人間界に干渉できないことを悟った神ユピテル(=老シュトラウス)の諦念が色濃く描かれていて味わい深いが、デラヴァンのユピテルも好演。4 people agree with this review
Showing 1 - 2 of 2 items
